【完結】―僕と2人の幼馴染の遠い記憶―   作:kielly

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本編の更新です(*・8・*)

活動報告で、これから先は更新が遅れるかもしれない、と言ってた割には早い更新、むしろ前よりも更新頻度が上がってる気さえします。
書きたいネタ自体はいろいろまとまっているので、書く時間さえくれれば普通に更新できるんです、時間さえあれば。


13話 久しぶりの3人―違和感―

 

 

カフェを出て、僕らは3人横に並んで歩いていた。

こうして並んで歩いていると、昔を思い出す。

僕が真ん中、穂乃果が右で左がのんちゃん。何も意識してないのに自然とこういう並びになるのは、やっぱりそれだけ付き合いが長いということなのかな。記憶をなくしてからかなりの時間は経っちゃったけど、そういうところは変わらなかった。

 

「さっき食べたバフェ、美味しかったね♪」

「そうやね!味はもちろんだったけど、みーちゃんの奢りだったから、より一層美味しかった♪」

「うぐっ!」

「みーくんから『あーん♡』してもらえたしね♪」

「ぐはっ!」

 

瑞希は精神的なダメージをうけた!

パフェはまさかの僕の奢り。さらに、穂乃果にあーんしようとしてたところをのんちゃんに見られて、『ずるい!うちにもして!』なんていう展開になり、結局2人交互にあーんして食べさせるなんてことに。

記憶が戻ってやっと今まで通りの3人に戻れたと思ったらこの洗礼。なんてこったい。

 

「またこうやって3人で話せる様になったね」

「せやね」「うん」

 

穂乃果の言葉にのんちゃんと僕は頷く。

またこの3人で並んで歩ける。それだけですごく温かい気持ちになる。・・・パフェをおごらされ、あーんなんていう辱めにあっても、許してしまうほどに。

 

「そうだ!」

 

穂乃果が急に声を上げた。急に大きな声を出され、僕とのんちゃんは軽くビクッとした。唐突に大きな声を出すところも未だ健在なようで。

 

「せっかくまた3人で集まれたんだから、穂乃果の家でちょっとした記念パーティしようよ!」

「お、それいいやん!」

 

穂乃果の提案にのんちゃんが賛成する。

穂乃果の家かぁ、小さいころは度々行ってた覚えがあるから、久しぶりに行くことになるかな。昨日ほむまんをもらったときに、家の前までは行ったけど、あの時はまだ記憶をなくしたままの僕だったからあれは無しで。

 

「みーくんも、来るよね?」

「穂乃果がそれでいいんだったら、いいよ。僕も、また3人でこうやって話せるのすごく嬉しいから。」

「うんっ♪じゃあ決まりだね!じゃあお菓子とジュース買いにいこっ♪」

 

そう言うとすぐに、僕の手を引っ張って速足で穂乃果は歩く。思ったより速いペースで歩く穂乃果に、僕はついていくので精いっぱいだった。

 

ふと思う。

僕は引っ張られてるけど、なぜのんちゃんは引っ張られてないんだろう?穂乃果だったら周りにいる人みんなを引っ張っていきそうなのに。そもそものんちゃんはついてきているんだろうか?

気になってのんちゃんがいるであろう方向を見た。

 

見てみると、のんちゃんは僕らとちょっと距離を置きながら、僕らと同じペースで歩いていた。けど、その表情はいつになく真面目で、ちょっと驚いた。

 

僕らのペースに合わせるのに精いっぱいなのかな?それとも、久しぶりに3人で集まるから、少し緊張してたりするのかな?まぁでも、緊張くらいするよね。今の僕もほんの少し緊張してるし、久しぶりだから仕方ないと思う。むしろ穂乃果がすごいんだ。何も変わらない態度で接してくれてるんだから、ほんとにそういうところはすごいと思うよ。

 

でもきっと、穂乃果の家でのパーティが始まったらのんちゃんも緊張がなくなって、楽しんでくれるはず!よしっ、久しぶりの3人での集まり、大いに楽しまなくちゃ!

 

 

 

 

 

希side

 

 

みーちゃんの腕を引っ張って歩く穂乃果ちゃん。その足取りは軽くて、嬉しい気持ちでいっぱいなのが伝わって売るほど。私はそんな2人の後ろから、少しだけ距離を開けて歩いていた。

 

なぜ距離開けて歩いているのかというと、2人の様子、特に穂乃果ちゃんの様子を見るため。

 

練習中、穂乃果ちゃんはみーちゃんのところに行って、みーちゃんの柔軟の手伝いをしていた。みんなと少し離れたところで。

みんなと同じことをしているだけなのに、なぜみんなと距離を置く必要があったのか。遠目にその様子を見ていた私は疑問に感じていた。そして、絵里ちの呼び声に戻ってきた2人の様子はとても変だった。穂乃果ちゃんはすごく笑顔で、みーちゃんは怯えた様子で、ただの練習をしていただけとは思えないほどだった。

