ゼロの使い魔~逝ッテイーヨされた天才科学者~ 作:ゴルドドライブ様
・お読みの作品は以下略。
・作者の頭は以下略。
・ゼロの……使い魔?
【仮面ライダー鎧武 前回の三つの出来事!】テーレン!デーン!デデデデデデデ……
・フーケとバトり始める(作者やらかす)
・恐怖でゲロる才人()
・唐突に始まった過去編的なナニカ←今ここ
世界は優しさに満ち溢れてなんかいない。ご都合主義なんてものも存在しなければ、すべてを救ってくれる完全無欠なヒーローもいない。
あるのはただ、行動とその過程で生まれた結果だけだ。時間を巻き戻すことができるのなら……なんて仮定はもう幾度も繰り返した。一体どこで間違えたんだろう、どこからやり直せばこんな悲劇が生まれずに済んだんだろう。無意味な思考は止められない、止めることは出来ない。
一度考えるのをやめれば、目にしたくない現実が目の前に広がっている。服から漂う臭いが鼻を刺激してくる。
得物越しに感じた不快な感触が手の中に蘇ってくる。液体を流す彼女がキョトンとした表情を浮かべながら倒れていくさまは本当に興奮を――――。
「……うっ」
思わず嘔吐いた。自分のまともではない思考に恐怖を覚える。よろめきながらも歩き続ける。否、歩き続けなければならない。一度歩みを止めれば現実に押しつぶされ、もう歩くことができなくなる。
「ソコノ者、大丈夫カ」
声をかけられる。煩わしい、頭が痛い。訳も分からず腹が立った。左手に持つ歪な武器を声をかけてきた相手に振るう。
「ナ、ナニヲ……――――!?」
相手は倒れ伏し、体から液体を流しながら息絶えるのを嗅覚と聴覚が捉えた。ふと、相手がどんな顔をしているのか気になり、振り向く。
そこにいたのは原始的な衣服を身に纏った、猫科の動物を思わせる頭部をした生き物だった。
「ククク……ハハ!クヒャヒャヒャ!!」
化け物、怪物、クリーチャー。言い方は何でもいい。それと同類に見られたというわけだ。可笑しくて哀しくて
嗤いが止まらない。
猫頭のの死体を得物で痛めつける。何度何度も武器を振り下ろす。足がとれ、腕がとれ、胴は唯の肉塊と化す。死体からのむせ返るような血の匂いと、周囲から漂う果実の甘く芳醇な香りが残る理性を狂わせ溶かしていく。
肉を打つ異音が気になったのか、それとも血の匂いに誘われたのかは分からない。気が付けば灰色のずんぐりむっくりとした怪物に囲まれていた。
「ケヒッ……」
哄笑を漏らす。オモチャだ、コイツラだけは楽には死なさせはしない。ソコに転がっているのと……いやそれ以上に凄惨に殺してやる。腕を、足をもぎ抵抗できないようにした上で少しずつ体を切り刻んでやる。お前が!オ前達サエイナケレバァアアアアアアア!!
もう既に正常な判断力をも失っているのだろう、と何故か自分を冷静に客観視できた。だからこそ思う。
――誰か、誰でもいいから俺を…………。
どうしてほしいんだろう。止めてほしいのか、それとも慰めてほしいのか。分からない、わからない、ワカラナイ!
そもそも、どうしてこんなことになったんだろうと自問する。だけども思考に靄がかかったかのように思い出せない。思い出そうすると、頭がが拒否反応を示すかのように激しく痛む。
――思い出せ。思い出すな。
――どうしてこんなに怪物たちが憎いのか知りたい。ただ本能のままに怒り暴れろ。
――何かが欠けてる?そんなものはない!
――なら、なんでこんなにも胸に大きな穴が空いたような気持ちになるんだ。ヒトの体でなくなったからだろう。
終わりのない自問自答。相反するカラダとココロ。哀しみに泣き叫ぶココロと、殺戮の快感に浸るカラダ。やがて自分というものを見失ったココロは、カラダに問いかける。
――俺は、おれハ……ダレ?
