【完結】―僕と2人の幼馴染の遠い記憶―   作:kielly

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今回から章が変わります。
それに合わせて、いつもとは少し違った雰囲気になってるのではないでしょうか?

久しぶりの本編更新となりましたが、これから1か月くらいは本編の方を更新していけるのではないかと思います。

今回から、「のぞえり加入編」
次の章からはようやく「廃校阻止編」となる予定です。

今回の章、果たして何話まで続くんでしょうか。
未定です(*・8・*)



*のぞえり加入編
11話 感謝と嫉妬


『幼馴染!?』

 

僕と穂乃果とのんちゃんを除く全員が、声をそろえて驚いていた。

 

「うん、海未ちゃんとことりちゃんと幼馴染っていうのは話したかもだけど、実は2人もなんだ~♪」

「穂乃果に私たち以外の幼馴染がいたなんて、初耳です」

「ことりもだよ・・・」

 

園田さんと南さんには話していなかったんだ。

まぁ、話したところでっていうことだったのかな?

 

「希、思い出してもらえたのね?よかったじゃない!」

「絵里ち・・・ありがとうな♪」

「あれ、のんちゃんは生徒会長に話してたの?」

「うん、みーちゃんのことだけは話してたんよ」

「えぇ。だから、ライブの時にあんなこと言われて心底へこんじゃったわ・・・」

 

ライブの時・・・?

確かあの時は――

 

 

 

『おい、そこの金髪女』

 

『"邪魔"だの"遊び"だの"迷惑"だのって・・・いい加減にしろよ!!』

 

 

『あんたが"邪魔"だの"遊び"だの言ったことを謝罪させてやるよ!!』

 

 

 

「申し訳ございませんでしたああああああああああああああああああ」

「えっ!?ちょっ、そんな、今は全然気にしてないから!だから顔をあげてちょうだい!」

 

気づけば深々と土下座をしていた。

いや、土下座とかいうレベルじゃない。

床ペロレベルで頭を地面にくっつけていた。

だってあんなこと言っちゃったんだもん、仕方ないよ。

 

「いや、こうさせてくださいっ!なんならそのまま蹴られても何の文句もありません!」

「ちょっ!?私そんな趣味ないから!?というか早く顔あげなさい!恥ずかしいじゃないっ!」

 

無理やり引っ張られたから仕方なく起き上がる。

あんなこと言ったのに、気にしてないと言ってくれるあたり、やっぱり優しい人なんだね。

 

「もうっ、急にそんなことされたら困るじゃないっ」

「すいません・・・でも、これくらいしないと気が済まなくて」

「あの時のあなたは、まだ記憶が戻ってなかったんでしょ?ならいいじゃない、そんなこと。」

「生徒会長っ!なんと慈悲深い心っ・・・一生ついていきます、お姉さま!」

「なっ!?やめてよそういうの!恥ずかしいからっ!」

「寒くないですかお姉さま喉は乾いてませんかお姉さま肩をお揉みしましょうかお姉さまっ!?」

「いい加減にしなさーいっ!!」

 

「あの~、もうコントは終わったかにゃ?」

 

「「えっ?」」

 

星空さんの声に2人してハッとなる。

周りを見ると、にこにこしている人、あきれた様子の人、そして若干怒った様子の人。

あれ、いつの間にか2人の世界に入ってたのかな?

お姉さま、もとい生徒会長は手で顔を隠して下を向いていた。

あー、また謝る理由ができちゃった。

 

「みーくん、絢瀬先輩とすごく仲いいんだね♪」

「いつの間にみーちゃんは絵里ちとそんなに仲良くなってたんやろうね♪」

 

すごく笑顔で穂乃果とのんちゃんが僕のことを見てきた。

あれれ、すごく怖いや。

 

「夫婦漫才みたいで面白かったにゃ。」

「し、白河先輩ってそんな人だったんですね・・・」

「意味わかんない」

「あんた、朝からいろいろとやらかすわね・・・」

「ことり、穂乃果を良くない方向にもっていったのって、もしかして彼なのでは?」

「うん、ことりも海未ちゃんと同じこと思ってた♪」

 

星空さんには漫才と言われ、小泉さんには引かれ、西木野さんと矢澤先輩には呆れられ、園田さんと南さんには濡れ衣を着せられる始末。

何がいけなかったんだろう、わかんないや。

 

「って!そんなことはどうでもいいでしょ!練習をしにきたんじゃないの!?」

「あっ!そうだった!?」

 

生徒会長の発言に、穂乃果が思い出したように反応する。

・・・穂乃果、忘れてたのか。

 

 

みんなが準備をしている間、僕は少し階段を下ったところで、準備が終わるのを待っていた。

今日から、μ'sが本格的に練習を開始する。

それに、記憶も完全に取り戻すことができた。

2人の笑顔も、見ることができた。

嬉しくて、楽しみで、心が躍る。

そんなことを考えていると、コツコツコツと階段を下ってくる音。

 

「白河君」

「生徒会長・・・」

 

下りてきたのは生徒会長。

さっきのやりとりのことで、文句言いに来たのかな?

