マイスのファーム~アーランドの農夫~【公開再開】   作:小実

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 上手く区切りをつけられず、過去最長の長さになりました
 それと、途中出てくる年数はちょっと曖昧です。公式のほうでも大体でしかわからなかったので…

 マイス君がやっと登場。物語の中に いい感じに絡んでくれることを望んでいます…………私が書くんですけどね



 


1年目:トトリ「青の農村での出会い」

 数回の調合を終えて いくつかの依頼を達成したわたしは、昼過ぎにアーランドの街を出て ジーノくんを連れて『青の農村』へと伸びる街道を歩いていました

 

 その道中、モンスターがいないかキョロキョロしながら歩いてたジーノくんが不意に わたしに聞いてきた

 

 

「なあ トトリ。今回は 冒険の前に人に会いに行くんだよな?」

 

「うん、そうだけど。それがどうかしたの?」

 

「うーん……いや…」

 

 腕を組んで 何かを悩んでいるかのようにうつむきがちになっているジーノくん

 そんな 珍しく歯切れの悪いジーノくんが不思議で どうしたのか気になって顔を覗きこんでみた。その時、ちょうどジーノくんは顔をあげて、眉間にシワを寄せながら頭をかきながら ポツリと言った

 

「その『マイス』って名前、なーんかどっかで聞いた覚えがあるような気がしててさ。何の時だったけなぁ?」

 

「ジーノくんも!?実はわたしも なんだか聞いたことがあるような気がしてて…」

 

「トトリもなのか?なら『アランヤ村』の酒場かどっかで聞いたのかな」

 

「どうだろう…よく思い出せない」

 

 でも、きっと『アランヤ村』のどこかで聞いたんだとは思うんだけど……。なんでだろう、本当に思い出せないよ…

 

 

「まあ、実際会ってみたら何かわかるだろ」

 

「それもそうだね。…あっ、建物が見えてきたよ!あそこが『青の農村』じゃないかな?」

 

 街道の先に見えてきた建物たち、『アランヤ村』と同じくらいか ちょっと大きいくらいの規模みたい。そのそばには畑らしきものも見えるから きっと間違いないと思う

 わたしとジーノくんは 自然とこれまでよりも足早になりならが、村へと向かって進んでいった

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

***青の農村***

 

 

 わたしとジーノくんは『青の農村』にたどり着いたんだけど……

 

 

「えっ、あれ…?」

 

「どうなってるんだ!?なんで村の中にモンスターが!?」

 

 そう、村のところどころにモンスターがいるのが見えた

 畑の中をピョンピョン跳ねている『ぷに』。建物の入り口横で丸まって寝ている『ウォルフ』。広場をウロウロしている『たるリス』

 どれも一匹二匹って数ではない……もしかして、村がモンスターに襲われたとか!?

 

 

 

「とにかく、あいつらを追い払わねぇと!」

 

 そう言ってジーノくんが 腰に下げた剣を抜いて駆け出そうとし、わたしも後に続こうとした……その時

 

 

「おい!止まれ、そこのちいせえの!」

 

 わたしたちの後方から大きな声で放たれた言葉に、わたしたちは立ち止まって 声のした方へと振り向いた

 

 そこにいたのは、わたしよりも頭一つは大きな背をした 赤みがかった髪の男の人で、その背中には大きな荷物をしょっていた

 

「なんだよ、なんで 止めるんだよ!村の中にモンスターがいるんだぞ!」

 

 ジーノくんが声を荒げて言うけど、赤髪の人は なんだか呆れたように「あー、やっぱりか」って呟いて首を振った

 

「あいつらを よく見てみな。身体のどっかに『青い布』を巻いてあるだろ?」

 

 

「『青い布』…?」

 

「あっ、ホントだ。ほらジーノくん、『ウォルフ』の首に巻いてあるよ」

 

 指で指し示しながら言うと ジーノくんもわかったみたいで、今度はジーノくんが 遠くにいる『たるリス』を指差しして言った

 

「アイツは左腕の根元に巻いてる……で、それが何なんだ?」

 

「『ぷに』は…青い帽子かぶってる」

 

 布を巻けそうな場所がないから、代わりに帽子(ぼうし)なのかな?

