ゼロの使い魔~逝ッテイーヨされた天才科学者~ 作:ゴルドドライブ様
A.今回だけです、内容がアレなので……。
Q.具体的には?
A.残酷描写タグ様々、才人くん原作以上にズタボロ。
Q.蛮野「私の出番は?」
A.あるよ(白目)
才人は、ケティが変化した赤い怪人の戦闘能力を奪おうと、ギーシュを一撃で吹き飛ばし気絶させた電撃を放った杖を持つ左腕を狙い剣を振り下ろすも……。
「折れたぁ!?」
折れた刀身が宙を舞い、怪人の近くに突き立つ。
それと同時に、折れた剣を見て呆然としていた才人の身を異変が襲う。
「ぐ……がぁ!?」
まず、左手のルーンから光が失われ、次いで全身の筋肉が引き千切れそうな痛みと、強烈な睡魔を含む疲労感。
倒れ込みそうになる体に鞭打ち、怪人と対峙する才人。
「邪魔です」
無造作に振るった杖による一撃で才人を殴り倒し、それを一瞥もせずにギーシュの元へと歩み出そうとする怪人。だがそれを阻まんとするように、背後から火球が怪人を襲う。
見事背中に着弾した火球であったが、堪えた様子も見せずに振り返る。
「ふふ……今後は誰ですかぁ?」
「うそ、全然効いてない!?」
「悪い子には……お仕置きが必要ですねえええええ!!」
自慢の呪文がまるで効いていないことに狼狽していた赤髪の少女に、怪人から電撃が放たれる。その攻撃を予見していた、彼女の隣にいる小柄な青髪の少女は既に呪文を唱えていた。
「――ウォーター・シールド」
地面と接するように発生した水の盾が電撃を地面へと流し、二人の身を守る。本来、純粋な水というものは電気を通さない。だがこの青髪の少女は、水に不純物を含ませることで電気を通しやすくし、尚且つ地面に接させることで怪人からの電撃を受け流したのだ。
「助かったわ」
「いい」
赤と青の対照的な二人は、目配せすると同時に駆ける。
怪人と一定の距離を保ちながら、赤髪の少女は火球を連射して牽制し、青髪の少女は電撃を防ぐための呪文を口にしながら、いまだ思考停止中のルイズの下へとたどり着くとそのまま首根っこを引っ掴み、今度はギーシュの下へと向かう。
怪人が何も行動を起こさないことに疑問を感じながらも、いまだ仰向けで気絶中のギーシュを守るように怪人と対峙する。
「ツェルプストー!?……と誰」
ようやく我を取り戻したルイズが見たのは、自身とギーシュを守るように怪人と対峙するキュルケ・ツェルプストーと名前を知らない青髪の少女。
「随分とご挨拶ね、ヴァリエール。この子は親友のタバサよ」
ルイズの方を見もせず、口元に苦々しい笑みを浮かべて返事をするキュルケ。頬に一筋の汗を流しながら思う。
――勢いでここまで来たけど……どうしようかしら。
キュルケ・ツェルプストーは迷っていた。背後から不意打ちで当てたファイアー・ボールの呪文、火傷を負わせる程度に威力を落としたとはいえ、まるで効いているような素振りを見せなかった。だからこそ悩む。ドットスペルではなくラインスペルのフレイム・ボールを同じ人間に使ってしまっても良いのかと。当たりどころが悪ければ人を殺してしまうかもしれない。
そのことが彼女から攻撃するという選択肢を奪い去っているのだ。
そんな時だった、場が動いたのは。
「ギーシュ!」
金髪グルグルロール――モンモランシーがギーシュへと駆け寄り、声をかけていたのだ。
その光景を見たケティの雰囲気が一変。誰が見ても明らかな怒気を身に纏い、モンモランシーを睨みつけていた。
「おや?おやおやおやぁ?あなたは泥棒猫の……モンモランシー様じゃあああないですかかあああ!!」
「誰が泥棒猫よ!泥棒猫はあんたの方でしょ!?この……化け物ォ!!」
「ふふ……ふふふふふふ……化け物、化け物ですか……」
非常にゆっくりと見せつけるように杖を構えるケティ。そして杖から迸る電撃がモンモランシーに襲い掛からんとするも、寸前でタバサが呪文で水の盾を作り出し防ぐ。
