マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

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 諸事情により、更新がズレてしまい大変申し訳ありませんでした。

 あなたはリディー派? スール派? 作者は服だけ入れ替えてみて欲しい派です! ……何言ってるんでしょうね?
 でも、発売までに「このキャラが好きそう」とか考えておいて、実際にプレイした際にその通りだったり、「意外とこっちのキャラのほうが……」などと変わったりするのも楽しみのひとつだと思います。あえて前情報無しっていうのも面白いです。


 それはさておき……あらすじでの告知だけで未だに気付かれていない方もいらっしゃるかと思いますが、先日から『マイスのファーム IF』という作品を投稿開始させていただきました!
 その名の通り、この作品のIF(イフ)……もしもを書いた作品で、前々回のお話のサブタイトルについていた【*1*】という表現がされている部分が、もしも『ロロナルート』ではなく別の誰かだったら……といった感じの今作の番外編といったものになっています……なる予定です!

 なぜ別作品として登校したのかというと、『ロロナのアトリエ・番外編』とは違い重複しない・してはいけないからで、結婚やその先の事を考えるとさすがに本編と同じ場所に置いてしまってはいけない気がしたからです。
 『RF』シリーズでは重婚こそ無いものの何股とかは普通にありますが、それをやっちゃうのはさすがに……ということで、別作品として、各ルートを章で分けて投稿することにしました。

 本編と同時進行で書いているため……また、話の長さによって更新速度も当然ながら変わってきます。よって不定期での更新となります。
 基本本編の更新優先でやりますので、そのうち遅れが出てきてしまうと思いますが、「あのキャラとマイスだったらどうなるんだろう?」と気になった方に読んでいただければ幸いです。

 作者の「小実」をクリックして行ける「小実のマイページ」の「投稿作品一覧」か、もしくは小説検索で「アトリエシリーズ」等のキーワード検索で『マイスのファーム IF』という作品が出てきますので、そこからどうぞ!

 以上、お知らせでした。
 



5年目:トトリ「予想外の……!?」

 

***青の農村・マイスの家前***

 

 

 

「こんにちはー!」

 

 ノックをして、マイスさんの家の玄関の前でそう元気に呼びかける……けど、家の中からの反応は全然無くてい。

 でも、そのくらいのことは慣れている。わたしにも覚えがあるけど、調合とかに集中してると他のことには全然気づかなくなる、なんてことはよくあることだもん。……ホントかウソか、メルおねえちゃんはその(スキ)にわたしの……ううっ、アレ本当だったのかな?

 

 ……と、とにかく! こういう時は一回マイスさんの家の中でも『作業場』って呼ばれる『錬金釜』や『()』とか作業のための設備と、それらで作った物が保管されている場所に行ってみるのが一番だ。

 

 わたしは玄関の扉の取っ手に手をかける。ちょっと力をかければ、いつものように普通に扉を開くことができた。

 

「おじゃましまーす」

 

 返事は無いだろうと思っていながらも、いちおうそう言いながら家に入る。そして、入ってすぐのソファーやイス、テーブルが置かれている広い室内を見渡し……誰もいないことを確認してから、入って左手のキッチン……ではなく、反対の右手の方向にある扉、『作業場』に続く扉のほうへと歩いてく。

 

「マイスさーん? いませんかー?」

 

 扉を開け、顔をひょっこり覗かせて『作業場』の中を見てみる……けど、そこに今日はマイスさんはいないみたいでだった。

 

 

 

 ……その後、二階の寝室や家の裏手にある『離れ』や『モンスター小屋』も覗いてみだけど、マイスさんの姿は何処にもなかった。

 

 これは完全に留守……なんだろうけど、いくらなんでも不用心じゃないかな?

 そう思ったけど、よくよく考えてみればマイスさんが不用心なのは前からでいつものこと。逆に、用心している姿なんて想像できない。イメージなんて「やばっ! 家の鍵閉め忘れた!?」とかなるんじゃなくて「家の鍵? 大丈夫大丈夫、みんないい人たちばかりだから誰も盗っていったりなんてしないって」くらいの反応しかしそうにない気がする。

 

 

「……で、わたしはどうしたらいいのかな?」

 

 戻ってきた玄関先でわたしは空を見上げた

 

 そう。今の一番の問題はそこなんだよなぁ……。

 そもそも、わたしもなんとなく遊びに来たわけじゃなくて、理由はちゃんとある。予想外の出来事もあったけどなんとか終わった『豊漁祭』。余韻も引いて落ち着いてきたから前から、計画していた予定を実行することを伝えに来たんだけど……。

 

 『塔の悪魔』の討伐。

 

 このことについては、マイスさんにも前もって話してる。一緒に行くよって乗り気だったし、きっと準備なんかもしてくれているんじゃないかなとは思ってるんだけど……。

 

