ヒーローは世界を超えてもヒーローだった。   作:門太郎

3 / 5
さてさて今回は別にこれといった見せ場もありません。
霊夢たち一行がこの世界での地盤を固めていく話ってところですかね。
シンフォギア奏者たちとの絡みはこの話の次くらいからやっていくつもりです!

さぁ、このさき誰と誰がキャッキャウフフするのか!

門次郎でした。

どうぞお楽しみください!


第三話 異世界の東京でイモムシの背中を走ってみた。

上条当麻、カズマ、博麗霊夢、オティヌスの四人?は世界の崩壊を防ぐため異変の原因を探る旅へと(強制的に)出発した。

しかし、出発早々トウマは仲間とはぐれてしまう。

それどころか見たこともないオレンジ色の怪物たちに襲われる。

だが、空から降ってきた大剣と一人の少女にその窮地を救われたのであった。

 

「こんな所にまだ一般人がいたのか。避難命令を聞いてなかったのか?早くここから避難しろ。ノイズはまだいる」

 

「ノイズ?・・・いや・・あの・・おれ・・」

 

「私を見た以上後で拘束されるかもしれないが・・説明している時間もない・・」

 

当麻は全く状況が呑み込めず首をかしげるばかりだった。

状況を整理しようと頑張るものの頭が働かない。情報が少なすぎるのだ。

その時、目の前の少女に通信が入る。

 

『翼!聞こえるか!』

 

「はい。ノイズはまださっきの爆発の現場にも発生しています。すぐに私が向かって・・・」

 

『いやまた別の場所にノイズが発生した!そっちには立花君が向かってる。お前はバイクでもう一方の方へ向かってくれ!』

 

「あんな半人前に任せられません!!」

 

『命令だ・・』

 

蒼い髪の物々しい服を着たロングヘアの少女は舌打ちした後に屋上から飛び去って行った。

去り際に「早く避難しろ」と当麻にどなった。

 

「何の話か知らんが俺に当たらないでほしいな」

 

さて、避難しろと言われたもののこちらにもやる事はある。

当麻は忠告を無視して爆発の起こった現場へと向かう。

 

                                                               

                 ②                     

 

爆発現場には多くのノイズとやらが密集していた。

ビルの中には逃げ遅れている人たちも残っていた。

そしてそのノイズたちに一人立ち向かっている少女がいた。

先ほど当麻が出会った少女と似たような恰好をしている。

だが、ノイズの数に押されて苦戦を強いられていた。

 

「ハァハァ・・。ビルの中の人たちが救助されるまで時間を稼がなきゃ!」

 

果敢に迫る来るノイズを払っていく少女。

しかしその動きはぎこちない。そう、素人のそれであった。

その時、群れの中の一際大きなノイズがまだ人がビルへと攻撃を仕掛けた!

 

「あっ!?」

 

巨大な芋虫のようなノイズ、それがビルへと放ったのは緑色のスライムのようなものだった。

その液体はビルに張り付くや否やそこからノイズが湧き出てくる!

 

(このままじゃノイズがビルの中に!)

 

だが、ビルに張り付いたノイズを止めようにも周りを群れに囲まれているため身動きが取れない。ノイズたちはすでにビル内部へ侵入を始めていた!

万事休すか・・・しかし!

 

チュドドドドドッ!

 

まるで流れ星の如く、空から降り注ぐ光弾!

ビルに張り付くノイズたちを薙ぎ払う!

 

「なっ・・なに!?」

 

驚く少女は光弾の飛んできた方向をみる。

そこには妙な巫女服を着た少女がふわふわと浮いていた。

 

「どうやらアタシの弾幕は有効みたいね。びっくりしたわ~コイツラに触ると炭になるとか。避難してた人から聞いてなきゃさわってたかも」

 

「そんなことはどうでもよい。次はあの群れだ」

 

「ああいうごちゃごちゃしたのはあたし向きじゃないのよ。カズマ~」

 

「はっ!あのババアとあってからイライラしっぱなしだったからよぉ!ストレス発散に使わせてもらうぞお前らぁ!」

 

霊夢の真下に立っていたカズマが右拳を前に突き出す!

すると周囲のコンクリートや砕け散り、その砕けた粒子がカズマの右腕全体に集まっていく。

そして、右腕に三枚の羽がついた鎧が創造される!

 

 

『衝撃のぉ・・・ファーストブリットッ・・・!』

 

 

カズマの右腕の鎧の羽が砕け、爆風が巻き起こる!

