だというのに『IF』のほうを予定通りに更新できなかった失態! こちらも、大変申し訳ありませんでした!
これから、頑張っていきますよ! 体を壊さない程度に、ですけども。
さてさて、ファミ通等で『リディー&スールのアトリエ』の新情報がまた来ましたね!!
見た目に変化が出たプラフタ! 服装はともかく、髪の感じは『ソフィーのアトリエ』で出てきた過去(生前)のプラフタに近づいている気がしました。あと、尻尾(正確にはねじまきだったかな?)が見当たらないようにも見え……もしかしてもしかしますかね?
あとは新キャラの錬金術士二人の情報に加えて、前作からの人形大好き父娘の登場も!
新情報が出る度、期待も不安も倍増していくここ最近。
えっ? 「不安は倍増させるな」って? はははっ、無茶を言わないでください。
それはさておき、今回のお話は……個別ルート【*5-2*】! マイスでもロロナでもなく、まさかのエスティさん視点であります。
ロロナルートでは、【*5-1*】から次に続くための間の話と言ったところです……早く
サブタイトルは前回に引き続きそのままです。今後はずっとそうかも。
【*5-2*】
***職人通り***
お昼時を過ぎ、人の行き来がピークを越えたちょうどそのころ。まばらな人通りの中を歩いて、私はある場所を目指して歩いていた。
「あらら。ちょっと外装が改装されてるかしら? となると、内装のほうはもっと変わってるでしょうね。まっ、結構な期間来てなかったし、そのくらい変わってて当然と言えば当然かぁ」
目的地の『サンライズ食堂』の前に立って、その店構えを一通り見てみれば、自分の記憶の中にある『
けど、その外装の装飾は店を綺麗に
ここ何年か街を離れていたけど、その間に『
……というか、数年ぶりに帰って来たっていうのに今の今まで色々バタバタしてて、自由な時間がロクにとれなくて、のんびりするヒマも無かった職場環境自体が問題がある気がするけど……。
こんなのだから出会う機会が無くって結婚もできないんだと思う。うん、職場が悪いのだ。やりがいはあるけど、それはそれ。
まぁ、そんなことはひとまず置いといて、私は、今にも腹の虫が鳴いてしまいそうなほどのこの空腹感を何とかすることを優先することにした。
遅めのランチを食べるために『サンライズ食堂』の扉のノブへと手をかけ…………ふとある事を思い出す。
「そういえば、初めて会ったマイス君を『
街の外で倒れているところをロロナちゃんたちに拾われて運ばれてきたマイス君。そんなマイス君が目覚めたあと、身元を確かめたりするためにちょっと話した後にゴハンに連れて行ったのがこの『サンライズ食堂』だった。
その縁もあってか、
「あの頃は弱々しさもあって
そもそも今の今までバタバタしてたのも……もっと元を
……そんな、影響力も全く無くってかわいい男の子ってだけだった昔のマイス君を思い出しつつ、私は改めて『サンライズ食堂』の扉を開け、中に入った……。
―――――――――――――――
***サンライズ食堂***
「
「ほどほどにしとけよー」
「いいから早くー!」
私は目を疑う。
というのも、『サンライズ食堂』に入って見えたのが、どう考えても
これで飲んでるのが
「ほらよっ。追加だ」
「わーい! お
「何日もウチで飲み食いしてくれるのはありがたいことだけど……いい加減、こんな真昼間から酒を飲みまくるのは止めた方が良いと思うぜ?」
「飲んでないとやってられ
そう言ってグラスを傾けるロロナちゃんを見て、頭に手を当てて「はぁ」と大きなため息を吐くイクセル君。どうやら、今日以外にもあっているらしいロロナちゃんの相手に疲れはじめてるみたい。
「
「ふぇ?
