「アトリエ」「RF」どちらの戦闘システムとも違う戦闘になっており、戦闘戦闘描写が思ったように書けず、四苦八苦しました。ちゃんとイメージした通りのことを書き表せてるかどうか……
正直、二度と書きたくないです
※2019年工事内容※
途中…………
ドッカーン!!
『おおっと!またしてもド派手な爆発!!さすがは 街に時折響き渡る爆発音の発信源であるアトリエの店主と言ったところか!?準決勝・第一試合、勝者は美少女錬金術士・ロロナちゃんだー!!』
あまり褒めているようには聞こえない解説の後に勝者が告げられ、観客たちは歓声をあげて盛り上がる
錬金術で作った爆弾の爆発は、シンプルでありながら派手で 視覚と聴覚をストレートに揺さぶってくるため、平穏に慣れていた観客たちにとってとても刺激的で ガッシリと観客たちの心を掴んだのだ
『さあ!続きまして、準決勝・第二試合です!!』
第一試合の勝者と敗者がフィールドから退いたことを確認したエスティが進行をはじめる。観客たちの歓声は、先程の試合の興奮と これからの試合への期待が入り交じり、なお大きく 盛り上がっていく
『まずはこの人! 第一回戦で余裕の勝利を飾った男、その鋭い眼差しが見据えるのは勝利なのか!?王国最強の騎士・ステルケンブルク・クラナッハ!!』
大剣を携えた騎士―――ステルケンブルク…ステルクが東ゲートから出てきた。ステルクは観客からの声援に応えることはせず、普段と変わらない仏頂面で背筋を伸ばしていた
『対するは、色んな意味で 会場を驚かせた少年、 花や野菜、薬以外にも戦闘だって任せなさいっ!『おたま』を振るう少年・マイス!!』
西のゲートから出てきたマイスは、腰のベルトにさげた2本の『おたま』を ぬき、頭上へとかかげて2本をぶつけ「カンッ!」と小気味いい音を鳴らした
『それでは、両者 かまえてください』
――――――
かまえの合図で 腰を少し下げて重心を低くし構えたマイス。だが、その構えは解かれた
理由は、対戦相手のステルクが武器を構えない まま数歩近づいてきたからだ
マイスや司会進行のエスティが どうしたのかと疑問に思っていると、ステルクの口が開いた
「……少し いいか?」
「えっ、…はい」
「キミの剣のうでは並大抵でないことは さきの試合で分かったが……ソレではキミの実力を出せないのではないか?」
ステルクの言うソレとは、もちろんマイスが両手に持ってる『おたま』である
ステルクの疑問は もっともなことなのだが……マイスは笑顔で答える
「大丈夫ですよ!これは正確には『おたま』じゃなくて、『アクトリマッセ』っていう 僕が前いた地域では 歴とした武器なんです。おたまとほとんど同じ加工で作られますけど……」
「それはもう『おたま』なのではないか…?……いや、問題無いのであればいいが」
そう言うとステルクは きびすを返し、元の距離まで離れて 再度マイスに向かい合った。今度は腰にさげていた大剣を構えて
マイスも再び『おたま』―――もとい『アクトリマッセ』をかまえた
『っでは!二人が準備を終えたようなので、始めますよー!準決勝・第二試合…』
――――――
『開始っ!!』
ッカーン!
開始のゴングと同時に動き、直後に
だが、一回戦・第四試合と同じなのはマイスだけであった
マイスの攻撃が放たれる その前に、ステルクがマイスの動きに反応し、行動に移っていたのだ
天へと向いていた大剣の切っ先を、大剣を持つ両手の手首と肩をひねって 切っ先を地面へと向ける。素早い動きでマイスが近づく一瞬で 構えを変えたのだ
その構えからステルクが振るうのは「切り上げ」、攻撃のために突っ込んできたマイスへのカウンターとなる一手だ
しかし、相手の変化についていけないマイスではない
ステルクが「切り上げ」てくると察したマイスが変えたのは 両手の『アクトリマッセ』の動き
下から上がってくる大剣を左で思い切り叩く。地へと叩きつけることこそ かなわないが、大剣の勢いが一瞬弱まった
そして その大剣の横っ腹を右で思い切り叩く。その反動でマイス自身は横に飛ぶが……この行為をしたのは ステルクへと突進している最中、彼はステルクから見て左横を跳んで通りすぎることとなった
ザザザッ!
ステルクの横を通り過ぎてすぐのマイスが 突進の勢いを足を踏ん張りころし、次の一歩を踏み出した時に目にしたのは、「切り上げ」終えたばかりのステルクの後ろ姿だった
結果として、ステルクは マイスの初撃へのカウンターは二本の『アクトリマッセ』にぶつかったのみで空を切り、 マイスは 初撃こそ逃したが カウンターを避けた上にステルクの後ろをとったのだった
背後を取ったマイスは 再びステルクへと急接近し一気に間を詰める
しかし、ステルクは 背後をとられてしまったことは百も承知だ。切り上げの勢いをそのままに全身をひねりながら片足を退き、その足を軸にして回転する。もちろん、手にした大剣で薙ぎ払うようにして、だ
ガ キ ン ッ !!
