ゼロの使い魔~逝ッテイーヨされた天才科学者~   作:ゴルドドライブ様

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前回出したクイズの答えは後書きでにあります。



※感想で指摘された点の修正をしました。説明が足りていませんでした。申し訳ございません、このような作者で。


フーケはなにを盗んだのか

 翌日、トリステイン魔法学院は大騒ぎだの様相を呈していた。

 なにせ由緒ある学院へ族の侵入を許してしまい、あまつさえ巨大ゴーレムを用いた宝物庫からの強奪を許してしまったのだから。

 

 故に教員の全てと、盗みの現場を目撃していたルイズ、キュルケ、タバサの三人と才人が学院長室に集められ緊急会議が開かれた。しかし会議は紛糾し、遅々として進まない。

 

「どういうことだ」

「なぜ盗みを許したんだ」

「昨日夜間警備を担当していたのは誰だ」

「私じゃないぞ」

「私でもない」

「あの……私です」

「ミセス・シュヴルーズ!?貴女という人は」

「職務怠慢ではないのかね」

「君は盗まれたものを弁償できるのか」

「わ、私は……――」

 

 実に情けないことだが、会議をそっちのけで大人同士の責任のなすりつけ合いが発生していたのだ。槍玉にあげられたのは昨日の夜間警備担当であったシュヴルーズだ。可哀想なくらいに顔を青褪めさせて狼狽していた。

 

 そんな醜くて見ていられない大人の諍いを強制的に見物させられている生徒三人組は、内心呆れ返っていた。そして、こんな無様を晒しているのが誇りあるトリステイン魔法学院の教師なのか、とルイズは思っていた。

 

 ルイズが失望を隠せずにいる中、大きな声が喧噪を断ち切る。

 

「そこまでにせんか!!」

 

 声の主は、齢一〇〇とも三〇〇とも言われる学院長のオスマンだ。彼は年齢を感じさせない声で続ける。

 

「お主らは恥ずかしいと思わんのか。大の大人が寄ってたかって責任のなすりつけ合い……。それも生徒たちの目の前でじゃ」

 

 途端にしんと静まり返る。その中最初に声を発したのはシュヴルーズだ。

 

「オールド・オスマン……」

 

 どこか感激したかのように学院長の名を呼ぶ。なにか訳がると感じたオスマンは優しい声色でシュヴルーズに尋ねる。

 

「うぅむ……それで昨日はどうしておったのじゃ?」

 

「……はい、昨日は――」

 

 シュヴルーズがポツリポツリと昨日のことを語り始める。非常に長々とした話であったが、客観的事実を含めて要約するとこうだ。

 

 ロイミュードと名乗った亜人、それによって被害をこうむった学院。その修繕に『土』の『トライアングル』である彼女は連日駆り出されていた。学院長であるオスマンが命じたことであるため、同僚と協力し取り敢えずは外見を整えた。しかし悲しいかな、そこで精神力が尽きてしまい『固定化』の魔法は後日かけようという話をオスマンに持ちかけ、それを承諾。そしてその後日というのが昨日、『虚無の曜日』であった。さらに不幸なことに、オスマンとシュヴルーズの両者ともに夜間警備の件をすっかり忘れていたのだ。そのため当日のシュヴルーズは『固定化』の魔法を、精神力が空っぽになる寸前まで行使。夕刻に同僚から「今日の夜間警備面倒臭いけど頑張ってね」といった旨の言葉を受けて、今日が自身の担当日だと思い出し夜間警備に繰り出す。後の顛末は語ることも少なく、学院を揺るがすほどの音を聞き付けて駆けつけたはいいものの賊をなんとかするような精神力は既に残っておらず、学院長に報告しに行くのが精いっぱいであった。

 

 話を聞き終えたオスマンは天を仰ぎながら眉間を押さえると、ひとりごちる。

 

「なるほどそういう訳じゃったか……しかしこれはわしも…………」

 

 これってもしかしなくてもわしにも責任が……等とブツブツ呟き、考えを巡らせる。考えが纏まったのか椅子に深く座り直すと、教師陣を見渡し声を発する。

 

「オホン!これはミセス・シュヴルーズだけに責任を押し付ける訳にはいかん。これは学院の教師陣全ての責任じゃ」

 

「なっ!?どういうことですかオールド・オスマン!」

 

