今回は特筆して何か書くことはありません!
更新が結構遅れてしまったことは心から謝罪します!ごめんっ!
では、ヒーローは世界を超えてもヒーローだった第四話をお楽しみください!
前回までのあらすじ
全ての世界の破壊をもくろむ謎の犯人を止めるべく、様々な世界を旅することとなった当麻、カズマ、霊夢、オティヌスの四人。
彼らは最初に訪れた世界で『ノイズ』なる敵と遭遇し、それらに対抗する『シンフォギア』の奏者たちと組織『S.O.N,G』に協力することとなった。
唯一人、当麻だけは仲間たちとはぐれ、一人でノイズと戦っていた。そしてその場にカズマが現れたのであった。
①
町中に現れたノイズの群と戦闘を行っていた当麻の前にカズマが現れた。
「お前今まで何してたんだ?」
「それはこっちも聞きたい。霊夢さんとオティヌスは?」
「そのうち来る。にしても情けねぇな。あの程度の奴らに逃げ出すなんてよぉ」
「戦おうとしてた俺の覚悟を無に帰したお前には言われたくねぇ!」
「そりゃ悪かったな」
当麻とカズマがそんな言い合いをしているとやっと霊夢がカズマに追いついた。
「なんだ、もう終わってたのね。これじゃ来た意味ないじゃない。あ、アンタもいたのね」
「おせぇんだよ」
「霊夢さん!オティヌスは?」
「ここだ」
霊夢の服の襟元からひょこっと顔を出すオティヌス。
「まぁ、まずはアンタにいろいろと状況説明が必要ね」
「あ!俺も伝えたいことがあるんだ」
霊夢は当麻に自分たちの現状を説明する。
当麻もさっき会った黒マントのことを皆に話した。
「ヒーローねぇ」
「ということは立花響か風鳴翼が『支柱』か・・」
「もしくはそれに近しい人物かモノってことになるわね」
「『S.O.N.G』と協力関係を持てたのは丁度良かったかもしれないわね。敵さんは何が支柱かがわかるって紫が言ってたわ。てことは二人の周囲に近づけるのはもってこいね」
「二人とその周辺に近づく敵を見つけりゃいいんだな」
「・・・???」
カズマだけは首をかしげていた。
当麻はカズマにも分かるように言い直した。
「あの二人に近づく敵を倒せばいいってことだよ」
「なんだ!そういうことかよ!」
「さっきからそう話していただろうが。頭はサル以下か貴様」
「んだと!このチビ野郎が!」
「あ~もう!喧嘩すんなって!オティヌスももう少しオブラートに包め」
ぎゃあぎゃあと言い合いを続ける四人のところに響と翼が到着した。
「みなさん!ノイズは!」
「反応が消えたということはもう倒してしまったのか」
「つーかカズマ!アンタ倒したノイズの数ちゃんと確認したんでしょうね」
「あ?あ~、デケーのとなんかいっぱいいたな」
「あ~!もう!これじゃタダ働きじゃない!あんたは次から同伴者がいないなら戦闘に参加するな!」
「あぁっ!?なんでそうなるんだよ!」
「はぁ・・・もういいかげんにしろよ」
しばらくして喧嘩に一区切りついき、全員基地へと戻った。
②
基地に到着すると弦十郎へ当麻を紹介するため、司令部へと入る。すると・・。
『『霊夢ちゃん、カズマ君、当麻君!ようこそ特異災害対策機動部二課へ!』』
クラッカーの音が鳴り響く。見渡すと司令部の中はパーティ用の派手な装飾が施されていた。
当麻たちの反応はただただ唖然とするばかりであった。
「あらら、反応薄いわねぇ」
「う~ん、響君の時もあまり喜んでもらえなかったから今回は装飾に結構力を入れたんだがなぁ」
「やっぱりいきなりすぎるのは喜ばれませんよ。もっといろいろと根回ししてですね・・・」
パーティのスーツやドレス姿の大人たちはそんなことを相談し始める。