 

穂乃果ちゃんが痛がるみーちゃんをいじめていた、初めはそういう風に思ったけど、それにしては、穂乃果ちゃんの笑顔からは、笑顔とは別の何かがあるような気がしてちょっと怖かったし、みーちゃんの怯え方は、明らかに痛さからのものではない、何かに怯えるような様子。少なくとも、朝集合した時とは全く別。あの練習の時に何かあったとしか私には思えなかった。

 

練習が終わって、穂乃果ちゃんはみーちゃんを連れて早々に神社から出て行った。その時の2人の様子は、練習中のそれよりもっと強まっていたように感じて、不安に思った私は、2人の後をこっそりとつけることにした。

 

神社を出て、腕を組んで歩く2人の姿は、すごく対照的だった。

穂乃果ちゃんは、ほんのりと頬を赤く染め、嬉しそうにニコニコしながらみーくんに話しかけていた。この時の穂乃果ちゃんからは、怖さは感じなかった。一方みーちゃんは相変わらず怯えた様子で、かつ戸惑っているような様子で穂乃果ちゃんを見ていた。当然だと思う。全く様子の違う幼馴染を見て恐怖を感じていたにもかかわらず、2人きりになったとたんに、いつもの様子に戻ったのだから。私だって戸惑ってしまった。

 

2人が向かった先は、カフェテラス。・・・なんかやたらカップルが多い気もする。でも2人の様子もカップルそのものだったため、特に周りの視線は集めなかった。私は店の陰から、テラス席に座っている2人を見ていた。2人よりも私の方が視線を集めそうだったけど、そんなのはこの際どうでもよかった。

 

注文をして少ししたら、2人が何やら話を始めたみたい。しかし今度はすごく真面目そうな表情で、さっきまでの怖さも、嬉しそうな笑顔もなかった。

と思ってたら、パフェが来たとたんにテンションが上がった穂乃果ちゃん。そしてパフェをスプーンですくってみーちゃんに食べさせようとする。嫌がるみーちゃんに、またさっきの怖さを感じさせながら笑う穂乃果ちゃん。

さすがにそれはまずいと思って、みーちゃんが穂乃果ちゃんに食べさせようとするタイミングで2人の前に姿を出した。

 

しかしながら、練習から今まで見てきたけれど、あまりにも穂乃果ちゃんが情緒不安定過ぎる。

しかもそれはみーちゃんに対してだけ。

 

みーちゃんの前ではすごく笑顔とか、みーちゃんの前ではいつにもまして明るいとか、そういうことだけなら何も問題はないんだけど、時折見せる病んでるかのような怖いほどの笑顔・表情がどうしても見過ごせなかった。

 

パフェを食べてるときを見計らって2人の前に出たのは正解だったと思う。もしそのまま2人きりだったら、まずかったかもしれない、そういう不安が、今の穂乃果ちゃんを見ていると感じる。

 

3人で集まろうという提案に乗ったのも、もうちょっと穂乃果ちゃんの様子を見ていたかったから、というのもあった。もちろん、3人で集まるなんて久しぶりだから、単純に嬉しかったからというのもあったんだけどね。

・・・それに、ちょっと様子はおかしかったけど、また2人きりでカップルみたいにイチャイチャなんてされたくない。私だってみーちゃんにあーんしてあげたかったし、2人きりでお出かけしたい――って!そんなの今は関係ないやん!真面目なことを考えてたはずなのに、なんで急にうちはそんなこと思ってるんやろうっ。

こんなんみーちゃんに知られたら恥ずかしい――

 

『希ちゃん(のんちゃん)?』

「ひっ!?・・・あ、ど、どうしたん?」

 

急に話しかけられて、変な声でてしもうた・・・2人が不思議そうな顔でうちを見てる。

 

「さ、お菓子とか買おうよ希ちゃん!」

「え?あ、うん、せやね」

 

色々と考えてたら、いつの間にかコンビニの前についていたらしい。

今うちの考えてたこと、2人に伝わってたりしてへんよね?考えてた時、声とか漏れてへんよね?漏れてたらめっちゃ恥ずかしいやん。

 

とにかく、お菓子を買って穂乃果ちゃん家に行って3人になったとき、穂乃果ちゃんがまたおかしくならないかどうか。もしおかしくなったらうちが何とかしないと。

なんせ、うちは2人よりも年上やし、唯一第三者視点で2人を見れる人。うちが収めんと、みーちゃんは優しいから絶対に穂乃果ちゃんを抑えることなんてできない。・・・そして、みーちゃんが穂乃果ちゃんを抑えられないことをいいことに、穂乃果ちゃんがみーちゃんに色々なことを求めるのを止めれるのもうちだけ――って、またそんなこと考えてっ!幼馴染の異常事態なのにうちはっ!

