マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

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 書くべきこと、書きたいこと多々ありますが、初めに一言……お待たせしました。そして、大変申し訳ありませんでした。


 諸々の事情で、精神的にも時間的にもネットに触れられないほど余裕が無い時もありましたが、ようやく色々と立ち直ってきました。まだましですしまだ戦えます。
 ……が、時間が無いのは相変わらずで、活動報告のほうに書きたい「謝罪」や「現状報告」、「アンケート結果」や「リクエスト関係の話」等々手が回らない状態です。『ネルケと伝説の錬金術士たち』の新情報の話もしたい! 特に、懐かしさのある若々しいステルクさんのこととか……!


 改めて、いろんな意味で大遅刻の今回のお話。
 上の話と同じく諸々の事情で前々からフラグっぽいモノも立てておいた「とあるキャラ」の登場を一時見送ることに。結果、ここから先のお話をほぼ全て構成から再構築することになり、四苦八苦しました。
 ……仕方のないことなんです。書き換える原案ではあのキャラが本気で暴れ過ぎちゃって『青の農村』が大変なことになってしまう……っていうお話になっていまして、「いかんでしょ」としか言えない表現が多々……。

 そんな今回のお話ですが、場面がコロコロ大きく変わるため第三者視点で書かれることに。ちょっと淡々とし過ぎた表現になってしまっている気がしますが……どうぞ。



TARGET

 

 

***ロロナのアトリエ***

 

 

「ココはこうで、コッチは……このくらいでいいのかな?」

 

「うんっ、いい感じな気がするよ! あとはソレをこのくらいギューって締めて……」

 

 慎重に、実に慎重な手つきで二つのアイテムの細部を調整していく二人の錬金術士、ロロナとトトリ。

 

「「で、できたー!!」」

 

 アトリエ内に響き渡ったその声に、肯定の意を示しながら口を開いたのは、二人のサポートを続けていたホムンクルスの少女・ホムちゃんだった。

 

「はい。どうやらそのようです。実際に使用してみなければわからない部分もありますが、ここまでの手順、出来た物の外観や情報量……()()()()()()()()()とは相違点はあれど「どちらがいい」とは言いきれない誤差で済まされる範疇化と。なので、現時点で判明している範囲では問題は見当たりません」

 

「はぁーよ、よかったー」

 

「ってことは、これで完成ってことだね!」

 

 安堵した様子で喜ぶ二人に、ホムちゃんは「そうとは言い切れません」と言いながら、首を横に振る。

 

「グランドマスターは、この直前の段階で面倒……もとい、別件で立て込んだためこの研究は頓挫してしまいました。つまり、この先はホムにも、もっと言えば誰にとっても未知の領域となります」

 

 途中、ホムちゃんは言葉を濁したが、二人はすでに()()()()を察してはいるのであまり意味は無い。が、ホムちゃんにしてみれば建前のようなものが一応は必要だったのかもしれない。

 それはともかく、「大変なのはまだまだこれからで道のりは長い」ということを再認識せざるを得なかったためか、トトリが少しげっそりとした様子で肩を落とす。

 しかし、それも仕方のないことではある。今の今までやってきたことでさえ初めてのことが沢山あり神経をすり減らしながら休まず頑張ってきたのだ。普通、少しくらい弱音も吐きたくなってくる頃だろう。

 

「そ、そんなぁ。ううっ、なんだか緊張してきちゃった……」

 

「大丈夫だよ! ここまでちゃんと出来たわけだし。それに、試してみてダメだったら何回も挑戦するんだから!」

 

「先生……そうですよね! マイスさんのためにも、私、最後まであきらめないで一生懸命やります!」

 

 師匠であるロロナのひたむきなまでに前向きな姿勢に引っ張られ、トトリは弱りかけていた心の中の(情熱)を燃え上がらせた。

 

 

「よーし! そうと決まれば、本当に上手く発生するのかとか、細かい調整なんかもかねて実際に二つを一緒に合わせて使ってみよー!」

 

「はいっ!」

 

 二人一緒に、握りこぶしを天井へと突き上げ「おー!」と気合十分に声を出し、さあ早速とりかかろうと準備を始めた……が、

 

 

「待ってください」

 

 

 それを止めたのはホムちゃん。

 いつものジト目で……ではなく、どことなく残念なものを見るような目をして、ゆっくり淡々とその一言を紡ぎ出した。

 

 

 

