【完結】―僕と2人の幼馴染の遠い記憶―   作:kielly

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久しぶりの本編更新となりました。
遅い時間にすいません、遅くなっちゃいました。

誤字注意です。
誤字があっても、修正は明日以降になるかと思います。
適当ですいません。


12話 焦り、思い

生徒会長に呼ばれ、僕と穂乃果はみんなのところに駆け寄る。

 

『練習終わったら、『2人きりで』お出かけしようね♪』

 

そう言った穂乃果の、不気味なほどの笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。

いつもの笑顔とは違う、恐怖を感じるほどの笑顔。

そんな穂乃果と練習後にお出かけなんて、一体どうなってしまうんだろうか。

 

 

「みんな、家で今言ったメニューをこなしておいてね?これをするかしないかで全然変わってくるはずだから」

『はい!』

 

練習終わり、生徒会長から柔軟性を高めるためのメニューがみんなに伝えられた。特に酷かった星空さんや矢澤先輩には個別に別のメニューが与えられてたけど、すごく大変そうだなぁ

 

「それと、これは白河君もやっておいてね?」

「えぇ!?僕µ’sのメンバーじゃないですよ!?」

「…遠目に見てたけど、なかなか酷かったわよ?」

「だけど僕がやってなんの意味が――」

「みーくん、一緒にやろうね♪」

「えっ、でも穂乃果「やろうね?」…はい。」

 

穂乃果に軽い恐喝を食らったため、生徒会長の話を断ることが出来なかった。なぜメンバーでない僕まで…

だが、今の穂乃果の言うことは断れずにいた。

怖い、とにかく穂乃果が怖い。

誰かに助けを求めたくなるくらいに。

こんなとき、のんちゃんが助けてくれたりしないかな?

ちらっとのんちゃんを見る。

…だめだ、生徒会長と楽しそうに話してる。

こっちなんて見ちゃいない。

すごくにこやかな表情をして話すのんちゃんに、助けを求めるわけにはいにい。

誰かいないかと周りをみる。

 

「穂乃果ちゃん、海未ちゃんと3人でケーキ屋に行かない?」

「駅前に美味しそうなところを見つけたので、ぜひ行きたいのですが…」

 

僕らとは別の、穂乃果の幼なじみ2人がそう穂乃果に提案していた。

助かった。記憶が正しければ、穂乃果は洋菓子好きのはず。ましてやケーキなんて女の子の好物を食べに行こうと誘われてる。これなら穂乃果はきっと2人について行ってくれるはず――

 

「ごめんね〜?今日はみーくんと2人きりでお出かけするからダメなんだよ〜♪」

「あ、そうなんですか」

「なら仕方ないね。また今度行こうね穂乃果ちゃん♪」

 

幼なじみの誘いをいとも簡単に断った。

それだけ、穂乃果の言う『お出かけ』というのは重要なことなのだろう。

その『お出かけ』の中で、僕は何を言われるのか、もしくはされるのか。想像もつかない。

 

「ということでみーくん、さっそく行こう♪」

「えっ」

 

考えていると急に穂乃果が腕を掴んで引っ張ってきた。

 

「ちょっ、まだ解散してないから」

「…行くよ?」

「…はい。」

 

不気味なほどな笑顔に似合わない低いトーンで僕についてくるよう促す。

拒否権なんてないのだろう、腕を握る手の力が強まった。

そんなことをされては、素直に従う以外ない。

穂乃果につれられ、僕は神社を後にした。

 

 

 

「………」

 

 

 

神社を出て少し歩き、神社が見えないところまできたところで、引っ張っていた手の力が弱まった。かわりに、僕の腕に抱きつく形でくっついてきた。

 

「みーくん!パフェ食べに行こうよ♪」

 

そう言う穂乃果の表情は、いつもより嬉しそうな純粋で眩しいほどの笑顔。さっきまでの穂乃果とは大違いだ。

単純に2人でお出かけしたかっただけなのだろうか?それとも…?

ひとまず今の穂乃果を見て少し安心した僕は、穂乃果の誘いに乗った。

 

「えへへ、まるで恋人同士みたいだね♪」

「えっ?あ、うん、そうだね」

 

穂乃果が考えていることが全くわからず、僕はただただ困惑する。穂乃果はニコニコしながら、これでもかと僕の腕を掴んでくっついてくる。

恋人同士みたい

いつもなら照れていたであろうそんな表現にすら反応できないほど困惑していた僕は、ただただ穂乃果に連れられるままに街へ向けて歩いていた。

 

 

「ここだよ♪ここのパフェ一緒に食べたかったんだ~♡」

 

連れられてきたのは、やたらとカップル客が目立つカフェテラス。

上機嫌な穂乃果に引っ張られ、テラスにあった4人席のところに座った。

席に着くや否や、早速穂乃果は店員さんに注文をしていた。

ってあれ?

