ラブライブ! ~お嬢様と一つ屋根の下~   作:軍曹ニキ

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key.15 隠しきれない

ある朝、真姫と共に高校へ向かっていた時のことである。

 

マネージャーを始めてから自転車通学をやめて徒歩通学にした。

先輩たちも自転車に頼らずまずは歩いて体力をつけると言っているのに、俺が自転車で優雅に通学、というわけにはいかないだろう。

 

真姫は別に他の人に合わせようとするタイプではないし、自転車通学はしないのかと聞いてみたことがある。

 

「べ、別に自転車なんて乗らなくてもいいじゃない。徒歩で行ける距離なんだから!」

 

半ば怒り気味にこう返されてしまった。歯切れが悪かったのが気になったが。

それからはというものの、真姫と同じ時間に出て通学を共にすることになった。いや、なってしまったというのが正しいか。

 

凛ちゃんとかよちんに同じ高校、同じクラス、更には同じ部活で下校も一緒なのに、なぜ登校時は一緒じゃないのかとしつこく言われたことがある。

マネージャーとアイドルの立場なんだから仲良くしろだとか、それ以外にも色々根も葉もないことを言われた挙句、俺達は折れる形になり不本意ながら登校を共にすることになった。

 

まあ、以前ほどお互いに険悪ではなくなったので全く会話をしないというわけでもないのだが、それでもやはりどこかやりづらい。

 

歯切れの悪い会話をしていたら、高校が見えてきてやっと解放されると思ったのも束の間。見知らぬ女の子2人に声をかけられた。

 

 

「あ、あの… 一緒に写真を撮ってもらってもいいですか?」

 

「えーっと… それは俺と真姫どっちに対してかな?」

 

「あ、ごめんなさい… ま、真姫さんとです!お願いします!」

 

「い、いや…」

 

突然のことに驚くのも無理はない。急に写真を一緒に撮ってくれだなんてことはないだろうしな。

 

「一緒に撮ってあげろよ、μ'sを知ってくれたファンの子だろ。…そうだよね?」

 

「は、はい!私真姫さんの大ファンで…いつも応援してます!」

 

そんなこんなでぎこちないながらも、真姫はファンと写真を撮ることになった。

スクールアイドルで有名になるのも大変なこった。

これから先に万が一にでもA-RISEと同等の位置を目指すのであればこういうことも増えるんだろうな… マネージャーの俺にはさほど関係ないことだが。

 

 

「写真ありがとうございました!お二人のデート邪魔しちゃってごめんなさい!仲良くしてくださいね!」

 

 

…ファンの子は最後にとんでもない爆弾を投げて去って行った。

 

 

「男女が並んで歩いてるだけでそう思われるのか」

 

「私みたいな"人気"スクールアイドルとデートしてると思われるだけでも感謝しなさいよね」

 

「おーおー。写真せがまれたくらいで急に鼻高々ですねぇ~」

 

「相手は女の子なのに写真を頼んできたのがアンタじゃなくて残念だったわね~?」

 

「ほざけ」

 

別に写真をせがまれたいだとかそんな思いは持ち合わせちゃいないが、実際に真姫に人気があっての出来事なのは事実だし、何も言い返せなくなったのは悔しい。

いつか見返すのは―― 俺がマネージャーで真姫がスクールアイドルな時点で難しいだろうな…

 

思わず大きな溜息が出た。

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

にこ先輩が新しく部員として加入してから、少しずつグループ全体の意識が変わったような気がする。

…まあ、正直あの人の価値観はズレている気がしないでもないが。

 

先日起こった一件の話だが今ここで簡単にお話しよう。

 

ある時、生徒会の部活のビデオ撮影でμ'sも取材を受けることになった。

 

いざその取材のビデオを撮ってみると、ありのままの緩い雰囲気を映されて嘆く穂乃果先輩、プライバシーの侵害だと怒る海未先輩、そしてビデオの前だけアイドルを演じ切るにこ先輩。