「あの時、ちゃんと『豊漁祭』が終わった後って言ったから、大丈夫だと思うけど……でも、今いないんじゃあどうしようもないっていうか……」

 

 ついつい「はぁ……」とため息が漏れてしまう。マイスさんっていちおう『青の農村(この村)』の村長さんだし、村の運営とかイベントとか、その辺りの仕事も色々あるんだと思う。

 前にそのことを心配した時には、そのことを聞いてくれたステルクさんに「心配しなくていい」とか言われたし、当のマイスさんも「気にしないで!」って言ってくれたけど…………前にコオルさんがしてくれた()()()が本当だとすると、一日連れ出すだけでマイスさんには約五万コールの損失が出るわけで……そう考えると、どうしても遠慮してしまいがちになっちゃう。

 いや、まぁお母さんがマイスさんに立て替えてもらっていた(払わせた)金額に比べれば(たい)したこと無い金額なのはわかってるけど……比べる相手が間違ってる気もするけど。

 

 ええっと……話はちょっとズレちゃったけど、つまり…………用件を伝えるにはマイスさんがいないといけなくて、いないとなると困るけど「忙しいのかも」って遠慮するべきか迷って、ならそもそも誘うこと自体色々迷惑をかけちゃうから遠慮しないといけない気がしてきて……

 

「マイスさんに一言バシッと言ってもらえるだけであんまり悩まなくてよくなるんだけど、今ココにはいなくて……あれれ? それは最初に考えてた気が……?」

 

 なんだか、今目の前にある問題がグルグルと巡り巡って戻って来てしまった気がする。

 

 

「うーん、どうしよう……えっと、マイスさんがどこに行ったか、()()()は知らないよね?」

 

 首をかしげながら悩んていたんだけど、ふと目に入った()()に声をかける。

 ()()は、マイスさんの畑そば……畑と家の間の空間に悠然と立っている。大人の男の人の身長より少し大きいくらいの高さの太い胴に、てっぺんに双葉の大きな葉の生えた反球体のような頭、肩から伸びる地面まで届く長さのゴツイ腕、他のパーツと比べると頼りなさげな小さな脚、それらがついた 人型(ひとがた)土の塊。

 昔はただの土の塊だと思ってたけど、今は知っている。これが『プラントゴーレム』という存在で、マイスさんが普段使っていたりわたしも持っている『アクティブシード』と同じく『種』から成長したモンスター……みたいな味方だということを。

 

 その『プラントゴーレム』だけど、わたしの問いかけには特に反応してくれないみたいで、土の塊なのにまるで生き物が呼吸をしているかのように肩などが上下に揺れ続けていた。

 

 ……もしかしたら、本当に呼吸をしているのかもしれない。口は見当たらないけど。

 でも、『プラントゴーレム』ってよくわかってないらしいし、そのくらいしててもおかしくないのかも? そもそもマークさんがマイスさんを嫌っていた大きな理由がこの『プラントゴーレム』だったらしく、いつだったか「わからないなら、実際に調査したみよう」とかそんな感じになって……それからどうなったんだろう?

 

「マークさんとマイスさんといえば、農業用機械(ロボット)とかも作ってたはずだけど、最近全然見てない気が……どうなったのかな?」

 

 正直、農作業でマイスさん以上の働きをする機械なんて作れっこないと思うんだけど、あのマークさんがだからって早々に諦める気もしない。「これが出来ないんじゃ……」「出来るようにしたよ!」「こういう判断も出来ないと……」「なら、次はそうしてみせよう!」「じゃあ次は……」って感じに、いたちごっこになってたり……?

 

 

 

 「いやいや、でも……」と、いろんな可能性が浮かんできて気づけばついつい考えてしまってた。

 

 

 ……と、不意に視界が(かげ)った。

 最初は「太陽に雲がかかったかな?」って思ったんだけど、そうじゃないことはすぐにわかった。だって、わたしの視線の先の畑には陽の光がちゃんと降り注いでて、陰になってるのはわたしのいるところだけだったから。

 

 じゃあなんで?

 

 そう思って反射的に空をみあげるよりも早く、わたしの肩に何かが触れた。

 

「へっ?」

 

 と思ったら、脚のほうにも何かが……!?

 肩を見てみると、何やら薄茶色の四角い棒のようなものが見え……って、これってどこかで見たような? それもついさっき……あっ!!

