マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

67 / 239
 『ロロナのアトリエ・番外編』
 それは三年目で何も描写されなていない時期にもしかしたらあったのかもしれない話《前》と、その話があった際にきっとあるであろう後日談ED的な《後》 で構成された短編…

 原作『ロロナのアトリエ』でいうところの キャラ別の個別エンドの雰囲気を意識したものとなっています



 『トトリのアトリエ編』と並行作業で書いていたので 時間が凄くかかってしまいました…

 今回は 基本的にクーデリア視点です


クーデリア編《前》

「……んっ、ふわぁ~…」

 

 朝、カーテン越しに部屋に入り込む光を なんとなく感じてか、私は目覚めた

 

 まだ少し重く感じる(まぶた)を閉ざさないように気力をふり(しぼ)りながら、ベッドのそばに置いてある台の上の時計で時間を確認する

 …と、時計のそばに置いてあるペンダントが目に入り、つい(ほお)が緩んでしまった

 

 

「ふへへへ……」

 

 仲直りの印に自分で作ったペアのペンダント。片方をロロナにプレゼントして、もう片方が こうしてあたしのもとにある

 

 あたしは このペンダントを基本的にいつも身につけている

 ロロナも つけてくれていた。採取について行った時も、調合中にアトリエにお邪魔した時も、いつもつけていた

 

 

 そして 極めつけは、この前 ロロナの久々の休みの時に 一緒に買い物をしてた時のこと

 

 商品棚(しょうひんだな)の上の小物をふたりで見てた時、ふと ロロナの目線が小物のほうではなく 別のほうをむいていたのに気がついた。

 その目線を追ってみると その先にあったのは、あたしが首から下げていたペンダントだった。そして、あたしが視線を追ったことに気がついたロロナが嬉しそうに微笑みながら 自分が首にさげてるほうのペンダントを触って「えへへっ…」って……

 

「~~~~~!!っアレは反則でしょ!ホントにもう!!」

 

 

 

 このペンダントには、作るきっかけがきっかけだけに いい思い出だけがこもっているわけじゃないけど、今では 幸せな思い出のほうが数十倍こもっている

 

 ……と、ここであたしは あることに気づく

 

「…そういえば、あたし マイスにお(れい)言ったかしら?」

 

 ペンダントを作る技術も知識も無かったあたしに、なりゆきとはいえ 文句のひとつも言わずに手を貸してくれたマイス

 普段の仕事や 他の予定もあったかもしれないのに、約2日間 あたしのことにつき合ってくれたあいつは、とんだお人好しだ。…だからといって、礼のひとつも言わないでいるのは あたし個人が なんとなく良く思わない

 

 

「…ペンダントが完成したその日に「ごめん」って謝ったり、ロロナと仲直りした後に「おかげさまで」って言ったりはしたけど、ちゃんとしたお礼は言ってないわね」

 

 …でも、どうしたものかしら

 あいつのことだから、あたしが「あの時はありがと」なんて言ったところで「そっかー」なんて軽く流してしまいそうだ。それは マイスが別に気にしていないってことだけど、そんなんじゃあ あたしが納得できない

 

 

 ベッドから完全に起き上がり 身支度を整えながら、じゃあどうする?と、自分自身に聞いてみるけど 上手い考えなんて……

 

 身支度の最後の最後、例のペンダントを身に着ける時に ペンダントを目にして、ふと思いついた

 

 

 

「プレゼント、か…」

 

 

 

 

――――――――――――

***職人通り***

 

 

 

「……とはいったものの」

 

 マイスに何かプレゼントするとして、何をあげればいいか 全然見当がつかなかった

 

 ひととおり街を歩き回って、色々見てまわったけど 良い案は浮かばなかった

 かわいい小物なんてものもあったけど、それはあくまで あたしから見て「かわいい」ってだけで、あいつもそう思うかわからないし……そもそも、小物を貰って喜ぶとは思えない

 

「ちょっと 難しく考え過ぎかしら?」

 

