こんなことで絵里ちゃんの誕生日記念は間に合うのでしょうかねぇ。
「かけがえのない、大切な幼馴染、やでっ!」
のんちゃんの口から放たれた言葉。
穂乃果。高坂穂乃果は『幼馴染』である、ということ。
「のんちゃん」
「ん?どないしたん?」
「僕さぁ」
「うん?」
「その話が本当なら、まだ完全には記憶戻ってないみたい。」
「えっ?」
「でも、うちのことは思い出してくれたんやろ?」
「うん、のんちゃんのこと、全部思い出せたと思うよ。」
「だったら、なぜ穂乃果ちゃんの記憶だけ?」
分からない。すべての記憶が戻った。そう思ってたのに。
まだ思い出せないことがある。
また、辛い思いをすることになる。
でも、今回はさっきまでの自分とは違う。
今は
「のんちゃん、もしよかったらさ」
「穂乃果のこと、いろいろとお話ししてくれないかな?」
のんちゃんがいる。
「うん、ええよ!」
頼れる人がいる。
それだけで、嬉しくなる。
「じゃあ、穂乃果ちゃんとの出会いから、やね。」
「穂乃果ちゃんとの出会いは、確か・・・」
『みーちゃん!こっちこっち~!』
『んしょ・・・どうしたののんちゃ・・・わぁ!』
『すごくきれいだよね!いっしょにきてよかった!』
『ほんとにきれいだね。こんなのみれたのは、のんちゃんのおかげだね!』
『えへへ♪みーちゃんとこれてよかった♪』
『おーい!ねーねー!そんなたかいところいたらあぶないよ~?』
『のんちゃん、あのこしってる?』
『ううん、みーちゃんも?』
『うん、ぼくもしらない。でも、あのこぼくたちのことみてるよ?』
『ううん・・・そうだっ!』
『ねぇ!あなたものぼってきてよ~!』
『えぇ!?ほのか、こんなおっきなき、のぼったことないよぉ』
『だいじょうぶだよ~!わたしとみーちゃんものぼれたんだもん!できるよ~!』
『うぅ~、ほのかもそこにいきたい~!よーしっ!』
『あ、のんちゃん、ほのか?っていうこがのぼってくるよ?』
『だいじょうぶ、あのこならきっとのぼれるから!』
『だいじょうぶかなぁ・・・』
『ほのかちゃーん!がんばれ~!』
『んしょ・・・よいしょ・・・やったぁ!』
『わぁ!ほのかちゃんおめでとう!』
『ほらほらほのかちゃん!わたしのまえ、みてみて!』
『え、まえ?っうわぁ、きれい!』
『ね?きのぼりしてよかったでしょ?』
『うんっ!』
「こんな感じやったなぁ。どう?覚えてる?」
「・・・ううん、ごめんのんちゃん、思い出せない。」
「ん~、穂乃果ちゃんが関わってること全部忘れてるんかなぁ」
どうやら、穂乃果が関わっている話だけは思い出せていないらしい。
のんちゃんから聞いた今の話は、正直全く記憶にない。
だが、単に忘れているにしては、なぜか頭がもやもやする。
おそらくは、記憶がまだ完全に戻っていないのだろう。
「じゃあみーちゃん。うちとプール行ったことは覚えてる?」
「もちろん。小2のとき、僕らだけで行ったんだよね。」
「うん。じゃあ、うちの家でカレー作ったんは?」
「覚えてるよ。何せ料理が趣味になった原因がそれだからね。」
「そっか。なら、よかったわ。」
のんちゃんが安心したような表情を見せる。
安心している、ということはこの記憶は間違っていない証拠。
ひとまず、穂乃果関係の話だけ忘れている、ということはわかった。
だとしたら・・・
「のんちゃん。お別れの時の記憶なんだけどさ。お別れの時、のんちゃんしかいなかったと思うんだけど、そのとき穂乃果はどうしてたの?」
「・・・その日の前日、穂乃果ちゃんとみーちゃんは喧嘩してたんや。」
「えっ?」
喧嘩。
基本、人に対して怒るようなことがない僕が、喧嘩?
