更新する間隔こそバラバラですが、順調に更新できてるんじゃないかな?
今回は、穂乃果編です。
早く目が覚めたから散歩しようと決め、家を出たものの
「って、早く出たのはいいけど、どうしよう・・・」
μ'sの練習開始は7時。
今はまだ5時。目的もなくただ歩くだけの2時間は僕にはきつい。
「集合時間まだまだだけど、とりあえず神田明神にでもいこうかな」
特に意味もなく、神田明神へと歩き始めた。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・階段きつすぎぃ・・・」
神田明神の前にある急な階段。
体力のない僕にはとても困難で。
登り切ったときには息があがっていた。
「僕も、運動したほうがいいかなぁ」
μ'sの練習に加われば、少しはマシになるかな?
朝も早いせいか、神社の周りは静まり返っていて、僕の荒い息だけが聞こえる。
神社の前の階段に座り込み、ふぅと一息。
息が整ってきて、徐々に頭が回り始めると、自然と今朝の夢のことを思い出した。
病室に1人で来た穂乃果。
大切なことがある、とそう言って。
なんだったんだろう。
あと少し、あと少し夢の中にいられたなら。
今頃、思い出せていたかもしれないのに。
1人、夢の続きがみれらなかったことを悔やむ。
「はぁ・・・ん?」
タッタッタッ、と階段を上がってくる音がする。
参拝かな?にしては、駆け上がってくるような音だし
急いで参拝する理由なんてあるのかな?
徐々に足音が近づいてきたから、僕は気になって、階段の方を見つめる。
「えっ、穂乃果?」
そこには、悩みの種である幼馴染が、ラフな服装で階段を駆け上がってくる姿があった。
しかしこちらに気付くこともなく、階段を下ろうとする。
「ちょっ、おーい、穂乃果~!」
「えっ?・・・あっ!みーくん、おはよう!」
慌てて声をだしたせいで声こそ小さかったものの、周りが静かなこともあり、気づいてくれたようだ。
「みーくんはやいね!もう来てたの?」
「ううん、実は早く目が覚めちゃって、寝坊したくないから散歩しようかと」
「穂乃果もそうなんだ~♪生徒会長から練習見てもらえるんだって思うと、寝付けなくって」
どうやら穂乃果も僕と同じ理由だったようだ。
しかしながら、幸か不幸か、こうして穂乃果と2人きりになれた。
本当は、すべてを思い出してから穂乃果とは話したかった。
でも、そんなことを言っていては、いつになるか分からない。
それに穂乃果は、いつも園田さんや南さんと一緒にいるせいで、呼び出しづらい。
のんちゃんのことを思い出したこと、なのに穂乃果のことは思い出せていないこと。
・・・謝るなら、今が最高のチャンスかもしれない。
「ねぇ、穂乃果。」
「ん、どうしたのみーくん?」
「ちょっと、話したいことがあるんだ。いいかな?」
「うん、いいよ!」
笑顔で応じてくれる穂乃果。
過去のことを話したとき、彼女はどういう表情を見せるのか。
この笑顔を崩してしまうことを思うと、つらくなる。
だけど
「実はさ、昔のことなんだけど・・・」
言わなきゃいけないんだ、昔のように、笑いあうためには。
穂乃果に自分のことを話した。
自分には幼馴染がいたこと。
そして、のんちゃんのことを思い出せたこと
それなのに、穂乃果に関することはほとんど思い出せていないこと。
でも、あと少しですべてを思い出せそうなこと。
穂乃果との大切な思い出があるということを思い出したこと。
そして、今朝夢で見たことを。
「そっか。」
「・・・うん、ごめんね穂乃果。」
すべてを話した。
申し訳なくて、彼女の悲しむ顔を見たくなくて、僕はうつむいてしまった。
しかし、穂乃果は
「でも、あとちょっとで穂乃果のことも思い出せそうなんでしょ!?よかったっ!」
「えっ?」
笑顔だった。それも、さっきよりも一層明るく。
穂乃果の明るい声を聞いて、驚きで顔を上げたが
ライブの時のような、キラキラした笑顔を見せてくれた。
のんちゃんは、穂乃果が僕のことで気に病んでいるといってたから、これは予想外だった。
「でも、穂乃果が病室で言ったこと、忘れちゃったんだね」
「ごめん。思い出そうとしても、どうしてもだめだったんだ」
「希ちゃんが言う、大切な思い出っていうのが、それなんだけどなぁ」
「・・・ほんとにごめん」
「謝らなくていいよ、忘れちゃったんなら仕方ないよ」