 あくまでも マイスのヤツにお礼の気持ちを ちゃんと受け取ってほしいってだけだ。よっぽど変な物でもない限り 問題無いだろう……極端に言えば ただの自己満足なわけだし

 

 まあ、どっちにしろ プレゼントなんて思いつかないわけだけど…

 

 

「あっ……」

 

 そんな時、あるお店の看板が目に入った

 

 思い出されるのは、とある日の出来事……

 あたしはそのお店で ある買い物をすることに決めた

 

 

 

 

―――――――――――――――

***ロウとティファの雑貨店***

 

 

 今日は珍しく いつもいる常連の男性客たちがいない。……まあ、いてもいなくても どうでもいいのだが

 

 

 商品棚を見てまわり、必要なものをあらかたピックアップする。……うん、所持金的にも問題無さそうだ

 

 買いたい商品をカウンターまで持っていって……

 

「ちょっとー!今 いいかしらー?」

 

 カウンター奥にある扉に向かって やや大きめの声をあげる。すると、少し遅れて 足音が聞こえてきた

 そして、扉から この店の店主、ティファナさんが出てきた

 

「クーデリアちゃん、いらっしゃい。今日は 前みたいに何か物を売りにきたのかしら?」

 

「い、いいでしょ あの時のことは! 今日は買い物に来たのよ。コレとコレとコレ……あと 小さめの(はち)ってあるかしら?」

 

「あるわよー」

 

 そう答えたティファナさんは、カウンター下にあるのであろう棚から鉢を取り出して あたしに見せてくれた

 

「これなんかどうかしら?他にも何種類かあるけど、見てみる?」

 

「ううん、これで十分だと思うわ。 それじゃあ、料金はこれくらいで足りるかしら」

 

「ええ。おつりがあるから ちょっと待っててね……はい、どうぞ」

 

 おつりを受け取って それをサイフにしまった後、そのサイフを服のポケットの中につっこむ。あたしがそうしてる間に ティファナさんは あたしが買った商品をまとめて麻袋(あさぶくろ)に入れてくれていた

 

 

 

 麻袋を受け取り、さあお店を出ようか と出入り口へと(きびす)(かえ)そうとした時、ティファナさんが「ちょっと聞いてもいいかしら?」と あたしへ声をかけてきた

 

「お花の種も買ってるし…もしかして、マイスくんに育て方を教えてもらうの?」

 

「えっ、別にそういうわけじゃないけど……」

 

 

 ここで あたしはあることに気づいた

 

 今日買った物は あたしが買う物にしては珍しいものだ。だから、ティファナさんも気になったんだと思う

 このまま 立ち去ったとすれば、あたしが買っていった物のことを気にして 他の人に聞いたり話したりしてしまうかもしれない。そうなると、そのうちマイスの耳にも入ってしまうかも……

 

 今日買った物が何なのか、それがマイスに知られても特別問題はないんだけど、なんだか (みょう)に気恥ずかしく感じてしまう

 これは 口止めをしておいたほうがいいんじゃないかしら!?

 

 

「今日 あたしがここで買い物したことは誰にも言っちゃダメだから!特にマイスには!! ……はっ!?べ、別に何か(たくら)んでるとか そういうわけじゃないから、気にしないで!いいわね!!」

 

 そう言い捨てながら あたしはお店から出ていく

 お店を出たら 誰か顔見知りと鉢合(はちあ)わせした……なんてこともなく、そのまま 家への帰り道を あたしは小走りで進んでいった

 

 

 

 

=========

 

 

 慌てた様子で店を出ていったクーデリアの背を見送ったティファナは、ひとり今しがたのことを考えていた

 

「気にしないで、って言われたけど……クーデリアちゃん、どうしたのかしら?」

 

 首をかしげながら さっきクーデリアが買っていったものを思い返す

 

「鉢、お花の種、ガーデニング用の土、リボン…? ……あらあら!なるほど、そういうことねー」

 

 (さっ)しの良いティファナのおかげ(?)で、いちおう クーデリアの買い物が他の人たちに広まることは無かった……

 

