あれから更に数日かけて先へ進んでいたるーちゃん一行。随分学校へと近づいてきています。
本日はスーパーを占領して拠点としているようです。真面目に食料を選別するリーダーさんを尻目にるーちゃんとゾン子さんは缶詰でジェンガを行っていました。どう考えても盛大な無駄遣いなのですが、どうせりーねーと合流した後はこんなことできません。怒られるのが目に見えています。今のうちにやりたい放題しておくのが正解だとるーちゃんは判断したようでした。
缶詰の山を贅沢かつ盛大にがっしゃーんと崩していきます。こんな騒音立てたらどう考えても危険極まりないのですが、すっかりサバイバル生活に飽きたるーちゃんはそんなことは気にしませんでした。るーちゃんも疲れているのでしょう。
何であろうとくるならきやがれです。なんて考えていたからか、スーパーの駐車場からわらわらわらわらとあいつらが飛び出してきます。どうやらすっかりこのスーパーは包囲されていたようでした。
リーダーさんがどうしようどうしようと頭を抱えてぐるぐるしています。るーちゃんも便乗してぐるぐると回ります、にへ。一人だけ回らなかった空気の読めないゾン子さんはるーちゃんに簀巻きにされた挙句高速帯回しごっこを敢行されてまるで独楽のように高速回転、そのままあいつらの群れに突っこんでダウンしました。人間だったらそのままあいつらの餌になって死んでいたでしょう、とっくの昔に噛まれていたのは不幸中の幸いです。
リーダーさんが「遊んでる場合か!」と怒り出したのでるーちゃんはこの場を突破すべく頭を捻ります。まずはその辺の棚からケチャップを取り出すとリーダーさん目掛けてぶちまけました。これであいつらに化けて突破しようということのようです。
しかしリーダーさんはゾンビなウォークはできないので無駄です。服を汚しただけでした。
続けてるーちゃんはリーダーさんに西瓜を運んでこさせると、次々とあいつら目掛けて転がしていきます。
るーちゃんのボウリング技能は数値換算すれば255、一般的なプロボウラーの90を遥かに上回ります。転がっていく西瓜は時折見事なカーブを描き、あいつらを次々と蹴散らしていきます。ゾン子さんも巻き添えでぶっ飛んでいってしまった気もしますがるーちゃんは気にしません。そんなところに寝てるのが悪いのです。お前が転がしたんだろうが的な視線も気にしません。るーちゃんは過去は振り返らないのです。
それでもやってくるあいつらに対しては近くの棚にあった消費期限切れのかまぼこで殴りつけます。るーちゃんの圧倒的な物理攻撃力は腐ったかまぼこすら凶器に変えてしまいます。
何体かのあいつらの死因はかまぼことなってしまい、あの世で閻魔様が笑いすぎて腸捻転になって業務が大変滞ったとか。三途の川の向こう側にすら被害を齎す、るーちゃんの絶大な理不尽さがよくわかります。
さあ、まだまだあいつらはやってきます。るーちゃんはリーダーさんに花火を持ってくるように言いつけると、カートにフライパンやガスボンベを詰め込み、包丁を括り付け、六番レジ目掛けて突進攻撃を敢行します。
別にこのスーパーはるーちゃんの店でもなんでもないですし、むしろ誰よりも空き放題荒らしまわって商品をかなり無駄遣いしているのですが、こうしているとなんとなく店を守ってる店長のような気分が味わえるのだとか。でぃす いず まい すとあー。
迫り来るあいつらをばったばったとなぎ倒し、轢き潰し、撥ね飛ばす。るーちゃんと武装カートはまさに獅子奮迅、縦横無尽の大活躍を見せていますが、まだあいつらは全滅するそぶりを見せません。まだまだぞろぞろやってきます。
