マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

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 本当に何度目かわかりませんが、また合間合間の休憩を利用して執筆・投稿をしてしまいました。大変申し訳ありません。


 現在、作者「小実」のページの活動報告にて行っているアンケートですが、次回の更新がされた時点で締切とさせていただきます。
 「まだアンケートに答えていなかった!?」という人は是非よろしければこの最後の機会に参加してみてください!


5年目:マイス「懐かしい風景……?」

 ミミちゃんが僕の家で『調合』をし、そこにトトリちゃんたちが来て、なんやかんやあって『青の農村』観光になったあの後。

 

 『青の農村(うち)』のモンスターたちとみんなが遊んでる中、僕は途中にトトリちゃんに一言(ひとこと)「それじゃあ、お昼頃になったらウチに戻って来てね」と言ってから家に帰って昼ゴハンを作り、戻ってきたトトリちゃんたちにふるまった。

 一口目で「おいしー!」とはしゃぎ、それからは口元を汚しつつも美味しそうに食べてくれたピアニャちゃんをはじめ、みんな喜んでくれたみたいでなによりだった。

 ……ただ、ツェツィさんだけ何度か難しい顔をしていたのが気になったんだけど……あとでメルヴィアが教えてくれたんだけど、前からトトリちゃんが「マイスさんが作ってくれた料理がおいしかった」とか言ってて、ツェツィさんはそのことで対抗意識を持ってて素直に「おいしい」という感想だけを出せなかったんじゃないか……という事らしい。

 

 その後は、予定通りに午後に『青の農村』に来たリオネラさんの人形劇を皆で観に行った。ピアニャちゃんはもちろん大興奮。他のみんなもリオネラさんの人形劇を楽しんでいた。

 人形劇が終わってからは、リオネラさんたちが()()()()()()()僕の家に来て、そこでいまだに興奮気味だったピアニャちゃんに捕まり……主にホロホロとアラーニャがもみくちゃにされながらも、リオネラさんはトトリちゃんたちともお話をした。

 

 そんなこんなしていたら、あっという間に日が暮れ出し、「もう、夜ゴハンも食べていく?」ということで、僕は夜ゴハンの準備に取り掛かった。この時はツェツィさんが「私も手伝います」と手を貸してくれた。

 ……で、ツェツィさんと二人で腕によりをかけて作った夜ゴハンだったんだけど、食べている途中にピアニャちゃんが船を漕ぎ始めた。一日中はしゃぎっぱなしだったから、本人も自覚しないうちに限界まで行ってしまっていたんだろう。

 

 

 そして、寝てしまったピアニャちゃんをどうしようかという話になったところで、僕は初めてあることを知った。

 なんと、トトリちゃんたちは最初から僕の家(うち)に泊まる気だったらしい。

 まあ、考えてみれば、うちで夜ゴハンを食べる時点で事前に決めておいてなんとかしておかないと『アランヤ村』にいるグイードさんが困ってしまうのだから、最初から決めていたんだろう。……聞いてみれば、グイードさんには『バー・ゲラルド』で適当に食べてもらうことにしていたそうだ。

 

 リオネラさんをはじめ、トトリちゃんも過去に泊まったこともあるように、僕としては誰かが泊まっていくのは別段問題は無かった。だから、承諾したんだけど……ある問題があった。

 寝る場所だ。ベッドは家の二階に一つ、『離れ』に一つで、あとはソファーには寝れそうだけど……どう考えても少なかった。……が、そこにパメラさんがある提案をする。

 

「なら、『離れ』の床を片付けて、そこでみんな一緒に寝っ転がらな~い? そのほうがお泊まり会って感じがしていいって思わない?」

 

 ……というわけで、予備の布団・毛布を取り出して『離れ』に敷き詰め、そこで寝てもらうことになった。

 そのメンバーは、すでに寝てしまっているピアニャちゃん。そしてトトリちゃん、ツェツィさん、メルヴィア、パメラさん。あと、『青の農村』で人形劇をした日には決まって泊まっていくリオネラさん。最後に、最後の最後まで街に帰るかどうするか踏ん切りがつかずにいたミミちゃんが、トトリちゃんに「ミミちゃんも一緒に寝てお話しよう!」と言われたのが決め手になって泊まっていった。