 

 

=========

 

―――――――――――――――

***クーデリアの自室***

 

 

「……っと。こんな感じでいいのかしら?」

 

 雑貨屋さんで買ってきた鉢に 色々詰め込んだ後、花の種を数個埋め込んだ

 正直、これでいいのだろうかという不安もあるものの 悩んでも仕方がないので、とりあえず なんとなくでやっていく

 

 後はこの鉢を……窓際(まどぎわ)でいいかしら?ここに置けば ちょうどいい感じに陽の光が当たるから、きっと 花は元気に育つと思う

 

 

「書いていることが本当なら、だいたい1週間くらいで育つみたいね」

 

 花の種が入っていた小型の紙袋の裏面に書かれている簡易的な説明文に目を通し、この花のことを少しだけ学ぶ…………とはいっても、見た限り 本当に花のことしか書かれていないから、あたしが知りたい「育てる時の注意点」なんかは書かれていなかった

 

 「本当に大丈夫かしら…」と一抹の不安を感じながらも、あたしの 花の育成生活は始まった

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

***街道***

 

 

 あれから十数日ほど経った……あたしは今、ひとりでマイスの家へと向かっている。そして手に持つカゴの中には 綺麗に花が咲いた小型の鉢が入っている

 

 種が飛んできたのか 雑草が生えてきたり、その雑草を引き抜いたら 間違えて花のほうまで抜いてしまったり。他にも、ちゃんと水やりもしてたのに途中で枯れてしまい 種を買い直したこともあった……あれの原因は(いま)だにわからないままだ

 

 そんなこともあって、予定の倍以上の日にちを(つい)やしてしまったわけだが、なんとか 花を咲かせるに(いた)ったのだ

 買っておいたリボンを鉢に結び付けて なんとなくプレゼントっぽく仕上がったので、これといった問題はないだろう

 

 

「っと、通り過ぎちゃうところだったわ」

 

 

 街道からそれるように伸びる小道へと入る。この先にある 木々に囲まれたところにマイスの家がある。もう あと少しで到着だ

 

 

 

 

―――――――――――――――

***マイスの家***

 

 

 

「……そして、まさかの留守よ…」

 

 マイスの家のソファーにドカリと座りながら あたしは独り言をもらす

 留守とは言っても、あたしがこうして中に入れてることからもわかるように 家の鍵は閉まっておらず、おそらくは そう遠くには行ってなくて すぐに帰ってくると思う。……ただ単に不用心なだけかもしれないが…

 

 でも、この待ち時間は ある意味よかったかもしれない。なぜなら…

 

「この花、なんて言ってあいつに渡そうかしら…?」

 

 そう、マイスの家にたどり着くその時まで 全然思いもしなかったのだが、「あの時は ありがとう」とか言って渡せばいいのか、少し疑問に思ってしまった

 いや、別に深い意味なんて無いわけで 自己満足に近いものなわけだから、特別 何を言わなきゃならないわけでもないけど……

 

 

ゴトッ…

 

 

 ひとり考えてる最中に 何かの物音が耳に入った

 

ガラ… ガララ…

 

 …どうやら聞き間違いなどではないみたい。音は ()や『錬金術』で使う釜が置いてある『作業場』のほうから聞こえてきたようだ。さっき 確認した時には 誰もいなかったはずだけど…

 

 確かあそこには 直接 外に出れる戸があったはずだ。そこから誰かが入ってきたのかしら?

 

 

 もちろんマイスかもしれないが、それ以外の可能性も考慮して あたしは外出時に持ち歩くようにしている護身用のデリンジャー銃を手に持ち、『作業場』へと続く扉へと静かに近づく

 そして、そーっと扉を開けて『作業場』の様子を覗きこんでみる……

 

 

「モコ~♪~~♪」ガサゴソ

 

 

 すると、そこには コンテナに頭から突っ込み 中を漁っている金色の毛玉がひとつ……いや、あれは 前に『旅人の街道』でロロナがとっ捕まえたことがある「新種のモンスター」ってやつじゃなかったかしら…?

