ラブライブ! ~お嬢様と一つ屋根の下~   作:軍曹ニキ

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今回はちょっと本編からは外れたお話。
時系列的にはそのままです。


key.12 遠慮しないで

「ふ~ 練習疲れるにゃ~」

 

「みんな、お疲れ様」

 

真姫、凛ちゃん、かよちんがμ'sの一員となって。

そして俺がそのμ'sをサポートする一員となって。

しばらくの時が過ぎた。

 

翌日から彼女達は体力作りなどの練習に明け暮れ、俺もまた彼女達をサポートするべく色んなことをしていた。

俺自身、昔から体力作りは欠かしていなかったので、彼女達が走っている横で並走しながら声をかけたりであったりだとか。

彼女達が躍っている最中に手拍子を取ってあげたりだとか。まあ、そんなところだ。

 

「お疲れ様じゃないよ~、竜也君はスパルタ過ぎなんだにゃ~!」

 

「だから俺も一緒に走ったりしてるじゃないか」

 

さすがに女の子を走らせてるのに俺自身は見てるだけだなんてことはしない。

彼女達が頑張ってる分、俺もその分体をいじめないと示しがつかない。

 

「でも、竜也君がこうやって一緒に走ってくれたりするから助かるよ。おかげで花陽も頑張れてるかな」

 

「ま、何もしないでボーッとされてるよりは、この方がマシなんじゃない?」

 

素直な意見を言ってくれるかよちんに対し、相変わらずトゲがある真姫だった。

 

「とはいえ、こういう感じのことをいつもやってるって海未先輩が言ってたぞ。そうですよね?」

 

「ですね。穂乃果もことりも最初はひぃひぃと言っていましたが、今では少し体力がついてきたように感じます」

 

「本当!? や~ここまでやってきた甲斐があるってもんだね~」

 

「海未ちゃんにそう言ってもらえると自信がつくね~」

 

 

先輩方も少し自信がついてきているみたいだ。

最初に海未先輩にメニューを見せてもらった時には、本当にこんなことをやっているのかと思ったが…本当にこなしているのだからビックリだ。

 

だからこそ俺も見ているだけではなく実際に体を動かしていくべきなんだと悟されたからな。

 

 

「今日の練習も終わりですね。お疲れ様でした。俺は教室に忘れ物をしてそれを取りに行くので、それまで着替えてて下さい」

 

「あ、そうだ!この後に話があるから下駄箱で待ってて欲しいかな」

 

「そのつもりだけど…話ってなんだ?」

 

「それはまた後で言うにゃ!」

 

 

凛からの話とは何だろうか。

教室に向かい、また屋上に帰ってくるまでの間で思い当たる節は何もなく、例のことを思い出せずにいた。

 

下駄箱で待っていると、先に2年生の先輩方が通っていった。

今日は2年生の先輩方はそれぞれ予定があるらしく練習後すぐに帰るらしい。

またしばらくすると凛ちゃんらがやってきた。

 

「で、話ってなんだ?

 

「それなんだけどね、竜也君はいつパフェを食べさせてくれるのかな?」

 

 

…そういえばその話があったか。

 

 

「何よそれ」

 

「単純に言えば竜也君がパフェを奢ってくれるんだって!」

 

待て。話が飛躍し過ぎている。そもそも俺は凛ちゃんのみにしか奢らない予定だったぞ。しかもアイス1個だ。

 

「それで今週末みんなでパフェを食べに行きたいな~と思ってたんだ!」

「なんか竜也君には悪いけど…でもみんなで食べられるなら花陽も行きたいかな」

「竜也がタダで食べさせてくれるなら行かないこともないわね」

「それじゃあ決定~!竜也君もそれでいいよね?」

「はぁ…勝手に決めやがって」

 

 

でもまあ、この4人でどこかへ食べに行くことは今までなかったんだし、いいか。

 

 

「仕方ないな。最近はみんな練習も頑張ってるし、たまにはいいだろ。今回だけだからな」

 

 

ということで、決まったまではよかったのだが。

 

 

その当日の朝。

 

俺達1年生組の4人のグループトーク(SNS)が動き出した。

 