「……ッ!あまり……刺激しないで」
だがしかし、水の盾は大半が蒸発。そのことにタバサは冷や汗を流しながらも、モンモランシーに注意する。
「んぅん……どうして、わたしとギーシュ様の仲を邪魔するんですかぁ?」
心底分からないとばかりに首を傾げ、なにかに納得したのか頷くと言葉を続ける。
「そうか、分かりました!ギーシュ様のことが好きなんですね。だからわたしに渡さないために協力してるんですね!?好きでもない人たちに迫られてギーシュ様もかわいそうに……ギーシュ様は私のことが好きなんです!!わたしがギーシュ様をお救いします、だからまずは、このわたしが邪魔者をすべて潰します、そうすればギーシュ様は私に振り向いてくれる、そうと決まれば話は早いですね、待っていてくださいギーシュ様、今こそわたしとあなた様だけの世界をつくりましょう」
支離滅裂な言葉を一息に吐き出すと、倒れている才人を跨ぎギーシュの下へと歩み寄ろうとするも、その足が止まる。
「いか……せねぇ」
才人が右手でケティの足首を掴み、進行を妨害しているのだ。
これに怒りを覚えるのはケティだ。
「あぁぁぁあぁああああああああああ!!あなたはなんてことを!!わたしに触れていいのはギーシュ様だけ、よくもよくもよくもよくも!!ぁぁああああああ汚らわしい。離れろ離れろ離せ離せ!!ああぁああああああああああああああ」
足首を掴んでいる右手、その手首を何度も何度も踏みつける。手を離すまい、行かせないと、さらに強く握り締める才人。しかし現実は非常かな、激痛に耐えていた才人だったが骨が砕け、遂にその手を離してしまった。
「あぁああはははっははは!」
叫ぶ間もなく頭を蹴り飛ばされる。
「わたしを!怒らせるから!こうなる!わかりましたか!」
抑えきれない怒りの感情のまま、今度は腹を何度も蹴りつける。
蹴られる度胃液を吐き出し、終いには内臓を痛めたのか血塊を吐き出す。
「ふぅっ!ふうっ!!そういえば……わたしに斬りかかりましたよねぇ?おかげでいいことを思いつきました」
近くに突き立っている刀身を引き抜くと、息も絶え絶えな才人の右手に突き刺す。
声にならない悲鳴を上げる才人を気にも留めず、そのまま貫通、地面に縫いとめる。
「うふふふふふふ……あなたはただでは殺しませんよぉぉおおお、思いつく限りの苦痛を与えてから殺してあげます、わたしを怒らせるからこうなるんですよぉおおおおおおお!!あは、あはははははははははは」
刀身を小刻みに動かし傷口を抉り、血が噴き出す様を見て哄笑を上げる。
「っくアア!?」
更に大きな悲鳴を上げるサイト、その光景を見ることしかできない四人。
「なんなのよ……!なんなのよアイツ」
口を押え、取り乱すモンモランシー。
「正気を失ってる」
何を思い出しているのか、顔を歪め絞り出すように言葉を吐き出すタバサ。
「ツェルプストー!」
ルイズは叫び、キュルケに助けを求める。
「無茶言わないで!?ファイアー・ボールで傷一つつかないのよ!?殺すわけにもいかないでしょ」
「そん……な。どうにもならないの?」
自分の使い魔が死ぬ様を見せつけられる。そのことに絶望完を覚え、項垂れるルイズに腕の中の悪魔が囁く。
『
「……ほんとに?」
腕の中の蛮野を見てルイズは問いかける。
『
「何をすればいいの!?」
蛮野を逃がさないようにガッシリ掴む。なんかバックルがミシミシ言ってるが多分気のせいだろう。
『なに、簡単なことさ。
「な、何言って……」
「危険」
「やめてね!絶対にやめてね!」
顔色を変えて引き留める三人を無視し、ルイズは呪文を唱え始める。
自身の中にある魔力を引き摺り出すように、いつもなら成功を祈るところを今回ばかりは上手く失敗してほしいと思いながら、丁寧にルーンを口ずさむ。
「イル・アース・デル――」
完成した呪文、狙うべきは――!
「――錬……金ッ!!」
――あの赤い奴のすぐ目の前!!