それを推進力に巨大ノイズへと突進する!

突進の余波でッ小さなノイズたちも蹴散らされていく!

 

「あ、そういえばアルターありとはいえさわって大丈夫なのアイツ?」

 

そんなことを呟いた霊夢だったが・・・もう遅い!!

 

「おらあああああっ!」

 

ズドオンッ!

 

轟音と共にカズマの拳は深々と巨大芋虫ノイズへと突き刺さる!

 

ピシピシ・・。ノイズの表面に無数のひびが入り・・・そして。

 

パアンッ!!

 

巨大な破裂音と共にノイズは跡形もなく消滅した!

そしてその時発生した衝撃波は周りのノイズの群れすらもかき消した!

 

「弱っちいぞ!憂さ晴らしにもならねぇじゃねぇか!」

 

「触っても問題なさそうね」

 

「あ、あの」

 

少女は恐る恐る二人に話しかけた。

 

「貴方達は一体・・?」

 

「アタシらはただの通りすがりよ。じゃこれで。行くわよカズマ」

 

「なんでてめぇが命令してんだよ」

 

そういいつつも霊夢についていくカズマ。だが、二人がどこかへ行こうとした時だった。

 

『そこの二人!止まりなさい!』

 

大きなスピーカー音と共に黒スーツの男たちが二人を囲んだ。

霊夢の頭にのっていたオティヌスは服の方へと隠れる。

 

「あぁっ?なんだテメェら?喧嘩なら買うぞ!」

 

「やめなカズマ。ついてこいって事でしょ。情報が欲しいところだったしちょうどいいわ」

 

「話が早くて助かります。では、こちらへ。立花響さんもお早くあなたも基地へ戻るようにと」

 

「はい!わかりました!」

 

カズマたちは車に乗せられどこかへと連れていかれる。

そしてカズマ達が去った後に・・・。

 

「ついた・・・けど誰もいねぇ・・」

 

誰もいなくなったビル街の真ん中にポツンと放置される当麻であった。

 

 

                ③

 

 

黒服たちに連れられて地下深くの基地へと到着した霊夢とカズマ。

そこは『特異災害対策機動部(S.O.N.G)二課』の基地であった。.

 

「つまりここがこの街の対ノイズの前線基地ってわけね」

 

「ノイズだけとは限らないが今のところはそういう事だ」

 

基地内の応接室のような場所で霊夢たちと話しているのは「風鳴 弦十郎」この基地の司令官である。

 

「そちらの疑問には答えった。次は君たちについて教えてほしいな。まずは素性とか・・」

 

「ホントにあたし達はただの通りすがりの旅人よ。今回の戦いだって成り行きで手を貸したにすぎないし」

 

「君らが持っている力・・・シンフォギアとは違うようだが」

 

「この世の中には不思議なことなんてたくさんあるのよ。一々気にしてたらやってけないわよ」

 

「話す気はないと・・」

 

「察しがよくて助かるわ」

 

「旅人と言っていたが・・ここにはどれほど滞在するつもりなんだ?」

 

「ちょっとやる事があるから、それが終わるまで居るとは思うけど」

 

「ならば。我々に力を貸してくれないか」

 

弦十郎はそう提案した。

霊夢としては彼がこういった提案をしてくるのは想定内ではあった。

この世界の「支柱」を探すことにおいてもこういった組織を利用すれば効率も上がる。

だが、その場にいた風鳴翼がそれに反対した。

 

「素性もわからないような人間を仲間に引き入れるのはどうかと思います。ただでさえこちらは半人前以下の立花にも手を焼いているというのに!」

 

言葉と共に翼は響を睨む。

その視線に響はバツが悪そうにうつむいてしまう。

 

「あらまぁ、あんた翼って言ったっけ?その子・・・響ちゃんだっけ?酷く辛く当たるわね。なんかあったの?」

 

「貴方には関係のない事だ」

 

「クールぶってる女のヒステリーほど見るに堪えないものはないわね」

 

「何だと!!」

 

「やめろ!翼!」

 

弦十郎が一括し話を戻す。

 

「で、受けてくれるのか?」

 

「衣食住の世話とノイズ1体に付1万、大型なら5万で」

 

「どこまで図々しいんだ!」

 

「私ら旅人だって言ったじゃない。この土地に愛着もなけりゃ守る義務もノイズと戦う義務もない。ボランティアで力を使うなんてごめんよ」

 

