無理やりに、ではありません。自然とそうなってしまいました。
読みづらいところも多いかと思いますが、ご了承ください。
『またね、みーちゃん。』
生徒会室を出る間際、東條さんがそう呟いた。
『みーちゃん』だなんて、µ’sのみんなどころか家族にすら呼ばれたことは無い。
はずなのだが。
なぜか引っかかる。
なぜ、こんなにも懐かしさを覚えるのか。
生徒会室を離れながら、そんなことを思う。
と、その時
「うっ…」
突然の頭痛。割れるような痛み。
「うぁ…っ…」
耐えきれず、倒れ込んで。
そのまま気を失った。
『いやっ!いっちゃダメっいかないで!』
『ぜったい、またあえるから。そのときまでまっててほしい。やくそくするよ。』
『・・・ほんと?またあえるの?』
『うんっ、ほんとだよ!そしてまたあえたとき、ぼくはきみにこういってやるんだ』
『ただいま、―ちゃん、って。』
「ん…」
「あっ!みーくんが起きたよ!」
「あれ…穂乃果…」
穂乃果の声でみんなが集まってくる。生徒会の2人も来てくれていたようだ。
みんなの表情を見る限り、心配してくれていたようだ。
東條さんなんて、今にも泣きそう。
そういえば、気を失ったんだっけ。
でも、なんで気を失ったんだ?確か東條さんに何か言われた後だったような気がするけど。
しかも、気を失っている間に、何か大切なことを思い出してた気がする。
…なんだっけ、忘れた。
「白河くん大丈夫?無理せずにね?」
「いやぁ、慣れない早起きだったので、体に限界が来たのかもしれませんね。今日は早く帰って寝ようなんて思ってたのに、誰かさんに半ば無理やりに、練習に来るよう言われてしまったので。」
「うっ…」
会長の心配する声に、冗談交じりに返答すると、会長の横にいる穂乃果が申し訳なさそうに俯いてしまった。
他のメンバーもそんな感じだ。ん~、笑ってほしかったのに。
「すいません瑞希さん…穂乃果だけのせいではないんです。」
「うん…ことりたちもみっくんに来て欲しいなぁって思ってから…」
「あはは、今のは冗談だよ。むしろ来て欲しいって思ってくれてたのがすごく嬉しい。」
「で、でも、無理してまで来てもらうなんて…」
「無理なんてしてないから大丈夫だよ、小泉さん」
「だからって、倒れてもらったんじゃ練習に集中できないじゃない。」
「…西木野さんも心配してくれてるの?」
「ヴェェ!?そ、そんなわけないじゃないっ!調子に乗らないでっ」
そう言って顔を赤くしながらそっぽを向いて髪の毛をくるくるいじり出す西木野さん。
正直、西木野さんにも心配してもらえるなんて思ってなかった。
無関心、そういう風な雰囲気だったから、心配されたことがすごく嬉しい。
しかし素直じゃない。ツンデレというやつか。
ふと東條さんの方を見る。
…なんだろう、この表情は。
ほっと安心したような、悲しそうな、寂しそうな、それでいて怒っているような。
昔から人の顔を見ながら行動する癖があったため、顔を見ればその人の思っていることが大体わかるよう重ねる・にはなっていた。
しかしこの表情、いろんな感情が混ざりすぎて、うまく読み取れない。
ましてや、怒られるようなことをした覚えもない。なおのこと分からなかった。
「みなさん心配させてしまってすいません。ちょっと寝不足気味だっただけみたいなんで、もう大丈夫ですよ。」
「ほんとにごめんね?きつかったら明日の練習来なくても大丈夫だから…」
「ただの寝不足だから大丈夫だって。穂乃果が悪いんじゃないんだし。」
申し訳なさそうに謝ってくる穂乃果。意外と責任感は強いみたいだ。
「さぁ、白河くんも起きたことだし、時間ももう下校時間だから帰りましょう?」
会長がそう促す。時計を見ると、18:00と表示されていた。
生徒会室に行ったのが16時。2時間ほど寝てしまっていたようだ。
下駄箱を出て、門の付近までみんなと一緒に歩いていた。
矢澤先輩が、部員のみんなとの連絡手段が欲しいということを言い出したので、部員みんな、そして、この際だということで生徒会の2人の連絡先も交換した。
女子が苦手でずっと避けてきた自分にとって、9人もの女子の連絡先を手に入れたということは、自分の中でかなり大きな変化が起こっているということになる。
今まで偏見で人を判断してきた節があるため、ちゃんとお話をしてその人のことを知った上で、連絡先も交換できた。良い方向に変化が起こっているのではないかと、嬉しく思った。
交換した後、門を出てそれぞれの方向に歩き出した。
2年生以外は全員方向が逆だったので、そこでお別れとなった。
終始、東條さんは顔色を変えることのないまま。そこだけが気がかりだった。