 …そういえば、このモンスターって マイスが世話してるウォルフがつけてる「青い布」によく似たものをつけてるわよね?もしかしなくても、関係があるに違いない。けど……

 

 

 なんかノンキに鼻歌らしきものを歌ってるけど、これって どう見ても「()()」の現行犯よね?

 

カチャリ

 

 あたしが銃を構えると ほぼ同時に毛玉に声をかける

 

「はーい、手癖の悪い子にはミッシリお説教しないとね。あっ、変な動きしたら撃つわよ?」

 

 コンテナから顔を出した毛玉は、ガクガクブルブルの状態で 思った以上に大人しく、あたしが言っても無いのに 両手をあげた

 ……初めて見た時も思ったけど、あたしが言ってること理解してるっぽいし、この毛玉って けっこう賢いわよね…

 

 

―――――――――

 

 

 毛玉の首根っこを捕まえて もとの部屋まで連れていき、ソファーに座らせる。もちろん、銃は毛玉にむけたままだ

 

「マイスが帰ってくるまで 逃げたりするんじゃないわよ?わかったかしら?」

 

「も、モコー…」

 

 なんか もの凄く困った顔をしているような気がする……表情豊かね この毛玉は…

 まあ、今更 困った顔をしたところで何も変わらない。素直に反省して マイスのお(しか)りをうけるべきだ

 

 

「でも、あいつって ものすごく甘かったり、お人好(ひとよ)しで お節介焼きだったりするから…」

 

 この毛玉に 盗みをしようとした理由を聞いて「なら持っていっていいよ!ついでにコレとコレ……あとコレもあげるよ!」なんて言って、なにひとつ怒らずに許してしまいそうだ

 

「…そういう底抜けに優しいところに あたしは助けられたわけだし、それはあいつの良いところなわけで……そのあたりも(ふく)めて、マイスのことは好き、っていうか 嫌いじゃないんだけど……はい、ストップ」

 

 

 あたしが独り言を言っている間に ソファーから飛び降りようとした毛玉に言い放つ

 

「次は無いわよ…?」

 

「…………」ブンブン!

 

 必死な顔をして頷く毛玉。……そこまで銃が怖いなら、なんで いちいち逃げようとするのかしら…

 

 

 

ガチャリ

 

 そんな中 ドアノブを回す音が聞こえた

 

 やっとマイスが帰ってきたのかと 毛玉に銃をむけたまま玄関のほうを見たけど、そこにいたのは別の存在だった

 

「あんたは確か、ロロナのところの…ホムだったかしら?」

 

「はい、ホムはホムです……それで、この状況は いったい…?」

 

「ちょっと この毛玉がコンテナから物を盗ろうとしてね、マイスのヤツに突き出そうと思って あいつが帰ってくるのを待ってるんだけど……」

 

 そういえばロロナから聞いた話だと、このホムって子とマイスは かなり仲が良いらしかったわよね? マイスが何処に行ったか知ってたりしないかしら?

 

「ねえ、マイスが何処に行ったかとか、いつ頃 帰ってくるかわかったりしない?」

 

 あたしがそう聞くと ホムは困った顔をして数秒(うな)ったかと思えば、深い溜息をついた

 

 

 

 

「そこにいます」

 

「はぁ?そこってどこよ」

 

 ホムが指を指したのは あたしのすぐそば。つまりは…

 

「そのモコモコがおにいちゃんです」

 

「は!?」

 

 

 なにを馬鹿なことを と、笑い飛ばそうとしたところ、毛玉から「ちょ!?」と マイスの声が聞こえた

 

「この状況を打開するためには 仕方ないとホムは考えました…」

 

「でも、色々 マズイようなきがするんだけど」

 

「ですが、あのままだと、ずっと帰るはずのない人を待ち続けるか おにいちゃんが銃で撃たれるかの、どちらかだったと思いますが」

 

「うっ……そ、それはそうだけど…」

 

 

 

 毛玉が、モンスターがマイスの声で ホムと喋ってる……。どういうこと?マイスがモンスターだった???