「きゃあああああああ」
呪文は見事に
しかし狙っていた場所からは外れ、爆発した地点は才人のすぐ下の地面。
「ちょっと!?ヴァリエール!?」
ために、ルイズはキュルケからかけられる制止の声を振り切り、才人の下へ駆け寄り抱き起す。
「サイト!大丈夫なの!?サイト!!」
ぐったりとしている才人に必死に声をかけるルイズ。
「これくらい……どうって……こと」
声を出すのも辛い様子の才人であるが、血をこぼしながらも口元を歪めて無理矢理に笑みを浮かべる。
その時、聞こえたのは不気味な笑い声。
「ふふ……くくくくひひひひひひゃははははははあ!よよっよよよくもやってくれれれれえましたねねねねねねええええええ!!」
頭をガクンガクン左右に揺らしながら、杖をルイズに向けて構えるケティ。
ケティのその様子を見て、時間の猶予がないことを悟った蛮野は、ルイズの手から飛び出し才人の腰に取り付くとバックルからベルトを伸ばし装着。
『さぁ、私の顔の右側にあるイグニッションキーを捻るんだ。早く!』
珍しく荒げる蛮野。それも当然だろう、彼はこんなところでくたばるつもりなど微塵もないのだから。
構えられてる杖に光が集まり、直視するのが辛いほどになり紫電が漏れだす。
「あぁあああはははははは!あとかたもなく消えろおおおおおおおおおおおおおお!!」
才人は言うことを聞かない体を無理矢理に動かし、ルイズの腕の中から抜け出しケティへと走りながら、イグニッションキーを左手で捻る。
「ルイズを……やらせるかぁあああ!!」
そしてルイズの盾となる位置に立ち塞がり、両手を広げる。
次の瞬間、数えるのが馬鹿らしくなるほど大量の電撃が才人を飲み込み、いくつもの爆発を起こす。
「うぉおおおあああああああ」
そして爆発に巻き込まれ、その中に消える才人。
「サイトォオオオオオオオ!」
地面にへたり込むルイズ。もうどうすることもできない、ただ迫る死を漫然と受け止めるしかないと絶望的な表情を浮かべる。
「ああああああああひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!無様ですねぇええええええええええええ!!そそして、ここここれでええ、邪魔者がひとおおおおおおつ、いいいいいなくなりましたねええええええええ!!!」
もし、この時ケティに表情があったのなら人様にお見せできる顔をしていなかっただろう。それほどまでに悦びを露わにし、嗤い狂う。
ひとしきり嗤うと、グルリと頭だけを回しキュルケ達を見やる。
ケティのその様子に体全体がひりつくような錯覚を覚えながらも、杖を構え直すキュルケとタバサ。
そしてモンモランシーはギーシュが目覚めて何とかしてくれること祈りながら治癒魔法をかける。
【Fire Up ,Ignition!】
才人が爆発に飲み込まれた場所から、爆音とともに周囲へと炎が吹き散らされ、天へと金色の光が伸びる。
その場にいる全員がその現象に目を奪われる。それはさながら、地球に伝えられる不死鳥の復活を思わせるほどに神々しい。
しかし復活するのは、人々に癒しを与える伝説上の鳥ではなく、特定種族に絶望と毒を撒き散らした悪魔、その復活の儀。
炎と光が消え、姿を現したのは黄金の戦士。黒いスーツの上に金色の鎧を身に纏い、胸部には赤いタイヤ状のパーツを装着。頭部には目を覆って余りある赤の双眸に、車のリアウィングを思わせるパーツ。
かつて仮面ライダー達を苦しめた黄金の悪魔、ゴルドドライブが異世界ハルケギニアにて今、復活を遂げたのだ!