「うぅっ!」
「みーちゃん!?」
また、突然の頭痛に襲われる。
頭を抱え、その場に座り込んでしまう。
心配するのんちゃんの声が、遠のく。
『みーくんっなんでほのかにおしえてくれなかったの!?』
『なんかいもいおうとしたよ!でもほのかがいわせてくれないから!』
『してない!ほのかはそんなことしてないもんっ!』
『してた!ぜっっっっったいしてた!!』
『してないっていってるのにっ!もういい!みーくんなんかきらいっ!』
「っ!」
「みーちゃん!大丈夫!?」
「のんちゃん・・・うん、僕は大丈夫。ありがとうね」
「急にどないしたん?苦しそうにしてたけど」
「もう大丈夫だよ!それよりもさ」
「うん?」
「穂乃果と僕の喧嘩の内容とかって、覚えてたりする?」
「ん~、穂乃果ちゃんから聞いた話やと、引っ越しのこと穂乃果ちゃんだけ知らなかった、みたいな感じらしいで?」
「そっか。てことは、少し思い出せたかも。」
「え?穂乃果ちゃんのこと??」
「うん。引っ越しすること伝えられなくて、穂乃果に怒られちゃったんだ、僕。」
「伝えられなかった、か。それは穂乃果ちゃんも怒るやろうなぁ」
「でも、喧嘩したってことを聞いただけで、このことが思い出せたんだ。」
のんちゃんのことを思い出した時もそうだけど、頭痛が起こるたびに頭の中に懐かしいと思える映像が流れてくる。
今も、頭痛の後に、小さいころの僕と穂乃果の映像が流れてきた。
ということは
「だからのんちゃん、もっと穂乃果と僕らのこと、教えてほしいんだ。いいかな?」
もしかしたら、のんちゃんの話を聞いていれば、記憶が取り戻せるかもしれない。
前は自力で探して、思い出すしかなかった。
でも今はのんちゃんがいる。
しかも、話を聞いただけでも何かしら思い出せたということは
完全に思い出せるのも時間の問題かもしれない。
のんちゃんにいろいろと穂乃果のことを話してもらった。
穂乃果の家の和菓子屋に和菓子を買いに行ったこと。
和菓子屋のお仕事をお手伝いさせてもらったこと。
出会いの時以来、木登りをするようになった穂乃果と一緒に木に登り、親に怒られたこと。
仲直りもできないままお別れの時を迎えてしまったこと。
そして、今も穂乃果はそのことを気に病んでいる、ということ。
「そんなことがあったんだね・・・」
「うん。穂乃果ちゃん、いつも明るく振舞ってるけど、みーちゃんとの別れ、すごく悔やんでるんよ。」
「穂乃果に謝らなきゃ。だけど」
記憶はまだ、話を聞いてなお、曖昧なまま。
だけど、曖昧なままではあるけれど。
何か、大切なことが足りない気がする。
そんな気がして。
「のんちゃん、もうちょっと何か話せることない?もうちょっとなんだ。」
「他に?ん~」
考える素振りをみせるのんちゃん。
「あ、そいえば・・・」
「穂乃果ちゃん、大切な思い出があるんだって、悲しそうな顔で言うてたことあったなぁ。」
それだ
「のんちゃん!そのこと、何か知らない?それが分かればばきっとっ」
「ん~・・・でも穂乃果ちゃん、そのことは2人だけの秘密やからって教えてくれへんのよ」
「そっかぁ。」
2人だけの秘密。
のんちゃんの時同様、とても大切な記憶。
また僕は忘れてしまった。
彼女だけ、幼馴染だけが憶えていて、そのことで悲しんでいる。
もしかして穂乃果は、思い出してほしかったから、大切な思い出を共有したいから
そして、また3人で昔のように遊びたいから
僕に、μ'sの練習に参加するよう言ってきたのだろうか。
「こんな遅い時間までごめんね?のんちゃん」
「ええんよ、みーちゃんに思い出してもらえたんやし♪」
気づけば夜遅い時間まで話していたようで。
さすがにもう帰ろうという話になった。
「僕、また昔のように3人で笑えるように、頑張って思い出すよ。穂乃果のこと。」
「それはええけど、あんまり自分を苦しめんようにな?」
「うん、ありがとうのんちゃん。じゃあ、また明日ね。」
「うん、また明日♪」
家まで送る、と言ったのだが
「みーちゃんも女の子や思われて襲われるかもしれへんから、早いうちに帰っとき!うちの家すぐそこやし♪」
と言われてしまった。
一応これでも、男なんだけどなぁ。
男としての面目丸つぶれだ。
家に帰り、もう一度アルバムを開く。
さっきはのんちゃんを見て思い出した後、すぐに家を出たからその先のページを見ていなかった。
「お、穂乃果とのんちゃんと3人で写ってるやつあるじゃん。」
楽しそうにピースサインで写る幼いころの3人。
また、このころのように3人で笑いたい。
そのためにも、絶対に思い出してみせる。
そして
穂乃果に、引っ越しのこと伝えられなかったこと、悲しい思いをさせてしまったこと。
謝るんだ、絶対に。
そう決意しながら、ペラペラとページをめくっていく。
「あれ?」
スルリ、とアルバムから1枚の写真が落ちた。
「何の写真だろう・・・え?」
落ちた写真、それは
制服姿の穂乃果が
病衣を着てベットに座っている僕の頬にキスをしている写真だった。
仕事のあと、どうしても眠くて眠くて・・・
更新がどうしても遅れてしまっています。
書きたくてやってるんだから問題はないんですけどね。
徐々に主人公が記憶を取り戻していく
↓
穂乃果と仲直り
↓
絵里ちとのんたん加入
↓
廃校阻止
みたいな流れでやるつもりなんですが、どう考えても絵里ち誕生日までにっていうのは無理ですね。あかんでこれ。
本当は絵里ち加入後に絵里ち誕生日記念、という予定だったんですが、なかなかうまくいかないものです。
もうちょっと、もうちょっとと言いながら
結構な話数でシリアスな感じになっちゃってます。
あれ~おかしいなぁ・・・
番外編は結構思いつくのですが、肝心な本編を書くのに躓くというね。
楽しいからいいんだけどねっ!