今回から東方空雲華を書かせていこうと思います。今回が初投稿ということなので駄文ばかりだと思いますがよろしくお願いしますm(__)m
それとひとつ注意が。主人公の口がとても悪いので気分を害する事も多々ありますがよろしくお願いいたします。
また、感想等は良い点、悪い点をどんどん書いてくれると嬉しいです。
ではではどうぞ
――――幻想の世界へと
第一話 空中から異世界突入したら間違いなく死ぬ
――――誰も見てくれない。
――――誰も見つけてくれない。
――――寂しい。
――――誰か、見つけて。
――――忘れないで。
そうしないと―――――――。
―――……………
―――…………
―――………
「はぁー………」
学生服を着た少年が大きくため息をつく。
世間の誰からも忘れ去られ、親族からすらも忘れ去られ、そんなところに嫌気がさして家を飛び出し、深い森林に飛び込んだところその森林から出られなくなっていた。
……いつか歩いていやぁ何処か着くと考えていた自分を殴りたい。
一応学生ズボンの両ポケットには財布とケータイが入っているが財布はたいした金額は入っておらず、ケータイもこんな山奥ということで使うのを放棄した。
「まったく、どうしたものかねぇ………」
とにかく進まないと始まらない。
「………陽がくれる前に一軒でも建物があればいいんだが………」
森林の奥を見つめながら呟く。
と、
「ん?あれは………」
少年の瞳には少々風変わりした店が映っていた。
「……まともな人でありますよーに」
こんな山奥に住んでいるなんておおよそまともに人物ではないだろう。
建物の前に来ると違和感を感じる。
建物の脇に日用品のものやいつ頃使ったのかわからない看板が無造作に置かれていた。
しかも建物には看板が付いており、そこには〈香霖堂〉と書いてある。
「……こんな、森のなかに……店?」
怪しさ満載すぎて何も言えないのだが……。
「…入るしかないか」
自分に言い聞かせるように言い、昔風味な暖簾をくぐり、店の中に入る。
「すみませーん」
店に入ると同時に声をあげる。
すると店の奥から少年より背が高く、眼鏡をし、少々風変わりな格好をした男性が出てきた。
「誰だい、こんな真っ昼間から……あれ、君は…」
男性は少年を見るなり驚いた顔をする。
「…始めてみる客だな」
「そりゃそうだろ、始めて来たんだから」
男性が近くの椅子に座る。
「それで何か用かい?」
「用……まぁそんなところだな」
「ならば手短に頼むよ」
「ここは何処だ?何県だ?」
「県?あぁ、外の世界の事か」
「はぁ?何言ってんだおっさん、ここは外国じゃねぇしそもそも日本だろ?」
「まぁ確かに日本は日本ではあるが………日本ではないな」
「すまん、理解が出来ないんだが」
先ほどから男性の言っていることがまったく持って理解が追い付いてない。
「この際だから話しておこうか。ここは日本の何処かの一部を結界で包み込んで作った世界だ。この世界に住んでいる人は幻想郷、そう呼んでいる。ただし希にその結界を外の世界、つまり君が元いた世界の人が抜けてきてしまう。そういう人を外来人と呼ぶ。その人達はこの世界に安住するか、博麗神社にいる巫女に結界を開いてもらい、元の世界に戻るか」
そしてチラと少年のほうを一瞥する。
「………言っておくけどこの世界にいるようならいつ命を落としてもおかしくないからそこは覚悟しておきたまえ」
「ほぉ、そりゃまたなんで」
「この幻想郷には人間だけではなくて神や妖怪、その類が数多くいる。特に襲われやすいのは夜だね」
「生憎、俺は今更命を落としたって別にどうも思わねぇよ」
「……君はまだ若いようだが。そんなに命を粗末に扱うものじゃないよ」
「まぁいいや、とりあえず人が住んでいるところに案内してくれ」