薙ぎ払う大剣と、マイスが打ち込んだ『アクトリマッセ』がぶつかり、大きな音が響いた
ぶつかった両者は弾かれあい、その間は大きく距離が開いた
ただ、武器や本人たちの質量の差からか、ステルクは そのままの体勢でずりさがるように1mほどの後退。
対してマイスは 弾き飛ばされるように数m宙を舞い 着地のあとに数回 転がって勢いをころしたのちに立ち上がり、結局10m近くも ぶつかった地点から離れていて、もう少しで観客席との間にある壁にぶつかるところだった
……そしてこれらは 試合開始から10秒も無い短時間でおこなわれたやりとりだ
ステルクとマイスの間が大きく開いたことにより、速く・力強い攻防に息を飲んでいた観客たちに ようやく余裕がもたらされた
湧きあがる歓声。それは本日最大であり、会場全体が大きく揺れているように感じられるほどだった
しかし、フィールドに立つふたりには 盛大な歓声も どこか遠くのもののように聞こえていた
先に動いたのは またしてもマイス
それは当然のことではあった。ふたりには武器のリーチの差があり、リーチの短いマイスは ステルクの懐に入る必要があったが故に、自ら近づかなければならなかったのだ
キィン カ ンッ キキッン …………
突っ込んできたマイスの連撃を 何度も己の大剣に適した距離で迎撃するステルクだったが、こちらもこちらで攻めあぐねていた。「次の接近で決める」と思っていたのだが、そうはいかなくなってしまったのだ
それは剣同士(片方はおたまだが…)がぶつかった際に気がついた
―――さきほどより、少し軽い…?
そう感じ 不思議に思ったステルクだったが、すぐに気づかされることとなった
マイスの戦闘スタイルが決定的に変わったのだ
さきほどまでは スピードとパワーで押しきるような戦い方で、勢いはあるが 動きは直線的で咄嗟の行動もほとんど力押し、剣術に粗さとスキが見えていた
しかし、今はどうだろうか
一撃一撃は軽くなったが その分マイスにも余裕ができたようで、一撃加えたその動きが次の一撃へと流れるように繋がってスキが少ない。その上 右のスキを 左が補い、逆も然り…
「なるほどな…」と防戦一方のステルクは ひとり心の中で唸った
最初は力押しで短期決戦を仕掛けてみるが、それがリスクが高いとわかれば すぐに長期戦へと持ち込む
そしてその長期戦も厄介なものだ。パワーを抑えることで自分は一定の余裕を保ちながらも、素早く休み無い連撃で左右に振りながら 相手のスキを誘う……相手にすると 実にいやらしいものだ
だが、マイスの連撃をなんとか防ぎ 耐え忍んでいるうちにステルクは光明を見た
二本の『おたま』―――『アクトリマッセ』の連撃にも極わずかではあるが 補い合えていないスキが存在したのだ
「―――っ!そこだっ!!」
わずかなスキをつくためにステルクが放った最速の一撃の「突き」。これまでの「切り上げ」や「薙ぎ払い」よりも出が速く、最短で狙った所を攻撃できる一撃は マイスをとらえ
とらえたと思った瞬間に『アクトリマッセ』を振るっていたはずのマイスが消えた
「なっ!?」
「どこへ!?」と言うヒマも無く、答えが存在した
突いた己の大剣にかかっている「影」。それが素早く…しかしステルクにはゆっくりと自分へと近づいてくるのが見えた
「影」を見た瞬間にステルクは理解し とっさに動こうとするが、つい一瞬前に伸ばしきった腕を上へと振り上げるのは難しく、半ば無理矢理 体ごと倒しながらひねることで 頭上へと振ろうとする
だが
「『
ステルクの「突き」が放たれる瞬間に宙へと跳んでいたマイスが 空中を滑るように頭上からステルクへと接近し、眼前で交差させていた腕を開くようにして『アクトリマッセ』をステルクへと打ちつけた
「ヌグッはぁ!?」
大剣を無理矢理振り上げようと 体をひねっていたことで、マイスの『裂空』の直撃を避けることは出来たが『アクトリマッセ』の片方はステルクの側頭部に当たり、ステルクはそのまま横へと倒れ、背中を地面に打ちつけてしまった
頭を打たれたからか 軽いめまいを感じたステルクは己の敗北を悟った
……だが、数秒のめまいが治まるまでに 武器が突きつけられることも、勝者が告げられることも無かった
「ぐっ……!」
めまいは治まったが、マイスの攻撃によるものか 無理な動きをしたからか、身体の所々が痛む。そんな中、なんとか立ち上がり 右手が固く握っていた大剣を持ち上げる……その時 気がついた
「……きゅう…」
持ち上げようとした大剣の下でマイスがのびていた
このときステルクは理解できていなかったのだが、事のてんまつはこうだった
マイスの攻撃を受けて倒れ込むステルクは、無理矢理振り上げようとしていた大剣を手放すことはなかった
そして、振り上げかけの大剣は 倒れていくステルクに引かれて そのままステルクの肩を中心にして半円を描くように地面へとむかっていき……その軌道上に、ステルクへ跳びかかったあとのマイスがいたのだ
空中で なおかつ背後からの不意の強襲に、マイスは 避けることが出来ずに そのまま地面へと叩きつけられたのだった
マイスにとって幸いだったのは、背中に当たってきたのが大剣の刃ではなく腹であったことと、 大剣が柄のほうから先に地面に落ちたことで最後の最後は思い切り叩きつけられなかった事だろう
『なんと!?激闘と衝突の末、立ち上がったのはステルケンブルクのみ!準決勝・第二試合の勝者は王国最強の騎士・ステルケンブルク・クラナッハ!!』
「…はぁ!?」
ステルクは状況を理解できていないまま勝利が告げられ…
『―――……というわけで、救護班っ!マイス君の回収早くー!!急いで、急いで!』
マイスはタンカで運ばれていったのであった
※次回ですが、金曜日の00:00に更新する予定です。なんとなく増刊号のような扱いです