 いや、それよりも……

 

 

『優しいところに あたしは助けられた』

 

『…そのあたりも含めて、マイスのことは好きっていうか 嫌いじゃないんだけど…』

 

『マイスのことは好き』

 

 

 ゼンブ マイスニ キカレテタ…?

 

 

 

「き、キャアァァーーーーーーーーー!?」

 

「へぶしっ!?」

 

 気がついたらマイス(毛玉)に殴りかかっていた……

 あたしが思いっきり殴ってしまったマイス(毛玉)は、当たり所が悪かったのか そのまま気絶し ソファーに倒れてしまった

 

 無意識のこととはいえ……ど、どうしようかしら

 

 

「…発砲をしなかったくーちゃんを ホムは()めたいと思います」

 

「そ、そうね。そんなことになったら 取り返しのつかないことに……と!とりあえず!あんた どういうことか知ってるんでしょ!?説明しなさいよー!!…あと、くーちゃん言うな!」

 

「まずは落ち着いてください。パニック状態のままでは 話を聞いても理解できない…とホムは推測します」

 

 

 落ち着けって言われても……

 とりあえず、この子から話を聞いて……それから どうするのよ?ホントどーなるのよ これ…

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

「―――と いうわけです」

 

「はぁー…つまり、マイスが人間とモンスターのハーフで、元いた所は 遠いなんてもんじゃなくて…」

 

 ホムからマイスのことを粗方聞いたところで、ソファーで気絶していたマイス(毛玉)が「……んん…」と小さく呻き声を出しながら起き上がった

 

 

「あれ…?僕は……そうだ!クーデリア!!」

 

「叫ばなくても聞こえるわよ」

 

「えっ…あれ?」

 

 あたしの言葉を聞いたマイス(毛玉)は、こちらを向き 驚いたように目を見開いていた

 

「……何よ、そんなに驚いて。いないほうが良かったかしら?」

 

「いや、そんなことはないんだけど……」

 

 何やら釈然としていない様子のマイス

 …そこまで不安だったのかしら? 同じ立場には決して立てないあたしには、その不安を計り知ることは出来そうもない

 

「いきなり殴っちゃってゴメンね」

 

「え、あ うん…」

 

「あんたのことは ホムから大体聞いたわ。……驚きはしたけど、まあ そんなもんね」

 

「そんなもんって…?」

 

「あんたはあんた、ってことよ。もうちょっと自分に自信を持ちなさい」

 

 そう言われても いまいちピンと来ないのだろう。マイスは首をかしげていて、あたしは少し苛立(いらだ)ちも感じたけど、そのいつも通りのノンビリとした感じに安心した

 

 

「とにかく!あたしは これまで通りあんたに接するから 気にしなくていいわよ。……あっ!あと、今日のことは忘れなさい!いいわね!」

 

 

 

 

=========

 

 

 クーデリアが大声を出した後すぐに 外に出ていってしまったので、残されたマイスとホムは、ふたりして首をかしげていた

 

「今日のことは忘れなさいって、いったい何のことをなのかな?」

 

「勢いで おにいちゃんを叩いたことでしょうか?」

 

「でも、それはもう謝ってくれてるし……」

 

 「じゃあ、何を?」と、ふたりそろって悩みだすマイスとホム

 

 

「……そういえば、元々クーデリアは 何の用で来てたんだろう…?」

 

「さあ?ホムにもわかりません……ん?これは……?」

 

 ホムがソファーのわきに置いてあったものに気がつき、持ち上げて テーブルの上に置いた

 それは、鉢に入った土から生えた 綺麗な花だった

 

「うーん…見覚えがないなぁ?」

 

「かわいらしいリボンで鉢が装飾されています。リボンで物を結ぶのはプレゼントの定石だと ホムは記憶しています。…これは おにいちゃんへのプレゼントなのでは?」

 

「えっ、僕に?なんで?」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。