「別に構わないが………そういえば君の名前を聞いてなかったね。あぁ、僕はこの香霖堂を営んでいる森近霖之助という」
「東雲橙矢だ。すぐに忘れるとおもうがな」
「大丈夫だよ。この幻想郷には一度見たものを忘れない程度の能力を持ってる人がいるからね」
「さっきから言ってる能力ってなんなだよ?」
「まだ説明がまだだったね。幻想郷にいる神々や妖怪や一部の人間はある能力を持っている者がいるんだ。例えば僕なんかは物を見るだけでその物の名前と用途が分かる程度の能力だ」
「へぇ、あんたはさっきいってた一部の人間か?」
「半分正解で半分外れだ。僕は妖怪と人間のハーフ、半人半妖」
「……何でもござれだな」
「そりゃあ幻想郷だからね」
「なんだよその屁理屈」
「何でもないよ、それじゃあ行こうか」
そう言い、霖之助が席を立つ。
「ま、よろしく頼むよ」
霖之助に続いて香霖堂を出た。
「さて、人里についたよ」
なんとか森の中からでると人や家や店などが並んでいる集落的なところに出た。
ただし家や人々が着ている服などが一昔前のもので家でも基本が一階建てで高くて二階建て。
人々の服も江戸時代の農民が着てそうな服がほとんどだ。
「何とかいうか、一生に一回こういう光景をみるとはな………」
「なるべく自分の常識と掛け合わさないようにするべきだ」
「なるほどなぁ、まぁ人がいるだけでも十分ありがたいよ」
「あ、僕はこの後用事があるからこれで、これから始まる幻想ライフを楽しんでくれよ」
「事実なのか幻想なのかはっきりしておきたいんだが……別にいいか。ありがとうな、送ってくれて」
「礼には及ばないよ。また何かあったら僕のところに来るがいい」
「あぁ、そうさせてもらうよ」
「あ、そうそう。君にはこれを渡しておくよ」
そう言って霖之助が服の中を漁る。
すると出したのは一メートルあるかどうかの長さの日本刀だった。
「えーと、これは日本刀と言って―――」
「待て、それは分かる。向こうにも有ったしな。そうじゃなくて。それどうやってしまってたんだよ、あとなんて物騒なもん持ってんだよ」
「あくまで護身用だよ。それとこれは背中にかけてたんだよ。どうやるか分からないからね。それにそれ昨日拾ったばかりだしね」
「あ、そうかよ………てか本当にいいのか?」
日本刀は使い勝手によっては人をいとも容易く殺してしまうものだ。
それを一高校生の、しかもこの幻想郷とかいうところの新参者である橙矢が受け取って良いものか。
「なに気にしなくていいよ。君は見た目や口調は悪いけど大丈夫だと思うよ。それに武器は持っていて襲われたときにはあった方がいいだろ?」
「ま、まあそうだが」
「じゃ、僕はもう行くね」
霖之助は橙矢に日本刀を押し付けるように渡して来た道を戻っていった。
「………………ったく、何なんだあいつ……」
愚痴りながら刀をどうするか考える。
「ってこれ腰に付けるやつじゃねぇか、なんで背中にかけてたんだよ」
どうでもいいかと思い改めて人里(霖之助がそう呼んでいたのでそう読む)を見渡して歩き出す。
すれ違う人々がチラチラと見てくるが仕方ないだろう。
「おいあんた」
不意に声をかけられた。
「あ?」
振り向いて声の主にピントを合わせる。
ある村人の男性だった。
「………なんだよ俺に用か?」
「用というか……まぁいい、あんた外来人だろ?」
「あぁ、そうだが」
「ん、一応話は聞いてるみたいだなだったら大丈夫だな」
「話を聞いていたらどうなんだよ」
「そんなに警戒なさんなって。お前さん、泊まる場所とか決まっているのか?」
「別にそこらへんで野宿すればいいだろ」
「それじゃあ妖怪に食われちまうぞ?」
「じゃあどうすればいいんだよ」
めんどくさそうに髪の毛をかきあげながら声を少々荒げる。