はぁ、おとなしくお菓子でも選んどこ。

 

 

 

 

瑞希side

 

 

コンビニについてもそれに気づかないのんちゃんに声をかけると、変な声をあげながら驚いた様子でこちらを見てきた。歩いてた時ののんちゃん、すごく真面目そうな表情してたけどどうしたんだろう?

 

コンビニで結構な量のお菓子やジュースを買った後、僕たちはさっき同様横に並んで歩いていた。

結構なお菓子・ジュースを買ってしまったから、結構重くなってしまっている。

穂乃果やのんちゃんが買い物袋を持ってる。これは男として僕が持つべき。よし・・・!

 

「2人とも、僕が袋持つから『大丈夫だよ(やで)!!』えっ、いやでも僕も一応男『そんなの気にしないで(気にせんで)いいよ!』・・・うん。」

 

全力で断られた。うん、悲しいね。せっかく持とうとしたけど、結局2人に持ってもらってる。僕だけ何も持ってないというすごく情けない状況。

 

「さ、ついたよ!」

「久しぶりやね~。懐かしいなぁ」

 

いつの間にか穂乃果の家の前についていた。

久しぶりとのんちゃんは言うけど、僕はちょっと前に来たばかり。でも、この3人でここを訪れるのは久しぶり。そういう意味ではすごく懐かしいかも。

 

「じゃあ入って入って~♪」

「「おじゃましま~す」」

 

穂乃果がガララとドアを開けて、僕らに中に入るよう促す、それを聞いて僕らは中へ入る。

 

「いらっしゃいま・・・えっ!?」

 

中から女の子が一人。前にお邪魔した時から何年か経ってるけど、この感じはたぶん――

 

「雪穂ちゃん、だよね?」

「えっ。え?瑞希、さん?」

「うん。久しぶりだね。」

「お、お姉ちゃん・・・?」

「記憶、戻ったんだって!」

「あ・・・あ・・・っ!お姉ちゃん!よかったねっ!」

 

記憶が戻ったことを聞くなり、穂乃果の手を握って嬉しそうに飛び跳ねるこの女の子は、高坂雪穂(こうさかゆきほ)。穂乃果の妹。穂乃果の家に3人で行ったとき、毎回のようにお出迎えをしてくれていた。

こうやって喜んでくれる雪穂ちゃんを見てると、本当に記憶が戻ったんだなって改めて思う。

 

「お久しぶりです瑞希さん!記憶戻ったんですね!?よかったです!お姉ちゃん、毎日のように瑞希さんのこと話してて、相当心配してたんですよ!?昨日なんて――」

「わーっ!雪穂ストップ!それ以上はダメっ!」

 

大きな声でいろいろと話す雪穂ちゃん。やっぱり穂乃果の妹って感じがする。そして穂乃果の話の続きが気になる。なんだったんだろうなぁ・・・あとで雪穂ちゃんと連絡先交換しとこ。

 

「さ、どうぞ中へ。お姉ちゃんの部屋に行くんだよね?」

「うん、穂乃果の部屋に!じゃあ2人とも、階段上がっちゃって~!」

 

そう言って穂乃果は階段を上がっていく。

僕らもそれに続こうとして、靴を脱ぎ、階段に足をかける。

 

「――お2人とも、お姉ちゃんをこれからもお願いしますね。」

「うん、もちろん!」

「そんなん言われなくってもわかってるで!」

 

すれ違いざまに雪穂ちゃんに言われた言葉に、僕らは当たり前のように応える。それを聞いた雪穂ちゃんは、安心した様子でその場を離れていった。しっかりしているところも、昔と変わっていなかった。

 

階段を上がり、穂乃果の部屋と思われる部屋のドアを開けた。

 

「あ、きたね2人とも。適当なところに座っちゃって~」

「えっ?あ、うん」

「・・・・・・」

 

”適当なところに座って”

ただそれだけの言葉だったけど、明らかな違和感を感じた。のんちゃんも感じたのか、少し表情が強張った。なんだろう、この感じ。まるで様子がおかしかったときの穂乃果のような――

 

 

「さ、楽しいパーティ、始めよ♡」

 

 

とても明るいその笑顔は、練習の時に感じた、恐怖が入り混じったものだった。

 

 

 

 






いつもよりほんのちょっと長めでしたが、どうでしたか?
読みづらい部分が多くて申し訳ないです。添削とかはちゃんとしてるんですが、なかなか読みやすくまとめることができなくて・・・


11月にしては暖かいなと思ってましたが、ここ2・3日で急に寒くなってませんか?気のせい?
体調管理等、お気をつけくださいね。かく言う自分も結構まずいんですけどね(笑)
温度変化が急激すぎて、体調を崩しやすくなっているかと思いますので、自分の身体を労わってあげてくださいね。


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