マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

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 お恥ずかしながら、生きさせていただいております。自分で言うのもおかしなものですが、よく生きていたなと思っております。
 『リディー&スール』発売日に行きつけのショップで買って、色々あって、つい先日もう一度買って……ただいまDLC無しで一週目をプレイ中の「小実」です。


 復活し、数カ月ぶりにここ「ハーメルン」様にログインし、感想・活動報告・メールを見て迅速に対応をせずに「やばい。どうしよう……」と悩み込みヘタレてしまうこと数日間。ようやく色々と考えがまとまりました。この場を借りて謝罪させていただきます。

 この度は、読者の皆様に不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした。

 自分で考えたお話で胃が痛くなるほど極端なメンタルをしている作者ですが、今回ばかりは流石に最低の酷さだと重々理解しているつもりではあります。非難・罵倒どんな言葉であろうと受け止めさせていただきます。(ただし感想欄では利用規約にひっかかる場合がありますので、メール等でお願いします)
 また、真に申し訳ありませんが、この数カ月の空白を取り戻すというのは諸事情により困難なため、お詫びを申し上げることしかできません。……が、何かしらの行動で意志を示したいという欲があり、以下の三つを実行させていただいてます。

(1)スマホでのログイン実施。
(2)ツイッターによる365日態勢での進捗、更新・生存報告、その他諸々。(「小実」ページにてリンク公開中)
(3)主に番外編に関する活動報告でのアンケート・要望意見募集の実施(用意)。

 (1)に関しては、前々から意見をいただいていたので「やっとか」と言われること間違い無しだと思います。大変申し訳ありません。主にあらすじの更新予定、活動報告・感想へのコメントの対応などの情報更新を迅速に行うためのものとなります。
 (2)は、「読者の皆様に一番手っ取り早く情報を伝えるには」と考えた結果至った答えです。実のところ、SNS系統はあまり得意ではないので本当に報告事項とかばかりになってしまうかもしれませんが、とにかくやって行きたいと思います。
 (3)は、以前のような更新速度の維持に不安が未だ残っている最中ではありますが、創作意欲・熱はあることを示すため、そして罪滅ぼしにもなりませんが読者の皆様に楽しんでいただける要素を増やせれば……という思いで実施させていただきます。


 自己満足に近い対応となってしまっておりますが、これらが作者が今出来ると思った行動であり、足りない頭で考えた精一杯です。

 改めて、今回は大変申し訳ありませんでした。



―――――――――



 ……さて。本編のほうですが、一文で表すと……

「ロロナもマイスもしっかりして」

 ……です。なお、ロロナとマイス君それぞれに対する「しっかり」の意味は違う模様。



ロロナ【*7-2*】

【*7-2*】

 

 

 

 

 

***ロロナのアトリエ***

 

 

 

 ああ……どうしたらいいんだろう……!

 

「ミミちゃんもトトリちゃんも、いきなりどうしたんだろう? ……前あったみたいに、避けられてるとか、嫌われたとか、そういうことじゃない……よね?」

 

 トトリちゃんたちが出て行ったアトリエの玄関戸のほうを、ちょっと不安げな表情をして見つめてるマイス君の顔……なんだけど、どうしてかまっすぐに見つめることができそうもないっ……!

 眩しいっていうわけじゃないんだけど……いや、でも最近のマイス君は心なしか輝いて見える気もするから、案外眩しくって目を向けられないだけで……?

 

 そう思って、改めてマイス君の顔をみようと目を向けると……

 

「もしかして、冒険か買い物の約束でもしてたのかな? ロロナは何か聞いてたりする?」

 

 ……ちょうどマイス君もこっちを振り向いてきて……目が……合、って…………

 

 

 …………。

 

 ……………………。

 

 …………………………………。

 

「……ロロナ?」

 

「カッコイイとカワイイって、両立するんだね」

 

「……えっ?」

 

「……はっ!? わっ、わたし、何か言っちゃってた!?」

 

 首をかしげてわたしの顔を覗きこんでくるマイス君を見て、何かポッと口にしちゃった気がする。

 けど、自分じゃ何を言ったのかわかんなくて、あろうことか目の前にいるマイス君に聞いちゃったんだけど当のマイス君は何か考え込んで……いきなり「ああっ」って合点がいったようにポンと手を叩いた。

 

「ああ、確かにミミちゃんはカッコイくてカワイイと思うよ! 昔は唯々(ただただ)カワイイだけだったけど、知らないうちに冒険者になってて、槍を振るう姿はあの頃からは考えられないくらいカッコよくって……」

 

