内容はおおよそ「モコッ! モコココ、モコー!」って感じですかね(意味不明)。
本当は、「マイス君、本当に珍しく真面目に難しいことを考える」です。
あと、こちらでは更新の都合上直前の告知になってしまいましたが、『IF』のほうが明日4/5に更新予定です。
***青の農村・モンスター小屋***
人とモンスターが一緒に暮らす『青の農村』。その村の村長を一応やらせてもらっている僕の家の裏手……『離れ』と隣接する『倉庫』、そのまた隣に建てられている一軒屋『モンスター小屋』。……まぁ、「小屋」って言ってはいるけど、僕の住んでいる家のような普通の家と大きさはあんまり変わらなかったりするんだけど。
名前から分かる通り、モンスターたちが住む家の
『青の農村』が村として形になってからというもの人が増えるのと比例するかのようにモンスターも増え、それに合わせて『モンスター小屋』も村の中に数か所建てられたんだけど……昼間は基本
そんな『モンスター小屋』に、僕は今いるんだけど……
「モコモコ、モコ?」
「…………もこ」
「モコ。モコッコ、モーコ?」
「もこー」
「モコ……」
(まいったなぁ……)
困ってしまった僕は、
――――――
問題の中心は、もちろん……って言っていいかはわからないけど、少し前にコオル伝いで僕のもとで保護された『モコモコ』だ。
僕が初めて会ったころ、まだ意識が戻っておらずぐったりとしていたモコモコ。けど、応急処置もちゃんとされていたこともあってか『
で、身体の傷が治っていけば、衰弱気味だった精神面も自然と回復に向かっていき……怪我が全部治りきるかどうか、といった時期くらいからモコモコは目を覚ますように……。
逃げたんだ、
治りかけていた怪我が少し悪化してしまうくらい
一旦離れて金モコ状態で再び会うことで一応はなんとかなったんだけど……それでも、
そんなこともあって、目が覚めてすぐのころは食事や怪我の治療の経過確認など最低限の時間意外は、僕以外の他の子……例えば、一番付き合いの長いウォルフとかに……
――――――
でも、これでわかったことがある。
この保護されたモコモコが負っていた怪我は、
それに、
「モコ、モココー……」
(でも、
さっきも言ったように「初めて」じゃない。でも、だからと言って全くショックでないわけでもない。
そもそも、モンスターを『はじまりの森』へ返す『タミタヤ』どころか『魔法』そのものすらなかった世界なんだ。そんな世界で、モンスターがはびこる地で人々が生活していくには何かしらの対処法を持たないといけないのは当然のことだ。
文化から何から違う世界。だから「仕方ないことだ」と割り切ってた部分もある。……第一、僕だって
それでも、こうして『青の農村』が出来てからは、隔たり無く受け入れ……また、人とも交流を深め、互いに理解し合い、一緒に楽しく過ごせる環境づくりをしていって……ほとんど自己満足なんだけど、「これでいい」って自分の気持ちに折り合いを付けて完結させていた。
……だというのに、僕と同じ世界から来たであろう『モコモコ』が傷ついているのを見たら、どうしてこうも心が揺さぶられてしまうんだろう?
「モコモコモーコー」
(他でもない、みんなに失礼なことだよね)
「キュゥ?」
そんなことを考えていたら、手近にいた、今日の午前中モコモコのことを見てくれている『たるリス』くんの頭を、
『たるリス』くんは、僕がどう思ってそんな風に言っているのかまでは流石に理解できなかったみたいだったけど、僕の感情は感じ取ることはできているみたい。でも、その上で、なんで
僕はそんな『たるリス』くんにあとの事を頼んで『モンスター小屋』から
――――――――――――
***青の農村***
「モコー、モモッコ……」
(ゆっくり時間をかけてでも心を開いてもらって、何とかして
怪我のことはもちろん、そもそもどうして『
「モコ?」
(って、それは
というのも、調べてみてわかったけど、
人前に現れたり、他のモンスターのナワバリに割って入ったり、元いた群れを分散させてしまったり……間接的な部分を含めれば、本当に色々な方面に影響を与えただろう「新種のモンスター」。それが『
それで改めて詳しく情報を見ていってわかったことがあるんだけど……「思ったより少ない」それが素直な感想だった。
もし、いつからか『アーランド』でも見られるようになった『ゲート』。その内のいくつかが「『
けど、「群れを見た」という話はほとんど
「モココ、モコーコ……」
(なら、なおさらその子たちがコッチに来ちゃった理由がわからないんだよなぁ……)
今現在、そのあたりのヒントになりそうな情報を持っているだろう存在は、先程の『モコモコ』である。……が、今の状態から見るに、その子から情報を聞き出すのには時間がかかってしまうだろう。
なら、それまでボーっとしておくか……と言われて、大人しくしておくはずもない。他に何か糸口が無いか模索するべきじゃないかな?
「モコ~……モコッ!」
(他の「あっちの子」にも会ってみたいし、今度は外に行ったりしてる『
僕は人の姿に
その足でテッテコ駆けていく……んだけど、家の前方にあるウチの畑の範囲を越えたあたりで、ふと
「モコ……」
(あれは……)
「よぉ、チビモコ」
その人物は、活発な印象のある赤毛の商人、昔から何かとお世話になってるコオルだった。
コオルも
「あっちから出てきたってことは、
「例の仲間」っていうのは、怪我をしていた『モコモコ』のことだろう。
あの子を僕のところに連れてきた時の様子からもわかるように、コオルは『金のモコモコ』と今回の『モコモコ』とが同族である事をすでに理解しているんだろう。まあ、毛の色や身に着けている
何はともあれ、コオルの言った通りなので僕は頷いて見せることにした。
「モコ!」
「ならよかった。まっ、怪我の悪化なんかはそうそう無いだろうけど、どんな様子だ? ……やっぱ、まだマイスのことは怖がってるか?」
「モココ……モコー……」
「……そっか。まっ、そんな思い詰めることは無いさ。お前の底なしのお人好し加減を一身に受けてればそのうち相手もわかってくれる、そこんところはオレが保証してやる……って、マイスに言ってやってくれ」
「モコ~」
まったく、コオルったら。そうやって、本職の行商に加えて村の運営のことにも色々してくれてるっていうのに、更にはわざわざこうやって来て
けど、コオルが言ってくれているように、こっちから誠心誠意をもって接していけば、きっとあのモコモコも心を開いてくれるに違いない。今、僕は、
コオルの言葉に自信が湧いてきて……それとは別に「やれそうなことはやっていってみないと!」って気持ちもドンドン湧いてきた。
だから、コオルに一言二言言ってからその場から離れようとした……んだけど、
「あ~もこちゃんだ~!」
「ん? ほんとうだー」
「もふもふ!」
「モコッ」
(あっ)
おそらくは、手を繋いで散歩していたんだろう『
遊び盛りな年頃の子たちが
「あそぼ~」
「あそんでー」
「あそべ!」
「モ、モコーッ!?」
(えっあっ、ちょ! わー!?)
逃げるには一歩遅く、あっけなく捕まってしまい……胴、耳、腕をそれぞれ捕まれ、拘束されてしまう。
村のちびっ子たちに連行される中、
次回、また『ロロナ』ルートのお話。
大体、クーデリアが頑張ってくれるお話になります(結果、好転するとは言ってない)。
やっぱり、各ルートの関係上、共通のお話でメインキャラたちを中々出せないのが、話を作るうえで厳しいです。……自業自得ですね!