「アトリエで……街中で『ゲート』や、それに準ずるものを発生させるのは危険です」

 

「「あっ」」

 

 ホムちゃんの言葉に、ロロナとトトリが揃って間の抜けた声を漏らした。

 ……まあ、確かに、実験が上手く進めば問題無いだろうが――万が一を考えれば一転、大惨事になりかねないことは想像するにたやすいことだろう。

 

「実験はせめて街から出て、ある程度開けた土地(場所)でやるべきかと」

 

「そ、そうだよね。うっかりしちゃってた」

 

「うっかりじゃあ済まされなさそうな気が……って、私もか」

 

 トトリの言う通り、「うっかり」どころじゃない。というより、普通に考えればわかることである。

 

 

 

 

「近場のほうが良いに決まってるし、マイス君を助けに行く時の事を考えたら……やっぱり、マイス君が光の中に消えた場所の近くがいいのかな?」

 

「でも、『青の農村』の中でやるって言うのも、街と同じで危ないですよね? だとすると、街と『青の農村』を繋ぐ街道からちょっとわき道にそれた辺りとか……?」

 

 じゃあ、どこで試してみるか?

 その相談は案外にも早々に考えがまとめられた。……落ち着いてさえいれば『アトリエ(その場)』でなんて考えは浮かばず、浮かんでもすぐに消えるものなのだ。

 

 

「それじゃあ、改めて――――やってみよーぅ!」

 

 

 改めて気合十分な掛け声を上げたロロナ。ソレに続いてトトリも外出と実験の準備を始めだした。

 

 マイスを連れ戻すための計画は、一歩一歩着実に進んでいた…………。 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

***ネーベル湖畔***

 

 

 『アーランドの街』から東へ行った先にある、遺跡の沈んだ湖『ネーベル湖』。

 その湖のそばの陸地で、辺りを見渡しながらステルクは口を開いた。

 

「情報通りならば、このあたりで例の『新種のモンスター』の目撃情報があったそうだが……しかし……」

 

 言葉を止め、こめかみをピクつかせながら大きく息を吐き……そののちにステルクは目の前の人物を睨みつけた。

 

 

 

「何故、彼方がここにいる!!」

 

 

 その怒りが露わとなっている視線と言葉が向けられた相手――元国王、現首長である()()が、肩をすくめながらステルクと対面している。が、当のジオはどこ吹く風だ。

 

「何故とは、言うまででも無いだろう? 今回の一件はアーランドという国にとって十分に一大事と言える事態だからな。私が尽力しない理由などありはしない。それにだな、マイス()のためにも、そして彼のために頑張っている者たちのためも、個人的に私も手を貸したいと思っただけのことだ」

 

「んんっ、それはわかりますが、しかし……。はぁ……その熱意を普段の業務にも向けて貰えるのであれば、どれほど良いことか……」

 

 普段の苦労や、個人的な恨みつらみもあるのだろう。ステルクは途中からぼやくように不満を漏らす。

 それに釣られるように、ジオのほうもため息混じりに愚痴を漏らし始める。

 

「私としても、この状況には不満があるのだがな。よりにもよって、合流するのが()()()()()だとは……クーデリア嬢(彼女)の采配なのだから、無意味なことではなく、何かしらの意図はあるのだろうが……いささか落ち着かんな」

 

「きっと、被害報告が多いとかそういう理由だと思いますよ。最近まで街を離れてましたから、ここ最近の情報までは流石に耳に入ってませんので、私は詳しくは知りませんけど……にしたって、過剰戦力な気がするんですけどねぇ?」

 

 ジオの言葉にそう言い補足しながらも結局は愚痴っぽくなってしまっているのは、立場上なにかとジオと関わりがある元受付嬢・エスティ。彼女も、このマイス救出の計画に協力をしているらしい。

 

 

 こうして、『王国時代』から何かと縁が深い三人がこの『ネーベル湖畔』で合流したのだが……問題はここからどうするか。

 そんな中、真っ先に意見を述べはじめたのはステルクだった。

 

「まず『新種のモンスター』が今でもここにいるかは確証はありません。とにかく、まずは当初の目的である『属性結晶』を得るために『ゲート』を探すべきでしょう。そうすれば、いるのであれば『新種のモンスター』にも必然的に出くわすはず」

 

「あいわかった。採取地も決して狭いわけじゃない、ここは手分けをして探した方がいいだろう。二人はそれぞれアチラとアチラへ、私はあっちへと――」

 