「ふーん……マイス君は、ミミちゃんみたいな()が好きなんだー……」

 

「うん、好きだよ? ……あれ? 何か違ったかな?」

 

 いつもの調子で素直に頷くマイス君。その後、ちょっと間を開けてから、コテンッと首をかしげ眉間にうっすらシワを寄せてる……。

 

 ……ついでに言うと、実はわたしも首をかしげたかったりする。

 だって、マイス君は「何か間違えた?」って考えてるけど……第一わたし、自分自身が何を言っちゃったのか全然わかって無いから、マイス君がいきなりミミちゃんのこと話し出したこと自体、全然意味わかんないし……。

 

 

 というか、えっ? 普通に頷いたけど、マイス君は本当にミミちゃんのことが好きなの!?

 

 ……いやいや、落ち着こう、わたし。今、目の前にいるのは()()マイス君。きっと、わたしが思ってたような「好き」じゃなくて、友達とか、家族とか、そんな感じの相手への「好き」だろうし……うん、間違い無いよ。

 トトリちゃんの村(アランヤ村)の『豊漁祭』の『水着コンテスト』の時だって、わたし達の水着姿そっちのけでお祭りのありかたそのものに文句を言うくらいだし、異性のあれこれ(そういうの)は全然無い……はずっ!

 

 ……あれ? ってことは、わたしがマイス君のことをあーだこーだ想っていた(考えてた)のって、実はあんまり意味が無かったり……?

 

 そもそもわたしって、どうしたいんだろう?

 マイス君のことは……それはまあ、その……好き、なんだけど「それで?」って話になっちゃう。

 

 

「ロロナ?」

 

 

 えっとね。別にね、今の生活っていうか、こんな感じの関係も嫌いじゃないしこれはこれで悪くないとは思うの。

 でも、なんていうか、ね?……今思い返してみるとマイス君のお見合いの話の時もそうだったんだけど……マイス君が誰かとくっつくっていうかイチャイチャしてるのを見たりすると、その、胸のあたり(ここのあたり)がこうモヤモヤァ~のギュウーッって感じになってどうしようもなくなってしまうこともあったり。

 そういう時は、会いたくないって気持ちが出てくるんだけど、もっとマイス君のそばにいたいって気がするのも間違い無くって……。ならどうしたらいいのかって考えたら……そ、()()()()()も有りなのかな!?

 

 

「ロ・ロ・ナ~? ……ううん、またなのかなぁ?」

 

 

 なら、どうしたらいいの?っていう話になるんだけど……やっぱり、こう、誘惑とかして、マイス君(相手)わたし(自分)にメロメロにさせちゃえば……!

 

 ……いや、だから、()()がさっき思い出した『豊漁祭』の一件(ときの事)で無理なんじゃないかって思ったわけで……。

 そそそっそれに、ね!? やっぱり誘惑っていうと、ちょっとその、恥ずかしかったりするし。人前……それもマイス君一人の目の前でっていうのがまた一層恥ずかしくなっちゃうっていうか……!!

 

 恥ずかしい…………人前……誘惑?…………豊漁祭…………

 

 

 

 

――『う……うっふ~ん♥……とか、言ってみたりして……』――

 

 

 

 

 

「っ~!? こほっこほっ!」

 

「!?」

 

 『豊漁祭』の時のトトリちゃんを思い出して、つい吹き出しちゃったっ!

 あの時は、あまりの出来事に声も出せなかったけど、今こうして思い出すと変に笑えてきちゃうっていうか……いやいやっ、ダメだよわたしっ! トトリちゃんだって無茶な注文に一生懸命(こた)えようとして精一杯にやった「サービス」なんだから、笑っちゃ失礼だよ!!

 

 ……あれ? なんでかわかんないけど寒気が。

 ああ、そっか。あの時のトトリちゃんを思い出したら「もしマイス君を誘惑しようとしたら、わたしもあんな感じに……?」って……。

 や、やめとこっ。わたしが「うっふ~ん」ってしたところで、わたしが恥ずかしいだけだし、マイス君はそんなことでなびいちゃうような子じゃないし……たぶん。

 

 

「急に黙ったり、顔が赤くなったり、いきなりむせたり…………大丈夫なのかな?」

 

 

 冷静になってようやく落ち着けてきたところで、マイス君がそんなことを呟いているのが聞こえた。

 ああ……うん。放置しちゃってゴメンね、マイス君。

 

 けど、わたしがちゃんと何かを言う前に、マイス君は「ちょっと台所借りるね」とだけ言って行っちゃった……。

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 アトリエ奥にある、『錬金術』で料理を作るようになってからは使う機会はメッキリ減った台所。そこから戻ってきたマイス君の手にはティーポットとティーカップが。お茶を淹れてきてくれたみたい。それも、マイス君の手持ちにあったらしい『リラックスティー』の茶葉を使ったお茶でとっても飲みやすいの。

 こういう気遣いをしてくれるのがまたマイス君のいいところで……ちょっと気を遣ってくれ過ぎちゃてて申し訳なく思うこともあるけど……うんっ! でも、やっぱりマイス君の魅力だと思う!