「今からワシが人里で挨拶しておいた方がいい人と話をしてこい。そうすれば何処かの部屋の一部くらいくれるだろ」
「それで、その挨拶しておきたい人は何処にいんだよ?」
「寺子屋だ。ワシが連れて行ってやろうか?」
「あれ、あんた仕事中じゃ?」
すると男は高笑いして店の中から出てくる。
「はははは、口が悪いくせに気を使うのな」
「…行くなら早くしてくれると助かる」
「おぉすまん、じゃあ付いてきてくれ」
歩くこと五分ちょい、二人はある建物の前に来ていた。
普通の家よりは奥に長い。
「で、ここが寺子屋か?」
「あぁそうだ」
「それでどうすんだよ」
「あー、来たのはいいんだがまだ授業中って事を忘れてたな」
「………おい」
「ま、まぁ待て。もうそろそろ終わるはずだ」
「それなら別にいいんだが……」
「噂をすればだな」
ん、と顔を上げると寺子屋の出入口からまだ小学生くらいであろう子供達が出てきた。
「またねーせんせー!」
「けーねせんせーバイバーイ!」
などと元気な声が響く。
元気そうな声に顔をしかめる。
そんな橙矢に男が苦笑いして肩を叩く。
「坊主は子供が苦手みたいだな」
「うるせぇよ、人の弱点ばっか見つけてると嫌われるぞ………。それにしても何だって?けーね?そんなような名前が聞こえたが」
「耳がいいな。そうだ。上白沢慧音、人里の守護者だ」
「………名前からして女性だと思うんだが合ってるか?」
「それは今から会ってみれば分かるだろ」
男は橙矢の腕を掴むと子供達が去ったばかりの寺子屋の出入口に連れて行く。
そして寺子屋の戸を引くと。
「すみませーん慧音さん。今大丈夫ですか?」
寺子屋の中に向かって少々デカイ声をあげた。
男の声にはーい、と答えが返ってくる。
声の高さからして女性だと判断する。
人里の守護者ともあろうものが女性とは甚だ滑稽だと思ったがそれは胸の奥にしまっておく。
言ったら最後この里から追い出されるかもしれない。
と、寺子屋の奥から人影が出てきた。
「どうした?何か私に用か?」
橙矢とほぼほぼ身の丈が同じ女性が出てきた。
「慧音さんお忙しいところすみません」
「いや、別に構わない……ん、その隣の人は?」
「あぁこいつですか、どうやら外来人らしいです」
そう男が説明すると慧音は橙矢に向きなおる。
「あぁ、すまない。私は上白沢慧音という。それで君はもうこの世界について誰かからか説明を受けているか?」
「一応、香霖堂の店主に教えてもらったよ」
「で、どれくらいまで把握している?」
「この世界で住むくらいの知識はある」
「それなら大丈夫だな。泊まる場所は?」
「決まってない」
「そうか、なら私が手配しようか?」
「そうだな、宜しく頼むよ、けーねせんせー」
軽い冗談のつもりで子供が呼んでいた風に呼んでみる。
「天誅!」
「ごふっ!」
ふと慧音の姿が消えたと思ったら腹に衝撃が走った。
何事かと見てみると慧音が橙矢の腹に頭突きをしていた。
倒れそうになるがなんとか耐える。
「痛ぇ………」
「当たり前だ、初対面でいきなり名前を呼ぶやつがあるか」
「突っ込みどころおかしいだろ……」
愚痴りながら立ち上がる。
「それに腰にそんな物をぶら下げていたら誰だって警戒するだろ」
「は?腰?」
自分の腰に目線を落とすとさっき霖之助から貰った日本刀がぶら下がっていた。
「はーはーすみませんね、護身用としてぶら下げてました」
適当に謝るとまた頭突きか飛んでくる、今度は顔面目掛けて。
「おいおい単純すぎだろ」
身体を横にずらして避ける。
「えっ!?」
「危ねぇぞ」
バランスを崩して倒れそうになる慧音の腕を掴んで引き戻す。
「す、すまない」
「全くおかげで退屈しねぇや」
クッと喉の奥を鳴らす。
「そんなことより案内してくれるんだろ?」
