「豆腐メンタル」といいますか、一つの事でダメになると連鎖的にバラバラに崩壊してマイナス思考待った無しな感じで……。欠陥建築?
活動報告の方で少々書かせていただきましたが、隊長的な面以外でも、面倒なマイナス思考な事もあってちょっと悩んだりしてました。
そんなこんなで、色々考えなおしたりしながらもこれ以降の全体のお話の流れに調整を加えつつ、焦らず適度なペースをつくっていこうかと。
全体の流れ的には、修正によって短くなるどころか話数が増えそうなのは秘密です。
今回は、ロロナ視点でのお話となります。
【10-3】
―――――――――
***ロロナのアトリエ***
トトリちゃんやちむちゃんたち、マイス君にも手伝ってもらって、アトリエにりおちゃんたちやフィリーちゃんを招いた「お茶会」。
途中、伝え忘れていたくーちゃんからの伝言をトトリちゃんに言って、その後気付いたらいつの間にかトトリちゃんがアトリエからいなくなってたりもしたんだけど……もしかして、クーちゃんの言ってた「用」に心当たりがあって、早めに行きたかったのかな? わたしが伝え忘れちゃってたことを怒ってたし、もしかしたらそうなのかも。
ま、まぁそんなこともあったけど「お茶会」自体は
途中でいなくなっちゃったトトリちゃんも、用意してた『香茶』やマイス君が用意してくれた厳選素材の『ベリーパイ』はキレイサッパリ美味しく食べきってくれてたんだから、そっちのほうは何にも問題無かった……はず。
りおちゃんやフィリーちゃんだって一生懸命口をもごもご動かして食べてたんだし、やっぱり味の方は心配する必要なんて無いよね。なんて言ったって、マイス君が選りすぐった素材で作った『ベリーパイ』なんだもん! それに、わたしだっていつものパイ作り以上に「美味しくなーれ! 美味しくなーれ!」ってぐーるぐーるかき混ぜたんだから!!
――――――
そんなこんなで、パイたべながら、お喋りしながら、だら~っと続いてた「お茶会」だったけど……そんな中、アトリエに「コンコンコンッ」ってノックの音が軽く響いた。
りおちゃんやフィリーちゃんは聞こえてなかったのか無反応だったけど、わたしと話してたマイス君も気づいたみたいで……でも『
「はーい。……誰だろ?」
一瞬、いつの間にかいなくなってたトトリちゃんの顔が思い浮かんだんだけど、すぐに「でもトトリちゃんならノックはしないかー」って自分の中で答えが出た。
他となると、お仕事のお話かな? 昔みたいに「お仕事しないと!」って必死になってやらないといけないほど追い詰められたりもしてないけど……だからといって、「お茶会中だから」って理由で蔑ろにするわけにもいかない。やっぱり、なんだかんだ言って自分が
んん? そういえば……時々、『
そんなことを考えながら、アトリエの玄関口のほうへととっとこ歩み寄って行ったんだけど……わたしが開けるよりも一足先に玄関戸が開いた。
そこから、アトリエに入ってきたのは……
「お邪魔しちゃうわ」
「お母さん!? それに、お父さんまで……!」
アトリエに入ってきたのは、お母さんとその数歩後ろをついてきてたお父さんだった。
昔みたいに定期的に家に帰ってたころと比べ、アトリエの店主になってからは合う機会がめっきり減っていて……それでも時々なんとなーく会いにいったり、偶然会ってお話したりもしてた。
けど、こうやっていきなりアトリエに来るのは初めて……あれ? そういえば、昔、ほむちゃんにお留守番頼んでお買い物行って帰ってきたら
と、いきなりの訪問に驚いて、頭の中がちょっとグチャグチャーってなっちゃって目をパチクリさせながら一瞬固まっちゃったんだけど……それを見てかどうかはわかんないけど、お父さんがズズイッと前に出てきて、その勢いのままわたしの目をジッと見て言ってきた。
「ロロナっ! 色々考えたがロロナにはまだ早い――」
「ア・ナ・タ?」
「ハイ……」
「???」
何かを言いかけて……でも、すぐにお母さんにビシッと言われてションボリ落ち込むように止まっちゃうお父さん。
……それで、一体何が「早い」んだろう? 「
色々気になるはするけど、とりあえずはこうしてアトリエに来た用件を聞かないと。
「それで? いきなり来ちゃったりして、今日はどうしたの?」
うーん……昔からだけど、二人で旅行に行ったりするのが好きだし、
そんな予想をしながら、二人に聞いてみたんだけど……
言葉を返してきたのはションボリしてるお父さんじゃなくって、なんでかやけにニヤニヤしてるお母さんだった。
「どうしたも何も……その前に、ロロナこそ私たちに何か言うことがあるんじゃなーい?」
言うこと……? 何かあったっけ?