 一人の教師が声を荒げる。

 

「どういうこともなにも、君らはその時は何をしておったんじゃ?まさか見て見ぬふりをしておった訳はないのぉ。あそこまで彼女を責め立てておったんじゃから……」

 

「うぐ……。……そ、それはですね」

 

「ま、言い訳は聞かないでおくかのぉ……。それで、盗みの現場を見ていたのは彼女達かの?」

 

 そこでようやくオスマンは、ルイズ達に目を向ける。

 

「は、はい。そうです」

 

「ふむ、それでそんな時間に何をしておったんじゃ?」

 

 オスマンから尋ねられた内容に対し、ルイズは答えに言い詰まった。まさか馬鹿正直に「決闘の真似事をしていた」なんて答える訳にはいかないから、校則で貴族同士の決闘は禁じられているのだ。

 

 答えに窮するルイズに助け舟を出したのはキュルケだ。

 

「それには私が答えますわ。実はあの時、ヴァリエールと魔法の特訓をしていたんです」

 

「なるほどなるほど、学生の本分は勉強。勤勉なのは実によろしい」

 

 しきりに頷くオスマンを見たキュルケはルイズに目配せする。「これは貸しにしておいてあげるわ」と、言葉に出さずに伝える。

 

 それを見たルイズは顔を僅かに顰めさせながらも小さく頷く、無論嫌々ではあるが。言うなれば主犯二人の口裏合わせといったところだろうか。

 

「……さて!そろそろ話を戻そうかの。盗みに入られた宝物庫を検分したところ、『破壊の杖と怪物の種、頂戴しました。フーケ』というサインが内部に残されておっての。模倣犯の可能性もあるから断定はできんが、ひとまずは怪盗『フーケ』の仕業ということにして調べを進めることにしようかの。……ところでミス・ロングビルがいないようじゃが」

 

「そういえば」と、声を漏らしたの誰だったか。教師たちも今気づいたように室内を見渡すが、緑髪が特徴的な学院秘書の姿が見えない。

 

 そんな時だ、扉が勢いよく開かれたのは。

 

「はぁ……はぁ……!お、遅れて申し訳ありません。今の今まで独自に調査をしていまして…………」

 

 息を切らして室内に入ってきたのは、今まさに話に上がっていた人物ロングビルである。

 

「ほぅ……、その調査で何が分かったのか聞かせてくれんかの?」

 

「……はい。朝起きたら学院の壁が破壊されていたので何事かと思いまして、馬を走らせてフーケの行方を追っていました」

 

「ふむふむ、フーケかの」

 

「はい、巷で噂になっている『土くれ』のフーケです。ここから馬で四時間ほど走らせた辺りで、ローブを目深にかぶった怪しげな男性の姿を見たという話を聞くことができまして」

 

「……それで急ぎ戻ってきた、ということじゃな」

 

「はい、その通りです」

 

 ロングビルに「それはご苦労じゃった」と労いの言葉をかけるオスマン。それから目を閉じ数秒考え込むと、また口を開く。

 

「では、これよりフーケ捜索隊を結成する!

 

「正気ですか!?こんなことは国に任せれば――」

 

「かーー!!こんな恥を晒したら、阿呆どもに予算を削減されるのが目に見えておる。じゃから学院内で問題を解決するしかないんじゃよ。さぁ、我こそは思うものは手を挙げるんじゃ」

 

 しかし誰も手を挙げない。教師陣は顔を見合わせるばかり。戸惑い、誰かが手を挙げてくれることばかりを考える。

 

「…………誰も手を挙げないのかぉ。貴族にとってはこの上ない名声を得るチャンスじゃというのに。誠に遺憾じゃが――」

 

 オスマンが何かを言いかけた時、手を挙げる者がいた。

 

「ミス・ヴァリエール!?貴女はまだ学生でしょう!?」

 

「誰も手を挙げないじゃないですか。だからわたしが行きます」

 

 ヒステリックに叫ぶ女性教師と、それに静かに反論するルイズ。ルイズに追従するように手を挙げる者が二人。

 

「わたしも行きますわ。ヴァリエール一人じゃ何があるか分かりませんもの」

 

「心配」

 

「ミス・ツェルプストーにミス・タバサまで!?」

 