「くだらないわねぇ・・・」
「ノリがすげぇな。立花さん、ここっていつもこんななのか?」
「い、いえ。いつもはもっとちゃんとしてるんですけど」
「腹減った、メシ!」
出鼻から色々アレではあったがパーティはつつがなく始まった。
これからのことも考えてオティヌスのこともこの場を借りて紹介した。
「「きゃ~!オティヌスちゃんかわいい!次はこれ食べてみる?」」
「うむ。あとシャンパンをもらおうか」
オティヌスは女性隊員の人気を集めていた。
「弦十郎さん。この日本酒おいしいですね。どこのモノですか?」
「お!霊夢くんはいける口だな!これはこの世界の東北地方のだな・・・」
霊夢は弦十郎と共に酒の味比べをしている。なんだかウマが合うらしい。
「あーー!!カズマさん!それは私がとっておいたチキン!」
「うるせぇ!食ったもん勝ちだ!腹に入ったもんはもう戻せねぇよ!」
カズマは楽しそうに響と食い物の取り合いをしている。
三人ともすでにこの世界に順応している。
ここにきて数日と経っていないというのに。
「上条さんはまだなじめませんな~。超アウェイ感」
そんなことを言いつつたった一人でテーブルの料理を持った皿をつつく当麻。
ふと、パーティを見渡すが皆楽しそうにしていてなんだか入っていきづらいのだ。
が、そんな中にも一人でグラス片手にうつむいている人物が一人。
風鳴翼である。
「まさか、アンタがシンフォギア奏者だったなんてな。初めまして・・じゃあないけど、上条当麻だよろしく」
自分と同じくボッチだった翼に当麻はつい話しかけてしまった。
「まさか、あの連中の仲間だったとは」
「有名なアイドルが怪物と戦う『ヒーロー』とはな」
「『ヒーロー』?ふん、何か勘違いをしているようね・・・」
「?」
「これは私に課せられた『使命』よ。防人としてノイズと戦い続けるという使命。あなた達のようにお金で動いてる人間にはわからないでしょうね」
彼女のセリフに当麻は少し親近感を覚えていた。
彼女はおそらくいろいろなことを背負って、誰にも頼ることをせず、己が力の身でけじめを付けようとしている。
当麻もそうだった。自分のしてきた戦いを自分のための戦いと勝手に決めつけてきた。だから自分だけでけじめを付けると・・・。
だがそれは、自分のキャパシティーを超えたときすぐに破綻することを当麻は知っていた。
「・・・『使命』はなにもお前だけのモノじゃないぞ」
「・・・それはどういう意味?」
「『自分だけ』、『自分しかいない、できない』、そういう考え方してたら、だれかが自分に差し伸べてくれた手さえ掴めなくなるぞ」
「・・・・余計なお世話だ。わたしは・・・救いの手を差し伸べることさえできなかった。そんな私が誰かに手を差し伸べてもらおうなんて・・・」
そこで言葉を切った翼はその場から立ち去って行った。
翼がいなくなった後もパーティは楽しそうに続いていた。
③
翌日 AM7:00
「さて、衣食住が決まったところで次の行動を決めましょうか」
いま彼らがいるのは『S.O.N.G』から手配されたマンションの一室である。
「あたしらは基本的にノイズ迎撃の仕事上でしか二人との接点がない。だから弦十郎さんにあたし達の事情を説明してちょっとした手回しをしてもらったわ」
「俺たちの旅のことを?よく信じたなあのおっさん」
「まぁ、こんだけ特殊能力者がそろってればなぁ」
「で、はい。アンタ達の今後の行動内容が書いてあるから目を通しときなさい」
カズマ、当麻、オティヌスにそれぞれプリントが回される。
カズマ:響たちの学校に清掃員のバイトとして潜入。響とその周辺の監視。学校の見取図付き