心当たりが無くって首をかしげちゃっていると、お母さんが今度は頬を膨らませて言ってきた。
「時々、耳にはしてたんだけど……ようやく、噂の渦中のマイスくんとくっついちゃったのよね~? もうっ、秘密になんてしなくたっていいじゃない? むしろ、色々相談しに来てくれてもよかったのよ?」
「え、えええっ!? 」
ようやく、お母さんが何を言っているのかがわたしにもわかっちゃった!!
いや、それはその、機会を見てちゃんと報告しなきゃって思わなくもなかったけど……。
でも!
っていうか、
「ふふふっ、やっぱり
「いいや、私はまだ認めたわけじゃ……アイタタッ!?」
また何か言いかけたお父さんが、今度は靴ごしに足の甲をお母さんに踏みつけられて、結局はやっぱり途中までしか言えてなかった。
気になる点はむしろ増えた気さえするけど、それでも一応は状況は飲み込めた。
「えっと、つまり今日アトリエに来たのは、その……私とマイス君のことで? ……って、はぅわぁ!?」
そこまで自分で言ってて、途中で
マイス君とわたしは、はれてお付き合いすることになったんだけど……実のところは、途中勘違いもしちゃったりしたけど、色々とアドバイスをくれたり背中を押してくれたくーちゃんには
でも、実はやっぱりちょっと気恥ずかしさもあって、他にはまだ誰にも話して無かったりする。
つまり……今マイス君以外でココにいるりおちゃんやフィリーちゃんにもまだ秘密で、でもそれが今バレちゃったわけで……何て言葉で表現すればいいかわわからないけど、「隠してた」ってこともあってか顔から火が出そうなほど顔が熱くなっちゃって……!!
「いや、これはあのね、別に私とマイス君が、ってことじゃない……わけでもないんだけど! だから、そのっ…………ん?」
ハッと
結局よくわかんないことを、自分でもよくわからないまま口走ってしまってたんだけど……ふと、視線の先にいるふたりの様子がなんだかおかしなことに気がついた。
「例のやつだね……!「お義父さん、お義母さん! 娘さんを僕にください!」っていう……ふふふっ……!!」
「親、公認……かぁ…………素敵な、響き……だ、ね……」
「いやぁ、まだ決まったわけじゃ……あぁ、そういうことね」
「……そこは、羨んじまっても仕方ねぇな。……にしても、二人揃って本当にダメダメになってんじゃねぇか」
「……あれ? なんだか、思ってたのと反応が違う気が……」
隠してたことをとやかく言われたり、お付き合いすることを軽く茶化されたり、告白の事かを根掘り葉掘り聞かれたりするものとばかり思ってたんだけど……。
フィリーちゃんは何処見てるかわからない目で、何かハイテンションになってた。
そしてりおちゃんはポツポツと何か呟いてて……それに対して、らにゃちゃんとほろくんが……うーん? どういう意味なんだろう?
「これはヒドイ……」
「あれ? この声は……?」
ポツリと聞こえてきた聞き覚えのある――というか、少し前に聞いたばかりの――声に、わたしは周りをキョロキョロ見渡し……お父さんとお母さんのさらに後ろ、玄関の脇から覗くようにひょこっと顔の一部を出しているその姿を見つけた。
「トトリちゃん? そんな所で何してるの?」
「気付かれた!? ああっ、その、これは覗いてたわけじゃなくって……そうっ! タイミングを見計らってたんですー!」
「なんの?」
りおちゃんとフィリーちゃんを除く他の全員の視線を集めた状態で何かを必死に伝えようとしてるのか、わちゃわっちゃとよくわからない身振り手振りを繰り返すトトリちゃん。
そんな姿がまたカワイイ……っていうのはひとまず置いといて、いったいどうしたんだろ?