襲い掛かる怪物を屠り、無数の死を生み出しながらカラダは答えた。
「どーぱんとダ。ソシテ、タッタ今カラ、コノ肉体ハ!!」
太く大きく発達した異形の右腕が、赤いライオンのような怪物の頭部を鷲掴みにする。爪をめり込ませながら徐々に力を込めていく。めこりめこりと変形する頭部。
「コノ俺ノモノダァッ!!」
雄叫びをあげ、一息に握り潰した。頭部を失った体は力なく倒れ、数秒間痙攣すると活動を停止する。
ドーパントと名乗った怪人は周りを見やった。散らばるのはパズルの部品。組み合わせても体積が足りない以上、何一つとして完成することのないものばかりだが。
それらを一瞥し、怪人は返り血で染まった体を気にすることなく歩き出す。その行先は誰にも分からない。
中折れ帽をかぶった白スーツの年若い男が、携帯電話型のメモリガジェット――スタッグフォンを片手に風都の街を走っていた。
「まだ遠目だが、それらしきものを発見した。現在地は――」
『いや必要ないよ。バットも捕捉している』
「そうか、じゃ切るぞ」
通話を終え、スタッグフォンをしまいこむ。彼が追っているのは無差別破壊を繰り返すドーパントだ。ドーパントとは、「地球の記憶」を収めた全長一〇センチメートル程の生体感応端末――ガイアメモリを肉体に挿入し、その記憶を宿した怪人となった者の総称だ。
身体能力の向上に固有の特殊能力、まさに超人とも言える力を得られるがその代償として、精神を侵食されていくのだ。だがそれでも求める者は多い。復讐、犯罪などと後ろ暗い目的のために手を出す者がほとんどだ。
ガイアメモリを流通させていたミュージアムという秘密結社は既に存在しない。だけども、ガイアメモリによる犯罪が後を絶たないのが現状だ。だから風都を愛する男は走る。今日も街を泣かせるものと戦っているのだ。
数分程追いかけていると、ドーパントがやや広めの路地に入るのが見えた。男は見逃さないよう、すぐさま後を追いかけ同じ路地に入る。
「俺ニ、何カゴ用カナァ!」
声と同時に、怪人の投げたであろうコンクリート塊が男に迫る。男はかぶっている帽子を押さえながら、横跳びに飛んでそれを回避する。
「随分と荒っぽい挨拶だな」
身を起こし、帽子を手に取りながら怪人に向き直る。
「オ前ハ何者ダ!」
「どんな事件もハードボイルドに解決。左翔太郎、探偵だ。……そして」
帽子を上に放り投げ、左手には「J」のイニシャルを象ったイラストが描かれている黒いガイアメモリを持つ。右手にはガイアメモリの力を制御するベルト型フィルターであるメモリドライバー、その一種ロストドライバーを持つ。
手のひら側を相手に見せながら左腕は顔の右に、右腕は左肘あたりで構えると、左手中指でガイアメモリのスイッチを入れる。
『ジョーカー!』
右手に持つバックルを腹部に押し当てると、自動的にベルトが伸長して装着される。
メモリを垂直になっているロストドライバーのメモリスロットに上部から装填。変身待機音とともに、メモリに描かれた「J」の文字が浮かび上がり、メモリから断続的に紫色の波動を発し、翔太郎の顔に傷のような独特の紋様が浮かぶ。
右腕を時計回りに回して右手を顔の左で構え、右こぶしを作りながら左手で垂直になっているメモリスロットを勢いよく右側に展開した。
『ジョーカー!』
電子音声の発声とともに足元から風が巻き起こり、ガイアメモリのエネルギーが物質化した黒い塵が翔太郎の体に纏わりつきその肉体を変質させた。
「W」を象った白い触覚。胸、肩、手首、足首に走る紫のライン。黒いボディに、まっ赤な目。
「切り札の記憶」を宿したガイアメモリ――ジョーカーメモリを使用して変身した彼の名は。
「仮面ライダー!ジョーカー!!」