 

 

「本当にお前ら 何も知らねぇんだな」

 

 赤髪の人はため息をつきながら「まあ とりあえず武器を仕舞えって」とジーノくんに言った。ジーノくんは なんだか納得してなさそうだったけど、剣を仕舞った

 それを確認した赤髪の人が口を開いた

 

 

「『青い布』は この村の一員の証。この村の村長が巻いてやってて、人間を襲わないモンスターの(しるし)でもあるんだ」

 

「モンスターが人を襲わない…それ、本当かよ」

 

「まあ 信じられないことかもしれないが、とりあえず この村にいる奴らは基本的に襲わねえよ」

 

 そう断言する赤髪の人だったけど、わたしはひとつ気になることがあった

 

「その「基本的に」って、それは…」

 

「村の一員に 危害を加えたやつには容赦ないんだよ。危害を加えたやつが 人であろうとモンスターであろうとな。命とかには関わらない程度に 寄ってたかってフルボッコにされてたな」

 

「も、もしかして、あのままだったら わたしたちが…?」

 

「そうなってた。ときどきいるんだよ、お前らみたいな何も知らない奴らがさ。アーランドの人たちは みんな知ってるから、大抵 もっと遠くから来たやつなんだが……」

 

 そう言えば、クーデリアさんが「注意することは 村の中で武器を構えないこと」とか言ってたような……このことだったんだ…

 

 

 

 赤髪の人が はたと何かを思い出したように 私たちに問いかけてきた

 

「そういや、お前らは何の用でこの村に来たんだ? 農作物の取引って感じじゃなさそうだし……新米冒険者がたまたま立ち寄っただけか?」

 

「あっ いえ、ちょっと 人に会いに来たんですけど……マイスって名前なんですけど、知りませんか?」

 

「新米冒険者がマイスに?なんでまた」

 

「えっと、実は…」

 

 

 

 わたしは赤髪の人に クーデリアさんから「マイス」って人に会ってみると良いと言われた話を 軽く説明をした

 

「あの小さいねえちゃんも ちゃんと村のこと教えておけよな……はあ、まあここで言ってもしかたねぇか」

 

「それで マイスってやつはこの村にいるんだろ?どこなんだ?早く教えてくれよ」

 

「ちょ、ジーノくん!?もうちょっと言い方が…!? あっ、その、ごめんなさい!」

 

「いいさ。このくらいのガキンチョは ちょっと生意気なぐらいがちょうどいいからな」

 

 軽快に笑いながら そう言ってくれた赤髪の人は、村の北のほうへと目をやり 指をさした。それにつられるように わたしたちもソッチへと目をむける

 

 

「あそこに(しゅ)色の屋根の家が見えるだろ?」

 

「えっと…あの一番大きい、(かね)がてっぺんにある建物ですか?」

 

「いや、それよりもちょっと手前。あの一番古い感じの家、あれがマイスの家だ。今日はまだ会ってないからわかんねぇけど、きっといるはずだ。 いなかったら……まあ、さっきお前が言った 一番大きい建物に行って聞きな」

 

「わかりました!ありがとうございます!」

 

「ありがとな!にいちゃん!」

 

 わたしとジーノくんがお礼を言うと、赤髪の人は軽く手を振って首をすくめてみせた

 

「別に礼を言われるほどのことじゃねえよ。 まあ、今度 オレの店で買い物して行ってくれたらいいさ。 そろそろオレは行くぜ?じゃあな」

 

 そう言って赤髪の人は マイスさんの家の方向とは別方向へと歩いていった

 

 

 

「んじゃ、場所もわかったし行こうぜ トトリ」

 

「うん、そうだね」

 

 先に歩き出したジーノくんに付いて行くように わたしも歩き出す

 

 歩きながら村の様子をよくよく見れば、村の人たちは 村の中にいるモンスターを別段気にしているわけでもなく、むしろ親しくしているような気さえした

 中には 寝転んでいる『ウォルフ』をモフモフしている子供がいたりもしてた……わたしもモフモフしてみたいかも…

 

 

