マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

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次回からの『王国祭』に向けて 力を溜めている……ということにしてください





※2019年工事内容※
 途中…………


ホム「改名しましょう」

「えっと、つまり……?」

 

 そう聞き返してきたのは、「おにいちゃん」ことマイスです。おにいちゃんは 今、作業場にある『炉』のそばにいます。『炉』には珍しく煌々とした炎が入っています

 

「ですから、「こなー」は「なー」に改名されます。しっかりと成長し、大人になりましたので」

 

 作業場にある木のイスに座っているホムの膝の上に寝転んでいる「こなー」改め「なー」をなでながら おにいちゃんに言いました

 

「こなー の「こ」って、「小さい」とか「子ども」の「こ」だったんだね……まあ、本人はちゃんと理解しているみたいだし、いいんじゃないかな。ねっ、なー」

 

「ナ~」

 

 おにいちゃんの呼びかけに、なー が返事をします。そんな なー のノドをなでると、ゴロゴロとノドを鳴らして 気持ち良さそうに目をつむります、かわいらしいです

 

 

 

「それで、今日は何をしているんですか?」

 

 以前に ホムが来た時に『錬金術』を教えたことがあってから、ホムが来た際には『錬金術』について教えを乞われることが これまで多かったのですが、今日はそういうわけではないようです

 

「ちょっと 久々に武器を作ろうと思ってね」

 

 そう言って 手に持つ鍛冶仕事に使うのであろう金槌を見せてきた

 

「農具を作ったりするとは聞いたことがありましたが、武器も作れるのですか」

 

「基本は一緒だからね」

 

 なるほど、たしかに金属加工という点で考えれば そう違いは無いのかもしれません

 

 そう考えながら ホムは『炉』の近くまで持ってこられている素材に目を向けます。それはホムも知っている鉱石。アーランド周辺の採取地で手に入るものです。ただ、気になるのは……

 

 

「疑問なのですが…インゴットを精製せずに、鉱石から武器を作るつもりですか?」

 

「えっ?インゴット…?」

 

 おにいちゃんは首をかしげて聞き返してきました。……どうやらインゴットのことすら知らないようです

 

「『インゴット』とは、鉱石に含まれる金属物質を加工しやすい状態にしたもののことです。……もしかして、おにいちゃんは その工程無しで武器を作るのですか?」

 

「うん。このあたりで採れる鉱石は、名前は違うけど 僕の知ってる鉱石と似た性質のものがあるから、それを使って 作れば問題無いと思うよ。いちおう 農具はちゃんと出来たわけだし…」

 

「信じがたいですが、おにいちゃんなら本当にやってしまいそうです。……『テキトー錬金術』の前例がありますし」

 

「あはははっ…アレは本当によくわからずにやってたんだけどね」

 

 恥ずかしそうに微笑みを浮かべる おにいちゃんを見ながら、ホムはもう一度鉱石へと目を向ける

 

 ……やはり信じられません。あのような鉱石をそのまま加工しようとしても困難で、結合が弱くなり完成品はとてももろくなってしまうはずです

 しかし、ここまでくると 逆に気になってきました。このまま なーと戯れながら見学するとしましょう

 

 

 と、おにいちゃんが立ち上がり コンテナのほうへと歩いて行き、中から何かを取り出して 運んできました。……何でしょう?追加の材料でしょうか?

 

 気になり、それらを見てみると――――――

 木の枝、植物のツル、それと…何か甲虫の皮?武器の装飾にでも使うのでしょうか?

 続いて、『何かのタマゴ』、ニンジン、ダイコン、ネギ、『サワーアップル』、バター……

 

「…今から作るのは、料理でしたか?」

 

「作るのは武器だけど…?」

 

 

 

「…………おにいちゃんは疲れてるんです。ホムと なーが添い寝してあげますから、今日はゆっくり休んでください」

 

「えっ!?」

 

「子守歌も うたってあげます」

 

「ホムちゃん!?いったいどうしたの!?」

 

 

――――――――――――

 

 

 結局 おにいちゃんは休んでくれず、武器作りを始めてしまいました。正直、ついていけそうもなかったので、ホムは なーを連れて『離れ』へとむかいました

 

 途中、『モンスター小屋』のほうからウォルフが出てきて ホムに近づいてきました

 

「あなたも、はじめて会った時よりも大きくなりましたね」

 

 そう言いながら頭をなでると、なんとなくですが気持ち良さそうで 目をつむります。そして、なでるのをやめると「もっとしろ」と言わんばかりに自分からホムの手にすり寄ってきました

 

「…ホムとなーと 一緒に遊びますか?」

 

「ワフッン!」

 

 尻尾をブンブンと振っているので、ホムはこの子が喜んでいるのだと判断します

 

 こう接していると、ホムが採取地におつかいに行く際に出くわす『ウォルフ』たちと同族だとは思えません。この子も なーと大差ない存在のように感じます

 

 

 ふと、ウォルフが首あたりに巻いている 青い布が目に入ります

 それは「人間に友好的なモンスター」の証であり、アーランドの王宮から街全体へと その話は広まったものでした。しかし、「人間に友好的なモンスター」の話はそれ以前から噂として広まっていました

 そもそも青い布は、旅人や商人を助けたモンスターがつけていたもので、そのモンスターが 以前から広まっていた「人間に友好的なモンスター」だったそうです

 

 ホムも噂でも聞きましたし……数ヶ月前に実際に出会いました

 アーランドの街への帰り道がわからなくなったホムの前に現れて、帰り道を教えてくれた あの「モコモコ」と鳴く、金色の毛のモンスターです

 

 

「あの子は、おにいちゃんやあなたのお友達なのですか?」

 

 そう問いかけてみましたが、ウォルフは首をかしげるような仕草をしました……

 

 まあいいでしょう。今は忙しそうですから、機会を見て おにいちゃんに聞いてみることにしましょう




 マイスが何を作ろうとしていたのか。そして、その作ったものの登場機会はあるのか

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