「あ、そういえばそうだったな」
「………………」
「まぁ人里から少々離れるが……いいか?」
「あぁ、別にそこで構わない」
「じゃあ案内するから付いてきてくれ」
比較的に魔法の森という先ほどいた森に近いところに家があり、そこに住むことに決めた。
流石に今財布の中にある分だけで生きていくのはキツイと思い、仕事を探しに人里へ戻ってきた。
確かこの前の男の話では龍の像のところに仕事の掲示板かなにかがあるとか言っていた。ので早速行ってみた。
「えーと……俺に合いそうな仕事は…………いや時給が良いところだな」
と、時給が他のと比べて高いところがあった。
「お、これは………あ?紅魔館でメイドを募集?てか何処だよ紅魔館って。……あら、地図がついてる」
地図を見てみると人里から結構離れていたがちょうど人里と紅魔館の間に橙矢の家がある。
「……ちょっと執事もどうか話あってくるかな……あーでもいきなりは嫌だから明日くらいだな。こっから近くて今日出来る仕事ないかなー」
結局良い仕事が見つけられず辺りも暗くなったところで家に帰ろうとした。
しかし途中で急な階段を見つける。
「……こんな所にあったっけ?」
どうでもいいやと思いながら家に帰ろうとする。
その時階段の登った辺りの所から氷の羽を持った女の子が落ちてきて、橙矢の背中に激突する。
「うぉ!」
いきなりの不意討ちで耐えられずそのままうつ伏せに倒れる。
「……………ってぇな…何なんだよいったい……」
とりあえず背中に乗っているのをどかして立ち上がる。
橙矢よりも背が低い、小学六年くらいの子だった。
「どっから来やがった?」
くるくると目を回している女の子を担いで階段を見つめる。
「……ぜってぇ上からだよな……」
何か凄く嫌な予感しかしない。
そうは言ってもこのまま放置しておくのも悪い。
大きくため息をつくと階段を登っていく。
「うわぁ…」
これが階段を登りきったときの最初の一言だった。
階段が登りきった先には神社があり、そこまでは良かった。
ただ、光輝く弾がそこら中に飛んでいなければ。
ただ、神社で宴会みたいなものを開いてなければ。
ただ、その宴会に参加している者達が一目で人間じゃないと分からなければ。
「…………夢か」
一人で呟いてなるべく気付かれないように女の子をそっと下ろして来た道を戻ろうと試みる。
しかしそんなに現実は甘くなかった。
「わぁぁぁぁぁ!」
急に先ほどまで担いでいた女の子が大声をあげた。
宴会は賑やかであったが女の子の声はそれ以上にでかく、神社全体にまで響く。
当然の如く宴会の意識がこちらに一瞬だが向く。
橙矢にしたらこれほど長い一瞬は今までで感じた事がないであろう。
「あら、人間?」
宴会の真ん中にいたこの神社の巫女であろうか、……手に酒の入った枡が収まっている。
なんかもう……色々とおかしい気がする。
……いや、気にしたら敗けだ。
「あ、あぁ、一応人間だが」
「そ、何も用が無いのなら早く帰った方がいいわよ。捕まったら色々と面倒だから」
「は?面倒って何がだよ」
「あなた見たところまだ成人してないんでしょ?」
「……おい、まさか……」
「お酒を無理矢理呑まされる」
「冗談じゃねぇ。俺はさっさと帰るからな」
踵を返して帰ろうとする。
「あら、やっぱり無理そうね」
は?と振り向くと同時に固まる。
宴会に参加していた者達がこちらを見てニヤリと嫌な笑みを浮かべていたから。
「……………………」
「ま、軽い冗談はこれくらいにして」
戻って戻ってーと宴会に参加していた者達に言うと皆素直に戻っていった。
「それにしてもほんとに何しに来たの?」
「あー、そこに倒れてる子が急にぶつかってきたもんで連れてきてやった」
「それはご苦労様」
「どうも、にしても何で神社で宴会なんかやってんだ?」