 ……そういえば、さっきの人「オレの店」って言ってたけど、何かのお店の人だっかのかな?うーん、気になるけど…、どこにあるのかもわからないから 買い物のしようがないなぁ…

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 赤髪の人が教えてくれた マイスさんの家

 その手前にある畑のそばに、胴に足と腕と頭がついた 人に似た形をした土の塊があって、頭のてっぺんから生えてる大きな葉っぱが ピコピコ動いているのが凄く気になったけど……とりあえず 家にたどりついた

 

 

「出かけてないといいんだけど…」

 

「そんなこと今ここで心配しても しょうがねぇだろ。早くしようぜ?」

 

「う、うん」

 

 一歩踏み出して 玄関の扉へと手を伸ばす

 

 

コンコンッ

 

 

「はーい!」

 

 ノックをすると、家の中から返事が返ってきた。よかった、留守じゃないみたい

 

 少し待っていると 扉が開いたんだけど…

 

 

「ごめんなさい、お待たせしましたー!」

 

 出てきたのは、わたしよりも少し大きくて ジーノくんよりも少し小さい…そんな男の子だった

 

「あっ えっと、あの…わたし、マイスさんって人をさがしてるんですけど…」

 

「それなら 僕だけど……」

 

「えっ!?」

 

 この子は マイスって人の子供か弟かと思っていたのに、本人だったことに驚かされた

 そして、さらに わたしを驚かせる言葉が耳に入ってきた

 

 

「あれ?ツェツィさん…じゃない……ひょっとしてトトリちゃん?それに 後ろの子はジーノくんだね!」

 

 

 えっ、ええっ!?ど、どどど どういうこと!?

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

***マイスの家***

 

 

「はーい、『香茶』が はいったよ。それと、こっちは新作の『クッキー』。よかったら食べてみて!」

 

「あっ、はい…!」

 

 わたしとジーノくんは、マイスさんに(すす)められるがままに家に(まね)き入れられた。そして。ソファーに座ると 目の前にあるテーブルに『クッキー』と『香茶』が それぞれ用意されてきた

 

 それにしても、まだ 何かあるのかな? マイスさんは また階段と壁の向こう側…たぶんキッチンがあるんだろう場所へと行ってしまった

 

 

「んおっ!?コレ、すっげーウメェぞ!!トトリ!お前も食ってみろよ!」

 

 ジーノくんはジーノくんらしく いつも通りだけど……私は さっき家の前で聞いたマイスさんの言葉のことで頭がいっぱいだった

 

 いったい どういうことなんだろう。わたしとジーノくん、それにツェツィ…ツェツィーリア・ヘルモルト…つまり わたしのおねえちゃんのことまで知ってるみたい

 私たちのことを知っていて、わたしとジーノくんも マイスさんの名前を知ってる……それって、もしかしたら…

 

 

 

「なあ トトリ、お前が食わないなら 俺が食っても…」

 

 わたしが考え事をしているうちに、いつの間にか 自分の前のお皿にあった『クッキー』を食べ終えてしまったジーノくんが、わたしの方のお皿にゆっくりと手を伸ばそうとしていた

 

「って、ちょっと ジーノくん!わたし、食べないって一言も言ってないよ!?」

 

「いいじゃん、あと一、二枚だけさぁ」

 

「ダメ!あげない!」

 

「ちぇ~」

 

 口をとがらせるジーノくんを横目に見ながら、わたしは『クッキー』を食べてみた

 

「あっ、美味しい…」

 

 ただ甘いだけじゃなくて、なんだか口当たりがいい感じで……新作って言ってたのは、このあたりのことだったのかな?

 もう一枚食べてから 今度は『香茶』を口にする。…うん!この『クッキー』は『香茶』との相性もいいみたい

 

「いいなぁ、俺にも一枚くれよぉー」

 

「もう、ジーノくんは 自分の分を食べちゃったんでしょ。あげないってば!」

 

 

 

 

「あらら、やっぱり 育ち盛りには少し物足りなかったかな?」

 

 そう言ったのは キッチンから戻ってきたマイスさん。その両手にはお皿…何だろう?なんだか黄色くて四角いものが乗ってる……

 

「なんだソレ?ウマいやつか!?」

 