 

 

 

 賑やかな『離れ』を見つつ、さすがにあの輪の中には入れない僕は、普段通りに家の二階のベッドルームで寝た。

 

 ……女の子のお泊まり会かぁ。楽しそうだなぁ。

 今度試しに、知り合いの男の人を集めてお泊まり会を……と思ったけど、結局、お酒が入って酔払って酔いつぶれて……ってなるだけだと気付き、諦めることにして目をつむったのだった……。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 そんなことがあったのが昨日の事だ。

 今日は、朝ゴハンを食べ終えてからみんな揃って『アーランドの街』へと向かった。トトリちゃんたちは、最初から「二日目は街」と決めていたそうだ。

 僕も、特に予定が無かったから一緒に行くことにした……というより、ピアニャちゃんに「マイスも行こっ!」と手を引かれたからっていうのが一番の理由だったりする。

 

 

 街についてすぐ、リオネラさんとホロホロ、アラーニャと僕らは別れた。というのも、今日は街で人形劇をするからその予行練習や準備が必要だったらしく、残念だけど時間の問題で街の観光には付き合えない、とのことだった。

 

 『職人通り』に差し掛かったところで、今度はトトリちゃんと別れることに。それは、アトリエにいるロロナにこの前の冒険の事を報告しておきたかったからだそうだ。全員で行くこともできなくはないけど、内容が内容だけに……それに、今後の自分の活動のことも相談してみたいからとのことで、「ロロナ(先生)と二人でお話をしてみたい」とトトリちゃんが言ったのだ。

 そう言われてしまえば、僕らはもちろん、ツェツィさんもトトリちゃんの意思を尊重するほかなかった。

 

 

 ということで、僕と、ピアニャちゃん、ツェツィさん、メルヴィア、パメラさん、ミミちゃんで観光をすることになった。

 とはいっても、トトリちゃんがロロナとのお話を終えるまでは、移動範囲は『職人通り』だけなんだけどね。

 

 

――――――――――――

 

***ロウとティファの雑貨店***

 

 

 『アーランドの街』の観光といえば、街ならではの大きな建物たちや、街の産業を担う工場施設、広場に置かれている機械を見たりすること挙げることが出来ると思う。

 でも、それが楽しいかというのは個人の差もあるだろうけど、微妙なところじゃないかな?

 

 じゃあ何がいいか……無難なところでお買い物(ショッピング)だと思う。

 

 

 というわけで来たのは、『ロロナのアトリエ』のすぐ隣……ティファナさんがやっている雑貨屋さん。ここは僕が昔からお世話になっているお店だ。

 

「ティファナちゃんは今日も美しい……!」

「ああ、見ているだけで素晴らしい気持ちになれる」

「さ、さて。今日は声をかけるために何を飼おうかな……」

 

 ……そして、この人たちも昔から知っている三人組のおじさんたちだ。他にもティファナさんのお店の常連さんはいるけど、毎日のように来ているのはこの人たちだけだと思う。

 他の常連さんといえば……

 

「いやぁ、今日のティファナさんは輝いて見えるよ」

 

 今日はロロナのお父さんのライアンさんまでいる……大丈夫なのかな? こう言う時はいつも奥さんのロウラさんに叱られるイメージがあるんだけど……

 でも、『青の農村(うち)』のお祭りに夫婦そろって来てくれたりもしてるし、夫婦仲はいい……のかな?

