マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

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 移動による日数の経過ですか?あれはゲームのシステムでして 本作ではあまり気にしておりません(言い訳)







※2019年工事内容※
 途中…………


フィリー「モコモコ・2」

 モコちゃんに マイス君のお家の『モンスター小屋』に住んでみてはどうか聞いて、それを断られた私とリオネラちゃんは、モコちゃんが出ていった外を見ている。その視界の中には まだモコちゃんの後ろ姿が見える

 

「どうしてマイスくんのお家に住むのは イヤなのかな……」

 

「もしかして、ケンカしてるとかかしら…?」

「マイスと あの毛玉がか?いやぁソレは考え辛くねぇか?」

 

 リオネラちゃん、それにアラーニャちゃんやホロホロ君も「なんでだろう」と悩んで理由を考えてる。私は……思いつかない…………けど!

 

 

「…よし!決めた!」

 

 私はモコちゃんを追いかけるために 外へと歩き出す。そしたら、いきなりの行動に驚いたリオネラちゃんが驚きながら聞いてきた

 

「どどど、どうしたの!?」

 

「モコちゃんの後をこっそり追いかけてみるの……モコちゃんがここに住めない理由が、モコちゃんの行く先に あるような気がするからっ!」

 

 もしかしたら、モコちゃんの家族か友達が お腹を空かせて帰りを待ってる、とか そういう理由かもしれない。そういうことだったら私だって力になってあげることができるかもしれない

 

「……!それなら 私も行くよ!!」

 

「うん、一緒に行こう!」

 

 リオネラちゃんと一緒に、急ぎ足で、そしてなるべく静かに 追いかけはじめる。モコちゃんを見失ってしまわないように……

 

 

=========

 

「おいおい、飛び出しちまっても大丈夫なのか?」

 

「うーん…あんまり良くはないけど、リオネラも行っちゃってるから ついてくしかないじゃない」

 

「そりゃそうだけどよぉ」

 

「マイスが帰ってきた時に誰もいなくて、心配させちゃったら……まあ 素直に理由を話すしかないんじゃないかしら?」

 

 そうブツクサ言いながらも、ホロホロとアラーニャはリオネラの後を追うように飛んでいくのだった……

 

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―――――――――――――――

 

 

「……ここって もう『近くの森』に入ってるのかな?」

 

「うん。たぶん「ぷにぷに林」って呼ばれてるところの近くだと…」

 

 しげみに隠れながらモコちゃんを追いかけてきたけど、周りは うっそうとした森になってきてた

 

 リオネラちゃんは旅の大道芸人で いろんなところを旅してきたらしいし、アーランドに来てからは 錬金術士のロロナって人の採取のお手伝いで いろんな採取地にも行ってるって言ってた

 でも、私は アーランドの街の外で行ったことのある場所はマイス君のお家だけ……。勢いのまま ここまで来ちゃったけど、いまさらになって怖くなってきちゃった…

 

 

「……あっ、また移動しはじめたよ」

 

 リオネラちゃんの声を聞いて、モコちゃんの様子を陰からうかがう。そして、次 身を隠す場所を探す

 

「よし、あの岩陰なら大丈夫そう」

 

 駆け足で岩陰まで行き 身を隠す。岩陰から顔を覗かせるとモコちゃんが移動しているのが見れることを確認もした。そして、リオネラちゃんも来れるようにスペースを開けようと 私は奥の方へとさがった

 

 

ムニョ

 

「きゃ!?」

 

 さがろうとした時、何かを踏んでしまい こけて尻餅をついてしまった

 

「いたたっ……あれ?」

 

「ぷにぃ…」

 

 尻餅をついてしまった私が、何を踏んでしまったのだろう と足元を見てみると、何やら 水色の小さくて真ん丸な子が私を睨んでた。その子の頭には靴で踏まれたような跡が……

 

 

「フィリーちゃん!!その『ぷに』からすぐに離れ―――」

 

 視界の端で、リオネラちゃんが いつもよりも大きな声を出しながら私のほうへ駆け寄ってくるのが 少し遠くに見え……

 

「ぷぅーーーーーーにぃーーーーー!!」

 

 私への呼びかけは、甲高い鳴き声にかき消された。その音の大きさに 反射的に耳を手でふさいでいた。そして、その鳴き声が途切れた後に聞こえてきたのは

 

「ぷに?」「ぷぷぷっ」「ぷーにぃ…」「ぷにに!」「ぷー」「ぷにーに!?」

 

 沢山の『ぷに』。なかには色が違うのもいて、それらが 色々な陰や隙間からどんどん出てきた。それに加えて……

 

「プゥーニィー」

 

「ひぃっ……!?」

 

 私がいるところよりも一段高い地面の上から、王冠のようなものをかぶった 人ほどの大きさがありそうな大きな『ぷに』がでてきた

 

