ラブライブ! ~お嬢様と一つ屋根の下~   作:軍曹ニキ

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お久しぶりです!
某動画サイトの動画作りなどに明け暮れてたらすっかり3か月も空いてたとは…。


key.20 不用心

「アンタ達―― 一体何してるの?」

 

部室に入ると、机で勉強しているはずの凛と竜也が地べたに座って何かをしていた。

その何か、とは状況だけ見れば、私の目が確かなら凛が竜也に抱き付いているように見える。

いくら勉強に怠惰な凛でも、竜也ならさすがに見張れるとは思ってたんだけど。

 

まさか凛と竜也は…。

いやいや、そんなはずはないわ。

まあそういう関係なら別にいいんじゃないかしら、別に?

 

それならそれで、すっっっっっーーごくイライラする話だけど。凛の方はめでたいけど、相手があの男っていうのが何より気に入らないのよね。

 

隣に居る花陽も状況把握出来ていないのかフリーズしている。

 

とりあえず、まず落ち着いて今までの流れを整理しようかしら…。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

暑い中での練習が一段落した頃。

 

「あっつ~い!この炎天下の中での練習だなんて、にこのお肌に悪いわ!」

 

まーた誰かさんが自分が可愛いアピールしてる。学年的に見れば一応先輩なんだけど、全ての言動が先輩らしさに欠けていると思う。普段私に「もう少し先輩に敬語を使え」と言ってくる竜也でさえ、敬語を使うのをためらうレベルと言ってたくらいだし。

そういう意味でも、絵里が今後は先輩も後輩も関係ないと一蹴してくれたことは、私にとっては助かったわ。どうにも目上の人に対して喋るのって苦手なのよね…。

同じ学年の花陽、凛、あと竜也に対してはそういう意味ではこれまでも喋りやすい相手だったわ。ここに竜也を含むのは少々癪だけれど、事実だしそこは認めざるを得ないかもね。なんやかんやで好き勝手言ってもなんとかなるのって竜也だけだし。

アイツ自身はどう思ってるのか知らないけれど。

 

「そうだ!合宿行こうよ!」

「はぁ?急に何言いだすのよ」

「炎天下での練習だと体もキツいし、ええんやない?」

「でも、どこに…?」

「海だよ!海!夏だもの!!」

 

穂乃果先輩の唐突に提案しだした。暑いからとりあえず合宿だなんて単純過ぎやしないかしら。

そんな面倒な行事に行くわけ――

 

「費用はどうするんです?」

 

「そ、それは…」

 

海未の言葉に顔をしかめる穂乃果。

まあ、ああいう人だしお金なんて使ってばかりで、手元には持ち合わせていないんでしょうね…。

 

「ことりちゃん、いつバイト代入るの…?」

 

「えぇ~っ!?」

 

それでいて友達に借りようとするあたり本当にダメな人…。

どうしてこんな人がセンターなんだろう、と時々思ってしまうわね。

 

「そうだ、真姫ちゃん家なら別荘とかあるんじゃない?」

 

ことりがダメなら今度は私のところへ飛んできた。てっきりお金でも貸してとか言ってくるんじゃないのかと思ったわ。

 

「あるけど…」

 

「本当!?真姫ちゃんおねが~い」

 

そう言って穂乃果がすり寄ってきた。

か、過度に体を近づけるのはやめて欲しいのだけれど…。なんだか恥ずかしいじゃない。

 

「ちょ、ちょっと待ってなんでそうなるの!」

 

「そうよ、いきなり押しかけるのはよくないわ」

 

「そ、そうだよね…」

 

絵里に制された穂乃果の目は少し潤んでいた。

…な、何よ。合宿にそんなに行きたいの…? 私だってそんなに興味がないこともないけれど…

 

しかも見れば他のみんなもお願いするかのような目で、私の方を見ていた。何よ、絵里だって合宿に行きたいんじゃない。

 

「…仕方ないわね。聞いてみるわ」

 

ホント、仕方ない人達。色々事情はあるだろうけどなんとかなるかしら?

あんまり大勢でつるむのって好きでもないのだけれど…どのみちあの別荘にもたまには行きたかったしいい機会だわ。

 

「じゃあ、早く竜也くんと凛ちゃんにもそのことを言わなきゃね!」

 

「そういえば勉強の真っ最中だったね…私たちで決めて良かったのかなあ?」

 

「凛なら聞かれたら行きたいって言うタイプでしょ。あのマネージャーはなんて言うかわからないけど」

 

竜也なら性格上、泊まりがけのところに一人だけ男はマズイだろだとか言ってきそう。でも最終的にマネージャーだしみんなが行くなら、って理由で来そうな気もする。

建前はそれだとしても、本音は異性と遊びに行きたいとか思ってるかもしれないけどね。

そこまで考えて悩むフリをしそうだし、ホントあいつって計算高い男なのよね…。

 

「勉強してるところに大勢で押しかけるのも良くないので、真姫と花陽で2人に事情を話してきてくれないでしょうか?」

 