 なんだかんだでルイズ一人を危険な目に合わせる訳にはいかないとキュルケ。そんなことを思っているだろう友人が心配なタバサも捜索隊に名乗りを上げる。

 

「これで三人じゃな。他にはおらんかの?ミセス・シュヴルーズは今魔法が使えないからそれ以外で……ミスタ・ギトー、君はどうかの?」

 

「わ、私も行きたいのは山々なのですが……イタタタ!急に持病の腹痛が……」

 

 もう誰も手を挙げないことを確認すると、オスマンは嘆息を一つ吐く。それが教師陣への失望から来るのは言うまでもないことだろう。だけども「本当に生徒たちに行かせても大丈夫なのか」といった視線を向けてくる教師陣。だからオスマンは溜め息を吐きたくなるのを我慢して、彼女たちのフォローをする。

 

「教師諸君が心配するのは無理もない。ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つナイトでもある。さらにミス・ツェルプストーはゲルマニアの優秀な家系で、彼女自身の炎の魔法も強力だと聞いておる。そしてミス・ヴァリエールは非常に勤勉で努力家な生徒じゃ。その使い魔もかなりの実力者じゃ。これでもなにか不安かの?」

 

 教師陣にはなんの不満もないのか、首を振る。しかし生徒を危険な場に出すことに対しては否定的なのか顔を俯かせる。

 

「では、ミス・ロングビルには彼女たちの案内を」

 

「はい。ですが出発前にお聞きしたいことがあります」

 

「……なんじゃね?」

 

「『破壊の杖』と『怪物の種』とは一体どのようなものなのでしょうか?」

 

 オスマンに尋ねるのはロングビル。「確かに」と頷くのは捜索隊の三人と才人。

 

「そうじゃのぉ……。『破壊の杖』は一目で見ただけでは杖には見えない実に不思議な見た目をしておるから、すぐに分かるじゃろう。『怪物の種』は果実の絵が描かれた錠前じゃよ。触れた者の大多数は『怪物』に襲われ命を落としておる。だから……手を触れぬよう気を付けることじゃな」

 

 オスマンから告げられたのは見た目の特徴と、脅しとも取れる忠告。その言葉を忘れないようにし、ルイズ達はカーテシー――両手でスカートの裾をつまみ、軽くスカートを持ち上げて行う挨拶――を行なう。彼女たちのそれを見た才人も、真似をするように上着の裾をつまんだ。

 

 

 

 

 

 学院長室から退室してから数時間後、ルイズ達『フーケ捜索隊』は馬車の上の人となっていた。フーケからの奇襲を警戒してなのか馬車に屋根はない。

 

 ずっと乗っていて退屈なのかキュルケは御者をやっているロングビルに尋ねる。

 

「どうして御者なんてやっているんですの?専門の者がいるのではなくて」

 

「案内役をする以上、わたしが適任だと思っただけですのでお気になさらず」

 

「ふーん、それにしてもなんで秘書なんかを?」

 

「……そ、それは――」

 

 言いよどんだロングビルを見てルイズが口をはさむ。

 

「ちょっと失礼よ」

 

「いいじゃない別に。気になったんだから仕方ないでしょう?」

 

「誰にだって言いたくないことくらいあるでしょう」

 

『ルイズ嬢の言う通りだね。私にも、言いたくないことは数え切れない程あるからね』

 

『ご同輩は愉快だね。ま、俺は昔のことを思い出せないから言いたくないことなんてものは何もないがね』

 

 才人の背には2本の剣。キュルケから貰った剣とデルフリンガーである。背負われているデルフリンガーは鍔をかち鳴らして笑う。

 

「なぁデルフ、少し口調変わってないか?」

 

『あの腐れ店主のところに長年いたからな、おかげで口調も荒くなっていけない。俺はもっと高尚な……なんだっけ?』

 

「いや俺に聞かれても……」

 

『まぁアレだよ。俺は相棒みたいな使い手を待ってたんだ』

 

『使い手とは中々に意味深だねデルフくん。そこの辺りをもっと詳しく』

 

『……忘れた!』

 

