【完結】―僕と2人の幼馴染の遠い記憶―   作:kielly

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お久しぶりです。やっと更新できました。

引っ越しとかいうクソイベントを終わらせて、ネット工事も終わったので、これからは更新できそうです。年末なんで、仕事の方で苦しむかもしれませんけどね。


今回はついに絵里ちを勧誘します。
アニメとは全く違う展開になりますのでご注意を。


16話 生徒会長、勧誘

 

 

「あ、希さん!・・・と、どなたですか?」

「久しぶりやね亜里沙ちゃん!」

 

のんちゃんが"亜里沙"と呼ぶその子がドアから顔をのぞかせていた。

生徒会長と同じ金髪で、どことなく生徒会長と似ている。ただ、会長ほど大人びているわけではなく、どちらかというと幼いという印象を受ける子。どっかの先輩と同じくらい幼い・・・なんて言ったら怒られるかな。

 

「こんにちは。生徒会長・・・じゃなくて、絵里先輩の知り合いの者です。白河瑞希って言います。」

「こんにちわ!私、高坂穂乃果って言います!絵里先輩にはお世話になってます!」

「お姉ちゃんのお知り合いでしたか!私は絢瀬亜里沙っていいます!お姉ちゃんに用があってきたんですか?」

 

可愛らしく首をかしげながら聞いてくるその姿がとても似合っている。"お姉ちゃん"って呼んでるってことは、生徒会長の妹さんなのか。お姉さんに似てとてもきれいな―――

 

「いででっ!?」

「どうしたの?」「みーちゃん?」

 

妹さんを観察していると、右からは腕を思い切りつねられて、左からは思い切り足を踏まれた。心なしか目の色も危ない気がする。なんで?

 

「みーちゃん、ちょっと危ない目で亜里沙ちゃんのこと見てたで?」

「え!?いや、会長に似てるなぁって思っただけで・・・」

「ホンマに~?」

「ホンマに!!僕そんな趣味はないから!」

「みーくん・・・?」

「ほ、穂乃果さん?」

「絵里先輩だけじゃなくて妹さんにも手を出そうとしてるの・・・?」

「違うから!そんなんじゃないって!!」

「やっぱりみーくんは穂乃果がついてないとだめだね・・・」

「いやいやそんな必要はないから、、、っていててっ!腕そんなにひねらないでっそしてその目すごく怖いからやめてよ!お願いだからやめてっ何でもするからっ!!」

 

「あの~」

「はっ!?」

 

気が付けば妹さんがこちらを不思議そうな目で見ていた。にしてもお姉さんに似て綺麗な瞳―――って!そんなこと考えてるから2人にやられたんだった。またやられるところだった。

 

「お姉ちゃんに用があるんですよね?」

「うん、そうだよ」

「なら今、お姉ちゃん家にいないので中に上がって待っててもらってもいいですよ?すぐに戻ると思いますので」

「ん?絵里ちおらんの?」

「はい。ちょっとコンビニに行くって言ってたので、すぐに戻るとは思いますけど」

「なら上がらせてもらおか。亜里沙ちゃん、いいかな?」

「はい!さぁ、どうぞ!」

 

そう言って妹さんは奥の方へと案内する。のんちゃんは靴を脱ぎ、そのあとを追う。僕と穂乃果も靴を脱いで上がろうとするんだけど、穂乃果が腕にしがみついたままだから、靴が脱ぎづらすぎて困る。

 

「穂乃果、そろそろ離れてくれないかな?」

「え?どうして?」

「どうしてって・・・ほら、靴脱ぎづらいし、生徒会長に見られたらいろいろとまずいんじゃ・・・」

「どうして絵里先輩のことを気にするの?靴なら穂乃果が脱がせてあげるよ・・・?」

「いや、でもさ」

「でも何?これから穂乃果は絵里先輩とみーくんを近づけさせないために行動するからこれは仕方ないの。そしてあの亜里沙ってこのことを見ないようにしないといけないから穂乃果がくっついてるのは当たり前だよね?だって穂乃果がついてないとみーくんすぐに他の女の子に近づいちゃうから。」