当麻:家事全般やっとけ
オティヌス:S.O.N.G基地内部の捜索。見取り図付き(違法DL)
「で、アタシは基本的に日中はノイズ発生に備えて基地で待機してるから。カズマのバイトは今日からだから早く行きなさい。それじゃ、行動開始!」
「「ちょっと待て」」
「なによ」
まずカズマ。
「なんで俺がバイトなんぞせにゃならんのだ!」
「どうせアンタノイズでるまでは暇なんだからいいでしょ。響ちゃんの監視役も必要だし」
次に当麻。
「おれは家政婦じゃないぞ!なんだよ家事全般って!」
「・・・じゃあ、他の誰かに任せる?」
当麻はその言葉に少し考える。
カズマ→バカ、オティヌス→妖精ボディ、霊夢→生活感無し・・・。
「俺がやります・・・」
「よろしい。オティヌスは基地内での情報収集だけど、機械とかいじれるの?」
「仮にも私はオーディンの名を冠する者。知識は山ほど持っているさ」
「それは心強いわね。それじゃ改めて、行動開始!」
③
私立リディアン音楽院高等科
トップアーティスト・風鳴翼が在籍していることでも有名な芸術学校。そして・・・女子高でもある。
清掃員準備室。
「まぁ、確かに男性でも採用可にしたけどもねぇ・・・」
まさに清掃員という緑色の作業着にゴム手袋という格好のおばちゃんが困った顔をしていた。
それもそのはず、おばちゃんの前にいるのはカズマだ。そしてこの男、弦十郎の手回しがあったとはいえどもどう考えても女子高の清掃員という風体ではない。
(チっ・・・めんどくせぇ・・。こんなもん当麻の奴にでもやらせとけばいいだろうが)
等と思っているがその場合、家事全般をカズマが引き受けることになる地獄絵図まで彼の頭はたどり着いていなかった。
「こらっ!話聞いてるのかい!」
ゴッ!
おばちゃんは容赦なく仕事に上の空なカズマの脳天にモップを叩き込んだ。
「いでぇ!?何すんだぁ!!」
「あんた見たところ上下関係とか全く学ばずに育ったゆとり世代ってやつだね!バイトとはいえアタシがそういうのを一から叩き込んでやるよ!」
(くそが~!!やっぱばっくれればよかったかぁ??)
上下関係はともかく、カズマの境遇からすればゆとりとは真逆のところにいるのだが・・・。
④
おばちゃんにしごかれつつもカズマは意外なことにまじめに仕事をしていた。
基本的に喧嘩好きで危ない仕事ばかりやってきたカズマだが悪友であり仕事をいつも見繕ってくれた君島がいなければこの仕事をバックレる理由もないのである。
「だ~・・るい。つーか、響の野郎が何所にいるかもわからん。なんでこんな事をしてんだ俺は?」
雑巾で汚れた廊下の壁をごしごしごし。
モップで汚れた床をごしごしごし。
電球の取り換え、体育館、講堂などの学校施設の掃除までもカズマはやらされていた。
そして昼休み。
カズマは学園の食堂にいた。
掃除のバイトは一日かけて学園を掃除するので昼食も学内でとる。
そしてバイトの清掃員は食堂での昼食を義務付けられている。少しでも学園に金を還元する為である。
が、一つ問題が起きていた。
「どうすりゃメシが出て来るんだ?」
カズマ、食堂での注文の仕方がわからない。
カズマの元いた所は食い物屋はあったが食券なんてなかったのである。
カズマは首を捻って立ち尽くしていた。
すると背後から・・・。
「どうかしましたか?」
声がする方へ振り向くとそこには黒髪で大きな白いリボンを付けた少女が立っていた。
「ここってどうすりゃメシが食えるんだ?」
「え?あぁ、食券を買って向こうのカウンターまで持って行けばいいんですよ」
「食券?」
「もしかしてこういった食堂は初めてですか?」