ある意味、にこ先輩の意識には驚かされてばかりだし、スクールアイドルだから別にありのままでもいいんじゃないかという思いもあった。というか、あんな姿を穂乃果先輩たちがやる姿を想像出来ない。

 

真姫には何かしらの罰ゲームでやらせてやりたい気分になるが…。

 

マネージャーでもある俺にもカメラが向いてきたのだが、俺はアイドルじゃないからということで丁重に断る…はずだったが、穂乃果先輩の押しに負けた結果、俺もビデオに映ることに。

 

にこ先輩は「アイドルのビデオに男が映るなんてあり得ない!」なんて言ってたが、まあ正直一理あるかもしれない。あくまで"スクール"アイドルなのだから気にする必要もないのでは?という思いも密かにあったが。

 

そんな中、アイドルに対する意識の高さから、にこ先輩がある疑問を投げかけてきた。

 

 

「リーダーは一体誰なのか?」

 

 

ということである。

 

正直、俺の中では穂乃果先輩以外に考えられなかった。

グループの成り立ちの際に、一番前面に立って引っ張ってきたのは穂乃果先輩なのは言うまでもない。俺自身がマネージャーにやる気になったのも、穂乃果先輩が今まで俺のことを気にかけてくれたからであるし、実際他のメンバーの勧誘も穂乃果先輩のおかげだ。

 

…という話を、正直にミーティング中に話したらみんなに目を丸くされてしまった。正直に言っただけなのになぜだろうか…。

ただ、にこ先輩が歯ぎしりをしていたことだけはよく覚えてる。というか、にこ先輩は自分がリーダーになりたいだけなのでは…。

 

そこでにこ先輩の無理やりな先輩特権、部長特権を乱用し、リーダー決めをした。

最終的な結論として、穂乃果先輩の「みんながセンター」という鶴の一声で全てが決まった。

 

…まあ、そうやってみんなを納得させられることを言ってのけるからこそリーダーに相応しい人なんだろうけどね。やっぱこの人には敵わねぇわ。

 

 

そんなこんなでリーダーも決まり、またこれからも頑張っていこうという時に、また1つ物語が動き出しそうな情報が入ってきた。

 

 

 

 

「大変です!"ラブライブ"です!"ラブライブ"が開催されることになりました!」

 

 

部室で休憩していたら、かよちんが慌ただしく入ってきて開口一番にこう言った。

どうやらこの"ラブライブ"というのは、スクールアイドルのナンバーワンを決める大会らしい。

アイドルのこととなるとキャラの変わるかよちんは、すっかりテンションが上がりっぱなしだった。

 

「完全に観客として観に行くみたいな話になってるけど、かよちんも出場するんだからな」

 

「そ、そんな…!私たちが出場だなんて恐れ多いよ!」

 

…大丈夫だろうか。

 

今のμ'sの知名度では難しいのではと思っていたが、どうやらラブライブのサイトの急上昇のピックアップスクールアイドルに選ばれていたようで、少しずつ知名度は上がっているようだ。

そのような知名度アップがあったからこそ、真姫が写真を頼まれたりしたのだろう。

今後も他のメンバー達にこういったケースが増えそうだ。

 

 

その時にふと思ったのだが…穂乃果先輩が改めてリーダーとなった後に撮ったPVはともかく、それ以前のビデオは誰が撮ったんだ…?

先輩達に聞いたら最初の講堂でのライブは自分たちは撮っていなかったらしいし、友達にも頼むのを忘れてたらしい。ということは、μ'sの関係者以外の誰かが撮っていたということになる。

希先輩…だったら撮ったビデオをデータごと渡してきそうだ。

 

 

 

だとすると、あの場に他に居た人は――

 

 

 

――まさか、な。




忘れた頃に更新します()

頭の中で構想は出来てるのでちょこちょこ時間が出来た時に今後も更新していこうかなあと。
今回は繋ぎの回です。
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