右手を下ろし左手を高く掲げ、落ちてきた帽子を掴み取り、額から生える触覚に干渉しないよう気を付けてかぶる。
「ソウカ、貴様ガ……仮面らいだー!!」
「この街を泣かせる奴は俺がゆるさ――――ンッ!?」
音もなく高速で近付いてきた怪人の右拳を喰らったジョーカーは勢い鋭く吹き飛ばされて、ビルの壁面に突っ込んでいった。
「……」
それを為した怪人は無言で構えをとる。噂の仮面ライダーがこの程度の筈がないと確信しているからだ。
「……やってくれるじゃないか」
怪人の予想通り、なんでもないかのようにビルの中からジョーカーが這い出してくる。
「見ろよ、帽子が埃まみれだ」
帽子を手でさっと払い、またかぶる。
「貴様フザケテイルノカ!」
「まさか?言っただろ『どんな事件もハードボイルドに解決』って……な!」
今度はジョーカーが怪人に殴り掛かる。
ここで述べておかねばならないだろう。仮面ライダージョーカーに特殊な能力は一切ない。あるのは近接格闘の一択のみ。そもそもジョーカーメモリの持つ能力は本人の身体能力や運動能力を高めるだけだ。翔太郎が他に持つ「闘士の記憶」のメタルメモリに「狙撃手の記憶」のトリガーメモリの二種は固有の武器を持つが、適合率がジョーカーメモリほど高くないため単独でメタルやトリガーに変身することは不可能だ。
だがしかし逆説的に言えば、翔太郎は三種のメモリのうちジョーカーメモリの力をもっとも引き出すことが可能だ。そして翔太郎自身も優れた身体能力を持っているため、ロストドライバーで高められたジョーカーメモリの力と相まって極めて高い戦闘能力を発揮するのだ。
「うぉらぁっ!」
ジョーカーから高速で繰り出される拳撃に蹴撃が怪人を襲う。怪人は巨大な右腕で防御し、左手の歪な剣でいなすも、防ぎきれなかった攻撃が小さな傷を作っていく。
怪人はジョーカーからの攻撃を受けながら、分析する。動きが早い、だがいかんせん……一撃一撃が軽い。
「ハァッ!!」
右腕を全力で振るって暴風を起こし、ジョーカーに強制的に距離を取らせる。
今度はこちらの番だとばかりに、右の拳と左の剣、リーチの異なる攻撃を連続で繰り出す。
ジョーカーにとっては堪ったものではない。怪人の攻撃は速度ではジョーカーにかなり劣るものの、その重さが尋常ではない。それにジョーカーは無手、対し怪人は武器を持っている。それによる有利不利は一目瞭然だ。怪人を倒すためには懐に潜り込まなければいけない。そのためには攻撃の嵐を潜り抜ける必要がある。
怪人の攻撃を避け、受け流し、攻撃を加えながら、ジョーカーは何か打開策がないか探す。ふと、何かが光った気がしたジョーカーは怪人の攻撃を避けながらその方向を見、あるものを見つけた。
――これなら、いける。
そう確信したジョーカーは、大きく怪人から飛びずさり距離を取る。
この行動に疑問を覚えたのは怪人だ。一体何をする気なのかと、ジョーカーの一挙手一投足を見逃さないよう注視し、受けの態勢に入る。
姿勢を落としたジョーカーは、左手首をスナップさせると怪人へと走り出す。
待ち受ける怪人は右拳を引き絞り、剣を大上段に構える。
姿勢低く走りながらジョーカーは帽子のつばを左手で掴み、右手はバックルのジョーカーメモリに。
息つく暇もなく怪人の剣が轟音を立て振り下ろされる。それを身を捩り紙一重で回避し、あまりの風圧によろけそうになる体を押さえつけさらに接近。
次いで放たれた右拳。軸をずらしながらバックステップして回避。その瞬間、帽子を怪人目掛けて投げつけた。
一瞬でも視界を塞がれるのを嫌がった怪人は、仮面ライダーを屠るための左切り上げを、帽子を斬り捨てるために使ってしまった。
ジョーカーはこの隙を逃さず、バックルからジョーカーメモリを抜き、右腰のマキシマムスロットに装填。スイッチを入れる。