 

『ごめんなさい!今日は風邪引いちゃって行けないです><』

 

とかよちんが朝早くにメッセージを送ってきた。

日々の練習の疲れが出たのだろうか、仕方ないか。

 

それぞれがかよちんへお大事にとメッセージを送信。

俺と真姫と凛ちゃんで行くのかなあと思っていた矢先。

 

『実は私も家の用事で行けないの。ごめんなさい、2人で楽しんできて』

 

と真姫がメッセージを送ってきた。おいおいお前もかよ。用事って一体何の用事だ。

 

そのメッセージを見た瞬間、俺は部屋を出て、向かい先の真姫の部屋へ行った。

 

 

「いきなり何よ…」

 

「家の用事ってなんだよ、いきなりすぎるだろ」

 

「しょうがないじゃない。さっきパパから電話があって今日は病院の方へ来なさい、だって」

 

「はぁ…それなら仕方ないのか。医者の娘ってのも大変だな」

 

「まあ、こんなの慣れたけどね。せっかくだし凛と2人きりで楽しんできたらいいんじゃない? 元々その予定だったんでしょ?」

 

「そうとはいえだな…」

 

俺はてっきり学校の帰り道とかそういうのを考えていたのだが。

わざわざ休日に時間を作って2人で遊びに行くには少し大層だ。

 

「ま、みんなのご機嫌を取るのもあなたの仕事ってことよ」

「一番手のかかりそうなお前には言われたくねえわ」

 

毒も吐かれたところで、この後どうするかを考えよう…。

只今の時間は10時。本来の集合時間まではまだ少し時間はある。

 

とりあえず凛ちゃんに電話してみよう。

 

 

『あ、竜也君~ おはようだにゃ!」

 

『おはよ。真姫の家の用事は病院の方に呼ばれただってさ。結局2人だけになってしまったけど、どうする?』

 

『丁度、凛もそれを聞こうと思ってたところだよ。やっぱりかよちんが風邪引いてしまったし、お見舞いに行こうかな~と思ってるんだ。竜也君も一緒に来る?』

 

『じゃあそれで行こうか。お見舞いの品を買わないとだし、とりあえず待ち合わせの時間とかは前言ってたのと変わらずで』

 

『お見舞いの品って竜也君律儀だね~。了解にゃ!それじゃまた後でね~』

 

 

よし。予定は決まった。

成り行きとはいえかよちんの家にお邪魔することになるのか。

それなりに貞操は整えていかないとだな。

 

 

「凛とどうするか決まった?」

 

部屋のドアを開けられると真姫が入ってきた。

身だしなみを整えようと思ってたところだからノックしてくれよ。逆の立場だったら絶対文句言うぞ。

 

「ああ。とりあえずかよちんの家にお見舞いへ行こうって話になった」

「そう、それならちゃんとした服を着ていきなさいよね」

「言われなくてもそのつもりだよ」

 

「…その恰好で行くつもり?」

「そうだよ、悪いか?」

 

真姫は少し溜息をついた。なんだ気に入らないのか…?

 

「前々から思ってたけど、竜也はどうも服のセンスがね。ちょっと他の服を見せてみなさい」

 

「お、おい」

 

そう言ってタンスやらを開け始めた。

逆の立場だったら絶対殴られるな…。万が一にでも下着のあるところを開けてしまったら命は無さそうだ。

男ってこういう時に辛いんだよなあ。

 

「いいもの持ってるじゃない。下はそのままジーパンとして上は…これと、これでどうかしら?」

 

真姫が俺の目の前に立ち、俺の体に服を重ねる形でコーディネートなるものをし始めた。近いな。だからといってお互いに意識するわけではないが。

手渡された服を上から着たら、思いのほか無難な服装になった。真姫に手伝われたことが非常に悔しいが。

 

「何でもかんでも黒い服を着てたら危ない人に間違えられるわよ」

「大きなお世話だ。まあ…でも…助かった。サンキュ」

 

「あら~?聞こえないわね~?」

「ありがとうございましたっ!!これでいいんだろ?」

「よろしい」

 

いつかの仕返しだろうか。根に持ってたんだな…畜生。これは一本取られてしまった。

 