 

 

「フィリーちゃん!逃げて!!」

 

 リオネラちゃんはすぐ近くまでぷにに囲まれていて 悪戦苦闘していた

 対して 私の周りにはぷには近づいてきていなかった。でもそれはきっと、私を狙っている この大きなぷにの攻撃に巻き込まれたくないから

 

「プゥゥ………ニィ!!」

 

 大きなぷには 私めがけて大きく跳んだ

 

 

 

「なによ!このぷに量!?」

「知らねぇよ!?とにかく、今は四の五の言ってられねえぞ、リオネラ!!」

 

「わかってるよ!でも……!!」

 

 アラーニャちゃん、ホロホロ君、そしてリオネラちゃんの声が なんだか遠く感じ……私の足はなんでか動かなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァアッッ!!」

 

 風を切る音、私の髪を激しく揺らす突風

 

 とっさにまぶたを閉じてしまった私が まぶたを開いたときに見えたのは……握り拳をつくった片腕を空に向けて伸ばし、反対の腕は脇をしめた マイス君の姿だった

 

 

「「マイス君!?」」

 

 

 私の声は 偶然リオネラちゃんと重なった

 

どうしてここに!?と疑問が口に出る前に マイス君のあたりに影がおちた。ハッっと上を見たら、さっきよりも高い位置から 大きいぷにが落ちてきていた

 

「危ない!」

 

「ふっ」

 

 私はとっさに叫んだんだけど、マイス君はぷにを 両手を使い頭の上で受け止めて そのまま持ち上げてしまった。いくら柔らかそうな見た目のぷにでも人ほどの大きさがあるんだから かなり重いはずなのに、何ともなさそうだった

 

 

「よっと……ごめんね」

 

 そう言いながらマイス君は ぷにを地面に降ろした。よくよく見てみると、ぷには目をグルグルと回していた

 

 そのぷにをマイス君が何回かなでると、ぷにの目がパチリとしっかり開いて…………

 

「ぷ、プニーーーー!?」

 

 一目散に逃げ出した。それに続くように 普通の大きさのぷにたちも一斉に散らばって逃げ出した

 

 

 

「フィリーさん、リオネラさん…大丈夫ですか?」

 

「うん、私は大丈夫だけど……フィリーちゃんは……?」

 

「こ、怖がっだよぉー!!」

 

 いまさら 自分がどういう状況に置かれていたかが理解できて、声が震えて 涙があふれ出てきた

 

「ごめんなさい、フィリーさん……」

 

「ぐしゅん…?」

 

「マイスくんが謝ることじゃないよ。私が…ちゃんとそばにいたら守ってあげれた、から……」

 

 私が涙を止めようとしているうちに、マイス君とリオネラちゃんが暗い顔になっていた

 

「とにかく、早くここから出ねぇか?」

「そうね、今 またモンスターにでくわしたくないし」

 

 ホロホロ君とアラーニャちゃんの提案に 私たちは頷いた

 

 

「フィリーちゃん、立てる?」

 

「あっ、そ それが……」

 

 足に上手く力が入らなくて 私は尻餅をついたままの体勢だった

 

「こここっ、腰が抜けちゃったみたい……はははっ」

 

 

 

ヒョイッ

 

「へっ?」

 

「これなら帰れるかな?」

 

 気づいたらマイス君に抱き上げられてた……って!?こ、これって『お姫さま抱っこ』!?!?顔から火が出ちゃいそうだし、心臓もバクバクいってて……!!

 

「そそそっ!?そうだね!?マイスくんのお家はどっちだったかなぁ!?」

 

 リオネラちゃんの声も上ずってて、裏返っちゃったりしてるよ!うわぁ、リオネラちゃんたちに見られてるんだ!!すっごく恥ずかしいけど、どどどうしよう!?

 

「こっちですよ」

 

 マイス君はマイス君でいつも通り……ううん、さっきみたいに まだ何だか辛そうな顔をしてる。気にはなったけど、こんな状態じゃあ上手く喋れそうになくて 私は口を堅く閉じることしかできなかった

 

 

 

 マイス君が歩きはじめて 抱っこされてる私は少しゆすられる

 

 ふと視界の端に 何か淡く光るものが見えた気がした。そこは さっきまで私が尻餅をついてたところのすぐそば

 その光ったものは地面に落ちている『虹珊瑚』だった

 

 尻餅をついたときは何もなかった気がするんだけど……もしかして、マイス君のかな? でも、リオネラちゃんから貰ってた時に「初めて見た」って言ってて、その後マイス君のお家のコンテナに すぐにしまってたような……

 

 あれ?じゃああの『虹珊瑚』は…………?




マイス君なら、拳装備がなくても 人間状態で素手で戦えます。……そういうことにしておいてください……

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