別れを告げ、4人で帰り道を歩く。
…ファンとして、男として。アイドルを始めたこんな可愛い女の子3人と一緒に帰るなんて、こんなに緊張することはない。
だが、嫌とは思わなかった。何故だろうか。
「ねぇみっくん」
「は、はいっ!?」
緊張していたことと、急に話しかけられたことによって、思わず声が裏返ってしまった。
3人が楽しそうにケラケラと笑っている。穂乃果に関しては腹を抱えて笑っている。
…くそっ恥ずかしいな…
散々笑ったあと、南さんが言う。
「ことりね、保健委員やってるの。だから体調悪かったりしたらすぐに言ってね?そしたら、ことりがつきっきりで看病しちゃいますっ♪」
「あ、ありがとう・・・」
「あ~!みーくん赤くなってる~!可愛い~っ♪」
「うっうるさいぞ穂乃果っ」
つきっきりで看病してあげるなんて言われたら照れるにきまってるだろう・・・
ましてやμ'sのメンバーに看てもらえるなんて・・・想像しただけでこうh
「瑞希さん、今変な妄想しませんでしたか?」
・・・園田さんも人の心を読み取るのがうまいようだ。
「顔、思いっきりにやけてますよ。」
「えっ!?」
表情に出てしまうとは・・・何たる不覚。
そんなこんなで話しながら歩いていると
「あっ!ここが穂乃果の家だよ!自己紹介の時に話したよね?」
「あぁ、ここが、穂乃果が言ってた和菓子屋なのか・・・」
『穂むら』と名前のある和菓子屋が穂乃果の家のようだ。
なんだろう、不思議な感じがする。
俺は前に、ここに来たことがある?
初めて来たはずである。だけど自然とそう思う。
「ちょっと待っててね!ほむまんもってくるから!」
そう言い、穂乃果はドタバタと店の中に入っていった。
少しすると、穂乃果が「おまたせー」と、紙袋を持って店から出てきた。
「はいっ!穂むら名物ほむまん!食べてね!」
紙袋を受け取ると、その袋からふんわりと甘い匂いがした。
なんて優しい匂いなんだろう。
そして、懐かしい。そう思った。
「ありがとう穂乃果、家に帰ったら家族と食べるよ。」
「うん!みんなでたべてね!じゃあ、また明日~!」
「おう、じゃあな。」
「はい、また明日。」「ばいばい穂乃果ちゃん♪」
穂乃果と別れて少し歩いた先の交差点。
俺の家の方向と2人の方向が違ったので送ろうかと言ったのだが
『今日は瑞希さんはお疲れのようなので早く帰ったほうがいいですよ?』
『うん。それに、ここからはことりの家も海未ちゃんの家も、5分もないから大丈夫だよ♪』
そう言われたのでそこで別れた。
今日はみんなに気を遣わせてしまった。申し訳ないな。
そんなことを思いながら、穂乃果にもらった紙袋を軽く触る。
感触的に5個くらいは入っているのだろうか。家族で食べるとはいえ、これは少々多いかな。
よし、少し腹も減ってきてたし、食べちゃえ!
そう思い、袋から取り出し、一口。
「おぉ、これは・・・」
口の中に広がる上品な香り。そして
やはり、懐かしいと思った。
「くっ・・・」
また頭痛。しかし今度はさっきほどではなく、軽い痛み。
『ほのかちゃーん!ほむまんひとつ~!』
『ほのかちゃん、わたしも~!』
『あ!みーくんと・・・ちゃん!まってて~!いますぐよういするから!』
今回は意識があるからか、はっきりと覚えている。
おそらく、小さいころの穂乃果に、ほむまんをお願いしている幼い俺と幼いもう一人の女の子。
穂乃果が呼ぶその名前が霞んで聞こえない。
その子の顔もぼやけてしまって見えない。
なんだこれは・・・
しかし、なぜそんなことが頭をよぎるのか。
もしかすると、何か忘れていることがあるのかもしれない。
そう思いながら歩く帰り道。
「ただいま~」
「おかえりなさい、瑞希。」
家に帰ると、いつもどおり、料理を作る母親がいた。
あ、そうだ。
「穂乃果って子の家がやってる和菓子屋から饅頭もらったから、テーブルおいとくよ~」
「っ!そう、わかったわ。ありがとうって伝えておいてね。」
「ん?・・・おう。」
なぜか、母親の反応が遅れた気がする。まぁ、いいか。
あ、そうそう、聞いておきたいことがあったんだ。
「ねぇ母さん。俺ってこの街、来たことある?それと、穂乃果っていう子、知ってる?」
「・・・いいえ、まったく。」
「・・・そう。わかった。」
嘘だ。この反応は違う。母親はうそをついている。
目線がぶれて、反応も鈍い。それでいて表情も心なしか硬くなっている。
母親に聞いていては埒が明かない。かといってこのままではすっきりしない。
そう思って、俺はあるものを探す。
アルバムだ。アルバムを見れば、何か思い出すかもしれない。
そう思ったのだが。
「・・・おかしい、ねぇぞ。」
いくら探しても出てこない。1冊も。