 無機物達の会話を聞きながら才人は、喋る剣であるデルフリンガーにときめいて、喋るベルトの蛮野に何の反応を示さなかったことについて考えていた。デルフリンガーはどこからどう見ても剣だ、だからこそ惹かれるものがあった。剣というファンタジックな代物は現代日本でお目にかかることは博物館にでも行かない限り不可能だろう。それプラス、喋るという要素。見た目は錆びだけとはいえ、こんあ中二要素溢れる物を見たら誰だってときめくだろう。対する蛮野はというと、出会った時はルイズに召喚されたばかりで他のことに目を向ける暇がなかったというのがあるだろうが、やはり……。

 

「……どう見ても現代工業製品なんだよなぁ」

 

『なにか言ったかい?』

 

「ただのひとり言だよ」

 

『……何故だか不当に貶められた気がする』

 

 知らず漏れていた呟きを聞きつけて言葉を返してきた蛮野に適当な言い訳をする才人。

 

「中々いいトリオじゃない」

 

「……そうね。話は弾んでるみたいだし」

 

 話を遮られたキュルケは怒るでもなく、感想をルイズに述べる。それを聞いたルイズは小さく頷く、この女に同意するのは癪だけど仲が良さそうなのは事実だから。

 

「……」

 

 そして、今までのやり取りに一切参加せずに本を読み続けるタバサを乗せた一行は道を行く。

 

 これはフーケ捜索前の、ほんの一時の休息。

 

 

 

 

 

「着きました。ここです」

 ロングビルの声とともに、馬車は止まる。

 

 そこは森の入り口。木の間隔は広く、枝葉が視界を遮ることもないだろう。木漏れ日も差し込み全体的に明るい印象を与える。

 

 しかし、ここはフーケが根城にしているかもしれない場所。自然と気が引き締まる。

 

「行きましょう」

 

 ロングビルの先導で森の中を進む。

 

 各々が周囲を警戒するも、何事もなく。

 

 小屋が見えたところでロングビルは身を低くするようにハンドサインで伝える。

 

 茂みに身を隠すと、一行はちょっとした作戦会議を行なう。

 

「ミス・ロングビル……もしかしてあの小屋が」

 

「はい、あの小屋に入るのを見たという証言がありました」

 

「偵察が必要」

 

「なら、身軽な人が適任ね」

 

 才人は自身に視線が集まっていることに気付き焦る。

 

「お、俺!?」

 

『その通りだ才人くん。この中じゃ君が一番早いんだ』

 

『見せつけてやろうぜ相棒』

 

「いや、見せつけたら駄目なんだけど……」

 

「よし!男、才人行きます」

 

 ルイズに買ってもらった投げナイフを手に取ると左手のルーンが光を放ち、体が軽くなる感覚を味わう才人。

 

『え?ここは俺を抜く場面じゃ――』

 

「ごめん、流石に長すぎて偵察の邪魔」

 

『じゃ、邪魔!?』

 

『ははは、いい気味じゃないか』

 

『ちょっと!?なんか性格変わってない!?』

 

『気のせいではないかね?ボロ剣くん』

 

 会話している無機物どもを無視して才人は走りだす。

 

「あ、静かにしてないと燃やしてもらうからな」

 

 ……勿論釘を刺すのも忘れない。

 

『ア、ハイ』

 

『アッハイ』

 

 哀れ、自力移動が困難な無機物は持ち主に従うしかないのだ。今回はただの自業自得なのだが、それは言わぬ約束。

 

 

 

 小屋の周囲を見たり、中を覗きこんでも何も異常がないことを確認すると両手で大きな丸を作り、茂みに隠れているルイズ達に、来ても大丈夫だとサインを送る。

 

 才人のサインを見てこちらに走ってくる一行。

 

 小屋の中は埃だらけでひどい有様だ。人が生活しているとは到底思えない。

 

 だからフーケがここに潜んでいるとは考えられない。だけどもロングビルは、「この部屋に入った人がいる」という証言を入手した。だから、何もないだろうとは思いつつも盗まれた品を探す。

 

 肝心のロングビルは一人、小屋の周囲にフーケの痕跡がないか探しに行った。今小屋の中にいるのはルイズ、キュルケ、タバサ、才人の4人と蛮野、デルフリンガーの無機物コンビのみだ。

 

「はぁぁぁ……見つからないわね」

 

「見間違い?」

 

 長く息を吐きながら盗まれた品を探す。キュルケはぼんやり小屋の中を見渡し、タバサは床が外れないか確認しながら。

 

