タグにある「原作ネタバレ」「捏造設定」「ご都合主義」等の要素が多々あります。ご了承ください
***アランヤ村***
「ついたー!」
「はぁー、そんなに経ってないはずなのに、やけに久々に感じるな!」
『アランヤ村』が見えるやいなや、元気に
「『アランヤ村』……変わってないなぁ…」
さすが海辺の村。潮風が鼻をくすぐる。あたりを見渡してみると、数年前に
白を基調とした壁に やや黄色よりのオレンジ色の屋根の家々。アーランドの街の建物たちとは違って、1階建て…もしくは2階建ての建物ばかりだ
そして、村の入り口のほど近くにある イカリのモニュメントがある小池。あのそばで リオネラが人形劇をしたんだったよなぁ……
「マイスさん?」
そんなことを思い出していると、いつの間にかコッチを向いていたトトリちゃんが、不思議そうに僕の顔を見つめているのに気がついた
「…ああっ、ごめんごめん!ちょっとボーッとしてて……なにかな?」
「えっと、わたしとジーノ君は ゲラルドさんのところに依頼の報告をしに行こうと思うんですけど……マイスさんはどうしますか?もし、何も考えてなかったら一緒にきませんか?」
ゲラルドさん……酒場でマスターをしている人だったよね?あの人のところでギルドの依頼を受けられるようになってるんだ
あの人は、なんでマスターをしてるのか不思議なくらい逆三角形体格で、それこそ冒険者か鍛冶屋さんのほうが似合ってそうな印象だったな…
「うーん、できれば グイードさんに会って挨拶したりしたいんだけど…」
「お父さんですか?それなら、
船が泊まっている港の先で 釣りか……そういえば、前に来た時も 釣りをしてるときがあったっけ
でも、気になるのは トトリちゃんの様子。なんだか とても心配そうな顔をして、何かを言い
「あ、あの!ちゃんと目を
「えっ?」
「その、お父さんって影が薄いっていうか、存在感がないっていうか…」
トトリちゃんの後ろで話を聞いていたジーノ君も「あー、確かに」と頷いている
それはまあ、グイードさんは特別 特徴的な髪型や服装をしていた記憶はないけど……それでも、
いや、そうなると、 トトリちゃんのこの反応はどういうことだろう…?
少し気になるところがあるが、とりあえず トトリちゃんたちとは別れて、トトリちゃんのお父さん…グイードさんを探すことにした
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***ヘルモルト家・前***
埠頭でグイードさんを見つけ出せなかった僕は、村の中心部から少し離れた 海のそばの高台の上にある『ヘルモルト家』へと足を運んだ
以前に来たことがあるので 場所はわかっていたのだけど、記憶していたのとは外観がかなり変わっていて驚いたが、あることに気がつき 納得する
家のほうをむいて立った時の、向かって右側。見覚えの無い煙突等、外観が最も変わっていた部分なのだが、そちら側の扉の上あたりに
釜は 錬金釜をあらわしているのだろう。つまりは あの右側の部分が トトリちゃんの『アトリエ』というわけだ。おそらく、トトリちゃんが『錬金術士』になった際に 家を大きく改築したのだろう
そんなふうに 目に見える変化を感じながら、僕は アトリエへの入り口らしき扉…ではなく、大元の家の玄関のほうの扉の前に立つ
コンコンコンッ
「 はーい」
ノックをすると、そう間を開けずに 女の人の声が聞こえた。おそらく、ヘルモルト家 長女でありトトリちゃんのお姉さんのツェツィさんだろう
そして、玄関の扉が開かれて、家の中から女の人が出てきた
「お待たせしましたー……って、マイス…さん?」
「お久しぶりです、ツェツィさん」
トトリちゃんの時とは違い、ツェツィさんは 僕のことを憶えていたみたいだ
……そして、微妙にツェツィさんのほうが僕よりも身長が高くなっていた。予想はしていたけど、全くショックを受けないわけじゃない
「あの、グイードさんいますか?」
「お父さんですか?え、ええっと……まだ家にいるかしら?」