「あ、あぁ。うん。そうだよね、ごめん僕が悪かったよ。」

「えへへ♪」

 

淡々とこちらをじっと見つめて話すその目の色が危なくなってきてたから、こちらから折れることにした。可愛らしい笑顔で微笑んでくるけど、今の僕にはその笑顔が怖くて仕方ないよ。

 

 

 

「希さんはわかるんですけど、お二人はどうやってお姉ちゃんと知り合ったんですか?」

 

部屋に案内され、4人で席に着き、僕と穂乃果が生徒会長と知り合ったきっかけについての話題で話していた。

 

「穂乃果ともう2人、同級生の3人でスクールアイドルを始めることになって」

「うん、そのときに怒られちゃったんだよね~。あのときの絵里先輩怖かったなぁ」

「スクールアイドル・・・」

 

"スクールアイドル"の名前を出した瞬間、妹さんの目が輝きだした。

 

「スクールアイドル!亜里沙もやりたいです!いいなぁ・・・」

「お、亜里沙ちゃんもスクールアイドルやる?」

「え!いいんですか!?」

「あはは、高校生になったらな♪」

「あうぅ・・・」

 

のんちゃんがそんな妹さんを見てか、からかいがちに亜里沙ちゃんと話している。

こんなかわいい子が入ったら、μ'sはもっと輝くんだろうな。・・・でも、仮に亜里沙ちゃんがμ'sに入るとしたら、それはきっと来年の話。来年には、3年生ののんちゃんや矢澤先輩、そして生徒会長が卒業して大学生活を送っているだろう。そう考えると、とてつもなく寂しく思えてくる。

 

「あ、もしかしてですけど・・・お姉ちゃんにもスクールアイドルをやってもらいたいから、わざわざうちに来てくれたんですか?」

 

あ。

そうだった、その件でここにきたんだったね。普通に楽しく団らんして終わるところだった。

 

「せや。絵里ちもアイドル好きやからどうかなぁって思ってな?」

「お姉ちゃんがアイドル・・・うん、すごく良いと思います!」

「だよねだよね!絵里先輩みたいな人がμ'sに入ってくれたら、絶対人気出ちゃうよ!」

「μ'sっていうんですか?いい名前です!お姉ちゃんも気に入ってくれると思いますよ!」

「実はな?今朝、そのμ'sの練習に絵里ちも付き合ってくれてるんよ。もしかしたら、と思って、誘ってみよう思ってな?」

「そうだったんですか!だから休みの日なのに早く出かけちゃったんだ・・・お姉ちゃん、少しうれしそうでしたよ!」

 

嬉しそう。本当にそうだったんなら生徒会長も本当にμ'sに入ってくれるかもしれないね。

 

 

『ただいま~!あら…亜里沙、誰か来てるの~?』

 

入口の方から声が聞こえる。この聞き覚えのある声は間違いなく―――

 

「あ、お姉ちゃん帰ってきた!ちょっと行ってきますね!」

 

やっぱり生徒会長が帰ってきたんだ。

声が聞こえるなり妹さんがすぐに玄関へ向かう。

 

急に3人でおしかけてきて怒らないだろうか?のんちゃんの幼馴染とはいえ、男の僕が勝手に上がってよかったのだろうか?

 

そして、生徒会長はμ'sに入ってくれるのだろうか?

 

 

 

 

「あら、あなたたち・・・」

「ど、どうも。お邪魔してます。」

「絵里先輩、こんにちわ!」

「お~絵里ち~。遅かったやん?」

「・・・・・・」

 

やはりというべきか、あまり良い表情ではない気がする。そりゃそうだ、急におしかけてきたんだし、のんちゃんだけならまだしも、まだあまり関わりのない穂乃果や僕もいるんだ。あまりよく思われなくても当然だ。

 

「ごめんなさい、ちょっと買い物に出てただけだから。それより、せっかく来てもらったのに何もなくてごめんなさいね?」

 

あれ?怒ってない?むしろ謝られてる。

 