 

 

 

 それで、そのティファナさんはといえば……

 

「あっ! コレ、マイスの家にもあったお薬!」

 

「そうよー。マイスくんがウチに卸してくれてるものなの」

 

「へぇー……あれ? コッチのヤツはなあに?」

 

「それはねぇ……」

 

 『最果ての村(あちら)』では見かけない商品を、キラキラと目を輝かせて見てまわるピアニャちゃんに、ついていき教えたりしているティファナさん。

 

 

「……女神か」

「小さな子供のお世話をするティファナちゃん……イイ」

「この風景を切り取って絵画にしたい」

 

「そんな絵画があれば数十万……いや、お金で価値を付けるのは無粋だな」

 

 常連さんに続いてライアンさんが無駄にイイ笑顔で頷いている。

 

 

 

「ここは昔からいつも人気よねぇ~」

 

「私は冒険者になってからしか来たこと無いけど……そうなの?」

 

「そうよ~。あたしが隣でお店をしてたころから大人気のだったの~!」

 

「隣って、ライバル店だったってことじゃない」

 

 昔を懐かしむようにしながら店内を見ているパメラさんに、たまたま近くにいたミミちゃんが何気なしに問いかけたりして話している。

 

 

「今日は何て素晴らしい日だ……!」

「パメラちゃんのお店にも(かよ)って財布がすぐに空っぽになった日々を思い出すよ」

「隣の少女も、近い将来とんでもない美人さんになる予感がビンビンするよ」

 

「うんうん、美しいのはそれだけで素晴らしいことだ」

 

 常連さんたちがティファナさん一筋っていうわけでもなかったという事に、少し驚いた……けど、頷いているライアンさんを見て「奥さんがいても来てる人もいるし、そういうものなのかな?」と変に納得してしまった。

 

 

 

「雑貨店って言うだけあって、ホント品揃えが豊富ねー……んんっ? このブレスレットなんていいんじゃない?」

 

「うーん……でも、トトリちゃんにあげるには少し大人っぽくないかしら? それなら、こっちの髪飾りのほうが……」

 

「自分用って考えはないのね……まぁ、ツェツィらしいっちゃらしいけど。じゃあ、ツェツィの分はあたしが見繕ってあげましょうかねっと!」

 

「あっ! コレがいいかも! それで、ピアニャちゃんにはこのリボンを……」

 

 商品を見てキャアキャア言いながら買い物をしているメルヴィアとツェツィさん。楽しんでいるようで何よりだ。

 

 

「なんとけしからん服装を……だが、屈さんぞぉ!」

「う、美しい……女神が一人、二人、三人……」

「もう、ここが天国なんじゃないかな?」

 

「こんなに美しい女性たちに囲まれているのであれば……死んで本望だと思う」

 

「「「全く持って、その通りだ」」」

 

 ライアンさんの一言に揃って頷く常連さんたち。

 

 ……あっ、ジロジロ見てたのをメルヴィアに気付かれて、常連さんたちが思いっきり睨まれた。短い悲鳴をあげたり、バツが悪そうに一つ咳払いをしながら常連さんとライアンさんが手近にある商品棚に目を落した。

 「ありがとうございますっ!」とかいう小さな声が聞こえた気がしたけど……気のせいだよね? 誰かはわからないけど、お礼を言う理由なんて無いわけだし……聞き間違いだと思う。

 

 

 

 

 ……で、商品棚を見ながらも、コソコソと集まって小声で話しだす常連さんたち。

 その声が、ほんのわずかにだけど僕の耳にも入ってきた。

 

「いやぁ、今日はなんて素晴らしい日なんだろうねぇ……」

 

「ライアンさんの言う通りだ。今日は過去最高の日かもしれん」

「ボケても今日の事だけは忘れないと思う」

「記念日にするべきだろう。何の日と言うべきか……」

 

 見えるのは背中だけだけど、四人とも未だに無駄にイイ笑顔のままなんだろうということが安易に想像できた。

 

「だが、問題は()だ」

「ああ、その通りだ」

「これは……まぎれも無い罪じゃないだろうか?」

 

 ……ん? 常連さんたちは一体何の話を……

 

「今いる女性客全員を連れてきたのは()だった」

「囲まれていたな。そして、あの緑髪の小さな子と手を繋いで……」

「しかも、その子の反対の手はあの清楚な長髪の美女が握っていて……疑似家族か!? それとも本物の家族なのか!?」

 