「ああ、いるよ」
「えっ…きゃあ!?」
玄関に立っていたツェツィさんが振り向いて家の中を確認しようとした ちょうどその時、ユラリとツェツィさんの後ろにグイードさんが突然
そして、突然現れたグイードさんに、ツェツィーさんは盛大に驚いて 短い悲鳴をあげていた
「久しぶりだね、マイス君。今日はどうしたんだい……いや、大体 見当はついてるんだけどね。…村まではトトリと一緒だったのかい?」
僕が頷いて答えると グイードさんは「そうかい」と柔和な笑みを浮かべながら 頷き返してきた
僕は グイードさんに 少し違和感を感じていた。前に会った時、ここまで気の抜けたような感じのするような人ではなかった記憶がある
変わってしまった理由……いや、考えなくても わかる
「ツェツィ。仕事に行く前に、ちょっと 頼みたいことがあるんだ」
「えっ」
「彼と 少し話がしたいんだ。少しの間、家の外で トトリが帰ってくるのを見張っててくれないか?」
「お父さん……」
心配そうにグイードさんのことを見つめるツェツィさん。そんな彼女に対し、グイードさんは軽く首を振りながら「気にすることは無いさ」と言った
「ツェツィの言いたいことはわかる。でも、僕個人として 彼に話しておきたいのさ……あいつの友達のマイス君にね」
「……わかった。トトリちゃんが来たら…軽くノックして私から入るから、別の話に切り替えてね。 ささっ、マイスさん入ってください」
ツェツィさんに
「さて……君が来たのはあいつの…ギゼラのことだろう?」
「はい。 ギゼラさんのとこは トトリちゃんから聞きました。……でも、わからないことがあるんです」
そう 僕が話しだすと、グイードさんは少し険しい表情になって 僕のことを見据えてきた。だけど、臆することはせずに 言葉を続ける
「冒険者には、偶にですけど行方不明者が出て その人のランク以上の人を捜索に出すことがあります。僕も 何度か参加したことがあるんですが……その、僕は ギゼラさんの行方不明については 一度も聞いたことがありませんでした。だけど それは…」
「おかしい…って思うよね。捜索願いを出せないのなら 行先がわからないからなはず……だけど、あいつが行先を言わずに行ったとは 君は思えなかった。そうだろう?」
「……はい。そうしたら、ギゼラさんの情報を止めてるのは 間違いなく『アランヤ村』の人たち。…でも、理由も無く そんなことをするとは思えません。 たぶん、何か決定的なものがあったから…」
『冒険者ギルド』に話がいくことがなかったんですよね?……そう僕が口にする前に、グイードさんが「ふぅ…」と小さく息をつくのが聞こえ、それが肯定なのだと なんとなく感じた僕は口を止めた
「『フラウシュトラウト』……港を出て 外海へと向かうと出会う化け物だ。昔っから 欲を出して遠くまで漁に出た船なんかが 襲われて沈められたりしてきたもんさ」
海岸線にある『アランヤ村』では 漁師が多く、他の職も漁や海に関係する職が大半を
なるほど、だからギゼラさんも よく知っているようなことを言っていたんだ
「あいつは、その『フラウシュトラウト』のもとへと向かったんだが……数日
「…そのことを トトリちゃんは?」
「……残骸が流れついた時、何も理解できてないトトリに 不用意に言ってしまったんだ「お母さんが死んだ」とね。…それから1週間くらい泣き続けて……泣き止んだ時には、トトリはあいつのことを ほとんど忘れた状態になったしまっていた…」
そんなことがあったからトトリちゃんには二度と知られないように 村のみんなにも秘密にしてもらっているんだ、と グイードさんは付け加えた
…グイードさんは「不用意に」と自ら言ったけど、それを責めることが出来る人がいるだろうか
自身の 船大工として最高の仕事を
僕には計り知れないほどの大きさ…………けど、何故か僕の心の中は スッキリとしていた
「話を聞かせてくれて、ありがとうございます。…おかげで、自分のすべきことが しっかり見えてきました」
