【完結】―僕と2人の幼馴染の遠い記憶―   作:kielly

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どうも、kielly(きえりー)というものです。
今回は絵里ち中心の回となっているかと思います。
オリジナル要素多いです。というかオリジナルしかない。




3話 生徒会長

生徒会室前

 

矢澤先輩との話が終わり、生徒会室に向かうと、他のメンバーが生徒会室の手前で待っていてくれた。

 

「もうっ!みーくんも先輩も遅いよぉ!」

「ごめんごめん、ちょっと話があってさ。」

「えー?なにそれ怪しい!」

「何も怪しまれることなんてしてないわよ…」

「…ほんと〜?」

 

穂乃果から怪しいと言われた。他のみんなも口こそ開かないものの、表情で怪しんでいるのが分かった。

そんなに怪しかったかな…

 

「って!そんなことはどうでもいいのよ!ほら、さっさと行くわよ!」

 

そう言って矢澤先輩が歩き出す。

それに続いてみんなが歩き出す。

 

生徒会室、生徒会の人たちがいるところ。

生徒会の人たちがいるということは、当然副会長がいる。

そして、あの会長もいる。

 

会長とは、3人でのµ’sの初ライブの後、争いがあった時以来である。すごく気まずい。

が、入部するためには会長に許可を取らなきゃいけない。

 

生徒会室の前。

俺だけでなく、ライブをやった3人、それどころか他のメンバーすらも緊張した面持ちで立っている。

 

「…行くわよ。」

 

矢澤先輩の声とともにドアをノックする。

 

「どうぞ。」

 

聞き覚えのある、冷たい声。

 

「失礼します。」

 

生徒会室に入ると、やはりと言ったところか

 

「…何ですか?」

 

声で大体は分かっていたが、会長が冷ややかな目をこちらに向けていた。その横では副会長、東條さんが微笑んでいる。

 

「入部届け、出しに来たわ。」

 

そう言って矢澤先輩が、予め集めておいたメンバー分の入部届けをまとめて会長に手渡した。

さぁ、次は何を言ってくる?

会長が発言する内容を予想しつつ、その答えを待つ。

 

おそらく罵倒されるだろう。そう思っていた。

 

「…そう。わかったわ。」

 

帰ってきた言葉は、あっさりとしたものだった。

何かしら言われるだろう、そう思っていたのに。

それを聞いたメンバーたちは安堵の表情。

 

「じゃ、戻るわよ。」

 

会長の言葉を聞いた矢澤先輩が、みんなに部室に戻るよう促す。みんなもそれに合わせ、動き出す。

俺を除いて。

 

「みんな、先に戻ってて。俺はあとで戻るから。」

「えっ、でも・・・」

 

何か言いたげな穂乃果を矢澤先輩が無理矢理引っ張って連れていく。

矢澤先輩はどうやら分かってくれていたみたいで。

 

ガチャ。ドアのしまる音。

閉まる音が静まり返っている生徒会室に響く。

生徒会室には、俺と副会長、そして会長だけ。

俺は、会長に言わなければならない。

 

「生徒会長」

「…何か?」

「先日の件、申し訳ありませんでした。」

「えっ?」

 

頭を下げる俺に困惑している様子の会長。

ライブの後、会長にムカついたとはいえ年上相手に失礼な態度をとってしまったとこを、謝っておきたかった。

あの時から、会長の振り向きざまに見せた切なげな表情が忘れられずにいた。

だから。

 

「なぜあなたが謝るの?」

「・・・会長に無礼な態度をとってしまったので。」

「違うわ。」

「えっ?」

「なぜあなたが謝る必要があるのって、そう聞いてるの。」

 

そう言って会長は立ち、そして

 

「怒っていたからとはいえ、人の努力を『無駄』だとか『邪魔』だとか言ったことに対して、あなたが私に怒るのは当然だと思うわ。だから、ごめんなさい。」

 

深々と頭を下げてきた。

 

「か、会長っ!頭をお上げください!」

 

こんなやりとり、ついさっきもやった気がするが。

というかこの学校の先輩、簡単に頭を下げてくるな…

それよりも――

 

「会長、怒っていたとおっしゃってましたが、何かあったのですか?」

 

気になったので聞いてみた。

 

 

「ライブのこと、何も聞かされてなかったのよ。」

 

 

…は?

 

「会長、今なんと?」

「ライブの件、私に何も連絡がなかったのよ。」

「え?じゃあ無許可であいつらはライブを?」

「いえ、そうじゃないわ。」

 

そう言って会長は、横の東條さんをジト目で見る。

 

まさか?

 

「…てへっ♡」

「てへっじゃないわよ…全くもう。」

 

あのライブ、会長に気づかれずに東條さんが許可したのか。

そりゃ会長も機嫌が悪くなるわけだ。

 

「おかげで、あの子達にはきつくあたっちゃったし、白河くんにも色々言われちゃうし、さんざんだったわ」

 

会長も色々と苦労しているようだった。

…会長のその言い方だと、まさかとは思うが

 

「会長があの時きつく言ってたのって、まさか八つ当たりだったりしますか?」

「…ええ、あの時は八つ当たりが8割くらいかしら」

 

八つ当たりであれだけ言われると、なかなかな理不尽さを感じるが…

 

「だからすごく申し訳ないの。本当はあんな事言うつもりなんてなかったのに、つい怒りに任せてあんなことを…」

 

普段見る態度から、冷たい人だと思っていたのだが、見当違いだったようだ。

 

