【完結】―僕と2人の幼馴染の遠い記憶―   作:kielly

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合宿編のスタートです。
今回はその合宿の始まりの始まり。

少しずつ、"裏"が出てきます




21話 合宿 ≪始まりの始まり≫

「瑞希、準備はできた?」

 

「うん母さん。じゃあ行ってくるね」

 

「みなさんに迷惑かけるんじゃないわよ~」

 

「かけないから!行ってきます!」

 

 

 

お母さんに茶化されながらも、僕は家の玄関のドアを開けた

 

 

今日から僕たちは、学校で合宿するんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合宿 ≪始まりの始まり≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはようっ!みーくんっ!」

 

「わっ!?ほ、穂乃果!?」

 

「おはようみっくん♪」

 

「おはようございます。」

 

「み、南さんと園田さんも・・・」

 

 

家を出たとほぼ同時のタイミングで穂乃果に抱き着かれてしまった。

そして穂乃果の後ろには南さんがすごい笑顔で、園田さんが少し困った表情で立っていた。

 

どうやら3人が僕を迎えに来てくれたらしい

 

 

「3人ともおはよう。迎えに来てくれたの?ごめんねわざわざ」

 

「ううん!みーくんに1秒でも早く会いたかったからいいのっ♪」

 

「穂乃果ちゃんがすっごく嬉しそうだったからことりも大丈夫だよ♪」

 

「まぁ、寝坊されるよりは何倍もマシですからね」

 

「ねえ穂乃果、園田さんから呆れられてるけど?」

 

「ん~♡みーくんの匂いみーくんの感触みーくんの体温みーくんの脈音~っ♪」

 

「あ、あはは・・・」

 

 

園田さんや僕の言葉には全く反応せず、僕を思いっきり抱きしめては謎の発言を楽しそうにしている穂乃果。

まるで周りのことなんてまったく気にしていないかのようだ。

 

 

「穂乃果、瑞希さんが困っているではありませんか。そろそろ離してあげた方が」

 

「んーん!!嫌だもんっ、穂乃果はずっとみーくんの匂いを嗅いでたいのーっ!」

 

「まったくもう...瑞希さんからも何か言ってあげてください。今の穂乃果は私の言葉なんて聞き入れてくれないみたいなので」

 

「ごめん、こうなっちゃった穂乃果は僕にも無理かも」

 

「昔から穂乃果はこうですからね。1度嫌と言ったらそればっかりで」

 

「ふふっ、そうだね。昔からずっと穂乃果は変わって...いって!!ちょ、穂乃果!?」

 

「...なんで海未ちゃんと楽しそうに話してるの?」

 

「ひっ!?」

 

 

突然の足の痛みに驚いて、それが穂乃果からのものだとわかって穂乃果を見た時、穂乃果の表情が明らかにさっきまでの穂乃果と違うことに気づいた

 

 

これって・・・"あの"穂乃果なのだろうか

 

 

でもなんか、今の穂乃果からは――――――――"あの"穂乃果らしさを感じない

 

 

 

何ていうか、ただ単純に怒ってる、そんな感じに見える

 

 

 

いつもの"邪悪さ"みたいなものを感じないんだよね、今の穂乃果からは

 

 

 

「ご、ごめん穂乃果」

 

「・・・ん、許す」

 

「あはは・・・」

 

 

何とか許しを得た僕はほっとする。

でも、今日の穂乃果はやっぱりいつもと違って、やたら素直な気がする。それならそれの方が良いんだけど、なんか調子が狂うというかなんというか。

 

なんだろう、これ?

 

 

「みっくん、穂乃果ちゃん!抱き合ってるところ悪いんだけど、そろそろ行こう?」

 

「そうですよ二人とも。遅れちゃいますよ?」

 

「だ、抱き合ってるってそんな」

 

「えへへ♪じゃあ穂乃果、このまま抱き着きながら行く~」

 

「ちょっ、穂乃果放して!恥ずかしいから!」

 

「いーやーだー!!」

 

「はぁ・・・分かったけど歩きづらいからせめて腕だけにしてよ」

 

「うんっ♡ これで穂乃果"だけの"みーくんだよねっ!」

 

 