カズマはコクンとうなづく。
「なら案内しますよ。付いて来てください」
その親切な少女は懇切丁寧に食堂の使い方をカズマに説明してくれた。
⑤
「ありがとな。おかげで飯が食える」
食堂の使い方をマスターしたカズマは少女と共にテーブルについていた。
眼前には特盛の牛丼が置かれている。
「いえいえ、どういたしましてです」
「お前はなにもくわねぇのか?」
「友人を待ってるんです。あ、来ました」
少女の視線の先には・・・。
「ごめん!未来!おそくなっちゃった」
「いいよ。響最近忙しそうだもんね」
そこに現れたのは響であった。
「あ!おまえ!」
「え!?カズマさん!なんでここに?」
「二人とも知り合い?」
「あ~。俺とこいつは今ノイズってやつと・・」
「わあああああああっ!?」
いきなり響きがカズマの口をふさいだ。
「の・・・ノイズに襲われた時に知り合ったんだ!」
「へ、へぇ~そうだったんだ・・」
カズマは口を塞いでいる手を払いのけた。
「何すんだてめぇ」
(機密事項!司令から説明されてたじゃないですか!)
(あ~)
ノイズ、シンフォギアに関することは機密事項。
基本的にそういった物事に無頓着なカズマがその規則を覚えているはずもなかった。
何とか情報流出を防いだ響は未来と昼食を買い、元の席へと戻った。
「そういえばカズマさんっていうんですね。改めまして私は未来っていいます」
「未来は私の友達で昔からずっと一緒なんです!」
「へぇ・・・『親友』ってやつか?」
「え、え~と。照れくさいけど・・そうですね」
「えーーー!?照れくさいって!私ずっと親友だと思ってたのに!」
「ごめん、ごめん。響、そんなに怒らないでよ~」
二人とも嬉しそうに笑い合っている。
そんな二人を何故かカズマは寂しそうな眼で眺めていた。
しかし、すぐに元の顔に戻り牛丼を食べ進める。
「そういえば響はあの約束ちゃんと覚えてる?」
「流星群でしょ!ちゃんと覚えてるって」
「リュウセイグン?なんだそれ」
聞きなれない言葉が出てきたので箸を止めてふと訊いてしまった
「空い~っぱいに流れ星が見えるんです!すごいんですよ!」
「めったに見られないから二人で見に行こうって約束してるんです」
「ふ~ん」
それを聞いたカズマは二人に向かってこんなことを言った。
「親友(ダチ)との約束ってのは一番大切にしとけ。二度と無ぇかもしれねぇからよ・・」
「え・・・はっはい!」
「ごちそうさん!昼休みももう終わりだな・・。じゃあな」
「はい」
「よかったらまた一緒にお昼食べましょうね!」
カズマは席を立ち、食堂を出た。
「なんか荒っぽい感じだけど・・・いいひとだね」
「うん!カズマさんってちょっと意地悪だけどすっごいいい人なんだよ!」
「う、うん。わかったから響!近いよ」
⑥
食堂から出たカズマはふと振り返って、響と未来の様子を少し眺めていた。
「らしくねぇな・・・」
恐らく自分に行ったであろうその言葉。
確かにさっきの食堂での発言はカズマらしいかといえばらしくない。・・だが。
そんな時、カズマのポケットからバイブ音が流れる。
S.O.N.Gから支給されていた携帯電話である。
「誰だ?」
「アタシよ。霊夢。ノイズが出たわ」
「わかったすぐ行く」
「?。今日は妙に素直じゃない」
「うるせぇ黙れ」
ブチっと通話を切る。
今日も今日とてカズマは戦場へと向かう。
つづく。
今回から次回予告だけは書くことにしました!
次回!カズマと司令が衝突!?新たな敵が現れ、翼が病院送りに!?当麻が新たな力に覚醒!?
第五話「力と責任と自己満足」にご期待ください!