「いーや、別に?」
あっ、いや、思ったよりも余裕そうかも。
でも、ロロナちゃんの身体を気遣って、途中からお酒を出さずに別の物を出してるらしいけど、それってどっちの値段で請求してるのかしらね? あと、お酒じゃないって気付かないロロナちゃんって……。
『サンライズ食堂』内の光景を見て、店に入ってすぐのところで私はただ呆然と立ってそれを見ていた。
と、イクセル君が入店してた私にようやく気付いたようで、コッチを見て「いらっしゃいま……」と途中まで言って、あからさまに嫌そうな顔をされた。
いや、なんでよ?
「ちょっとー? いくらなんでも、久々に会ってそんな顔されたらグサッとくるわよー?」
「怖いから、笑いながら言わないでくださいよ……。しばらくぶりっすね。……あと、別にエスティさんがウチに来ることが嫌というわけじゃなくって、タイミング的には最悪だってだけですから……」
「それってどういう意味……って、あら?」
イクセル君の言ってることがよくわからなくて聞き返してみたんだけど……ちょうどその時、視線を感じて反射的にそっちの方に目を向けたんだけど、そこにいたのは……
「じー……っ」
お酒(じゃなくてジュースかもしれない)が入ったグラスを片手に、可愛くほっぺを膨らませて
ああっ……私にも、する行為が一々可愛かった幼少期があって……って、ロロナちゃんももうとっくに二十代後半……四捨五入をしたら三十路のいい歳になってるんだったわね。それでこの衰えを見せない可愛さっていうのはズルいと思う。
……でも、なんで私の顔をそんなに見てくるのかしら?
会うのが久しぶりだから驚いてる? それとも……もしかして、私の顔を忘れちゃったとか? いやまさか。
「……すか」
「ん?」
「
「お?(威圧)」
今、何言ったよ? この子?
「どれもこれも、わたしが頼りないからだー!! わーん!」
そう言って泣きながらカウンターに
「ああ、こいつ相当酒が回ってるなぁ、言ってることが支離滅裂だ。飲んだ酒の量はたかがしれてるのに……やっぱこういうのって飲んでる時の気分っていうか気持ちの持ちようが関わってくるものなんですかね?」
「まぁ、そういうこともあるとは思うわ。……で? 「言ってることが支離滅裂」ってわかるってことは、ロロナちゃんが何を言ったのかわかってるのよね? 私の聞き間違いとかじゃないってことよねぇ?」
「さ、さーなんのことやら……?」
あっ、イクセル君ったらあからさまに目をそらした! ってことはやっぱりロロナちゃんがよく手入れされたナイフのような言葉をブン投げて来たのは幻聴でも何でもなかったって事ね。
これは、一回しっかりとおはなししないと……
「……って、あら?」
「くぅー……すぴぃ~……」
突っ伏したまま寝息をたててるロロナちゃん。……ホントに子供みたい。いや、こんな酔払いな子供は可愛げ無いだろうけど。
「……で? どうしてこんなことになっちゃってるの?」
「あー、話を聞く猶予はあるんですね」
「いちおう、ね。あとのことは、ゴハン食べながら考えることにするわ。色々と思うところはあるけど、どうにも私の知ってるロロナちゃんと違い過ぎて……いやまぁ、コレがここ数年で成長した結果だって言うなら、寝てても一発入れるつもりだけど」
私は気持ちを落ち着かせつつ、ロロナちゃんの寝ている隣の席に座り、そのままの流れで適当なものをメニューの中から選んで注文する。
イクセル君のほうももう切り替えたみたいで、注文を聞いてから「あいよー」とちょっと気の抜ける返事をして調理にとりかかってくれた。そして、調理をしながら私にここ最近にあったことを話してくれた。
「どこから話せばいいのやら……そうっすねぇー」
そこからイクセル君が話してくれた内容をまとめると……
・始まりはおそらく「マイスが結婚する」と言う噂から。
・広まり出して少ししてから初めてロロナちゃんがその話を知った。そこからちょっと落ち着かない感じ。
・それから数日後くらいからロロナが『サンライズ食堂』に入り浸ってお酒を頼むように。