 少し興奮気味に言うジーノくんに、マイスさんはニッコリと笑いながらお皿をテーブルに置いた

 

「アーランド周辺にはないお菓子で、『むしカステラ』っていうんだけど……口に合えばいいな」

 

 そう言った後、「あっ、でも…」とマイスさんは付け足した

 

「この『むしカステラ』で最後だからね」

 

「ええー!なんでだよ」

 

「なんでって、夜ゴハンをしっかり食べるためだよ。…って、間食を(すす)めた僕が言っても、あんまり説得力がないか」

 

 少し困ったように笑いながら、テーブルを挟んで ソファーとは反対側にあるイスに座るマイスさん

 ちょうど、その頃には『クッキー』を食べ終えていた わたしは、さっきからずっと持っていた疑問を聞いてみることにした

 

 

 

「あのー…少し聞いてもいいですか?」

 

「うん、いいよ!何かな?」

 

「マイスさんは どうしてわたしたちのことを知ってるんですか?」

 

 わたしがそう聞くと、マイスさんは一瞬驚いた顔をした後「ああ…なるほど。まあ それもそうだよね」と 言いながら腕を組んでうなりだした

 

「どこから話そうか迷うけど……二人のことを知ってるのは、前に僕が『アランヤ村』に行ったことがあって 二人に会ったこともあるからなんだ。…トトリちゃんのお姉さんが、今のトトリちゃんの歳くらいの時だったから もしかしたら憶えていないかもね」

 

 前に『アランヤ村』に来たことがある…そっか、だから わたしとジーノくんがマイスさんの名前を聞いたことがある気がするんだ

 ……でも、何故か その時のことは なんとなく思い出せない。その頃 わたしって、そんなに小さかったのかな?

 

 

「ああーーーっ!!」

 

 『むしカステラ』を頬張(ほおば)っていたジーノくんが、大声をあげた。ソファーから()ねる様に立ち上がって、そしてその手はマイスさんを指差していた

 

「あの時の!ネコの人形劇の人と一緒にいた にーちゃん!!……って、ああ!だから あの受付のねぇちゃんに何か見覚えがあったんだ!!」

 

「受付って、クーデリアさん? ジーノくん、そんなこと言ってたっけ?」

 

「ちげーよ!あの 変にビクビクしてたほう!」

 

 そうジーノくんに言われて思い浮かんだのは、『冒険者免許』や『冒険者ランク』といった冒険者に関わることを取り扱っている受付の隣……街の人たちの要望等をひとまとめにして 依頼として冒険者や有志の人に出している方の受付だった

 

「えっと、それじゃあ フィリーさん?……でも、フィリーさん、わたしたちに会った時「はじめまして」って言ってたような…」

 

 わたしの呟きに対して、何故かマイスさんが困った顔をしていた

 

「うーん、たぶん それは二人が思った以上に成長してて気がつかなかった……っていうよりも、ただ単に 覚えてなかったんだと思う。あの頃は 今以上に人見知りが激しかったから、人の顔を見て覚えたりできてなかったし……でもなぁ、そこまでとは思ってなかったんだけど」

 

 そう言っているマイスさんは、フィリーさんが わたしたちのことを覚えてないことに かなり驚いてるみたいだった

 

 

 

「…あれ?でも そうなると、二人は何で僕に会いに来たの?」

 

「あっ、はい!実はわたしたち 少し前に冒険者になったんですけど、『冒険者ギルド』でお世話になってるクーデリアさんに、アーランドで活動するなら助けになってくれるだろうって マイスさんことを教えてもらったんです。『錬金術』のことも知ってるって…」

 

 わたしが簡単に説明しているうちに、マイスさんは二回くらい 目に見えて大きく驚いていた

 一回目は「冒険者になった」と言った時、二回目は「『錬金術』」と言った時だった

 

 そして マイスさんは、思い出したように ポンッと手を叩いた

 

「名前までは聞いてなかったけど、ロロナが言ってた弟子っていうのは トトリちゃんだったんだね!なるほどー」

 

 何かを納得したように ひとりウンウンと頷くマイスさん

 

 クーデリアさんが 「ロロナの弟子って知ったら~」みたいなことを言っていた時に なんとなく予想してたけど、ロロナ先生とマイスさんは何かしらの関係があるみたい

 二人の共通点っていったら『錬金術』ぐらいだと思うから、 もしかして、同じ人から教わったとかかな?