「落ち着け翼。わかった君らの要求を受け入れよう。だが、仕事はちゃんとしてもらうぞ」

 

「了解。カズマ!おわったわよ」

 

いつの間にかソファーに体を預けてグースカ鼾をかいているカズマを霊夢が叩く。

 

「んがっ!?なんだ?どうなった?」

 

「宿と食事とお金の確保が出来たって言ってんの」

 

「で?俺は何をすればいいんだ?」

 

「昼間に戦った変な奴らいるでしょ。あいつら倒すんだってさ。1体に付き1万、大型5万で」

 

「おお、そりゃいいや。でもよ、こっちの仕事はどうすんだよ」

 

「それはおいおいね。焦っても何もわからないんじゃしょうがない。(まずはこの世界のことを知らないとね)」

 

「ではこちらの契約書にサインを頼む。住居の方は手配が住むまでこの基地で寝泊まりしてくれ」

 

これでこの世界で動くための拠点と資金は確保できた。

しかし、良い関係を続けていけるかは今後の働き次第である。

目下の問題は翼との和解か・・・。

 

「私は認めませんよ。こんな奴らは!」

 

それだけ言うと翼はその場から立ち去ってしまう。

 

「んだ?あの野郎感じわりぃな」

 

「仕事とはいえ仲間としてやってくなら仲良くしといた方がいいか。(煽らなきゃよかったかな)」

 

契約書も書いたし今日のところはもう休もうかと霊夢が思った時だった。

 

『見つけた!あなた達が未確認エネルギーの発信源の子たちね!』

 

霊夢とカズマの背後から声が響く。

 

「・・・あぁ?」

 

「誰よ?」

 

「あ!自己紹介がまだだったわね。私は櫻井 了子!シンフォギアなどの異端技術の研究者であり天才科学者よ!ってなわけであなた達の能力を見せてくれないかな!」

 

「どういうわけよ。悪いけど仕事でもない限り力を使うことは・・・」

 

ウォーン・ウォーン・・・・・。

了子との会話を切ろうとした時、けたたましくアラートが鳴り響く。

 

『ノイズ発生!待機中の者は直ちに持ち場につけ!シンフォギア奏者及び協力者はすぐに現場へ!』

 

「あったわね。使う機会!」

 

「はぁ・・・。ってあれ?カズマは?」

 

「アラート聞くなり飛び出していちゃったわよ。あなたもほら!早く早く!ちゃんと衛星のカメラで中継してるから存分に!」

 

(紫とは別の意味で苦手だわこの人)

 

契約を結んで最初の仕事の始まりである。

 

 

 

                  ④

 

 

カズマと霊夢、オティヌスが二課の基地で契約書を書いていたころ・・。

 

「腹減った・・・。くっ!インデックスでもあるまいにこんなセリフを吐いてしまうとは!」

 

当麻は街で腹をすかしていた。

仲間とはぐれて半日がたったが仲間は見つからず、財布もないので飯も食えず、そこらにあった公園のベンチで手足を放り出してぐったりとしている。

図書館やらで情報収集などをした結果この街がい世界の「東京」であることやこの世界の現状も確認できた。

 

「推理してみよう・・・。この世界で最も重要なのはノイズっていう存在で・・・これは人類の敵で・・・それと戦ってる人たちがこの世界での『ヒーロー』だから・・・その中に支柱がいる可能性が高い・・と」

 

調べたことと今までこの世界であったこと、今回の旅の目的を照らし合わせた結果を練り合わせた仮説。

ふと「ヒーロー」という単語が出たのはなんとなく耳に残っていたからだ。

そう、八雲紫が別れ際に放った言葉「ヒーロー」・・・。

 

(まぁ、所詮仮説だけどな)

 

だが、トウマの仮説に信憑性を与えるであろう言葉がどこかから飛んできた。

 

『察しが良いな』

 

「!?」

 

声からして結構年配の男性。顔や体はすっぽりと黒いマントとフードで隠されていた。

そいつはだらだらとする当麻の前にいきなり現れた

 

『ヒーローとはどの世界でも中心かその近くに置かれているものだからな。支柱かそれに近い場所には必ずヒーローがいるのさ』

 

「誰だ!テメェは!」

 

「八雲紫から聞いてるだろ?おれは世界の破壊者さ。いや新世界のヒーローかな?」

 

「黒幕がさっそくご登場ってわけか。ここでおまえを倒せば全部終わりってことだよな!」

 

「そんなユルユルな状態で俺に勝とうなんて思うなよ・・・死ぬぞ?大体今回はちょっとあいさつに来ただけさ。道すがらな。これからある人物と会う約束をしてるんだよ」

 

「御託はいい!さっさとおまえを倒して元の世界に戻る!」

 

「おいおい、じゃあ街の人たちを見捨てるのか?」

 

「何っ!?」

 

奴のその言葉と共に巨大な爆発が起きる!