「逃げる気じゃないでしょうね……?」

 

 ジオが喋っている最中に、ステルクはその鋭い目つきをさらに鋭くして割り込んだ。

 そんなステルクの言動に少なからず「ムッ」とするところがあったのだろう。眉をひそめながら、改めて話始めた。

 

「……ステルク。いくらなんでも邪険にし過ぎじゃあないかね? 流石の私とて、このような状況下で場をかき乱すような行為はしないぞ」

 

「「流石の私とて」などと……! つまりは、普段はかき乱していることを自覚なされているんですね!?」

 

「ええいっ! 何故いちいちそんなところに噛みついてくるんだ! そもそもキミはだな――――!」

 

「いいや! こちらも言わせてもらうが、彼方という人は――――!」

 

 ついに始まってしまった元国王と元騎士による口喧嘩。

 その様子を見て頭を抱えるのは、当然、残された元受付嬢である。

 

「戦力の偏りの前に、この二人を一緒にしちゃダメでしょ。……せめて、その間に私を放り込まないで欲しいわ……」

 

 「剣抜かなきゃいいけど……」と口喧嘩だけでなく、本当の意味で喧嘩をしだすことを懸念しだすエスティ。

 だが――

 

 

 

 

「――跳べ!!」

 

「ッ!?」

 

 ――不意のジオの指示に、ジオ自身だけでなくステルクと……ついでに、二人から少し離れていたエスティもその場から跳び退いた。

 

 ほんの一瞬の後。

 三人のいた場所を一直線に巻き込むようにして、赤みがかったピンク色の()()が伸びた。

 

 木の幹ほどの太さは優に超えていそうなソレは、誰もいなくなった空間を通り過ぎてから一瞬で伸びてきた方向へと引っ込んでいく。ジオとステルクがその方向へと目を向けた時には、そこには何もなく、自分たちが歩いてきた道とその脇で静かにきらめく穏やかな湖面がみえるだけ。

 

 

「何、今の……おっきなトカゲ? いや、でも何かが……」

 

 唯一、立ち位置の違いから一番相手(てき)を目視出来ていたエスティがそう呟く。

 しかし、その正体を目にしても確信も持ち切れていないようで、ついには小さくだが首をかしげる。

 

「だが、いったい何処へ……? まさか姿を消すモンスターなのか?」

 

「いや。姿が見えないだけでなく、気配もココに在るようで無い。なるほど、これは一癖も二癖もありそうな――――ぬっ!」

 

 ジオが再びその場から跳び退くと、先程までいた場所に空気を引きさく「バチバチ」という音を立てる()()がちょうど炸裂した瞬間だった。

 

 ことごとく攻撃を避けたジオたちに、ついにその『新種のモンスター』が姿を現した。

 

「ほぅ。これはこれは、随分と面白い見た目をしているな」

 

 ジオがそう漏らすのも仕方がないだろう。目の前に現れたのは、先程エスティが言っていた「トカゲ」という表現が当たらずも遠からずと言える四足で地面を這うようなフォルムであった。

 ()()()、その大きさが家ほどもありそうなことや、四肢の指の間に水かきらしきものがあること、長い尾先まで続いている背びれ、そして嫌というほど目に付くそのモンスターの首周りから伸びる節とそこから生える肉色無数のエラ(びらびら)……それらが、『トカゲ』とは大きく異なる点だろう。

 

 その外見を見て、顔をわずかにだが確かにしかめたのはエスティだった。文字で表すなら「うげぇ」といった様子だ。

 

「面白いっていうより、むしろ鳥肌が立っちゃいそうなくらい気持ち悪いんですけど」

 

 彼女の言葉にも頷ける点はある。

 ギョロリと見開かれたまん丸い目、パックリと裂けるように頭の端から端まで開いている大人も簡単に丸呑みしてしまいそうな口、そこから覗く血管が薄っすら見えるピンク色の生々しい舌……爬虫類好きならむしろ好ましい特徴もあるかもしれないが、エスティのように少なからず嫌悪感を抱いても仕方のないだろう。

 

「こんな時に無駄話を……来るぞ!」

 

 ステルクが呆れ気味に呟いている最中に目の前の『新種のモンスター』が動きを見せ、三人は戦闘態勢に入る。

 

 

 『新種のモンスター』の、獣とも違う独特な泣き声を合図に、湖畔での戦いの火蓋は切って落とされた……

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

***シュタイン丘陵(きゅうりょう)***

 