 

「さっきはすいません、取り乱しちゃいました」

「別にもう気にしてないわ」

 

にこやかな表情で隣に座る。

あれ?じゃあ文句言いに来たんじゃないのかな?

 

「希、いつもあなたのことを話してたのよ。生徒会の仕事なんてそっちのけで、楽しかった思い出とか嬉しかった思い出とか、あなたの記憶を取り戻すにはどうしたらいいか、とかね。」

「そうだったんですか」

「でも、何を話すにしても、少し悲しそうな表情をしてたの。そのせいなのか、心から笑う希を見たことがなかった。私もこんな性格だから、笑わせてやったりもできないしね。でも今朝希の顔を見たら、心の底から嬉しそうな顔をしていた。あなたが記憶を取り戻してくれたから、嬉しそうな希を見ることができた。すごく感謝してるわ。」

 

そう言って笑う生徒会長も、心の底から嬉しそうにしていた。

きっと生徒会長も、のんちゃんのことで相当考えていたのだろう。

これは、僕も幼馴染として、お礼言っとこうかな。

 

「こちらこそ感謝しています。僕が記憶をなくしている間、ずっとのんちゃんのそばにいてくれたのは生徒会長なんでしょう?きっと生徒会長が一緒にいてくれなかったら、寂しい思いをしていたんじゃないかなって思うので・・・だからありがとうございます。」

「感謝されることなんてしてないわ。あなたが記憶を取り戻してくれなかったら何も変えられなかっただろうし。」

「いや、そんなことないです。むしろ生徒会長がいなかったらのんちゃんはもっと苦しい思いをしていたはずです。」

「いえ、あなたのおかげよ」

「生徒会長のおかげです」

「あなたよ!」

「生徒会長です!」

「あなたよ!・・・ぷっ・・・ふふふっ」

「生徒会長ですっ!・・・くっ・・・あははっ」

 

小学生みたいなやりとりを生徒会長と交わす。

この人、案外無邪気な人みたいだ。

 

「あなたと私、結構気が合いそうね♪」

「それ、僕も思いました!」

 

これから、μ'sの練習を見てもらうということで、どうなるかと思っていたけれど、問題なさそうだね。

 

「おふたりさ~ん」

「何楽しそうにしてるんかな・・・?」

「「ひぃっ!?」」

 

後ろにはのんちゃんと穂乃果が、すさまじいほどの笑顔でこちらを見下していた。

あれ、なんだかデジャヴ。

 

 

気づけばみんなの準備も終わってたらしく、階段を上がると、神社の前にみんなが並んで待っていた。

今から練習が始まる。

新しく7人になって初めてで、かつ生徒会長に練習を見てもらう。

そのせいかみんな、緊張しているような表情をしている。

 

「みんな、準備はできたようね。」

 

生徒会長のその声に、みんなが頷く。

 

「それじゃ、はじめましょうか。」

 

 

 

 

練習が始まった。

生徒会長が言うに、ダンスにはまず柔軟性が必要とのこと。

というわけで、みんなの柔軟性を確かめるため、柔軟体操を始めたんだけど・・・

 

「希ぃっ!いたいっいたいからぁっ!!」

「かよちいいいんっ!これ以上は足がちぎれちゃうにゃぁっ!」

 

矢澤先輩と星空さんが苦痛の叫びをあげていた。

あの二人、相当体が固いようで

 

「星空さんと矢澤さんは、柔軟を重点的にやっていかないとね・・・」

「「うっ!?」」

 

生徒会長に目をつけられてしまったようだ。

心なしか、生徒会長の目が鋭く光った気がする。

 

そんな2人とは裏腹に

 

「よぉっと♪」

「ことり!すごく柔らかいじゃないですか!」

「んんっ!」

「花陽、あなた柔らかいのね」

「えへへ♪」

 

南さんと小泉さんはすごく柔らかいみたいで、軽々と地面に体をくっつけていた。

2人ともすごいなぁ・・・

 

「みんなも、あの2人くらいにはなってもらうわよ!」

「「ええっ!?」」

 

身体の固い2人があからさまに嫌そうな表情で反応していた。

まぁ、きついだろうね。

でもよかった、僕もこんな練習させられてたら確実に倒れてた――

 

「みーくん♪足、開いて!」

「え?穂乃果?」

 