「なんでわざわざ私が…」

 

「まあ、別荘を貸してくれる立場やしね?それに勉強中のところなんやから、気を遣わずに済む1年生同士が行った方が、話が早いやろ?」

 

「先輩も後輩も関係ない、って言いはしたけど、ついさっきだしね。私たちが相手だと今はまだ気を遣ってしまうんじゃないかしら」

 

「とりあえず真姫ちゃん、いこっか」

 

結局花陽と2人で勉強している凛と竜也の元へ。

…しっかり勉強しているかしら。それなりに時間も経っているし息抜きに雑談している頃合いかしらね。

 

――なんて考えていた私の予想は外れることになる。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

そして今。

 

竜也と凛が何やら怪しい動きをしているようにしか見えないこの状況。ただただ唖然とするしかなかった。

 

「ああいや、これはだな…。勉強も一段落して少し休憩していたところなんだよ、そうだろ凛ちゃん?」

 

「そそそそそういうことだにゃ!」

 

凛の方はあからさまに焦っている様子が伺える。竜也の方も…若干声が上ずっているように感じた。

本人達にどれくらいその気があるのかはわからないけれど、ドアを開けたらこうなってるのとか勘弁して欲しいわよね。

 

「え、えーと…普通に柔軟してたってことだよね…?」

 

後ろからこっそり見ていた花陽が確認するかのように問う。

 

「そうだよ。なんだか凛ちゃんが力を入れるから~って言ってたらこうなった。不可抗力。俺は悪くない。以上」

 

「なんでそんな片言なのよ…」

 

平静を装ってるつもりなんだろうけど、やっぱり焦ってたんじゃない。

まあ、こういう場面で焦るってことはコイツも異性を気にするタチだった、ってことね。いっつもクールに決めてることが多いからロボットじゃないのかと思うこともあったくらいだし、ある意味安心したわ。

 

「ま、それはおいといて。アンタ達に話があって来たのよ、花陽もオドオドしてないで」

 

花陽はあの2人の行動を見てから少し混乱しているかのようだった。

凛がああいう行動を取ってたのは花陽からしても、結構珍しいことだったのかしら?だから驚いて身を引いてたんだろうし。

あの2人がどういう関係になろうが私には関係ないことだけど。

 

「ご、ゴメン…2人の様子を見てビックリしちゃって…。先輩からのお話があって部室に来たんだけど…」

 

「そういうこと。割と大事な話なのに、2人は勉強も忘れて勘違いを生むような行動をしてるんだから、浮かれたもんだわ」

 

「普通に柔軟してた、って言っただろ!はい、この話はもう終わり」

 

どれだけ蒸し返されたくないんだか…。

 

「そういうわけで先輩からの話っていうのが――――」

 

 

………………

 

 

「へえ、合宿か。別にいいんじゃないか。先輩たちも良かれと思って提案してくれたんだろうし、マネージャーとしても反対する理由はどこにもない」

 

「凛も賛成~!合宿って何か楽しそうだにゃ~!」

 

凛は遊ぶことしか頭に無さそうね…。

 

「しかし…、真姫は大丈夫なのか?」

 

「大丈夫って、何がよ?」

 

「そんな簡単に大勢で別荘なんか押しかけていいのか、ってことだよ。色々と"事情"があるだろう」

 

そういう竜也は少し真剣な目をしていた。さっきまで慌ただしくしていた人と同一人物だとは思えないわね。

…竜也の言う通り家柄の"事情"というものが、確かにある。

未だに部活の話はパパやママにもしてないし、スクールアイドルなんて話題すら出したこともない。竜也もその辺は分かって話はしてないみたいだし。

…そういうところだけ気を遣ってくる優しさが逆にムカつくけど。

 

別荘に行くことはよくあるけど、あれほどの人数を連れて行くとなれば、それなりに理由は聞かれるだろう。ママや執事の和木さん聞き流してくれるかもしれないけど、パパは…。

やっぱり一度は話をしないといけないのかもね。反対されるかもしれないけど、テストの点数だとか結果は出してるんだし何も言われないはず。

それに、パパは別に私が何をしてても滅多に何も言ってこないんだから。

 

「別荘なら私だって毎年行ってるし、それに友達を連れて行くって言うだけだし大丈夫でしょ。

…それよりもマネージャーとはいえ、アンタも合宿について行くの?可愛い女の子が大勢居るところに、異性を意識する思春期真っ盛りの男も泊まりがけだなんて…大丈夫かしら?」

 

「人をからかう余裕があるくらいには大丈夫なんだな、よーくわかった」

 

「…ま、そういうこと。それじゃあ私たちは戻るから。凛は勉強頑張りなさいよ」

 

 

…しかし、他人に勉強を頑張れ、だなんて。

 

後に自分のテスト結果を見ると、とてもじゃないがそんなことは言えたものではなかった。

 

 

――私の日常が、少しずつ壊れはじめようとしていた。

 

 









少しずつ、話をドライブさせる時期、ですかね?
次回をお楽しみにしていただければです><
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