ですが、そんな記念とかは関係無く、いつも通りの更新となります。
しかも今回は「書いておきたかったけど、話は膨らませられなかったお話」そのため最近の中では比較的短いです。
『リディー&スールのアトリエ』の情報がPVをはじめとして段々と出てきていますね。
発売日は12/21予定だそうですが……個人的には最低一回は変更がある気でいます。なかったら「ヤッター!」です。……完成度が高ければ早くても遅くてもかまわないのですけども。
前二作から続投のキャラがどれだけいるか、また、ロジックスやエスカのようなキャラがまた出てくるのか……今後公開されていくであろう情報が楽しみで仕方ありません。
***青の農村・マイスの家***
このところ段々と肌寒さを感じ始めるようになったけど、昼下がりともなればさすがにまだ温かくはなる。いわゆる季節の変わり目の時期だ。
ここ最近の僕は、畑仕事などといった普段の仕事以外にも『学校』設立に関わるアレコレもあり、多忙と呼べる日々を送っている……っていうのは言い過ぎかもしれないけど、いつでも何かしらやるべきことがあって暇をしない。個人的には、時間に追われながらもとても有意義な日々だと思う。
……とはいっても、今日はいつもとはちょっと違ったりする。
というのも、今日はお客さんが……とだけ言うと「よく来てるじゃん?」なんて思われるかもしれないけど、とにかく今回は珍しい組み合わせの人たちが一緒になって来ているのだ。
僕の座っているイスから見て、テーブルを挟んで反対側にある三人がけのソファーの真ん中を開けて並んで座っている
エスティさんとは約月一である近状報告のような手紙のやりとりこそあったものの、こうして実際に会うのはとても久しぶりだったりする。
「珍しい組み合わせ」なんて言ったけど、実際のところは
だから、二人が一緒にいること自体に「なんで?」とは思ったりはしない。
けど、僕がこうして二人一緒に会ったのは、本当に指折り数えるほどの回数しかなかったりする。一番最近は……確か『青の農村』が正式にできた日だったかな?
……まあ、そんな二人が今僕の家に来てるわけなんだけど、その来た理由って言うのが…………
「……なるほど。つまり、
「はい。全く身に覚えがないから、たぶんどこかの誰かが冗談半分に行ったことが
「あの噂」……少し前から、『アーランドの街』や『青の農村』を中心に爆発的に広がった「
そのことについてジオさんとエスティさんに説明を求められ、とりあえず僕の知っている限りのことを話したところ……ジオさんから確認をされたため、僕は頷いて答えた。
すると、ジオさんはその整ったあごひげを親指と人差し指でつまむようにして触れながら「フム……」と何かを考えるかのように目を
そんなジオさんと入れ替わるようにして、今度はエスティさんが僕に話しかけてきた。
「にしても、
最後のほう、エスティさんの声のトーンが変わり、一瞬何かおかしい感じがしたんだけど……結局、その違和感が何だったかはわからなかった。
でもまぁ、エスティさんの言っていることもわからなくもない。事実、噂を本当のことだと思ってしまった人が僕が知っているだけでも何人もいて色々と問題が起きた。
「まぁ、確かに困りましたよ……。会う人会う人に「あの話、本当?」とか「おめでとう!」とか「お相手は?」とか聞かれたり……『
「ええっと、ツッコミたいところはいっぱいあるんだけど…………とりあえず、お疲れ様」
エスティさんが、苦笑いをしながらそう言って、いちおう僕を労ってくれた。
まぁ、確かに噂のせいで何度もとっても疲れたりした。
なんというか、嘘の噂が広まったのは僕のせいじゃないのに、信じてしまっている人たちを見る度にものすごく申し訳ない気持ちになっていって、何かがゴリゴリ削られて精神的に疲れてくるっていうか、そんな感じで……
でも……
「慣れてくれば、『
「……私が知らなかっただけで、マイス君
エスティさん、最後に僕の耳でもギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいの声で「けど、まだ二十代だからって余裕があると思ってるんでしょうけど……」って呟いて……。
「余裕」って、それは体力には自信があるから、これくらいじゃどうかなってしまったりしないとは思うし……それに精神面的にもある意味「気持ちの持ちよう」だから、今回みたいにちょっと考え方を変えてみたり、慣れてきたりすれば余裕は余裕だろう。それは間違っていないと思う。
と、そこに、考え事を終えたのかジオさんが話に加わってきた。
「フム、この村の住人には聞かれるそうだが……実際のところ、どうなんだ? 結婚は考えたりはしていないのか?」
「考えたことが無いってわけじゃないですけど……とりあえず結婚は「しない」って思ってます」
僕がそういうとジオさんはわずかにだけど目を細め、エスティさんはただただジッと僕の目を見てきた。
「ええっと、理由は色々とあるんですけど……『学校』のことでいそがしかったりしますし、それに畑仕事とかに打ち込みがちですから、どうしても
「いちおうは全く何も考えなしに言っているわけではない……ということか」
「なら、ここまでの話を総合的に見ても、私達から言うべきことは無いかしらねぇ? ……個人的には色々と言いたいけど」
そう言ってため息を吐いたエスティさん。
……って、あれ?
「私達? 個人的? ってことは、もしかして今日は国勤めとして何かお話でもあって……?」
でも、そんな話は最初からずっと全く聞いてない。というか、噂の事を聞かれてからはほとんど喋ってるのは僕だったし……もしかしたら、噂の事を聞くために来たのかな?
「ああ~っと……も、もうだいたい用は終わってるからマイス君は気にしなくていいわよ? ……ですよねっ?」
「何故私に振る!? ……まあそういうことだ。気にしないでくれたまえ」
「は、はぁ……?」
流れからすると、どう考えても他に何も情報も無いから噂のことを聞きに来たっぽいんだけど…………何か……絶対何か隠してる感じがする。第一、話を聞くためだけにわざわざジオさんとエスティさんの二人が動くとは思えない。……となると、やっぱり別に何かがあるに違いない。
……と、思ったんだけど、僕はそれ以上考えるのはやめることにした。
そもそも相手はジオさんとエスティさんだ。いい人である二人が何か隠してたとしても、そんな悪い事をしたりはまずしないに決まっている。なら、下手に探ったりせずにしておいた方が良いだろう。
「オホンッ。まぁ、今回は噂一つで随分と大事になってしまったわけだが……その影響はまだ尾を引いているようだ。早く何とかなって欲しいものだが……」
「ああ、それはそうですね。慣れてきたって言いましたけど、やっぱり良い気はしませんから……。僕のほうでも手は打ってみたんですけど、あんまり効果が無くって……」
「手、って……何をしたの?」
「噂なんて気にしないで、いつも以上に「いつも通り」にしてました! そしたら、周りの人は「いつもと変わってない」って気づいてくれるだろうし、もっとずっと見てたら、相手の影も形もないことがわかりますから!」
「マイス君のいつも通りって……前と変わってないなら、朝起きて、畑仕事して、挨拶してまわって、街に顔出して、また街でも挨拶してまわって、依頼を受けに受付に行って、他にもお店やアトリエに寄って…………噂がなかなか消えないのって、そうやって何人もの
おそらく発表際の後また出掛けたジオさんと、相変わらずどこかへ行っていたエスティさんの登場。今後各ルートを含め、登場する機会が増えてくる……かもしれません。