「それと…これ」

 

そう言って何かを俺に手渡してきた。

 

「なんだこれは?」

 

「私は花陽の家に行けないし…そのお見舞い品みたいなものよ。とは言っても急だったし、こんなものくらいしか用意出来ないのだけれど…」

 

真姫曰く、父親の関係で頂くお土産が余ってるから、むしろそれを処分して欲しいとのことだった。昨日もらったばかりのものらしい。

使い回しかよと言いたくなったのだが、その箱に入ってるロゴを確認してみると、俺みたいな情報に疎い人間でも知ってるような会社名がそこには書かれていた。

高いけどうまいケーキが売られてることで有名な会社じゃねぇか…なんでこんなものがポンと出てくるんだ。お金持ちの人脈半端ねえ。

 

「わかった。俺からかよちんに渡しておくよ」

「因みにそれホールであるから。3人居れば十分お腹も膨れると思うわ」

「へ、へえ…」

 

道理でこの箱が重いわけだ。

 

 

 

 

真姫にモロモロの礼をかる~く言った後に、家を出た。

 

 

あれ…ふと思ったのだが、俺と凛でお見舞いの品を買いに行く意味がなくないか?

あまりにも多い量を持って行って余らせるのも悪いだろうからな。

 

そうなるとかよちんの家に行く時間が早くなってしまうのではないだろうか。

病人の家にそんなに長居するのも悪いし参ったな…。

 

色々と考えているとすぐに集合場所に着いてしまった。

5分前だったが、その場には既に凛ちゃんが居た。

 

 

「あ、竜也く~ん!こんにちは~」

 

「よ、早かったな。凛ちゃんのことだからてっきり遅刻するもんだと思ってたけど、俺が待たせてしまうとは…」

 

「あー!凛をそんな風に思ってたんだ!ちょっと心外だなー!」

 

そんなこんなで凛ちゃんと合流出来た。

…そういえば凛ちゃんの私服を見るのはこれが初めてだったか。

今日の彼女の恰好は彼女に似合う可愛らしい服装をしているのだが、それでもスカートを履いているわけではなかった。…やはり前にも言っていたように気にしているのだろうか。

 

「早速かよちんの家に持っていくものを買いにいこっか!」

「そのことなんだが…」

 

俺の手に握られている、真姫ちゃんからのお見舞いの品をことを話した。

 

「えーっ!それじゃあ特に買いに行く必要なくないかな?」

「そうなんだよな、全く…。真姫のやつ出かける直前になって渡してきたから凛ちゃんに連絡が間に合わせられなかったんだよ。ごめんな」

 

「いいよいいよ、それなら手間が1つ省けたよ」

「とはいえ、かよちんの家に行くまでに時間が少し余ったな…」

 

この空いた時間をどうするべきか。

 

「あ、それならそれでパフェを食べに行きたいかな~!」

「この後ケーキも食べるんだぞ?そんな沢山食べられるのか?」

 

女の子的に体重とか気にしそうではあるが。

 

「いいのいいの!凛はどれだけ食べても大丈夫な体質だから!せっかく2人きりなんだし、竜也君とゆっくりお話ししたいかな~」

 

「そ、そうか」

 

よくよく考えれば完全に凛ちゃんと2人きりのデートみたいなもんだよな、これって。

過去に学校の下校中とかで女の子と連れ立って帰ったことはあっても、休日に私服で遊びに行くってことは初めてだ。

 

「というわけで、出発にゃ~!」

「お、おい!ケーキ落としそうだから待て待て待て!」

 

凛ちゃんが俺の手を掴んだ途端に急に走り出した。

かよちんはいつもこのスピードについていってるのか… 俺は平気だが彼女にとっては結構キツいだろうなあ…。

それだけ凛ちゃんが活発で元気な子、ってことか。

 

俺も俺で凛ちゃんと色々話が出来るのは少し楽しみではない、と言えばウソになる。

 

 

成り行きとはいえ、かくして、俺と凛ちゃんのデートが始まった。




繋ぎの回みたいなものです(汗

それではまた次回でよろしくお願いします!
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