デミえもん、愛してる! 作:加藤那智
ギルドに入ってからもレベ上げがんばった!
戦士クラスの育て方がよくわからなかったので、たっちさんにたくさんアドバイスをいただいた。
現実の体も鍛える必要があるぞーといわれ、なにがいいかなーとさがして、とある古武術を習い始める。
それはアジアのある国の伝統武術。その国は一昔前植民地化されていて反乱を恐れた当時の政府が武術を禁止し、おおっぴらに武術を教え習うことができなくなった。
なので、伝統奥義保持者たちは武術を踊りのなかに忍ばせて、秘儀を子孫に伝えたという見た目優雅だけど中身はガチ武術。
呼吸法と気のコントロールを重視し、本国にいるわたしと同じくらいの年齢の門下生たちは、隠されたカードの記号あて、自身の周囲の障害物を目を閉じて察知することができるのがデフォルトらしい。
なんでこの古武術を選んだかというと、いくらダイブの際に大人と子供のハンデを無くすべく体型に合わせた基礎体力筋力抽出を行うとはいえ、マッスルな男性が頂点にたつ総合格闘技と同じものを習って、女子供のわたしが勝てるイメージができなかったのだ。なんといっても欧米人にくらべ日本人は筋肉がつきにくい。
なので潜在能力強化に比重が置かれた、相手の力をそのまま使って己の力にできる、逆らわず受け流して反転する武術を選んだ。
こうなると、わたし戦士系というよりやってることはセバス系じゃない?
なんて思ったりもしつつ、リアルで体とカンを鍛え、ユグドラシルで、ギルメンとレベ上げしまくって、わたしも異形種救済できるくらいレベルが上がっていった。
ギルド入会してから数年後、わたしは伝統武術の世界大会の未成年部最年少チャンピオンになり、異形種狩りリベンジでPKKをしてPvPに慣れたのがよかったのか、たっちさんご指導のもとわたしもワールドチャンピオンになれた。ワールドチャンピン・オブ・ムスペルヘイムを手に入れたときは手が震えた。
たっち師匠ありがとうございます!
ワールドチャンピオンになれてほっとした。
だって転移後はアインズ・ウール・ゴウンがおうち
おうちを守る力がほしくてがんばっていたから目に見える結果がでると心から安堵に包まれましたーよかったよかったよー。
異形種に対する粘着とか、PKK逆恨みとか、狩場占領による恨みとか、学生と社会人の内部分裂とか、たっち師匠のお仕事が忙しくなったりとか色々あってたっちさんはギルマスをモモンガさんに移譲した。
ギルマスってようは雑用係なので結構大変。みんなの調整役、なだめ役、忍耐と愛情と気配りが必要。
ギルドマスターになったモモンガさんはすごくがんばった。
ちゃんと眠れているのかなあて心配になるくらい。そりゃ骸骨にもなるわ。
一生懸命なモモンガさん見ていると本当「アインズ・ウール・ゴウンのメンバーが大好き」と伝わってきて、心の中があたたたかくなりほんわかする。ほんわか骸骨かわゆす。
モモンガさんはギルメンを家族みたいに思っている。
そんなモモンガさんを見ていて、わたしにもアインズ・ウール・ゴウンを想うあたたかい気持ちがうつってきたのかな、モモンガさんを助けたくなってアインズ・ウール・ゴウンのなかでイン率一番高いのはわたしだし、雑用をちょこちょこお手伝いして、モモンガさんがインしていない時間のフォローをするようになった。
たっちさんギルドマスターやめたら、ユグドラシルもやめちゃうのかな、て不安だった。
けど、イン率へって狩りする時間こそほとんど無いけど、会話メインでちょこちょこインしてきてくれて、ずっとアバターが第9階層においてあることがよくあった。
みんなでたっちさんが離席して反応ない間に周囲にアイテムをおきまくっていたずらしたりした、ぷくく。
あと2話今日更新予定!