「……ふぃー、死ぬかと思った」
九死に一生を得た才人の心は実にフラットだった。さきほどまで感じていた痛みと疲労がサッパリ感じられない。軽く手を開閉させるも問題なく動かせる。剣を手に取っていた時よりも体が軽い、これならアイツを止められると感じていた。
『
対する蛮野の内心は荒れに荒れていた。人間にしては非常に高性能な体の平賀才人の体を乗っ取ろうとしたのが上手くいかず、理由が定かではないゴルドドライブの謎の出力向上。焦りに焦っていた蛮野は才人の左手のルーンがまばゆい光を放っているのに気付くことができなかったのだ。言うまでもなく、これは蛮野のミス。普段の状態なら気付くことは容易いことだっただろう。だがしかし、イレギュラーな事態が二つも同時に起こってしまったのだ。気付かずにいても無理はないことだろう。
才人はケティへと駆ける。自身でも予想していた以上の速さ。
「くっ!」
それに驚いたのはケティだ。さきほどまで死に体だった人物がここまで力を発揮するとは誰が思うだろうか。
慌てて電撃を放つも、才人は両腕をクロスさせ頭部へと直撃を避けるように防御。
右腕にダメージを残しながらも、攻撃の態勢へと移る。
左腕を振りかぶり、右足での強烈な踏み込み。
体の回転を活かした渾身の一撃は腹部を捉える。
「う……ぐぅううおおおお!?」
防御することすらできなかったケティは地面を削りながら十メートル近く後ずさり、苦悶の声を上げるケティ。
「っどうだ……!」
「う、っくううぅ。痛い……痛いいたいいたいいたいいたい、なんでこんなにいたいの。ありえないありえないありえない!?」
理解の及ばない事態に、遂には杖を取り落とし腹部を押さえて蹲ってしまうケティ。
その状態を見て、腹部を殴ったのは拙かったかなと罪悪感に襲われる才人。
そして、そんな状況で今の今まで気絶していた男――ギーシュ・ド・グラモンが意識を取り戻す。
「ケ……ケティ」
モンモランシーからかけられた制止の声を無視して上体を起こし、ケティに呼びかける。
「ギーシュ……さま」
それに応えるようにケティも目線を合わせる。
「ケティ……君との思い出は、数えるほどしかないけど…君を思い出させるものは、数えきれないくらいある。遠乗りに行ったあの日、君は僕に花を摘んできてくれた。たまたま指先が触れ合った時は赤面して困ったような顔を見せてくれた。それに君は虫一匹殺せないとても優しい子だ。
そして何より…何より、君の笑顔が忘れられない。
モンランシーに感じるソレとは違うけど、君のことを大切に思っていた……!!
僕は…………僕は……僕は君が……――!」
「起きて早々、なに口説いてんだゴルァ!!」
どこかの誰かを思わせるような台詞を言い切ることができずに、イイ笑顔を浮かべたモンモランシーに鼻柱をへし折られ血を流しながらまたしても気絶するギーシュと、荒い息のモンモランシー。
何とも言えない表情を浮かべ、その様子を見ていたケティとモンモランシー以外の一同。
「ギーシュ様……。う!?ああぁぃいいあああああああああ!!」
ギーシュの言葉になにか琴線に触れるものがあったのか、ケティが苦しみだす。絶叫し、頭を抱えるとノイズが走ったかのように輪郭がぶれ、ケティ本来の姿が垣間見える。
「わっわたしはわたしはあああああああ!!こ、こんなこと望んでいな……!?」
糸が切れたように、うつ伏せに倒れるケティ。
それを静かに見つめる一同。
「終わった……の?」
あまりにもあっけない幕切れに、ルイズがポツリと呟く。
「これはギーシュの敢闘賞?ってやつかな」
『
「はぁああ、やっと終わったわね」
「……疲れた」
「ギーシュゥ!さっさと起きろやぁ!!」
これで決闘騒ぎも一件落着…………?
『くひ、くかかかか、くひゃははははははははは!!』
天空寺タケル=寺生まれのTさんでネタが浮かんだ私は悪くない!
【小ネタ】
いろんなものが両断されるという怪事件が発生。これは俺たち捜査一課に負える事件じゃないと心霊事件の専門家を呼ぶことにした。
その専門家の名前は天空寺タケル。なんでも、その筋じゃ大層有名らしい。
現場検証のため、天空寺タケル氏と車で移動していると、俺たちの乗っている車が真っ二つに。
なるほど、これが怪事件。何の前触れもないなんて、ロイミュード事件に係わっていた俺としても驚く他ない。
これからどうするかなと思っていると、路上に眼球を模した不気味な小物が。それを拾うと、突然刀を構えた化け物の姿が見えた!
思わず腰を抜かした俺は悪くないはずだ。これなら目撃情報がないのも頷ける。なんせ一般人には見えもしないんだから。
すると天空寺タケル氏は、俺にしか見えていないはずの化け物をしっかり睨み付ける。
「破ァ!」
と一喝すると、俺に襲い掛かろうとしていた化け物は跡形もなく消え去った。
寺生まれってすげぇ。俺、追田現八郎はそう思った。