 

「ほ、穂乃果さんや、僕の分の注文してないんだけど・・・?」

「大丈夫♪苦いコーヒーだめだったよね?だから穂乃果と同じカフェオレ頼んどいたよ!あと、食べたかったパフェは2人分の量があるから大丈夫♪」

「あ、そうですか。ありがとう。」

「うん♡みーくんのことは何でも知ってるから、穂乃果に任せて♡」

「う、うん、ありがとうね」

 

僕の分のコーヒーまで注文していてくれたみたいだ。

にしても、僕の好みまでよく覚えてたな・・・

ニコニコしながら僕の方をジーッと見つめてくる穂乃果。

練習のときに見せたあの不気味なやつではないけれど――

 

「ねえみーくん」

 

唐突に話しかけてくる穂乃果。

 

「今日、絵里先輩と話してたこと、穂乃果にも教えてよ」

「え?」

「希ちゃんのことで話してたんでしょ?だったら穂乃果にも通じる内容のはずだよね?」

「それはそうだけど・・・」

「だったら穂乃果にも教えてよ。みーくんのことは穂乃果が一番に知りたいの。みーくんが思ってる事、したいこと、全部穂乃果が一番最初に知りたいの、誰よりも先に。」

 

発言自体はさっきまでの不気味な笑みを浮かべる穂乃果と同じ。

だけど決定的に違うところがある。

さっきまでは表情を見ても、全然心が読み取れなかったけど、今は嘘のように読める。

そして今の穂乃果は、すごく焦っている。余裕がなさそうに――

 

「だからお願い教えてみーくん、みーくんのすべてが知りたいの。」

 

何かを不安がっているかのように。

何を不安がっているのかはわからない。

けど

何か不安があるなら、その不安をなくしてあげたい。

僕のことで不安になっているんだったら、なおさら。

だって僕は、彼女のファンなんだから。

 

「穂乃果」

「お願いみーくん、教えて?」

「そんなに、焦らなくてもいいんだよ?」

「・・・えっ?」

「穂乃果、焦ってるよね?僕のことで不安になってるんだったら、その心配はいらないよ?もう僕は、引っ越したりもしないし、記憶をなくしたりもしないから。約束するから。」

「・・・うん。」

「それに、穂乃果が聞きたいって言ってくれてるんだったら、嘘なんてつかずに話すから。のんちゃんのことも、生徒会長とのことも、全部話すから。」

「うん」

「だから、焦ったり不安になったりしなくていいんだよ?まぁ、不安がらせたのは僕の方だから僕が悪いんだけどさ。あはは・・・」

「うんっ」

 

少しずつ、表情が穏やかになっていく。

僕が話し終えるころには、さっきまでの焦りや不安の色は、なくなっていた。

すると今度は、穂乃果から。

 

「穂乃果ね、みーくんの言う通り、焦ってた、不安だったんだ。」

「うん。」

「でもそれはみーくんの言う、『引っ越し』『記憶喪失』とか、そういうのじゃないんだよ?」

「えっ?違ったの?」

「うんっ。確かに不安でもあるけれど、引っ越しするんならその時は穂乃果が絶対に止めてみせるし、記憶をまた失ったんなら穂乃果が何が何でも思い出させて見せるから。だから問題ないの。」

「う、うん。」

「穂乃果が不安だったり焦ったりしてたのはね・・・みーくんは、もう病院でのこと、思い出したんだよね?」

「え、うん、それはもちろん。」

「じゃあ、その時に『穂乃果が助けてあげる』って言ったの覚えてるよね?あれって、記憶のことだけじゃなくて、みーくんがつらいとき苦しいときは助けるって意味だったの。でも、そうするためにはみーくんのことをもっとたくさん知らなきゃって思ったの。だから、みーくんの思ってる事、したいこと全部知りたかったの。そして、穂乃果が真っ先にみーくんのことを助けたいの、助けなきゃいけないの。だから焦ってたの。」