どういうことだと外を見てみると、外でゾン子さんが『大安売り』と書かれた旗を振り回しています。安売りに惹かれて元主婦の皆さんが大集結してしまったようです。どうやらゾン子さん、さっきのボウリング攻撃を根に持っていたようでした。
るーちゃんは全く躊躇せずにるーちゃんメイスを投擲(流石に威力は抑えているが)、ゾン子さんは再び宙を舞う羽目になりました。逆らうものには慈悲はないのです。暴君るーちゃん再び、がおー。
増援を呼んでいた元は断ちましたが、来店してきてしまったやつらは帰ってはくれません。るーちゃんは武装カートを店のガラス戸目掛けて特攻させてドンガラガシャンと盛大な破砕音を発生させて時間を稼ぐと、リーダーさんが持ってきた花火をひったくり、ガムテープを取り出し何やら作業を始めました。
カートに気を取られていたあいつらが店内に向き直ると、るーちゃんはフルアーマー化していました。全身に装甲を装備し、がっしゃがっしゃと歩いてきます。リーダーさんの何してんだこいつ的な視線はいつものことなので気にしません。
あいつらがるーちゃん目掛けて歩き出すと、るーちゃんの全身の装甲ががぱりと開き、中から円筒状のものが次々とせり出してきます。手作り感こそ漂っていますが、誰がどう見てもミサイルでした。かつて制圧した町工場で作っていたものが、火薬を得てとうとう実戦投入されてしまったようです。割とルールには厳しいりーねーは当然のことですがるーちゃんに火遊びなど許してくれませんでした(許してくれても困りますが)。止めるものがいなくなればやってみたくなるのが子供というものです。るーちゃんは装甲の下でにへ~と笑うと、ミサイルの発射スイッチに手をかけました。
さあ、ミサイルが放たれていきます。発射されたミサイルは次々と買い物客に直撃するとなんともアルミニウム感漂う閃光と共に炸裂。周囲に釘と燃料、そして火を撒き散らします。爆炎と高速で撒き散らされる釘が大規模な破壊を齎し、あっという間に店内に群れていたあいつらを鎮圧してしまいます。全身を釘と炸裂したミサイルの残骸に貫かれたあいつらが、火達磨になって天に昇っていく様は完全に地獄絵図でした。後ろで見ていたリーダーさんもあんまりな有様にドン引きです。後でるーちゃんを叱らねばなるまいと大人として決意を固めていました。
惨劇を巻き起こしながらも無事にあいつらを撃退したるーちゃん。ゾン子さんと一緒に消火器抱えて後始末です。加減していたとはいえるーちゃんメイスの直撃を受けたゾン子さんですが、しばらく休んだら復活していました。毎日毎日事あるごとにるーちゃんにボコられているだけあって耐久性は普通のあいつらの比ではありません。鍛え方が違います。
火を消し終えたらリーダーさんによるお説教タイムです。子供の火遊びなどけしからん、というか流石にアレは無いだろ普通に考えて、と大層ご立腹なリーダーさんに火薬や燃料の類は没収されてしまいました。ミサイル攻撃や火遊びも禁止を言い渡されてしまいます。せっかく頑張ってあいつら撃退したのに、調子に乗りすぎてお説教を受けてすっかり意気消沈したるーちゃんは、日頃の恨みとばかりに嬉々として説教に参加していたゾン子さん(正直唸ってただけだが)に八つ当たりのボディーブローを叩き込むと、無駄に達筆な反省文を提出してから不貞寝を決め込むのでした。
子供のミサイル遊びダメ絶対、普通に火遊びです。食べ物で遊ぶのもダメ絶対、かまぼこ以外はまだ食べられます。
るーちゃんは精神は普通にお子様寄りなのでときどきこういうことをしでかします。ちゃんと叱ってあげましょう。
その頃の学園生活部
「校庭でさ、キャンプファイアーとかしてたらあいつら勝手に飛び込んで全滅したりしないかなぁ・・・」
「ダメだよくるみちゃん、消防車来ちゃうよ!」