腕にギュッと抱き着いては嬉しそうに話す穂乃果

言葉にはヒヤッとするものがあったけど、オーラみたいなものはいつもと何ら変わらない

 

"あの"穂乃果はもう、今の穂乃果の中にはいないのかな?だったらいいんだけどね

 

 

 

なんやかんやありながらも、僕ら4人はみんなとの集合場所である部室へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集合時間より1時間前のこと

 

 

 

 

生徒会長絢瀬絵里と、副会長東條希は2人きりで生徒会室にいた

 

 

 

 

 

 

 

「絵里ち、今日からの合宿、よろしくな?」

 

「ええ。でも珍しいわね、希がああやって自分の意見を押し通そうとするなんて。何かあるのかしら?」

 

「・・・実はそのことなんやけど、絵里ちにも協力してほしいんや」

 

「え?協力も何も合宿なんだから、協力するのは当たり前じゃない」

 

「いや、合宿自体のことやないんよ。実は――――――――みーちゃんのことなんや」

 

「白河君・・・彼がどうしたのかしら?」

 

「正確にはみーちゃんと穂乃果ちゃんの2人のことなんやけどな?」

 

「白河君と、高坂さん?」

 

「そう、特に穂乃果ちゃんなんやけど――――――――」

 

 

 

 

 

 

「なるほどね。そのために私にも協力してほしい、ということね?」

 

「今のうちには、絵里ち以外に頼れる人がいないから。それに、絵里ちやったらすごく頼りになりそうやなって思って、つい・・・」

 

「私に何ができるかは分からない。けど、希がそういうのなら私も微力ながら協力させてもらうわ。それに希は――――――――私にとっての"親友"、なんだから」

 

「絵里ち・・・ありがとうな」

 

「希、あなた一人で抱え込む必要はないわ。それに、高坂さんの異常さは何となく気づいてはいたから、いずれはどうにかするつもりだったしね。そのままだとμ'sっていうグループ全体に影響しそうだったし」

 

「えっ!?え、絵里ち気づいてたん?」

 

「何となく、だけどね。でもあなたからの話を聞いて、それが確信に変わったわ。」

 

「・・・うち、やっぱり絵里ちに頼んでて良かったわ」

 

「まだ安心するのは早いわ希。これからなんだから」

 

「うん。じゃあ絵里ち、よろしくね?」

 

「ええ、頑張りましょう、希」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢瀬絵里と東條希は、μ's、そして白河瑞希のために、動き出そうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、別場所にて

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――、今日からついに合宿だね」

 

「うん、――――――――。」

 

「――――――――、次は――――――――が失敗しないように、ずっと見ててあげるね?」

 

「ありがとう――――――――。今回はちょっと変えてみようと思うの。いろいろと、ね」

 

「へぇ、そっかぁ。楽しみにしてるよっ、――――――――。」

 

「応援しててね、――――――――。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢瀬・東條とは別の想いが、またここに1つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕たち4人が部室についたころには、もうすでに他のみんなはそろっていた

 

 

「遅いっ!遅刻よあんたら!」

 

「す、すいませんでしたっ!」

 

「ったく。早々からこんなんで大丈夫なのかしら」

 

 

集合の時間を少し超えていたせいか、矢澤先輩から怒られてしまった。

腕に抱き着いてくる穂乃果が駄々をこねてしまっていたせいで、予想以上に到着が遅れてしまったのだが、当の穂乃果本人は嬉しそうに、相も変わらずニコニコしている。

 

 

「まぁまぁにこっち。ちゃんと無事に来たんやからええやん?」

 

「希は甘いのよ。まったく。」

 

「ふふっ、やっぱりにこっちも優しいなぁ。ほな、合宿スタートしよか?」

 

 

怒る矢澤先輩をあやしながら、のんちゃんが合宿の話を切り出す

 

 

「始める前に、まずはこの合宿のルールを説明するわ。」

 

「ルール?」

 

 

絵里先輩が、この合宿においての"ルール"をみんなに伝え始める

 

 

「まず1つ。ここは学校だから、当然他の生徒たちも一緒にいるわ。だから、あまり騒ぎすぎないこと。」

 

「あくまで"学校"やからね」

 