大切な思い出を忘れた、と言われたのになお優しくしてくれる。
それに、とても落ち着いている。
「穂乃果だって忘れることあるもん、大事なこととか。」
「そうかもしれないけど・・・」
「でもね?そんなに思い悩むことなんてないんだよ?」
「・・・えっ?」
「だって、穂乃果が思い出させてあげるから。」
そう言って、穂乃果は僕から少しの距離を置く。
「病室じゃないから微妙かもだけど」
「あのときのこと、再現してみるね?」
穂乃果は、夢の中の穂乃果とまったく同じ表情を見せ
口を開いた
「穂乃果ね、どうしても言いたいことがあって来たの。」
「・・・言いたいこと、ですか?」
僕も、夢の中のとおりの言葉でこたえる
「うん。とっても大切なことだよ。」
「大切な、こと?」
「うん、今言いたくてだから一人で来ちゃったの。」
「なんで・・・しょうか・・・?」
「あのね・・・」
夢のつづきが、脳内に浮かび始める
『穂乃果ね、みーくんが記憶なくしたって聞いて、とっても驚いたの。』
『でもね、だからって悲しくなったり、寂しくなったりはしてないよ?もちろん、少しはそうだけど。』
『むしろ、恩返しできるチャンスかな?なんて思っちゃったの。』
『覚えてないだろうけど、穂乃果ね?みーくんに出会ってから、ずっとみーくんに助けられてきたの。』
『もちろん希ちゃんもだよ?だけど、それ以上にみーくんには助けられたの。』
『迷子になっちゃったときも、必死になって探し回って、見つけてくれたし。』
『私がお母さんに怒られて泣いてる時も、ずっとそばにいてくれたし。』
『まるで、穂乃果の心の中のアイドルみたいだったの。ヒーローっていうには可愛すぎるし、いつも私を明るくさせてくれてたから、アイドル。』
『他にもいっぱい、助けられたの。本当に感謝してるんだ。』
『だからね?みーくんがつらいとき、悲しいときは、穂乃果が助けてあげるんだって決めたの。』
現実の穂乃果と、あの時の穂乃果、2人の穂乃果が徐々に、ゆっくり近づいてくる。
『でも、穂乃果には何ができるかまったくわかんなくってさ。馬鹿だからね。』
『そんなこと思ってたら、みーくんが病院に運ばれたって連絡が来て、記憶失ってたこと知って。』
『これだ!って思ったの。』
『今のみーくんは何も思い出せてないから大丈夫かもしれないけど』
『きっと、記憶を取り戻そうって思う時が来て、そのとき、みーくん辛い思いをすると思うんだ。』
『そのとき穂乃果が助けてあげたいって思ったの。』
『ううん、絶対に穂乃果が助けるの。』
『穂乃果が、ううん、穂乃果も、みーくんのアイドルになるの。』
『でも、今の穂乃果じゃそれは無理みたい。だからね?』
2人の穂乃果の顔が、近づいて
そして
2人の穂乃果が、重なって
2人の穂乃果の唇が、僕の頬に触れる
「『これはね、誓いのキスだよ』」
「『絶対に、穂乃果が助けてあげるから。穂乃果がみーくんのアイドルになるから。そういう誓いだよ』」
「『だから、その時まで待っててほしいんだっ!』」
様々な思いが、頭を駆け巡る。
そうさせるような、誓いを今、思い出した。
その、強くて、優しい「アイドル」の誓いを思い出せたことで
「あ・・・あぁ・・・」
僕は
すべてのことを
思い出せたようだ。
「ほ・・・のか・・・っ!」
「わっ!ちょ、みーくんっ!?」
気づけば、穂乃果を思い切り抱きしめていた。
「穂乃果っ・・・ありがとうっ!僕、僕っ、全部思い出せたんだ・・・!」
「・・・そっか。じゃあ、穂乃果も少しは、みーくんの助けになったってことかな?」
「うんっ・・・うんっ!ありがとうっ!」
「えへへ、よかった♪」
穂乃果は、僕のアイドルになる、と誓ってくれた。
僕は、そんな穂乃果のファーストライブを見て、キラキラしている穂乃果を見て、ファンになった。
でも、ファンになったのは、もしかしたらライブを見たからじゃないのかもしれない。
元から、僕は『高坂穂乃果』という『アイドル』のファンだったのかもしれない。
でも、不思議だよね。
記憶を失う前のことを思い出すんならまだしも
記憶を失ってからの記憶をいまさら思い出すなんて。
インパクト強すぎて忘れるに忘れられないはずなのに。
おかしいね。
ま、いっか、穂乃果のこと、昔のこと、全部思い出せたんだしさ。
「あんたたち・・・何してんのこんな朝っぱらから」
「えっ?」
聞き覚えのある声。まさか?