 『アーランドの街』から南にある『アランヤ村』。その『アランヤ村』から西へ西へと向かった先に在る、遺跡が残された丘陵地帯『シュタイン丘陵』。

 そこでは男女三人が並んで道を歩いて……いたりはせず、主に男二人がアッチコッチヘウロチョロしていて、その進行ペースはお世辞にも早いとは言えなかった。

 

 トトリやその周りとも……ついでに、仲は良好とは言えないが行方不明になったマイスとも何かと縁のある自称『天災科学者』マーク・マクブライン。通称(トトリ曰く)マークさん。

 そんな彼は、辺りに点在する石造りの遺跡を見てまわり、そのモジャモジャの髪をかき上げながら一人呟いていた

 

「このあたりの遺跡は随分と風化が……機械関係というより生活や宗教に関わりがありそうな遺跡だし、仕方ないか。それに、ソッチ方面は僕としてはそこまで重要視はしてないんだけどもね……そもそもわかんないし」

 

「はいはい。わかったから、あちこち見てまわらないでちゃんとついてきなさいよー」

 

 トトリの先輩冒険者である『アランヤ村』出身のメルヴィアが、ため息混じりにウロウロするマークにそう言いながら道を進んで行く。

 そんなメルヴィアに、今度はトトリの幼馴染で共に冒険者となったジーノがアッチコッチヘ行って辺りを見渡しながら、声をかけた。

 

「なーなー、本当にこのあたりなのか?」

 

「らしいわよ。別々の冒険者から複数回の報告があったらしいし、被害者もいるっていうんだから間違い無いでしょ」

 

「んー、けどなぁ~?」

 

 メルヴィアの返答を聞いても納得しきれなかったのだろうジーノは、ムスーッと口をとがらせてしまう。

 

 

「そんな眉間にシワ寄せて、何か気になることでもあるのかい?」

 

「どーかしたっつーかさぁ……なんかしっくりこなくってさ。「これまでなかった遺跡がいきなりあらわれた」とか「朝霧の中、聞いたことも無い唸り声と巨大な砦の影が……」とかいう報告だったんだろ? 本当に『新種のモンスター』だったのかよ?」

 

「「建物に襲われた」なんて話もあるそうだ。まあ、確かに酔っ払いの妄言か何かだったほうが納得できるね」

 

 「なんだかなー」と呟くジーノに、マークを頷く。

 ……まあ確かに、『冒険者ギルド』から伝書鳩で届いた指令書に書かれていた「『新種のモンスター』を探すための情報」は場所だけでなく、特定するために使えるだろう被害報告の内容もあったのだが……彼らが言うように、とてもじゃないが信用しがたいものではある。

 

 しかし――

 

「――けど、それっぽいのは見えてきたわよ」

 

 そう言ったのは、他の二人のようにあちこちに行ったりせずに、ずっと一定のペースで道を歩いていたメルヴィア。いつの間にか、彼女だけちょうど丘を一つ越えるくらいには先行する形になっていたのだ。――そして、その丘の先に何かが見えたんだろう。

 

「ほんとうか!?」

「ほう……ん?」

 

 追いかけるようにして駆け出したジーノとマーク(ふたり)が目にしたのは、周囲の遺跡とは一つ一つの石の色や大きさ、そして一つの塊として見た時の大きさも大きく異なった建造物。

 

 まず、ゴツイ石造りの壁があり、その中央に天へと伸びる円柱状の塔らしきものが一つ……その上部は物見櫓のような人が立てるスペースがありそうな構想をしている。その左右にそれぞれ中央の塔より一段低く、少しばかり細い塔らしきものが。

 つまりは一枚の厚い壁の両端と中央に塔らしきものがキレイに並んで居るのだ。

 

 

「砦……塔? 壁? ていうか、微妙に両端の柱は浮いてね?」

 

「ホント、見たことのない造りをしてるわね……それに、金属部品で強化されてるっぽいにしても、このあたりの遺跡にしてはなんだか欠けたり削れたりしてなさ過ぎな気も――――」

 

 この『シュタイン丘陵』では……もっと言えば、『アーランド』では見かけない造りの建造物を前にして驚きを隠せない様子だ。

 

 だが、手を伸ばせば届くくらいの距離までメルヴィアが建造物に近づいたその時……何かが擦れるような重い音と共に、大地が、そして建造物が揺れ始めた――――

 