 

 

 思い出した。あの『プラントゴーレム』の指って確かこんな感じだった気が…………

 

 

 そう気付いてすぐに、バッと『プラントゴーレム』がいた方向を見ると、その高い身長のため上からに見下ろすように見てくる……やけに頭の上の葉っぱがピコピコ動いている『プラントゴーレム』が、身体を少し傾けて左手をわたしの脚に、右手をわたしの肩に伸ばしているのがわかった。

 

「ちょ、なにこれ……ひゃわあぁ!?」

 

 わたしがそれを確認したすぐ後に、わたしの視界は大きく動いた。浮遊感と少し回ったような感覚……。

 どうしてそうなったのかはすぐにわかった。地面に立ってたはずなのにいきなり持ち上げられたのだ。脚を肩を持たれて、まるで『お姫様だっこ』……じゃなくて、『プラントゴーレム』がバンザイするようにしてわたしを頭の上まで持ち上げているみたいだった。

 そう。それはまるで、前にわたしたちを助けてくれたモコちゃんが『スカーレット』を投げ飛ばす前に持ちあげてた、あの時みたいで…………

 

「え、ええっと……プラントゴーレムさーん? もしかして、わたしを投げたり……しない、ですよね……?」

 

 その可能性が頭によぎってしまって、つい体を強張らせてしまう。そんなわたしを安心させてくれる言葉を『プラントゴーレム』が言ってくれるはずも無く、いつも通り黙ったままで……答えは言葉じゃなくて行動で返ってきた。

 

 

「きゃああああぁぁーっ!?」

 

 

 つい悲鳴をあげてしまってるけど、別に投げられたわけじゃない。でも、わたしの視界は少なからず揺れ、視界の先の風景はドンドン右から左へ流れて言っている。

 そう。今、わたしは…………

 

 

 

 

 

「なんで……! なんで走ってるの~!?」

 

 持ちあげられたまま『プラントゴーレム』が走り出し、そのまま道を進んで行ってた。

 わたしは進行方向の横を向いた状態で脚と肩だけ固定され、ガックンガックン揺れている。……初めてペーターさんの馬車で旅した時、すっごく気持ち悪くて今もあんまり好きじゃないけど、それと同じくらい乗り心地(?)は悪い。というか状態が状態なだけに、そして『プラントゴーレム』が何を考えてるのかわからないだけに、命の危険すらうっすら感じられる。

 

 気づけば、通り過ぎて行く景色に畑が無くなってた。きっともう『青の農村』から出てしまってるんだろう。

 

「というか、どこに行ってるのこれ!?」

 

 ……えっと、いい加減止まってくれないと、そろそろ気分が悪くなってきて……うぷっ…………。

 

 

 

――――――――――――

 

***アーランドの街・門***

 

 

 

「トトリちゃん、大丈夫?」

 

「う~……なんとか……」

 

 気分が悪くてその場にへたり込みフラフラしているわたしの顔を、片膝をつきながら心配そうに覗きこんでくれてるのはマイスさん。

 

 そう。『プラントゴーレム』が、街と外との境界である門の前でようやく止まったかと思えば、いきなり地面に降ろされ、そこにいたのがマイスさんだったのだ。

 こんなことをした『プラントゴーレム』はどうしてるのかと思い振り返ってみると、へたり込んでいるわたしの後ろで、いつものように静かに立っているだけだった。……でも、気のせいかこころなしか「ドヤァ……」としてる気がする。わたしが勝手にそういうイメージを持ってしまってるだけかもしれないけど……。

 

 

「えーと……いちおう聞くけど、どうしてこんなことに? この子に運ばれてきたように見えたけど……?」

 

「それが、わたしにもさっぱりで……マイスさんの家に行って、マイスさんがいないからどうしようかなーって考えてたら、いきなり持ち上げられて、それで……」

 

 わたしがあったことを説明してみたけど、マイスさんは困った顔をして首をかしげてしまった。

 

「うーん? この子は相手が外敵じゃない限り勝手に手を出さないし、基本的に種を植えた僕が命令しないと何もしないはずなんだけど……?」

 

「そうなんですか? じゃあ、なんで……?」

 

「前に自主的に畑周りの雑草取りをしてくれてたことがあったけど……もしかしたら、僕を探してたトトリちゃんを、僕のところまで案内してくれたとか?」

 

「えー、「マイスさんはどこー?」って聞いてみたりしましたけど、そんなまさか……」

 

 

ヴォン

 

 

 わたしと、目の前にいるマイスさんの動きがピタリと凍ったように固まった。

 そして、首だけゆっくりと動いて、謎の音のした方向……『プラントゴーレム』が立っている方向を見た?

 

「まさか……?」

 

「本当に……?」

 

ヴォン

 

 わたしとマイスさんの問いかけに、先程聞こえた謎の音と共に『プラントゴーレム』がゆっくり頷いた。……初めて反応をしてくれた瞬間だった。なんだか嬉しくないけど……。

 

 

 

 わたしはマイスさんへの用事なんてすっかり忘れて、同じく困惑しているだろうマイスさんのほうを見た。すると、ちょうどマイスさんもわたしを見てきて、視線が重なった。そして……

 

「ふ……不思議な子もいるものだね」

 

「マイスさんが言うことですか、それ?」

 




 今回もそうなんですが、マイス君とマークさんの話は、前々から色々と考えているんだけど中々出す機会が無い話だったりします。今後、ちゃんと出てくる機会はあるはず……ですが、いつになることやら……。
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