ハイスクールD×D 人間は現代兵器と戦法で勝る   作:BroBro

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堕天使 人間 シスター

 

 

 

 

「………あ……?」

 

 

知らない天井だ……と言うお約束じみた言葉は置いといて、ここはどこだ?俺は確かに街のど真ん中でくたばった筈なのだが……。

 

今俺は何処かのベッドで寝ているようだ。俺が寝ている部屋は窓が無く、壁は石膏の様なもので出来ている。まるで西洋の教会の様な雰囲気だ。

 

空気が湿っぽい。恐らくこの部屋は地下に存在しているのだろう。

 

 

「目が覚めたかしら?」

 

 

俺が部屋の中について考察しないる中、突然俺に声がかかった。

 

 

「人に話しかける時は最初は挨拶から入る物じゃないか?」

 

「貴方達人間ならね」

 

 

一つしかない部屋の扉から入ってきたのは、黒髪ロングヘアーの女だった。だが、只の女では無く堕天使か悪魔のどちらかの女だろう。人間では無いのは確かだ。

 

その女は俺がいるベッドの隣に置いてある木製の椅子に腰掛けた。何故かずっとニヤニヤと笑っている。

 

 

「アンタは?」

 

「あら、貴方を助けた者にアンタは無いでしょう?」

 

「俺を助けた?」

 

 

俺は散々人外を殺して来た。それを分かっているのかいないのか、何故かコイツは俺を助けた。助けて貰ったのは事実なのだろうが、どうしてもコイツを危険視してしまう。

 

相手の真意を確かめる為、俺は直接口で聴いてみる事にした。

 

 

「何故何も関わりのない俺を助けたんだ?俺とアンタは知り合いじゃ無い筈なのだが」

 

「確かに貴方と私は初対面よ。でもね、私は貴方の中に眠っている『力』に興味が湧いたのよ」

 

「力?」

 

 

どうやら俺の現代兵器を具現化する能力について言っているようだ。

 

次にこの女はセイクリッド・ギアと言う物を知っているか?と聞いてきた。勿論俺はそんな物は知らんし、聞いたこともない。

 

 

「『神器(セイクリッド・ギア)』と言うのは古来より伝わる武器や生き物の魂を宿した防具の様なものの事を言うわ。貴方にはそれが入っている。しかも私が見た事も聞いた事も無い程に珍しい物をね」

 

 

古来より伝わる兵器……と言っても俺の能力で出せる兵器と言えば第二次世界大戦前後の兵器が最古だ。それ以外は出せない。奴らの言うほど古来でも無い兵器の筈だ。

 

 

「恐らく貴方の能力は兵器を手中に収める様な能力の様ね」

 

「何故分かる?」

 

「貴方の神器の形を見れば一目瞭然よ。とても攻撃的で、機械の様な形をしているわ」

 

 

神器と言う物に形があるとは驚いた。と言う事は俺の体の中に機械の様な物があると言う事なのか?想像したくないな………。

 

 

「それで、俺に神器と言う物があるから何だと言うんだ?俺を監禁でもする気か?」

 

「別にそんな気はないわ。貴方には安全と判断するまで私の監視下にいてもらう。それだけよ」

 

 

ニコッと俺に微笑む。天使の様なその笑み。大抵の男ならばここで落とされても不思議でないが、俺はコイツの優しい笑みの裏に隠れている邪悪な微笑が見て取れた。

 

コイツは分厚い仮面を付けている。恐らく簡単には引き剥がせない程に硬く張り付いたこの仮面の裏は、一体何を考えているのだろうか?気になって仕方がない。

 

コイツがここに居てくれと言うのだ。コイツを探るには丁度いい。もしコイツが罪無き人間を死に至らしめる様な行動を起こす事があれば、俺が即座に対応しなければならない。命の恩人ではあるが、完全に味方と分かるまで例え肉親でも気を許すなと言う米軍の教えを改めて思い出す。

 

俺は早速基本的な情報収集を行った。

 

 

「アンタ、名前は?」

 

「あら、今頃聞きに来るのかしら?私は『レイナーレ』。誇り高き堕天使よ」

 

「堕天使レイナーレ……俺『熊谷廉太郎』は、アンタの条件を飲み、アンタの監視下に入る事を約束しよう」

 

「ふふ……それじゃあ宜しくね、熊谷廉太郎…」

 

 

念のため偽名を用いた俺の最初の挨拶は、こうして一幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幾かの話し合いの後、晴心は施設の自由行動を許可され、適当に出歩いていた。親には電話で2週間程友達の家に泊まると嘘をついている。晴心には良くあることだったので、親もそれ程気にしなかった。

 