「2つ。もし家庭で何かあったら帰っても大丈夫よ。でもそれ以外は基本9人。少なくても最低3人以上で行動すること」

 

 

 

「そして、3つ――――――――"先輩・後輩"の関係は無しとすること」

 

 

「えっ・・・」

 

 

3つめ、そのルールを聞いたとき、みんなが少し不安そうな顔をした

 

当然だ。今まではきっちり先輩後輩の関係を貫いてきたんだから。ましてやそれを現生徒会長から言われるなんて思ってもみなかったから。

 

 

「ま、待って」

 

「そ、そんなこと急に言われても・・・」

 

「凛たち1年生からするとかなりハードル高いですにゃ・・・」

 

 

1年生たちはかなり不安そうな表情をしている

 

 

「わ、私も、さすがに生徒会長や副会長、矢澤先輩を軽々しく呼ぶなととそういうことは・・・」

 

 

園田さんもかなり抵抗があるようだ。

かくいう僕も、のんちゃんはまだしも他の2人を呼び捨てする勇気はない。

 

 

 

 

 

 

 

「いいね絵里ちゃん!それすごくいいよ!!」

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 

 

 

 

しかし、穂乃果だけは違った

 

 

 

 

 

「絵里ちゃんの言う通りだよ!せっかく合宿するんなら、みんなで仲良くならなきゃ!仲良くなるためには呼び捨てくらい普通にできるようにならなくっちゃ!!」

 

「ちょ、ちょっと穂乃果っ」

 

 

穂乃果のいきなりの呼び捨てに慌てた園田さんが穂乃果に小声で声をかける。

しかし、効果はないようで

 

 

「ほらみんなも!絵里ちゃんの言う通り、呼び捨てで呼んでみてよ!ほらほら!!」

 

 

みんなに向かって呼び捨てを促すレベル。みんなが戸惑う。

 

 

絵里先輩を除いては

 

 

 

「そうよ、穂乃果の言う通り、これはルールとして合宿を行っていくんだから。これはこれからの活動にとって、とても大事なことなのよ?」

 

「え、絵里ちゃん・・・」

 

「ふふっ、改めてよろしくね、穂乃果♪」

 

「!!う、うんっ!」

 

 

絵里先輩に呼び捨てされ、呼び捨てしていた穂乃果ですらも少し慌てた様子。

それを見てか、他のみんなも少しずつ呼び捨てしていくようになった

 

 

「こ、これからもよろしくね・・・えっと、う、海未ちゃん!」

 

「はい、これからもよろしくお願いします、花陽」

 

「にこちゃーんっ!これからもよろしくにゃー!」

 

「凛あんたさっきまでの不安そうな顔はどこに言ったのよ!?急に軽すぎない!?」

 

「よろしくね、希ちゃん♪」

 

「こちらこそよろしくなー、ことりちゃん!」

 

「こ、これから、よろしくお願いするわ・・・絵里」

 

「真姫、こちらこそよろしくね♪」

 

 

さっきまでの不安そうな表情はどこへやら。

みんなが案外早く呼び捨てを始めていた。

 

これも、穂乃果が率先してやってくれたからだろうか。

やっぱりすごいな穂乃果は――――――――

 

 

「ほら、あんたも早く呼びなさいよ」

 

「瑞希も、早くこれに慣れなきゃね♪」

 

 

矢澤先輩と絵里先輩に声をかけられる。

 

2人に呼び捨てにされるって、何か変な気分。

 

 

ほんの少し嬉しさを感じながらも、僕は――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「よろしくね、にこちゃん、絵里さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

僕なりの、精一杯の親しみを込めて、2人を呼んだ

 

 

 

 

 

 

 

 





いかがでしたでしょうか。

徐々に物語の裏で見え隠れする部分が出てきます。
次回より、合宿スタートの予定です。




この場を借りて。
九州で、熊本を中心に大きな地震が発生したというニュースを見ました。
大丈夫でしょうか?とても心配です。
私の地元も九州なのですが、私の住んでいた地域にはあまり大きな被害は出ていないようなのですが、みなさまは大丈夫でしょうか。

これ以上の被害が出ないことを、お祈りしています。

口だけでしか言えなくて大変申し訳ないです。
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