「神社って言わないでくれる?ここは博麗神社よ」
「結局神社じゃねぇか」
「でもこの世界にはうちの他に神社がもうひとつあるのよ、知ってるでしょ?」
「あいにく今日来たばかりでね、知らないよ」
「へぇ、今日幻想入りしたばかりなんだ。あ、紹介が遅れたわね、私はこの博麗神社の巫女、博麗霊夢よ」
「東雲橙矢、以後お見知りおきを」
「……それであなたはこの後どうするの?」
「どうせ帰ったって寝るだけだし暇だからちょっとお邪魔してくよ」
「そう、ならついでにお賽銭にお金を入れてくれると嬉しいわ」
「えーと、確か十円だっけな」
そう言って財布を取り出す。
「なんなら財布ごと入れていくと良いことがあるかもしれないわよ」
「へーそうなんだ……なんて言うとでも思ったか」
「チッ、バレたか」
「いやあんたほんとに巫女さん?」
ほんとに何でもありだな………。
あまり宴会の騒いでる方に行くと酒を呑まされそうなので少し離れた神社の縁側で横になっていた。
橙矢が宴会に入って早くも一時間が経とうとしていた。
その一時間だけで結構な人と知り合った。
魔法使いや妖怪、さらに新聞記者だという天狗からは今度独占取材なんか迫られた所存だ。
「まったく、休む暇がねぇな。ま、元の世界よりかは全然まだマシか……」
笑みをこぼしながら寝返りをうつ。
すると目の前に誰かの足があった。
顔をあげると先ほど知り合った魔法使いの霧雨魔理沙が見下ろしていた。
「……なんだよ、この先に用でも?」
「いや、軽い酔い醒ましにちょっとその辺をふらふららしていたらお前がいたからな」
「悪いが話相手なら他を当たってくれるか。俺と話をしても全く面白くないし、逆に嫌な気分になるだけだぞ」
身体を起き上がらせて座り込む。
すると魔理沙も横に邪魔するぜ、と隣に座ってきた。
「………おい」
「ん?どうかしたか」
「………いや、何でもない」
何を言っても無駄だと思い、それ以上言うのをやめた。
「どうでもいいけどさお前って幻想入りする前はどんなことしてんだ?」
「何でそんなこと聞くんだよ……別にいいけどよ。何というか…一応学校には通っていたな、あぁ、この世界では寺子屋だっけ?でもいつからか知らねぇけど急に影がめっちゃ薄くなってな、その日を境に友人はともかく家族からも忘れ去られて何をしても気付かれずにいない存在にされた。そんな生活が嫌になったもんで森に突っ込んでいったらまさかの異世界だ………結局この世界に辿り着かなくても自殺するつもりだったしな。ま、役得と思っとくよ」
「なんつーか、お前図太いな」
「別に」
「……実はさ、私もお前ほど酷くはないけど霧雨家ってもは代々魔法道具の専門店でな、そこの娘だったんだよ。でも私は魔法使いになりたいって言ったから勘当されたわ……それでこーりん……あ、霖之助のことな。そいつに世話になったんだ」
「同情はしねぇけど大変だったんだな魔理沙、お前も」
「じゃあさ、私達似た者同士仲良くやろうぜ!」
「…………!」
思わず魔理沙の言葉に目を見開いた。
「珍しいこと言うんだな」
「へへ、そんな褒めても弾幕しか出て来ねぇぜ」
「なんじゃそりゃ」
魔理沙につられて橙矢も薄く笑う。
「あ、やっぱりここにいたんだ」
不意に後ろから声をかけられた。
「霊夢か、どうかしたか?」
魔理沙だけが反応した。
「あんたじゃなくて東雲に用があるのよ」
自分の名前が出てきたところで後ろを見る。
「俺にか?また賽銭のことじゃないだろうな」
「そんなんじゃないわよ、それよりも大事なこと、あなたにとってはね」
「俺に?何なんだよ」
特に気にしてもなさそうに目線をそらす。
霊夢はひとつ深呼吸すると口を開いた。
「あなた、能力持ちの人間ね」
―――――――――――――――続く……?