公園近くの街の方からもうもうと煙が上がる。

そして巨大なノイズの影が湧き出てくる。

 

「んな!?ノイズってやつか!」

 

「おれにかまってていいのかな~?ヒーローさんよ」

 

「テメェ・・・!」

 

「じゃあな」

 

「くそ!」

 

互いに同時に背を向けて反対方向に走り出す!

片や人々を救うため。片や世界を破壊するために・・・。

 

 

                   ⑤

 

 

一番早く現場へと付いたのはトウマだった。

 

「ひでぇ・・・」

 

ノイズたちは無差別に人を襲い、炭化させていく。

周囲には炭となった人々の残骸が散らばっていた。

 

「はやくコイツらを片付けないと!」

 

当麻はこぶしを握り、ノイズの群れへと突進しようとした。

その時!

 

「うわああああんっ!!」

 

「泣き声!?どこから!?」

 

それは上から聞こえていた。

マンションの屋上に取り残された親子がいたのだ。

どうやら、マンション中でノイズに追い詰められ屋上まで逃げてきたようだ。

 

「ママぁッ・・・」

 

「大丈夫・・・守ってあげるからね・・!」

 

親子を見つけた当麻は思考を巡らせる。

あそこまで届く最短距離、マンションの屋上、高さは30mほど、目の前にはノイズの群れ・・・。

 

「あれだぁ!」

 

当麻はノイズの群れへと全力で走り出し大ジャンプ!

なんとノイズの上をピョンピョンと跳ねていく!

 

(よし!俺なら炭化しねぇ!)

 

そして、巨大芋虫ノイズの上に着地するとそのままその背を上へと駆け上がっていく!

物体をすり抜けるノイズ。しかしなぜか当麻はすり抜けない。

ノイズの頭のてっぺんからビルの屋上に向かってさらに跳躍する!

 

ノイズの魔の手が親子に迫った時、空から一人の男が降ってきた!

 

「お待たせしましたぁッ!!」

 

ゲシィッ!っと親子に飛びかかろうとしていたノイズをあろうことか蹴り飛ばした!

 

「あ・・あなたは・・?」

 

「説明は後で!逃げます!」

 

当麻は少年を肩車し、母親を御姫様抱っこする。

 

「いいですか!俺の右手から絶対離れないでくださいね!坊主!お前は俺から絶対落ちるなよ!」

 

「「は・・・はい!」」

 

そして二人を連れてトウマは屋上からダイブした!

 

(足を真下に向けろ!絶対頭からは落ちるな!)

 

地上30Mからのダイブの先にはの先ほどのノイズの群があった!

普通の人間なら死を覚悟するだろう。しかし!

 

ぶにょんっ!

 

スライムのようなノイズの上へ着地!

落下の勢いを全て殺すとそのまま安全な群れの後方へと連続でジャンプする!

そして道路にたどり着くと全力で走り出す!

 

「うおっしゃあああああっ!」

 

心でガッツポーズをしながら全力でその場から離脱する。

ノイズもそれをおってくる!

 

「やっぱ追ってくるか!ちくしょう!」

 

当麻は立ち止まると二人を下してノイズの群に向き直る。

 

「お兄ちゃん・・?」

 

「母ちゃんのこと。ちゃんと守れよ・・・!」

 

「うん!ママ行こう!」

 

「ありがとう・・ございます・・」

 

物わかりのいい親子で助かった。

これで心置きなく戦える。

 

「来いよノイズども!俺はそう簡単には崩せねぇぞ!」

 

走り出す当麻、迫り来るノイズ、今衝突・・するかに見えた。

 

『衝撃のファーストブリットォッ!』

 

「は!?」

 

ズバアンッ!!

 

目の前のノイズが一掃される。

当麻はこぶしを振りかぶった状態で停止していた。

そんな当麻を見たカズマは・・・。

 

「何してんだお前?」

 

「・・・ちょっと・・ね」

 

折角振りかぶった拳すら放てない当麻であった。

 

つづく

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。