僕が頭を下げ 礼を言うと、グイードさんは 驚いたような顔をした後、何を思ったのか なだめるような口調で僕へ言葉を投げかけてきた
「君のように
「言いませんよ」
グイードさんの言葉を さえぎるように言う。グイードさんは また驚いた顔をし、僕を見据えてくる
「でも、利口だからなんて理由じゃないです。『フラウシュトラウト』の
僕は言葉足らずどころか、失礼なことしか言えないかもしれない。だけど、僕は 僕自身が思っていること以上の言葉なんて言えないことは百も承知だし、それでも 伝えたいことがあるなら口を動かさないといけないことも知っている
「ギゼラさんは『フラウシュトラウト』なんかに負けません!グイードさんの造った船の残骸は『フラウシュトラウト』よりも強いヤツに……そう!ギゼラさんが
思ったことを、思いついたことを、そのまま口にする。……正直言って、半分 自分で言ってることがわからなくなってきた
「ええっと、だから その…ギゼラさんのことは トトリちゃんとの約束の次で大丈夫だって思ったんです」
「約束…?」
「「一人前の冒険者になるための活動を手伝う」って約束をしたんです。約束を放り投げて ひとりでギゼラさんを探しに行くわけにも行きませんし……って、あれ?トトリちゃんが冒険者になったのはギゼラさんを探すためだから、ギゼラさんを優先したほうがいいのかな?でも…」
少し口の動きを止めたとたん、自分の考えていることが 無茶苦茶になりだしたことに気がつきはじめた
「ははっ、まあ 『フラウシュトラウト』に沈められないように造った船を壊せるような奴は あいつくらいだろうな。モンスター退治で 橋を落としてしまったこともあるから、否定しきれないのが痛いな……それに、あいつの言ってたことがよくわかった」
「ギゼラさんの言ってたこと…?」
「「マイスのやつは 見た目のわりには大人びてるけど あたしと同じ直感で動くやつで、そんでもって 必死になればなるほど歳相応になるカワイイ奴だ」って、笑いながら話してたよ。確かに あいつと同じで言ってることが無茶苦茶だ」
懐かしむように言うグイードさんだけど、聞いてる僕としては「そんなふうにおもわれてたのか!」と「もしかして、そんな話を他の人も聞いてるの!?」というふたつの思いが混ざって、すごく恥ずかしくて顔が熱くなってきていた
「あのー……ギゼラさん、そんなこと話してたんですか?」
「ああ。冒険の後 君のところに寄って帰ってきた日には特にね」
「ちょっと 聞くのが怖いですけど……例えば どんな話を…?」
「料理のことが半分、
…とりあえず、ギゼラさんが 僕の秘密のことを話していないことに一安心し、肩をなでおろす
が、別の意味で困ることを グイードさんは口にした
「あとひとりくらい子供が…息子がいても良かったかなー なんて言ってたよ」
「あの…それを聞いた僕は、どういう反応をすれば……」
「あははは…困るよな。あの時は私も困ったよ、いろんな意味で」
その頃のことを懐かしむようにしていたグイードさんだったけど、ふいに 僕の目を見て問いかけてきた
「なあ、マイス君」
「なんでしょう?」
「一緒に冒険してみた君から見て、トトリは冒険者として ちゃんとやっていけそうかな?」
「…心配いりませんよ。トトリちゃんは一歩一歩しっかり踏みしめて行く 真面目な子でしたから」
「そうか、君が言うなら間違いないだろうね」
安心したように微笑むグイードさん
バァン!
と その時、玄関の扉が勢いよく
そこにいたのは、随分と肌の露出の多い女性。その後ろには
そして……
「……ウソ、育ってなくない…?」
女性の一言が 僕の精神を容赦なく
「マイス君がひとりでギゼラさんを探しに行く」という 原作から大きく離れる話にはなりませんでした。理由としては「大半のキャラが登場できなくなってしまうから」というのがあげられます
というか、マイス君の扱いに気をつけないと ギゼラさん関連のイベントがいろんな意味で大変なことになりそうで……が、がんばります!