 

 

「それにしても……(ウチ)に来た時もそうだし、アトリエの爆発の話も聞いてたから一応は知ってたけど、思った以上にヤバイ気がするんだけど……本当に病気とかじゃないの?」

 

「あ、あはははぁ~! ゴメンね、心配かけちゃって。その、ね? ホントに病気とかそんな大変なことじゃないんだよ」

 

 まぁ、わたしとしては病気とかとは別方向に大変なんだけどね……。

 そんなわたしの気持ちはマイス君も察せないみたいで、真剣そうな顔をしてわたしのことをジーッと見てきて……ううっ、いろんな意味で目を合わせられない……! しかも「ヤバイ」なんて普段のマイス君じゃああんまり使いそうもない言葉を使っちゃってるし、かなり本気で心配してくれてる!?

 

 嬉しい……気もしなくはないけど、今、そんな真剣な目をして問い詰められでもしたら、わたしは何を口走っちゃうことか……!

 

 さ、さすがにそれは危ない気が!!

 ここは早く別の話をして、話題をそらさないと!

 

 えっと、ええっとー!?

 

「っ! そんなことより、空は青いね!」

 

「……? まあ、青いけど……赤かったり、黒かったりもするよ?」

 

「あ、あー、うん! そうだねー! アハハー!!」

 

「「…………」」

 

 ……何言ってるんだろう、わたし。マイス君の意識をちょっとくらいはズラせたかもしれないけど、どう考えてもこれは失敗じゃないかな……会話も全然続かないし。

 でも、このちょっとしたスキを見逃さないで、次の手を打たないと、マイス君にあることないこと問い詰められて大変なことに……!

 

「話題……何か話題を……わだいー」

 

「……本当に大丈夫なのかな?」

 

 その心配そうにまっすぐ見つめてくる視線が、今はちょっとツライよ……。

 

 うう……昔は心配をするのはだいたいわたしの方だったのに、今じゃ立場が逆転してマイス君がわたしのこと心配してることが多くなった気が……。それに、わたしも『パイ』をごちそうすることはあるけど、その倍以上の頻度でマイス君が何か作ってきてくれたりするし……。

 何かあった時だって、ここ何年かはもういつも頼ったりお世話になったりするのはわたしのほうがほとんど。それに、マイス君は大抵のことは自分だけでできちゃって(やっちゃって)……今、トトリちゃんと一緒にわたしも手伝ってる『学校』の錬金術のことだって、わたしの方から「手伝う」って言ってなかったらマイス君だけでやっちゃったんだろうなって気がするくらい頼ってもらえそうにないっていうか……。

 

 

 ……ん? 頼る……?

 ちょっと待って。何かつい最近、マイス君がわたしのことを頼るようなことがあったような気が……?

 

 「なんだったっけ……?」って思い出そうとして悩むこと数秒。わたしはそうかからずに()()()に思い当たった。

 

 

「あっ、そうだ! 今日来た時にマイス君、トトリちゃんやミミちゃんじゃなくってわたしに用があって来たんだったよね? アレってなんだったの?」

 

「えっと、アレは……」

 

 そう途中まで言いかけたマイス君だったけど、その先は言わなくってわたしの方を見てコテンッと首をかしげた。

 忘れた、ってわけではなさそう? なんていうか、表情が「はて?」って感じじゃなくて不安そうっていうか……わたしを心配してる感じ?

 

 ……なんとなくだけど、たぶん、さっきまでわたしがワタワタしてたのを「もう大丈夫なの?」って心配してる……のかな?