 

 

 ――――いや、違う。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「なにこれ、動いて……!!」

 

「なんだなんだー!?」

 

 目を見開いて驚愕するメルヴィアと、いきなりの事に状況が上手く掴めないまま目を白黒させるジーノ。

 そしてマークは……

 

 

「す、すっ……すばらしぃいーっ!!」

 

 

 何故か、感激していた。

 

 

「ちょっ、いきなりどうしたのよ!?」

 

「どうしたもこうしたも、わからないかい!? 『ゴーレム』だよ『ゴーレム』!」

 

 そう言われて、反射的に建造物のほうに目を向けるメルヴィア。すると、偶然か何か、中央の塔の上部だと思っていた部分が轟音を響かせながらグリンッと回転、そうして見えた、これまで見えていなかった部分には、ボワァと淡く発光する『ゴーレム』の目らしきモノが見えた。

 

 確かに、マークの言ったように目の前の建造物……もとい、建造物らしきものは『ゴーレム』のようだ。

 だが、しかし……

 

「ゴーレムって、あの!? デカすぎじゃない!」

 

「確かに大きい。本当に建造物と見紛うほどだよ。これまでに見たことのある『ゴーレム』の中でも一位二位を争うくらいかもしれないねぇ……! なによりっ!! そのシルエット、デザインだ! アーランドで見かけるのとは大きく異なっていて、無骨ながらもシンプルなデザイン、左右対称的で整った――――」

 

「長いわよ!?」

 

 ツッコミを入れつつ、武器である斧を構えるメルヴィア。ジーノはそれより一足先に剣を抜いていた。

 

 

 

 

「これは想定外だけど嬉しい利益だ! 是非(ぜひ)とも鹵獲(ろかく)して持ち帰ろうじゃないか!!」

 

「んなことできないわよ!」

 

「ぶっ倒すから無理!!」

 

 マークの無茶な要請に、それぞれ別の返答を返して……その巨大な『ゴーレム』との戦闘は始まるのだった……。

 

 

 

 

 

―――――――――

 

***街道のはずれ***

 

 

 

「先生……」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 そこには『ゲート』とそれを反転させる道具の実験を行う為にトトリたちが来ていたのだが……

 

 

()()()()()……()()…………!?」

 

 そう言うトトリの視線の先に()()のは――――――()()()()()()()()()()()

 

 

 蠢く(もや)から見え隠れするのは(かみ)(ひげ)を長々と伸ばし、所々に装飾が施された服と、それに似たようなデザインの外装を纏った()()()

 

 

 

『e…………l……a』

 

 

 

 ヒトに似た黒き存在。

 

 そうとだけ言えば『塔の悪魔』に似ている――――――が、違う。何かが違う。それをトトリは肌で感じでいた。

 『塔の悪魔』のような掴み所の無いが確かに突き刺さってくる殺意――ではない。まるで、どこまでも纏わりついて来そうなほどネットリとした視線と悪意。

 

 

 

『G……Giiiiiiー!!』

 

 

 

 その悪意が、トトリたちに襲いかかってきた――――

 




※本編中で触れられるかわからない部分の補足

★ウーパードラゴン
 名前の通り、ウーパールーパーみたいなドラゴン。
 神出鬼没な移動、舌を伸ばしたり雷球を放ったり、その他諸々のトリッキーさのある行動・攻撃があり、シリーズによって差はあれどアースマイトを翻弄するボスモンスター。
 だが、今回は相手が悪い気がする。

★Gゴーレム
 ルーンファクトリーシリーズで登場する『ゴーレム』、言うほど建物ではない。
 シリーズによっては『ゴーレム』自体がボスモンスターだったりするが、その大きな体から繰り出される「ロケットパンチ」は圧巻の一言。
 無機物なのか、生物なのかわかり辛い気もするが、ひとくくりで「モンスター」なんだろう。 

★??????
 ネタバレの宝庫のおじいちゃん。
 アースマイトに邪魔をされ、アースマイトを恨み、そして「アースマイトォ!」と憧れている(?)、そんなどこかの誰かさんのなれの果て。
 ……のはずなのだが、何かがおかしい。
 いや、元からおかしいけども。

☆あくなさん
 出番がすっ飛んでいったひと。
 何が悪いって、追い詰めた時の最後の攻撃がどう考えても辺り一帯が大変なことになる。
 
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