施設の中は本当に石膏で出来ている様であり、どうやら結構大き目の教会らしい。周りには『悪魔祓い(エクソシスト)』と呼ばれる人間が出歩き、たまに堕天使にも出会う。

 

悪魔打倒の為に堕天使と悪魔祓いが手を組んでいる様だ。相当腕に自信があるのか、彼等は晴心を見る度にどこか小馬鹿にした様な表情を見せる。

 

そんな事は全く気にせずに晴心そこら辺を歩き回る。今の所堕天使と悪魔祓いが居る以外至っておかしな所は無い。怪しげな術をしているとかそういう事も無さそうだ。人間に害は無いと見ても良いだろう。

 

だがまだ分からない。なんせ堕天使や悪魔祓いの活動時間は夜中だ。昼間の今では奴らはは何もしないのだろう。

 

これといって目新しいものも無く、神父服の人間が数多く通るのを黙って見ている晴心。既に晴心は暇になっていた。

 

 

「……ん?」

 

 

ここで晴心は今までと違うものを見つけた。

 

少し広めの広場の様な場所で黒い服の男以外の純白のシスター服を着た少女がトコトコと歩いている。と言うより迷っている様だ。さっきからウロウロと挙動不審な行動をしている。

 

 

「なぁお前さん……」

 

 

ちょっと声をかけてみた。

 

 

「はぅっ!!」

 

 

飛び上がった。

 

余りの驚き様に流石の晴心も一瞬たじろぐが、直ぐに自分を取り戻しシスター服の少女に話し掛ける。

 

 

「驚かせてしまった様で済まなかった。悪気はなかったんだ」

 

「あ!えーと……あの……」

 

 

少女は晴心を見た瞬間に目を輝かせたが、何故か直ぐに暗い表情になり言葉を噤んでしまう。聞き取れる日本語の間に、少しだけ英語が混じっている事から、晴心は日本語をあまり喋れないのではないかと推測した。

 

ここは昔の米軍時代の記憶が役に立ち、晴心は英語で再度少女に話し掛ける。

 

 

「これで分かるか?」(翻訳中)

 

「あ、わかります!すいません、私日本語がまだ上手に出来なくて……」(翻訳中)

 

「留学生なのか?」(翻訳中)

 

「いえ、学校には行って無いんです」(翻訳中)

 

「ほう…」(翻訳中)

 

 

どうやら英語なら会話は可能な様だ。金色の長い髪の少女は、顔を明るくさせながら晴心の問に答えた。その会話の中で、少しの違和感を覚えた晴心は、更に会話を続ける。

 

 

「良かったです。私が見た時は既に死んでしまっているのかと……」(翻訳中)

 

「もしや、君が俺を助けてくれたのか?」(翻訳中)

 

「はい、買い物帰りに血塗れで倒れているのを見つけまして。治療させてもらいました」(翻訳中)

 

「そうか…恐らくあのままだったら俺は死んでいただろう。助かった、ありがとう」(翻訳中)

 

 

晴心の言葉に照れくさそうに顔を伏せる少女。そこに晴心は1つの疑問をぶつけて見た。

 

 

「だが俺は相当重傷だった筈だ。吐血の具合から言って肋骨が内蔵に突き刺さる位のダメージは負っていた筈なのだが……傷を回復する力でも持ち合わせているのかな?」(翻訳中)

 

 

晴心の敗北から目覚めたのは1日立った昼の2:30。肋骨の骨折は1桁の日数では治らないくらいの重傷だ。それをたった1日で治せたのには恐らく何らかの秘密が有るのだろう。もしかしたらレイナーレと言う堕天使が言っていた神器とか言う物に関係があるのではないかと睨んだ晴心は、軽い気持ちで聴いてみる事にした。

 

聞かれた瞬間、少女は妙に嬉しそうな顔をして答えた。

 

 

「はい治癒の力です。神様から頂いた素敵なものなんですよ」

 

 

そう言って少女は微笑む。他から見れば可愛い笑顔だろうが、晴心にはその笑顔の奥に寂しげな表情を感じ取った。

 

治癒の力。その力はとても便利な力だろうが、他人から見れば化け物に思われるだろう。傷が直ぐに回復する人間。そんな異質な体質はいじめ等の対象になったり、孤独になったりした筈だ。

 

少女の過去に何が起こったから知らないが、晴心には少女をほっとけないと言う気持ちが芽生え始めていた。

 

晴心が1人心の中に新しい1つの気持ちを書き残していると、少女がハッと何かに気付いた様に目を見開いた。

 

 

「あ、そう言えば私これから買い物に行かなきゃ行けないんでした」(翻訳中)

 