 

 

 

 そんなことを わたしが考えていると、マイスさんが「それにしても…」と、どこか遠くを見るような目をしながらニッコリと微笑みをうかべて……

 

 

「まさか あのトトリちゃんが ギゼラさんと同じ冒険者になるなんてなぁ…」

 

「えっ!?お母さんのこと、知ってるんですか!?」

 

 驚いて とっさに出た言葉だった。…よくよく考えてみれば、前に『アランヤ村』に来たことがあるなら 別に知っててもおかしくなかった

 

 わたしの大声に マイスさんは少し困惑していたみたいで、目をパチクリしていた

 そして、いきなり大声を出してしまったことを わたしが謝るよりも、マイスさんが口を開くよりも早く…

 

 

「にーちゃんが『アランヤ村』に来たのって、たしか トトリのかーちゃんに会うためだったよな?」

 

 その声はジーノくんだった。腕を組んで少しうなりながら首をひねり、必死に思い出そうとしながら 言っていた

 

 ジーノくんの言葉に マイスさんは軽く頷いた

 

「そうだよ。人形劇とかの理由もあるにはあったけど、僕の中では それが本命だったね」

 

「んじゃあさ、その後に トトリのかーちゃんに会ったことってある?」

 

「それは まあ何度も。…とは言っても ここ何年かは会えてないけど……ちょっと待ってね」

 

 そう言って マイスさんはイスから立ち上がり、壁際の(たな)へと向かって行った。そして 棚の中の本の背表紙を確認しながら 一冊を取り出し、ページをパラパラとめくりだした

 

 そして、めくる手を止めたかと思えば その本を見ながらイスまで戻ってきた

 

「最後に会ったのは 今からだいたい4,5年前で、その時に「今回は いつもより遠くに行くから、ちょっとの間 会えなくなると思う」って言ってたよ」

 

 

 4,5年前……たぶん、ちょうどお母さんが帰ってこなくなったあたりだ

 

 

「お母さん、どこに行くか 言ってませんでしたか…?」

 

 わたしがそう聞くと、マイスさんは本から目を離して わたしの方を見てきた。…その顔は、これまで微笑みをうかべていた顔とは違って、キリッとしていて 真剣そのものだった

 

「行先までは言ってなかったね。…他に言ってたことといえば、「これまでに無いくらいの大物と闘えそうだー」ってことくらいかな」

 

 「参考にはなりそうにないね」と、申し訳なさそうに言うマイスさん

 ジーノくんも「そっか…」と少し肩を落としてた

 

 

 

 

 行方不明のお母さんの手がかりが見つかったと思ったけど、どこにいるか特定できそうな情報は 残念だけどなかった…

 

 そう落ち込んでいると、マイスさんが「そのー…」と小さな声を出しているのに気がついた

 そして、お母さんのこと・わたしが冒険者になった理由を 何一つ説明してなかったことに気がついた

 

 

「ご、ごめんなさい!いきなり色々聞いちゃって…!あの、その…!!実は…私が冒険者になったのは…」

 

「いや、僕が聞こうとしたのは そっちじゃなくて……」

 

 わたしの言葉をさえぎるように手で制しながら、マイスさんは言った

 

 

「今日の夜はどうするか 決めてる?」

 

 その顔は 会ってすぐの時と同じ、少し子供っぽい 柔らかい笑みだった

 

 





 赤毛の少年は、そのうち また登場する……かもしれません。イッタイ ダレナンダー?


 そして、マイス君はマイス君のままでした
 高身長のマイス君は想像できませんでした…。身長はあまり伸びずギリギリ150㎝前半くらいではないかと……
 一応、まだ伸びる余地はあるとは考えています(くーちゃんを横目に見ながら



 告知となりますが、5月13日(金)00:00に不定期更新『ロロナのアトリエ・番外編』を更新する予定です
 『ロロナのアトリエ・番外編』は 『ロロナのアトリエ編』と『トトリのアトリエ編』の間に挿入されます。ご注意ください

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