「うーんと、えーっと……アレですよ! アレ! ほらっ、クーデリアさんの所に行って、その時に頼まれたことでちょーどちむちゃんたちに用があってー」
「「「ちむ?」」」「ち~む~…………ちむっ!?」
パイをモグモグ食べたり、ゴロゴロしたり……。
部屋のあちこちで自由気ままに過ごしてたちむちゃんたちが、トトリちゃんに呼ばれて一斉に
「ああっ。でも、ギルドのことが色々わかる人もほしいし、人でもほしいからフィリーさんとリオネラさんにも手伝ってほしくってー。それで、いつお茶会の間に入ろうか様子を見てたんですー」
「だから、ここにいたんですー」って言って玄関脇に立ってたトトリちゃん。
大体事情はわかった……んだけど、わたしの中にはちょっとした疑問というか
偶然にもマイス君も似たような気持ちを持ったみたいで、わたしよりも一足先にそのことを口にして、わたしも続くように言った。
「そんなに人手が必要なら、僕が手伝うよ? いったい、どんな用事だったの?」
「トトリちゃんが頼ってくれない……やっぱり私みたいな先生じゃ頼りない!? 困ったことがあったなら、わたしにすぐ言ってくれたらいいんだからね? ねっ!? 何だってしちゃうよ!?」
「マイスさんが来ちゃダメなんですよ! このお人好し!! あと、先生もそんなところで張り合わないで下さい!」
珍しく強めの口調でトトリちゃんにビシッと言われちゃって固まっちゃうマイス君とわたし。
……だったんだけど、ふと「あれ?」って思ってチラッとマイス君のほうを見ると、偶然か何かマイス君もトトリちゃんの方じゃなくってわたしのほうを見てきてて……そして同じことを思ってたのか、二人揃ってコテンッと首をかしげてしまった。
((叱られたような気もするけど……何か変?))
トトリちゃんに言われた内容がなんだかしっくりこないっていうか、間違ってない気もしないわけじゃないけど、なんだか納得できないというか、結局のところどういうことで怒られたのかわかんない漠然とし過ぎた感じというか……?
マイス君とわたしが、そんな風に「はて?」と首をかしげているうちに、足早にアトリエに入ってきたトトリちゃん。未だに何か言ってるりおちゃんとフィリーちゃんの手を取り引っ張って立ち上がらせるとそのまま玄関のほうへと連れて行こうとする。
「ちむちゃんたちっ!
「「「「ちむー!」」」」
元気の良い返事をして、ふたりの
そうして、トトリちゃんとちむちゃんたちの手によって運び出されてくりおちゃんとフィリーちゃん。
お父さんとお母さんが先に避けといて出来てたルートを通って玄関から外へと出て行ったかと思えば、トトリちゃんだけがすぐに戻ってきて勢い良く頭を下げたかと思ったら、その後すぐに玄関戸を閉めちゃって……あとは、ほんの少しだけ表の『職人通り』の石畳を叩く靴の音と何かが引きずられる音が少しずつ
「結局、何だったんだろ?」
「うーん……わかんない」
何が何だったのかわからないままのマイス君とわたしが、また揃って首をかしげてしまい……
「あらあら。気を遣わせちゃったかしら?」
お母さんのポツリと漏らした言葉を聞いて……もやっぱり何のことだかわからなくって、わたしはつい眉間にシワを寄せちゃってた。
……とりあえず、まだ残ってるはずだし、お父さんとお母さんに『ベリーパイ』と『香茶』を用意してこよっかな?
とある描写とフラグを入れたいがために、本番は次回に持ち越された感じです。
ついに始まる、フリクセル夫妻との面談!
マイス君は、そしてロロナはこの局面をどうのりこえるのか!?
そして、現場から離れた面々が遭遇する
……そんな次回は【10-4】となる予定です。
それと告知となりますが、来週から『アンケート・第一弾』を開始する予定です。
以前に行った「お嫁さんを誰にするか?」ほど本編に影響を与えるものではないものの、ちょっとした事や、番外編のあれこれをアンケートする事になる予定です。