『ジョーカー・マキマムドライブ!』
電子音声が流れ、メモリのパワーがジョーカーの右拳に集まり、炎のような紫のエネルギーを纏う。
「これで決まりだ!ライダーパンチ!」
隙だらけの怪人との距離を詰め、ジョーカーはパンチを叩き込んだ。
マキシマムドライブ。それはガイアメモリの力を最大限に増幅させることで発動する仮面ライダーの必殺技だ。
例えドーパントと言えど、これをまともに受ければ唯では済まない。
そう、まともに受ければ……。
「残念ダッタナァ……仮面、らいだー!!」
回避不能だと悟った怪人は、咄嗟に右掌でジョーカーのマキシマムドライブを受け止めることを選択したのだ。体全体を動かすのが無理ならば、攻撃の動作に移っている途中の右腕を使えばいい。考えての結果ではない。獣染みた本能が選んだ反射に限りなく近い反応。怪人の右手は煙を上げながらもジョーカーの右拳を掴み取っていた。
これでお前も終わりだ。と剣を振りかぶる怪人を見て、ジョーカーは声を上げた。
「あぁ……本当に残念だ……!フィリップ!!」
空を見上げるジョーカー。釣られて見上げる怪人。目にしたのは緑色のボディにまっ赤な目の、ジョーカーによく似た仮面ライダーの姿。
『サイクロン・マキシマムドライブ!』
自身の巻き起こした強風を纏い、落下時に受ける風をも自己のエネルギーに変換。姿勢制御の役割を果たす純白のマフラー――ウィンディスタビライザーを用い、ビルの壁面を怪人目掛け綺麗な姿勢で駆け落ちる緑の仮面ライダー。
使用するガイアメモリは「風の記憶」を宿したサイクロンメモリ。その能力は字の如く、風を操る。その名も仮面ライダーサイクロン。
「馬鹿ナ!?モウ一人の仮面らいだーダト!?」
サイクロンは手刀の形を取った右腕に風のエネルギーを集中させると、跳んだ。
「グゥゥ、ァァアアアアア!」
怪人が剣を振るい近づけないようにしようとするも空を切り、剣はサイクロンの手刀で真っ二つにされる。
ダメ押しとばかりに怪人の右腕を切り裂きジョーカーを解放し、二人は怪人から距離を取る。
「合わせろよフィリップ」
「言われなくても」
ジョーカーとサイクロンはそれぞれのマキシマムスロットのスイッチを入れる。
『ジョーカー・マキシマムドライブ!』
『サイクロン・マキシマムドライブ!』
左に立つジョーカーの右脚に炎のような紫のエネルギーが集まる。
右に立つサイクロンの左脚に風が巻き起こりエネルギーが集まる。
「グッ……ウゥ」
よろめき逃げ出そうとする怪人。二人はこのチャンスを逃さない。同時に助走をつけ、怪人に向かって跳躍、飛び蹴りの姿勢を取る。
「ダブルライダーキック!」
「ライダーダブルキック!」
掛け声ともに二人の仮面ライダーが同時に放つマキシマムドライブが怪人に直撃。吹き飛ばされた怪人は、木箱の山を崩し土煙の中に消える。
「……やったか」
「ライダーダブルキックが正式名称じゃないのか……?」
(^U^)申し訳ございません、このような作者で。
何書いても愚痴にしかならないので多くは書きません。
ゲキジョウバンジクウジャナイカラショッカーハホロンデルンジャヨ
サブタイトルの○の数は見ての通りです。
【今回のアレ】
初級インベス:灰色ずんぐりむっくり。いいところなし。
ライオンインベス:頭パーンされた。
ジャガーロード:人間を守れという命令を創造主から受け、一路風都までやってきたが……。
ドーパント:オリジナル怪人。設定は全部作ってあります。描写してないだけです。
ジョーカー:おやっさんリスペクトの帽子。そこはかとなく感じるてつを。
サイクロン:ドライバーの数は足りてるはずです。おやっさんの遺品とシュラウドから貰ったもの。