「うん・・・」

「そんなとき、絵里先輩と話してるみーくんを見た。希ちゃんのことでお話をしたって言ってたけど、それが本当かどうかもわからない。もしかしたら不安事を相談してたのかもしれない。だから、不安だったの。穂乃果よりも先にみーくんを助けてた人がでたかもしれないって。もうすでに穂乃果はみーくんの一番になれてないのかもしれないって。」

 

『一番になりたい』

そういう風に思っていてくれたこと、今初めて気づいた。

なぜそこまでに拘っているのかはわからないけど、僕のことをすごく考えてくれていることはわかった。

 

「だから教えて?絵里先輩と何を話したの?穂乃果はまだ・・・みーくんの一番になれるの?」

 

なぜ『一番』にこだわるのかはわからないけれど

そこまで僕のことを考えてくれている穂乃果は、確実に僕の一番だと思う。

だから――

 

「うん、大丈夫。絵里先輩に話したのは本当にのんちゃんの話だし、今のところ悩みもないから、相談も何もしてないよ?それに・・・穂乃果は、その、僕のことをすごく考えてくれてるから、僕の一番、なんじゃないかな?」

 

照れくさくって、最後の方は声がちっちゃくなっちゃった。

うぅ、やっぱりこういうのって恥ずかしいや。

 

「・・・えへへ、そっか♪」

 

 

僕が絵里先輩との話の内容を話し終わるころには、さっきまでの穂乃果はもう、いなかった。

 

 

 

「お待たせしました、こちら『ラブ♡ラブ♡ぱふぇ』になります♡」

「わーい、きたー♪」

「え、あ、うん?」

 

穂乃果との話が終わってすぐ、頼んだカフェオレとパフェが来たのはいいけれど・・・

何この甘々な名前のこれまた甘々そうな見た目のパフェ。

しかも、よく見たら食べるための長めのスプーンが1つしかない。

どゆこと?

 

「はいみーくん、あーん♡」

「えぇっ!?いやいいよ!先に食べちゃってよ!」

 

スプーンで一番甘そうな部分をすくって僕に食べさせようとする。

いやぁ・・・これはさすがに恥ずかしいよっ!

 

「食べて♡」

「いや、その、今甘いものは・・・」

「食べて♡」

「いや、ですからね穂乃果さん?」

「食べて・・・?」

「はい。」

 

はい、拒否権なんてない、知ってた。

 

「はい、あーん♡」

「あーん・・・あ、あまいっ・・・」

「おいしい?」

「あ、あますぎて「おいしいよね?」はい、おいしゅうございます。」

 

聞き直してくるときの穂乃果が怖すぎて。

聞き直してくる時の穂乃果の目に輝きがないのがまた怖いです。

もう、下手に断らないほうがよさそうだ。

 

「じゃあみーくん、穂乃果にも食べさせて?」

「はい、わかりました。どうぞ。」

「・・・どうして敬語になってるの?」

「ごめん、冗談だよ。」

 

敬語使うだけでもその目になるのね・・・なんでや。

 

「じゃあ、はい、あーん」

「えへへ♡やっときたぁ♪あー――」

 

「何してるん・・・?」

 

「「えっ!?」」

 

声のする方向には――

 

「の、希ちゃん!?」

「なんで二人きりでそんなことしてるん?」

 

のんちゃんがいた。しかもかなり怒ってるようで。

 

「ち、違うの希ちゃん!これはそんなんじゃなくてっ!」

「あーんさせあって、何が違うん?」

「そ、それは・・・えへへ♡」

「えへへじゃないよもうっ!これも全部みーちゃんのせいやんな!?」

「なんで僕なのぉ!?」

 

 

なんだかんだあったけど、3人で仲良くパフェを食べた。

・・・といっても、僕は2人に食べさせるだけで、穂乃果にもらった一口以外は食べてないんだけどね。

でも、幸せそうな2人を見てふと安心する。

穂乃果も、さっきまでの不気味な雰囲気や焦りや不安はもう感じていないようだ。

 

穂乃果が暴走して、一時はどうなるかと思ったけど、何とか収まってよかったよ。

 

これからも、こうやって楽しくやっていきたいな。

・・・暴走だけは、勘弁してね?、

 

 

 

 






いつぶりでしょうか、本編の更新となりました。
穂乃果のヤンデレが好きなんです。
でも、ヤンデレ要素が強すぎると、進めようとしていた方向に話を進めることができなかったので、少し進路変更をして、最終的にはイチャイチャする、という風にしました。

元はヤンデレ穂乃果ちゃん無双するつもりでした。
でもそれはほかの話でしようかな。
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