「アイドルを始めて、お世辞にも上手いとは思えないダンスや歌をネットに公表して、それを見た人からバッシングを受けてショックを受けて、学校生活を楽しめなくなる、なんてことになったら、あの子達自身が辛くなるだろうからやめてほしい。そう言いたかっただけなのに。なんであんなどい事を言っちゃんたんだろう…」

 

本当はとても優しい人だが、それを表に出せないだけの不器用な人のようで。

 

「ならそれを素直に伝えればいいじゃないですか。」

「…それが出来ていたなら苦労しないわ。」

 

まぁ、そのとおりだろうな。

 

「でも…」

「それに、あんなひどい事言っといて、今更言い訳がましいこと言ったって、許してもらえるわけもないわ」

 

普通のやつにだったら許してもらえないかもしれない。

でも。

 

 

 

「そんな訳ありません!むしろそう思っててもらえて嬉しいです」

 

 

…ほらね。

 

ドアを勢いよく開け、大きな声でそう告げる穂乃果。

というか盗み聞きしてたんかい。趣味の悪いことするなぁ

よくみりゃ、後ろに他のメンバーもいるみたいだし。

 

「あなたたち、盗み聞きしてたの?」

「あはは…すいません」

 

申し訳なさそうに笑う穂乃果。

 

「ふふっ、まぁいいわ。」

 

会長が笑った。

今まで笑ったところなんて見たことなかった。初めてだ。

こんな無邪気に笑うとこなんてみたら、怖い人だなんて思う人なんていないだろうに。

俺だけでなく、他のメンバーも笑っている会長を見るのは初めてだったらしく、皆驚きの表情。

横にいる東條さんは嬉しそうに笑っている。

 

「ごめんなさい、この前は言いすぎたわ。でもあなた達が心配だったから…」

「気にしてないから大丈夫です!」

「ふふふ…あなたって面白いわね」

 

嬉しそうに笑う会長。

 

「でも、許してもらうだけじゃ私の気が済まないわ。そこでなんだけど――」

 

 

「私に、あなたたちの練習、見させてもらえないかしら?」

 

 

唖然とするメンバー。東條先輩が続ける。

 

「絵里ち、昔バレエを習ってたんよ。だから、ダンスに関しては学べる事多いと思うで?」

 

成績優秀なうえにスポーツ万能、という話は聞いていたが、そういう経験があるからこそなのだろうか。

しかし、いくら気にしてないとはいえ、あれだけひどいことを言われたのだ。さすがの穂乃果もこの話には乗らないだろう――

 

「そうなんですか!?ならぜひお願いします!」

 

と思ってたら見当違いだった。

そうだった、これが穂乃果だった。

他のメンバーが慌てはじめる。

 

「ほ、穂乃果っ!生徒会長は仕事でお忙しいでしょうし・・・」

「もちろん、生徒会の仕事に支障がない程度にはするつもりだったから、大丈夫よ。」

「で、でも、凛たち、まだ練習とか全然してないから・・・」

「今日入部したんでしょ?だったら当たり前じゃない。」

 

メンバーの発言に対して、さして問題はないと言わんばかりに返答していく会長。

 

「し、しかし・・・本当によろしいのですか?」

「もちろんよ、私からお願いしてるんだもの。それとも、やっぱり嫌かしら?」

「・・・ではお願いしてもよろしいでしょうか?」

「ええ、これからよろしくねっ」

「よ、よろしくお願いします」

 

園田さんは最後まで遠慮していたが、会長に押され、練習を見てもらうことに決めたみたいで。

どうやら本当に会長がμ'sの練習を見ることになったらしい。

バレエ経験者がどんな指導をするのか、ちょっと怖い。

 

「あ、でもまだ生徒会の仕事が残ってるから今日は無理ね。明日も練習するのなら、明日のの練習からってことでいいかしら?」

「もちろんです!明日からよろしくお願いします!よーし!そうと決まったら早速練習だーっ!」

 

言うが早いか穂乃果はドアをあけ、廊下を走っていく。

「穂乃果ちゃぁんっ、待ってよぉ」

「ちょっ、穂乃果待ちなさいよぉっ」

そんなことを言いながら、他のメンバーも穂乃果を追いかける。

じゃあ、俺もそろそろ行こうかな。

 

「会長、明日からよろしくお願いします。」

「ええ。白河君、ありがとう。おかげで彼女たちに謝ることができたわ。」

「俺は何もしてませんから・・・じゃあ、俺はこれで。」

 

振り返り、ドアを開ける。

明日から会長が練習についてくれる。これはなかなかハードになりそうだ。

そんなことを思いながら。

 

 

 

 

「またね、みーちゃん。」

 

 

 

東條先輩がそう言ったのを、俺は聞き逃さなかった。

 




絵里ちかわいい。ほのえりは至高。
ですが、ほのえりばかり作品に出てしまい、他の子たちの出る回数が減る、なんてことにならないようにはします。

とはいうものの、あと何話かわかりませんが、こんな感じのまじめな話が続いてしまいますので、やはり偏りが出てしまうと思います。
現に、花陽ちゃんや真姫ちゃんはほとんど出ていないのではないでしょうか。
どうしても偏ってしまう。。。
愛が足りませんね、愛が。


社会人1年生として頑張っている僕ですが、最近自炊を始めました。
簡単なものしか作ってませんが、料理するのは楽しいですね。
でも、レパートリーが少ないので誰かに教わりたいところ。
にこ先生に教わりたいなぁ、絵里先輩からボルシチとかも学びたい。
なんていう妄想がはかどりますね。

最近気温も下がってきていて、体調を崩しやすくなっているかと思います。
みなさんもお体に気を付けて、頑張りましょう。
そろそろ、鍋でもしようかな、一人で。
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