 えっと、緑髪っていうとピアニャちゃんで……ピアニャちゃんの手を握ってたのはツェツィさんだったよね? そして、あともう一つのピアニャちゃんの手を握っていた人っていったら、もしかしなくても……

 

 僕がその考えに至ったのとほぼ同時に、常連さん三人の顔がグルンと振り向き、鋭い視線が()を射抜いた。

 

 

「「「有罪、もはや弁解の余地も無い」」」

 

 

 ひぃ!?

 常連さんの目つきが怖い! ステルクさんが「怖い」とか言われてるけど、それとは比べ物にならないくらい怖いよ!?

 

 睨まれた瞬間、とっさに顔をそらしたけど……でも、未だに痛いほど視線を感じる。

 

 

 ……と、そんな僕に救いの手が差し伸べられた。

 

「こらこら、同士諸君。そんなに殺気立ってはいけないよ」

 

 そう、それはライアンさんの声。

 

「彼は『青の農村』の村長で内にも外にも顔が広い。女性も男性も知り合いが多く、その人たちに村や街を案内することも多々ある。……今日はたまたま女性ばかりだったというだけだ、そこに我々が口出しをしていいものじゃない」

 

「ライアンさん、あんたって人は……」

「「人が出来ている」ていうのは、あんたみたいな人の事を言うんだろうな」

「あんたは紳士の(かがみ)だよ」

 

 ……なんだかよくわからないけど、いい話になったみたい。

 でも……まあ、今日はライアンさんがティファナさんのお店に来てたことをロウラさんに報告するのはやめておこうかな?

 

 

 

「ピアニャちゃん、ちょっといいかしら?」

 

「んー? なあに、ちぇちー?」

 

「ピアニャちゃんにコレが似合うんじゃないかなーって思って。一回着けてみない?」

 

 ツェツィさんに呼ばれてトテトテと走り寄っていくピアニャちゃん。

 

 ……と、さっきまでピアニャちゃんのそばをついてまわってくれていたティファナさんが、僕のほうを向いて手で「おいで、おいで」としてきている事に気がついた。

 「どうしたんだろう?」と思いつつ、僕はティファナさんのほうへと歩み寄っていく。

 

 

「すみません、ピアニャちゃんの相手をしてもらっちゃって……」

 

「あらあら、別にいいのよ。むしろ楽しかったから。かわいくて、とても素直で良い子だったわ」

 

 僕の謝罪にニッコリと微笑んでこえるティファナさん。

 ただ、その顔に少しだけ影がかかり、寂しそうな表情に変わった。

 

「……でも、ちょっと感傷的になっちゃった。私()()にもこんな子がいたら……って」

 

「ティファナさん……」

 

「私はあの人一筋だから、とうの昔に諦めた話なんだけどね」

 

 そう言うと、またいつもの微笑みを浮かべたティファナさん。

 

「もしよかったら、またピアニャちゃんを連れて遊びに来てちょうだい? 歓迎するわ」

 

「……はい!」

 

 「ありがとう」と呟いてニッコリと笑うティファナさん。それはいいんだけど……

 

「あのー……この歳になって頭を撫でられるのは、さすがにちょっと恥ずかしいんですけどー?」

 

「ふふっ、あとちょっとだけ……ね?」

 

 そんなふうに微笑みながら言われると断れないというか……

 でも、金モコ状態で撫でられるのは慣れてるんだけど、人の姿で撫でられるのは、やっぱりちょっと……

 

 

「ギルティ……」

 

「ライアンさん、さっきと言ってることが……」

「いやぁ、気持ちは痛いほどわかるけどねぇ」

「うんうん、そうなって当然でしょう」

 

 ……後ろの方で何か聞こえるのは、気にしないことにしとこう……うん、そうしよう。

 

 

 

 

 

 ……と、そんな時。お店の扉がバァンと勢い良く開かれた。

 その音にみんなの視線が集まったんだけど、そこにいたのは……

 

「ろ、ロロナ?」

 

 どうしたんだろう? 隣のアトリエから走ってきたのか肩で息をしてるし……なんでかは知らないけど、顔もなんだかいつものホワンとした感じじゃない……

 

「マイス君!!」

 

「えっ、僕!?」

 

 ロロナは僕の事を呼んだかと思うと、勢い良く掴みかかってきて……!?