急に穂乃果が素敵な笑顔でそう言ってきた。

 

「絵里先輩言ってたよね、『みんなも』って♪だから足開いて?」

「え、でも僕μ'sじゃない「足開いて?」あ、はい。」

 

拒否権なんてなかった。

逆らったら、確実にやられる。そんな気がする。

言われたとおりに足を開いて座る。

すると、すぐに穂乃果が僕の後ろについて

 

「えいっ♪」

「ひぎっ!?」

 

全力で背中を押してきた。

徐々に力をかける、なんて発想はなかったらしい。

 

「いやあああああああいたいいいいいいいいいいいい」

「あはは♪みーくん身体固すぎだよぉ♪」

「やめてよ穂乃果ぁっ!痛いってばっ!」

 

散々力をかけて押してきたかと思えば、次は少し力を抜き、耳元に顔を近づけてきた。

 

「なんで絵里先輩とあんなに仲良くなってるの?」

「えっ・・・?」

 

僕らがいるところは、みんなのいるところからは距離が離れている。

そのため、何を言っても他のみんなには聞こえない。

暗めのトーンで穂乃果が続ける。

 

「いや、なんでって言われても」

「どうしてあんなに楽しそうにしてるの?」

「いや、だから・・・」

「2人きりで何を話してたの?」

「え?それはのんちゃんのことで・・・」

「なんで2人きりになったの?」

「・・・」

 

後ろから話しかけられてるから表情は見れないけど、これだけはわかる。

いつもの穂乃果じゃない。

・・・昔の経験で分かる、この穂乃果はまずい。

 

「ねぇ答えてみーくん」

「のんちゃんのことで話があっただけだよ」

 

昔にもこういうことは何度かあった。

こういうときは、嘘をつかずに、素直に答えた方がいい。

嘘をつく必要もないし、そもそも今回は嘘なんて元からついてないけど。

 

「希ちゃんのことを話すのになんで2人きりだったの?」

「のんちゃんが嬉しそうにに笑ってたことをについて、生徒会長からお礼言われたんだよ。そんな話をのんちゃんに聞かれたら、僕も生徒会長もちょっとやりずらくなるだろうし」

「希ちゃんの話をするんだったら穂乃果も呼んでくれてもよかったよね?どうして2人きりだったの?穂乃果はみーくんの幼馴染なんだよ!?なんで絵里先輩とは2人きりになってお話してたのに穂乃果とはしてくれないの!?穂乃果だってみーくんと楽しくお話ししたかったの!なんで絵里先輩と先にしちゃうの!?」

 

昔にも似たようなことはあった。

あったけど。

あの時よりも、明らかに悪化してる。

・・・どうしよう?

 

「ほら、僕も記憶取り戻したからさ、これからはいつでも2人きりになれるから・・・」

「そうじゃなくてなんで穂乃果よりも先に絵里先輩と仲良さそうに話してるの!?穂乃果はずっとみーくんのこと待ってたのに!」

「それはその・・・ごめん」

「穂乃果はずっとみーくんのこと考えてたのにみーくんは穂乃果のことは考えてくれてないの!?」

 

何を言っても、どう返しても、落ち着く気配がない。

みんなからは少し離れた場所にいるため、他の人にこの話は聞かれていないから、止めてくれる人もいない。

僕1人でどうにかするしか――

 

「おーい、白河君と高坂さーん!こっちに来て~!」

「あ、は~い!」

 

生徒会長が僕らを呼ぶ声。

た、たすかった・・・

生徒会長が呼んでくれてなかったら、まずかったかもしれない。

とりあえず、一刻も早くこの場から逃げなきゃ――

 

「練習終わったら、『2人きりで』お出かけしようね♪」

「えっ?」

 

耳元でそう囁いた穂乃果の声は、今まで聞いてきた穂乃果の声の中で、もっとも明るかった。

 

 

 




やっと本編の方を更新できました。
特別記念編の方を更新しながら、こちらの方も少しずつ書いてはいたのですが、結局時間がかかってしまい、久しぶりの更新となってしまいました。
しかし、今回から章が変わるということで、話の雰囲気も少しは変わっているはずなので、ちょうどよかったのではないでしょうか。
前書きにも書いた通り、これから1か月ほどは特に記念回更新の予定はないので、本編の方を進めていけるのではと思います。

ここから徐々に、絵里ちとのんたんをμ'sへ加入させるという流れになっていくのですが、ずっと考えていた設定等も今回の話で入れていますので、完全加入までは少し時間がかかるかもしれませんね。


あと、ほのえり推しということもあって、今回の話は穂乃果ちゃんと絵里ちを中心に書いていました。こうならないよう気をつけてはいたんですけどねぇ。
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