「あっ!にこ先輩っ!おはようございます!」
どうやら、もう集合時間も近いようだ。
「そんなことよりも・・・あんたたち、そういう関係だったの?」
そういう、関係?
「「あっ!」」
そういえば、まだ穂乃果を抱きしめたままだった。
忘れてた。
「「ちっ違いますよっ」」
「ふーん・・・」
必死に否定するも、ジト目で僕らを見てくる矢澤先輩。
と、そんなとき
「やっほー♪みーちゃん、穂乃果ちゃん、にこっち♪」
「あ、のんちゃん!」「希ちゃんっ!」「希・・・」
「ん~?穂乃果ちゃんとみーちゃん、顔赤いけどどないしたん?」
「ん~ん!なんでもない!それよりね?」
のんちゃんにも、伝えなきゃね。
「僕、全部思い出せたよっ!」
「えっ・・・!?」
「穂乃果が、思い出させてくれたんだ」
「そっか、穂乃果ちゃんが・・・」
「えへへ♪思い出してもらえたんだ~♪」
「そっか、そらよかったわ♪」
のんちゃんに伝えると、心底嬉しそうに笑っている。
穂乃果も、とてもうれしそうに笑っている。
そして僕も、自然と笑みがこぼれる。
2人の幼馴染が、僕の前で笑っている。
それだけで、嬉しくなる。
また、3人で、笑えているんだ。
「ちょ、3人とも。にこもいるんですけど~。全然わかんないんですけど~」
あ、矢澤先輩もいたんだった。小さくて存在感無かったから忘れてたよ。
「今あんた、失礼なこと考えてたでしょ?」
「えっ!?そ、そんなことないですっ!」
「動揺しすぎなのよ・・・」
「あはは♪」「ふふっ♪」
僕と矢澤先輩のやりとりをみて、2人も笑っている。
これからも、こうやって笑いあっていけるといいな。
「お~い!穂乃果ちゃぁん♪」
「おまたせにゃ~!」
「あっ!みんな!おはよ~っ!」
1年生3人と、穂乃果以外の2年生2人が駆けつけてくる。
そして
「ごめんなさい、ちょっと遅くなっちゃったわ」
「いえ、気にしてないですよ、絢瀬先輩!」
生徒会長が少し遅れてきた。
というか穂乃果、いつの間に「絢瀬先輩」だなんて呼ぶようになったんだ・・・
そんなこんなで、全員集まった。
生徒会長がいる、ということで若干のプレッシャーは感じるけども
きっと、これから始まる練習は、僕にとって、とても楽しいものになるだろう。
だって、みんなが踊ってる姿が見れるんだから。
僕はμ'sのファンなのだから。
そして
のんちゃんと穂乃果、2人の幼馴染なのだから。
これで、主人公の記憶編はひとまず一段落ですかね。
昔のことを思い出す、というところまで書くことができました。
次の投稿からは、絵里ち加入編となることと思います。
あ、そのまえに絵里ち誕生日記念かもしれません。
まぁ、まだ1文字も書いてませんがね☆
マジで、絵里ちの誕生日に間に合うか微妙なレベルです。
まずいです、はい。
でも絶対に書きます。だって絵里ちだもん
かしこい!かわいい!エリーチカ!だもん。