それどころか、写真の一枚も出てこない。
これはおかしい。
あの、なんでもマメに管理している母親が、適当な場所にやるはずがない。
ましてやアルバムなんていう大切な思い出のひとかけら。雑な扱いはしないはずである。
「もうちょっと探してみるか。」
自分の部屋はもう散々探した。それでも無いということは、俺の部屋にはない。
・・・親の部屋かな。
親の部屋に勝手に入るのはどうかと思ったが、気持ちが落ち着かない。
すまんと心の中で思いつつも、親の部屋に入り、探索を始めた。
親の部屋にはいろんな本が置いてある。趣味らしい。
自分の身長では一番上の段が少し取りづらいかと思えるくらい、背の高くて大きな本棚をまず、探索し始める。
隠しているのなら、ばれない様にするはず。
ばれない様にするなら、探すのが面倒、かつ見つかりづらい場所に隠すはず。そう思ったから。
しかし
「ない。おかしいぞ。」
絶対ここにある、そう思って探してたがために、見つからないことに疑問を抱く。
・・・見ていないのは本棚の上だけだが・・・
あの母親がそんなところに隠すのだろうか。いや、そんなことはないだろう。
ないだろうけど。
ダメもとでもいい、とりあえず見ておこう。
そう思い、椅子を持ってきて、背伸びをして何とか覗く。
「あった・・・」
若干埃を被っており、カバーも外れかけという、母親らしからぬ状態で発見した。
さっそく埃を払い、中身を確認する。
どうやら学校のものではなく、親が撮ったもののようだ。
ぺらぺらとめくっていく。そして気づいた。
どの写真を見ても、ここら辺近辺で見るような景色ばかりだ、ということに。
幼い自分が写っているのは、近所にある公園のブランコに座っているものや、近所の幼稚園の制服をきているものばかり。
やはり、俺はここに来たことがある。
しかも、来たことがある、というより、住んでいたことがある、ということだ。
親はそのことすら俺に隠しているのか・・・?なぜ?
少しずつアルバムをめくっていく。
ある写真で目が釘付けになるまでは。
「東條・・・先輩・・・?」
幼い自分と女の子の写っている写真。
幼いながらに一目で分かる。これは東條先輩だ。
と
「うあぁっ!」
激痛。放課後のより、そして帰り道の時よりももっと重い痛み。
『いやっ!いっちゃダメ・・・いかないで!』
『ごめんね、ぼくのおとうさんのおしごとするばしょ、かわっちゃうから。いかなきゃ。』
『いやだよぉ・・・ひとりにしないでよぉっ・・・うぅっ・・・』
『ぜったい、またあえるから。そのときまでまっててほしい。やくそくするよ。』
『・・・ほんと?またあえるの?』
『うんっ、ほんとだよ!そしてまたあえたとき、ぼくはきみにこういってやるんだ』
『ただいま、のんちゃん、って!』
『ふふふっ。じゃあわたしもまたあったら、こういってあげる!』
「はぁ・・・はぁ・・・」
「・・・おもい・・・だしたよ・・・のんちゃん・・・」
「ごめん・・・忘れてたよ・・・今すぐに・・・伝えに行くから・・・まってて・・・」
すっかり暗くなった夜道を、疲れ切ったこの体を無理やりに動かして、全力で走り出す。
向かうは、のんちゃんの家。
5000字。プロローグの次に量が多いです。
自然とキーボードを打つ手が動いてました。
読み直し、添削は繰り返し行ってますが、それでもおかしいところがあったらごめんね?
今日、ラブライブ!の映画の見納め、行ってきました。
特典をコンプリートするくらいには見に行きましたが、それでもやっぱり感動する。
ラブライブの映画は、アニメ2期最終話の続きなので、アニメを見ていない人にとってはイミワカンナイといったところでしょうが、アニメを全部見てる人だったら見に行ったほうがいい。いや、見なきゃいけない。だって映画が実質最終話みたいなもんだしね。
5年ほど前でしょうか。けいおん!の映画もありましたが
あれは卒業のときにあずにゃんに贈った歌の完成秘話、みたいなかんじで。
言ってしまえば番外編みたいなものです。最高でした。
アニメを全部見た人は、それでラブライブが終わったわけではありません、映画で終わる。
μ'sの輝かしい最後、見届けましょう。
12月15日、映画のBlu-rayが発売されますね。
当たり前に予約しました。というか気づいたら予約してました。
今からでも楽しみです。
映画のことを語るだけで1話分くらいになってしまいそうなので、ここらへんで切ろうかな。
活動報告の方で書くかもしれませんね。
もしそちらが更新されたら、暇すぎてつらい人だけでいいです、見てくれたらうれしいです。気持ち悪い僕がただただ語ってるだけでしょうけど。