 

 

 

 

 

「ずるい!!」

 

 

 

「……へっ?」

 

「昨日、わたしが「トトリちゃん元気にしてるかな……」って心配してる時に、トトリちゃんたちと遊んでたんでしょ!? しかも、一緒にゴハン食べたり、りおちゃんの人形劇観たり……!」

 

 ちょっと涙目になっているロロナが、僕の肩を掴んでガックンガックンと揺さぶってきた。

 そんな視界が揺れている中、ロロナの肩越しに、ロロナを追いかけてお店に入ってきたのだろうトトリちゃんが見えた。……その顔は「ああ……こうなっちゃたかぁ」となんだかもう諦めてる感じで……。

 

「それに! 夜はみんなでお泊まり会してたんでしょ!? ずるい! 誘ってくれないなんてヒドイよ、マイス君!!」

 

「みんなでお泊まり会って、僕は別に参加してな……ぐえっ!?」

 

 より一層揺さぶりが強くなっていき、時折首がギュってなってしまうこともあり、かなりキツイ……というか、そろそろオエッってなりそう……。

 

 

「ううーっ……! もう、こうなったら今日はわたしも参加するから!」

 

「えっ? 先生、わたしたち今日のうちに『アランヤ村』に帰る予定なんですけど……」

 

「 絶対、ぜぇーったいだからね! わかった!? 絶対、マイス君のお家にお泊まりするもん!!」

 

 ロロナ……揺さぶるの止めて……。

 それに、トトリちゃんの話、ちゃんと聞いてあげて……

 

 

 

 

 

 

「ろ、ロロナぁ! コイツの家にお泊まりだなんて、お父さんは認めないぞ!?」

 

「お父さんは黙ってて! わたしだってもう子供じゃないんだから、友達のお家にお泊まりするのに外泊許可なんてお父さんに貰わなくても……お父さん?」

 

「……あっ、しまった!?」

 

 

 や、やっとロロナが揺さぶるのを止めてくれた……。オエッってなる前でギリギリな感じだけど、ひとまず助かった。

 

 ……けど、目の前の状況はなんとも不思議な感じだなぁ。

 ピアニャちゃんはわけがわからない様子だけど、トトリちゃんやツェツィさん、ミミちゃんは「この人がロロナさん(先生)のお父さん!?」と驚いていて、さっき睨みつけて退散させたメルヴィアなんかは驚きを通り越して引いていた。

 相変わらずいつも通りなのは、慣れた様子で優しい目で「あらあら」様子を見てるティファナさんとパメラさんくらいだろう。

 

 ……で、ロロナはといえば、さっきまでの慌てっぷりや涙目は何処へ行ってしまったのか、まさに「怒ってます」といった顔をしていた。

 ……まあ、そうは言ってもロロナの顔なんだからそんなには怖くは無いんだけど……それを向けられているライアンさんは顔を青くしている。もしかしたら、ロロナの怒り顔の後ろにロウラさんの怒り顔を幻視しているのかもしれない。……助けを求めようとしていたけど、常連さんは「我関せず」と商品棚に目を落していた。

 

 

「お・と・う・さ・ん?」

 

「い、いやぁ、ロロナ。これには深いわけがだなぁ……あは、あははははっ…………」

 

 ……今日のフリクセル家は騒がしくなりそうだなぁ……。

 




 マイス君に迫る危機→常連のおじさまたちからの軽い殺意。
 ……うん、感想であったような修羅場よりも危なくない気がしますね。むしろ、この話で危機が迫っているのはライアンさんです。

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