「本当に見つからないなぁ……」

 

『もう既に逃げた可能性が高いね。まさかその場に留まる馬鹿な犯人はいない』

 

『いやいや意外や意外、そこのクローゼットの中にあったりしてな』

 

「そんなまさか…………あったわ!」

 

 ルイズは半目でデルフリンガーの言葉を聞き流しながらクローゼットの中を開けると、見るからにそれっぽい黒ケースを見つけたのだった。

 

 

 

 黒ケースが開かれ、『破壊の杖』がその姿を現す。

 

「これが……『破壊の杖』?」

 

「多分」

 

「……本当に見たことのない形ね」

 

『これがお宝か……中々強そうじゃねぇか』

 

『破壊の杖』を見て純粋に驚いた様子の三人プラス一本に対し、才人と蛮野は別の意味で驚愕し言葉を発することが出来ないでいた。

 

「これ……この時代の技術レベルじゃ不可能……なんじゃ」

 

 才人は高度な金属衣加工技術でつくられた『破壊の杖』を見て、間違いなくこのハルケギニアのものではないと確信を持ち「もしかしたら蛮野さんも『破壊の杖』と同じようにこの世界に流れてきたのかもしれない」と考える。

 

『バ、馬鹿な!何故コレがこんな場所に!?まさかこの世界にも――――!!』

 

 蛮野は歓喜と絶望がない交ぜになった声を上げる。こんな特徴的な武器は一つしか知らない。これ一本で『単発』『機銃』『大砲』の三形態を持ち、それらを使い分けることで数多の状況への対応が可能であり、『鍔が銃身になっている片刃の銃剣』と合体させることにより一撃必殺の威力を持つ『大剣』ともなる武器。地球を救った、まさに救世主というべき男が扱っていたものに他ならない。このことからニアイコールで結ばれる事実は――。

 

 蛮野がそこまで考えを巡らせた時だった。破砕音とともに小屋の中が急に明るくなる。一行が見上げれば天井がなくなっており、天井があった場所からは日差しが燦々と差し込む。再び暗くなると同時に小屋の中を覗きこんだのは土でできた巨大ゴーレムだった。

 

 

 

 

 

 時は少し遡る。

 

 ルイズ達と別れた彼女は一人森の中を歩いていた。当てもなく歩いている訳ではなく、目的地を目指し一直線にだ。

 

 小屋から歩いて数分のところにソレはいた。木に縛りつけられ、脱出しようともがいていた。

 

 罵声を喚き散らすソレを無視し、彼女は口を開く。

 

「はぁ……五月蝿いねぇ」

 

 普段の丁寧な口調とはまるで違う。これが彼女の本性なのだろうか。

 

 彼女は尚もジタバタともがくソレに呆れた目を向ける。

 

「協力すれば解放することを考えてやる(・・・・・)、って言ってんだから大人しく従いな?」

 

 言いながらソレの頬を叩く。悔しげな声を上げるのを見ると彼女は口角を吊り上げて、愉悦の表情を浮かべる。

 

「さて、後はこの『怪物の種』をうまく使えばあの餓鬼どもを……!あーっはっはっはっはっは!!」

 

 悦びを抑え切れずに高笑いを上げる彼女の傍で、土が集まり人型を形作る。それは段々と巨大化し、三〇メートル(メイル)程の大きさにまでなるとそのサイズで安定する。

 

 そして彼女の声で土のゴーレムは動き出す。

 

「さぁ、ショウタイムさ!行きなぁ!!」




フーケ……いったいだれなんだー(棒)
という訳で次回から戦闘回に入ります……!

あと2、3話くらいで1巻終了な気がします。
それにしてもロイミュードはどこに行ったんでしょうね?

感想をもとにプロットの微改変……つらいです。
これも全部面白い意見をくれる読者って奴らが悪いんだ。



感想や評価は気軽にどうぞ。



【クイズの答え】
Q.これの元ネタを答えなさい。
『必殺技はアクロスブレイカー♪天十郎は粉々SA☆』

A.『仮面ライダー555』の『ハイパーバトルビデオ』中の『3本のベルト』から。実に混沌としていて素晴らしい内容です。『ブルーレイボックス』に収録されているので持ってない方は是非買いましょう。くれぐれも動画サイトで探さないように。
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