「いや、むしろこちらこそすいません。いきなりおしかけちゃって。のんちゃんだけじゃなくて穂乃果や僕まで・・・」

「いいのよそんなこと。いつも希に急に来られて困ってるから、1人や2人増えたところでもう慣れたわ。」

「え、いつもなんですか?のんちゃん・・・」

「えへっ♡」

 

のんちゃん、僕がいない間に結構図々しくなってたみたい。わたしゃ悲しいよ。

 

 

「絵里先輩!早速で悪いんですけど、お願いがあって来ました!」

「お願い?」

 

穂乃果がタイミングを見て、すぐに話題を変えてきた。・・・しがみついたままで。

もしかして会長が良い表情でなかったのはこれが原因だったりして・・・?

 

穂乃果が、本題を切り出した。

 

「絵里先輩!μ'sに入ってください!」

「え?いや、μ'sの練習に付き合ってるじゃない」

「そうじゃなくて!μ'sのメンバーとして、私たちと一緒に活動してくれませんか!?」

「・・・・・・」

 

穂乃果の言葉に黙り込む会長。

 

何かを考えている様子でずっと黙っている。その様子を見守る僕らに少しの緊張が走る。

 

 

表情が変わり、会長が口を開いた。

 

「ダメよ、それは。」

 

否定。

そんなにμ'sに入るのが嫌なのだろうか?

 

「どうして!」

「どうしてなん?絵里ちアイドル好きやろ?それにうちも入るんや、μ'sに!だから一緒にやろう?」

「希も・・・?」

 

のんちゃんが入ることを伝えると、会長の表情が曇った。

 

「なら、なおさら無理じゃない。」

「えっ?」

「希がμ'sに入れば、必然的に生徒会での活動の時間を減らすことになる。そうなったら誰が学校を救うの?それに、生徒会は生徒会で活動をしていこうって話は希も知ってるはずでしょ?そっちの方も忙しいんだから、アイドル活動なんて不確実なものに頼る余裕なんてないの。・・・確かに私はアイドルが好きよ。雑誌とかでアイドルを見かけて"羨ましい"だなんて思ってしまうほどに。ダンスも、本当はもっとやっていたかったわ。でも、今の私がダンスなんて踊ったってアイドルになんてほど遠い。それに私は―――」

 

 

 

「"生徒会長"なんだから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

結局μ'sへの勧誘を失敗した僕たちは、気まずくなって早々に部屋を出てしまった。

 

 

「だめ、だったね。」

「せやね・・・」

 

隣を歩く2人の表情は暗くて、見ているこちらも暗い気持ちになってくる。

 

 

 

『生徒会長なんだから』

 

 

そう言っていた会長の表情は、この2人よりももっと、暗かったけど。

 

 

生徒会長―――絢瀬先輩は、生徒会長という立場であることを重く受け止めていた。

 

生徒会長とはいえ、学校側から見れば一生徒であることに変わりないんだから、そんなに重く受け止めなくてもいいのに、と僕は思った。

 

 

でも、彼女はそれだけ、責任感が強いということ。

絢瀬先輩の発言を聞くと、アイドルが好きなのは本当だろう。

 

 

 

それに、まだ希望が消えたわけじゃない。

 

 

 

だって、絢瀬先輩は"嫌"と言ったわけではない。

 

"ダメ"って言ったんだから。

 

それって、本当は入りたいけど、入ったら"ダメ"だから、そういうことだよね?

 

 

なら、絢瀬先輩を諦めるのはまだ早い。

 

 

 

生徒会というものが、絢瀬先輩を苦しめているのなら

 

 

μ'sに入りたいけど入れないというのなら

 

 

マネージャーである、僕の役目、だよね。

 

 

 





いかがでしたでしょうか?

初登場の亜里沙ちゃん、そして絵里ちの勧誘。
物語がやっと進みだしたって感じですね。

この物語を読んでいただいてる方ならもうお分かりだと思いますけど、アニメとは全く違うお話になるので、苦手な方は申し訳ないです。

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