 

 そうなんだろうって思って、わたしが「大丈夫!」って意味を伝えようと大きく頷いてみせると、マイス君の表情は少しだけ和らいで……そして改めて話し出してくれた。

 

「実は……」

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

「なるほどー、新種のモンスターについてだったんだ」

 

 マイス君が話してくれたことを簡単にまとめると、『青の農村』に新種のモンスターらしき子が保護されたから、一緒に暮らすか暮らさないかはひとまず置いておくとしても、状況把握のためにも色々と情報が欲しい……ってことみたい。

 途中、ちょっと悩むような素振りがあったりしたから、もしかしたら「村に新種のモンスターが来た」っていう初めての出来事がマイス君の中でもまだ整理しきれてないんじゃないかなぁ? まあ、そうじゃなきゃわたしに相談なんてしてこないだろうし……っていうか…………。

 

「ええっと……それで、なんでアトリエ(ココ)に?」

 

「ロロナかトトリちゃん、どっちかがいるんじゃないかなーって思ってさ」

 

 そういえば、今日ココに来た時に、用があるのがわたしかトトリちゃんかで迷ってそうな感じがあったのを思い出す。けど、わたしかトトリちゃんかって……『錬金術』? いやっ、よっぽど難しいモノじゃない限りマイス君自身でどうにかできるはず。それに、『錬金術』が新種のモンスターを調べることに繋がる気もしない。

 

 ……そんなことをわたしが悩んだのを知ってかどうかはわからないけど、マイス君はそのまま話し続ける。

 

「僕以上に冒険してるトトリちゃんは新種のモンスターに実際に遭遇していそうだし、ロロナは前に話してたのを思い出してさ……ほらっ、新種のモンスターの調査の為に一時期街を離れてたって」

 

「あーそれでかぁ……」

 

 言われて思い出したけど、確かにわたし、前にちょっと新種のモンスターを調べてたことがあったんだった。そのことをマイス君が覚えていたのなら、わたしに聞きに来てもおかしいことじゃない。

 

「確かにそんなこともあったけど……うーん、ちょっと前の事だからうろ覚えなんだよねぇ……それに、自慢じゃないけどわたしってあんまり物覚えは良くないし……」

 

「超が付くほど一流の『錬金術士』になってて物覚えが悪いっていうのはどうかと思うけど……」

 

「それはこう……キュピーンって閃いて、パパッとしてからのぐーるぐるって感じにしてるだけで、別に物覚えがどうこうってことじゃあ……って、ああっそうだ!」

 

 

 話してる途中、ある事を思い出してわたしはつい手をポンと叩いてしまいつつ、マイス君にその思い出したことについて話してみる。

 

「あの調査って、『冒険者ギルド』のほうからお願いされた話だったんだ。で、最後は報告書を作って提出したの。だから、くーちゃんのところに行けばその報告書とか……もしかしたら、他の人が寄せた情報なんかもあるんじゃないかな?」

 

「なるほど、『冒険者ギルド』かぁ……。確かにモンスターの事とか街の外の情報はギルドに集まりそうではあるよね、うっかりしてた」

 

 そう言うマイス君は、髪を軽くかきながら少し恥ずかしそうに笑ってた。まぁ、冒険者ギルドには街の外で起こった出来事が報告が……たまに苦情とかも……入ってきたりする。だから、情報が欲しいならとりあえず『冒険者ギルド』っていう考えも簡単に浮かびそうだけど……いやっ、でもそれだと、もしかしたらわたしは今日マイス君に会えてなかったかもだし……。

 

 

 

 そんなことを考えているうちに、マイス君が「それじゃあさっそく『冒険者ギルド』に行ってみようかな」って言ってソファーから立ち上がった。

 

「あっ! それならわたしもついて行くよ。トトリちゃんたちもどっか行っちゃって手持ち無沙汰だし、それに何か手伝えることがあるかもしれないから!」

 

 ……半分くらい、一緒にいるための建前なんだけどね?

 

 

 

 

 それにしても…………何か忘れてるような気が……?

 ううん……なんだろう? そもそも、あの時ってなんでわたしが調査に行ったんだっけ? それこそ()()『青の農村』の村長であるマイス君が行ってたほうが色々とわかったりしてた気がするんだけどなぁ?

 でも、それとは別に、他にも何か忘れてる気がするんだけど……。

 

 頭をひねってみたけど、全然思い出せなくって……まぁ、きっとそのうち思い出すと思うし、今はとりあえずマイス君と一緒に『冒険者ギルド』を目指してアトリエから出発することにした。

 




 次回、今回進まなかった分、あの人が膝を折ったり、別の人がぶっちゃけたり……凄く濃くなる予定。


-追記-
 Twitterのアカウントは「小実」のページにてリンクを公開中。

 「リンク、ちゃんとできてないよー」と教えてくださった方、ありがとうございます。恥ずかしながら、自分のマイページ(ホーム)を貼ってしまうという失敗をしていたようです。
 今現在は正常にリンクができていることをPC・スマホにて確認しました!

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