「ああ、忙しい所を呼び止めてしまって悪かったな」(翻訳中)

 

「いえ、今日はお話が出来て楽しかったです!」(翻訳中)

 

 

少女は満面の笑みを作り出す。その笑顔は作り物なんかでは無く心の中から出てくる笑顔なのだろう。

 

少女が手を振りながら教会を出ようと出口に向かう。晴心それを見届けようとしたが、1つ聴いておきたい事があったので再度呼び止める。

 

 

「あぁ、そう言えば名前を聴いてなかったな。俺は王生晴心と言う者だ」(翻訳中)

 

「あ、私は『アーシア・アルジェント』と言います。アーシアと呼んで頂ければ嬉しいです!」(翻訳中)

 

「アーシアか。お節介かもしれんが、帰ってきたら日本語を教えてやろう」(翻訳中)

 

「え……いいんですか?」(翻訳中)

 

「俺は暇だから気にするな。それに、日本語が分からなければ何かと不便だろう?早い内に覚えておいた方がいいしな」(翻訳中)

 

「あ、ありがとうございます!」(翻訳中)

 

「気にするな。呼び止めた俺が言うのもなんたが、急いでるんだろ?」(翻訳中)

 

「はい、ありがとうございました、晴心さん!」(翻訳中)

 

 

トコトコと走りながら出口の方に少女アーシアは走っていった。その後ろ姿を今度こそ黙って見送る晴心。

 

この日を境に、約3日間の晴心の日本語特訓が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食を食べ終わった午後11時45分。晴心は与えられた自室で自分が置かれている状況を改めて整理した。

 

悪魔だった駒王学園の先輩とクラスメイト。顔を見られてはいないとは思うが、念の為学校には行かない方が良いだろう。先生にはインフルエンザとか何とか言っておけばいい。

 

問題は今晴心の行動が制限されている事だ。ここにいる限り周りから見張られ続け、ろくに外も出歩けない。堕天使達は晴心を危険視したから敵か味方かの真意を確かめる為にここに置いているのだ。見張られて当然だろう。

 

ここの連中を倒すにしても理由が無い。晴心は民間人や無関係の人間に危害を加える生物を粛清していただけだ。だから人間に害を加えないと知れば、晴心は何もしないしする気も起きない。

 

自分が安全な人間だと思われるまで待つのが賢明だろう。

 

次の問題。晴心のセイクリッド・ギアと呼ばれる能力。

 

恐らくレイナーレと名乗る堕天使の女は晴心の能力に興味がある様だ。それは晴心自身も分かっている。彼女は晴心の能力を『infinity weapon structure』と呼んでいる様だが、名前なぞどうでもいい。

 

一番の問題はレイナーレが晴心の能力をどうしようとしているのかだ。あの顔は明らかに何かを企んでいる顔だ。恐らく何かを隠している。と、晴心は睨んでいた。

 

それに加えて治癒の力を持つ少女。彼女もセイクリッド・ギア持ちの人間だ。恐らく自分に正直であり、信じたものには真っ直ぐに進む様な人間なのだろう。そう言う類の人間が、洗脳だのに掛かりやすい。お人好しと言う奴だ。

 

晴心はアーシアと言う少女と接触し、レイナーレがセイクリッド・ギアを持つ人間を重点的に集めているのだろうと考えた。

 

 

晴心の最終的な結論は『今の所不明』と言う事だった。神器持ちによる軍隊でも作るのかと考えても見たが、結局証拠も何も無いのでこれも確信は持てない。レイナーレに聞いてもシラを切り通すだろう。奴等は人に害を加える悪魔を殺すと言っていたが、それも本当の話なのだろうか?

 

夜中には地下の自室に押し込まれ、自由に行動できるのは昼間の少しの時間だけ。その為晴心は堕天使達の行動が分からない。だからと言って無理矢理抜け出しても怪しまれる。

 

 

「逃走も考えるべきか……」

 

 

ボソッと晴心は呟く。

 

逃走。これを行えば間違いなく堕天使や悪魔祓いに狙われる。だからこれはもしもの時の最終行動。今はまだ逃げる時では無い。

 

もしもの時の為に、晴心は能力の準備をしておく。ここの者達が民間人に被害を加えた場合、迅速に対応する必要があるからだ。

 

 

「一先ず何か進展があるまでは様子見だな。アーシアにも日本語学習の時にそれとなく色々聞いてみよう」

 

 

今後の方針を決めた晴心は、高級そうなふかふかのベッドで眠りに付いた。

 

この後、この選択が最悪の結果を招く事を、まだ晴心は知らない。




ラストに思わせぶりな言葉を載せておきましたが、実はまだ先の事は大まかな所までしか考えていないという……。
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