・そんなロロナを心配してか、様子を見に来て付き合う人が数人。クーデリアは気になるが昼間は仕事に忙しいため中々様子を見れず、主にトリスタン君やステルク君が、らしい。
・そんなことになった原因は、酔払ったロロナの口から出てくる言葉からすると「国からの話がきたお見合い相手がマイスのところに来てて、そのことをマイスが
「けど、酔払っていくにつれて怒り方っていうか、その内容が微妙にズレてくるんすけどね? そのお見合い相手とマイスのヤツが凄く仲が良さそうだったとか、手を繋いでたとか……俺から言わせてみれば、マイスが相手を邪険にしたりすることはまず無いし、スキンシップも元々多いタイプだから、そのくらい気にすることじゃないと思うんすけどねー」
「いやっ、ソコは気にすべきだと思うわ。けど、それよりも……」
ただ寄ってきたいい匂いに鼻をくすぐられつつも、聞いた話の中から気になる言葉があったため、私は首をかしげる。
「「
「へ? そうなんですか?」
「ウソじゃないわよ。これでも一応私も
私の言葉により、調理を続けながら器用に一層首をかしげるイクセル君。そんなイクセル君に簡単に説明をしてあげる。
「もうかなり前……王国時代のころの話なんだけどね? マイス君が、公共の橋とかの修復にかかる大金をポンッと出せる大金持ちだって判明した頃に、国の上層部のほうでちょっとした会議みたいなのをやって「マイスの扱いをどうするか」って話をしたのよ。それで、「国の上層部とつながりの深い女性を用意して婚姻を結ばせる」とかいう政略結婚みたいな話も出たり「財産目当てで近づく
そこまで聞いたイクセル君は相当驚いていた。まぁ、噂がたってからならまだしも、そんな昔からそう言った話があったというのは流石に予想外だったんだと思う。
「結局は、歳や本人の意思の有無の問題もあって「干渉してはいけない」って話と「恋愛は本人たちの意思を第一に」、あとは「財産目当てで近づく者にはそれ相応の対応をする」って話にまとまったの。で、その話はそういうことに一番関わりが強い『貴族』の当主にも話が行ったんだけど……その中心になったのが、今で言う元国王と元大臣の二人だったの」
「ああっ、元国王のあの人も……それでエスティさんもよく知ってるんすね」
納得した様子で言うイクセル君の言葉に「まあね」と短く答えておく。
で、そのままの勢いでイクセル君は私に疑問を投げかけてきた。
「今回もそういう話し合いがあったり?」
「ええ。今回はマイス君本人に結婚の意思があるかどうかも直接確かめたんだけど……それで、とりあえずは現時点で「結婚する気は無い」って話だったから、そうなったらコッチから何かしようって話にはなりようがないわけよ。それで、これまで通りにー……って話だったはずなんだけど」
「なのに見合い話がマイスのとこに来てたってことかぁ……」
調理を終えた料理を皿に盛りつけながら不思議そうにするイクセル君。
「まぁ、実際のところ「見合い話」自体は別に規制してるわけでもないし、そういうのは全くありえないわけじゃないんだけどね? でも、それが過去に話がいってたはずの『貴族』出身の子で、「「
ロロナちゃんが愚痴っていたという話が……つまりはロロナちゃんが誰かから聞いたという「マイス君のお見合い相手のこと」の話自体が間違っている可能性もあるにはあるんだけど……
「なんにせよ、さすがにこれは調べてみないといけないわねぇ……と、その前に腹ごしらえね♪」
「あいよ、お待たせしましたっと」
こうして、私の意識は目の前に出された料理の方へと向くのだった……。
「というか、見合い話なんてあるなら、私に回して欲しいんだけど」
「えっと、それって……エスティさん的には、マイスはアリってことっすか?」
「あー…………ヒール履いた状態で身長差10~15cmくらいないのは、ちょっと無理かなぁ」
「「マイス<エスティさん」でそんくらい差はありそうですけど?」
「違う、そうじゃない」
話の進むスピードが心配になってくるこの頃。
……マイス君の周りで何が起こってるんでしょう?