東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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はい、今回は諏訪子様を描かせて頂きました。といってもこの話には出てきてないんですけど……。
描きたい時に描きたいキャラを描く、それが夜桜Styleですから(´・ω・`)


【挿絵表示】


ではではどうぞ。



第百九話 集う者達

 

 

「……ぃ、む…さ……」

覚醒していく意識の中で何者かが自らの名を呼ばれて目を開ける。そこには命蓮寺のはぐれ者、封獣ぬえがいた。

「ぬえ………?あんたどうして……」

「村紗……!?」

ぬえは村紗を起こすと憂いが籠った瞳をした。

「良かった………。急に私がここに来たら村紗達だけじゃなくて仙人共もいたから何事かと思って……」

「……………ごめん」

「?どうして村紗が謝るのよ」

「ッ!そういえば橙矢は!?」

「………橙矢?あぁこの前の退治屋ね。見てないけど……。まさかこれ全部?」

ぬえの問いにゆっくりと頷く。

「………退治屋……!村紗、私は今から退治屋を探す。あんたはそこで寝てな!」

翼なのか尻尾なのかよく分からない物を広げる。

「待ってよぬえ!………私も行く」

「あんたは駄目だよ。第一行ったところでどうにか出来るの?」

「だったらあんたは橙矢が何処に行ったか分かるの?」

するとぬえは苦い顔をした。

「そ、それは………」

「それにあんたも行ったところでどうにか出来るの?」

「………………ッ」

「少しは考えなさい。………だから」

そう言って立ち上がるとぬえの腕を掴んだ。

「え、村紗?」

「私とあんた、二人で行けばいい」

「……………ふふ、ほんっとフレンドリーな奴なんだから」

ぬえが微笑むと同時に再び幻想郷が震え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口から夥しい量の血が吐き出される。

「カハ……!くそ………」

あまりの巨大な力に身体が耐えきれなくなっていた。

「もう少しだけ持てよ……!」

家に戻っていた橙矢は小一時間休息を取ってから妖怪の山へと向かっていた。

その様子をロキはつまらなさそうに木の枝に腰を下ろしながら見ていた。

「………東雲クン、もう少し休んでいた方が良かったんじゃない?」

「うるせぇ………。そんなの俺の勝手だろうが……!」

「そうだね、キミの勝手だ。……けど死んだらそこまでなんだからね」

「分かってるよ……。ロキ、お前はここから来るな」

不意に立ち止まってロキに振り返る。

「理由を聞いても?」

「こっから先は俺だけの問題だ。部外者のお前は何処かに身を潜めてろ」

「…………やれやれ、仕様がないね。第三者から見させてもらうよ」

「………どうぞ」

「じゃ、ボクはひとまずこれで。せいぜい未練を残さないようにね」

余計な一言を言うと霞のように姿を消した。

「うるせぇ………。ほんとにうるせぇ」

舌打ちをして視線を前方の山へと移す。

「………これで最後なんだ……これで……」

一歩一歩歩み始めると幻想郷が震え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如震え始めた幻想郷に妖怪の山の中腹で哨戒をしていた犬走椛は急いで山の上の方へと報告しに行っていた。

報告した天狗の中には射命丸文もいた。

「椛、これは一体どういうことです?」

「私の能力で見たのですけれど……どうやら結界が破壊されているようでして」

「博麗大結界が!?もしかして霊夢さんがやられたとか……」

「そこまでは分からないです。ただ今回のは規模が今までとは違いすぎます!」

「確かにそうですね……。椛、何か嫌な予感がします。付いてきてください」

文が椛の腕を掴むと飛翔した。

「え、あ、文さん……!?」

「迷ってる暇はありませんよ!」

幻想郷最速の速度で山を下っていく。

迫る木々を避けながら周囲を見渡す。

「とりあえず妖怪の山は無いとして……何処から原因が――――」

ふと視線を前方に向ける。

そこには見覚えのある少年が一人、佇んでいた。

「あやややや、橙矢さん?どうしてここに」

「ん………あぁお前らか。なに、今お前らが直面している問題を終わらせようと思ってな」

地響きがするなか橙矢が口の端を吊り上げる。

「では解決をしに来たのですか?」

「違います文さん!今の橙矢さんは幻想郷を破壊しようとしているのですよ!」

「破壊……?橙矢さん、どういうことです?」

椛から橙矢へと視線を向けた、途端橙矢が懐に潜り込んだ。

「椛の言う通りだ文。俺は終わらせる、と言ったが誰も解決するなんて都合のいいことは言ってねぇぞ」

袈裟斬りすると鮮血が舞う。

「え……?」

崩れていく文を横目に橙矢はゆっくりと腕を真上に上げると空を指差す。

「俺が結界を破壊してこの幻想郷を終わらせる。それでこの異変も晴れて終了だ!!」

「文さん!橙矢さん、馬鹿なことを……!」

「何も馬鹿なことじゃあないさ。元はといえばお前らが悪いんだろ?」

歪んだ笑みがさらに深くなる。

「私達が?冗談も止してください!」

「自覚がないのなら尚更だな」

身体を屈み込ませると一気に解放して椛に迫る。反応すると刀身が分厚い剣で受け止める。

「…………さすがに受け止めるか」

「橙矢さん!どうやってここまで……!来るまでには白狼天狗が…!」

「あぁ、それならいきなり襲ってきたもんだから全て返り討ちにしてやったよ。そのあとに河童やら厄病神やらが応援にきたが無意味だったな」

「……!?」

(……血を流しすぎてる……。これじゃあ橙矢さんは………)

椛は鬩ぎ合いながら橙矢の身体中に付いている傷を確認する。確か文の発行している文々。新聞では紅魔館では多くの実力者の攻撃を受けてさらにそのあと命蓮寺と連戦続きらしい。相当な出血をしているに違いない。

それとは裏腹に橙矢は冷静に分析していた。

(さてどうしたものか……。今からこいつを降すのはかなり面倒だし……。あ、だったらこの山の長の天魔って奴もかなり面倒そうだな。だったら………)

椛を押し返すと深く一歩踏み込んで刀を振り上げて――――真上から岩が落ちてきた。

「ッ!?」

足を強化させて後ろへと跳ぶ。

「行ったわよ花妖怪!!」

「分かってるわよ」

「ッ………」

森の奥から一条の光の柱が翔んでくる。

慌てて妖力で魔方陣を生成すると防いだ。さらにその上から焔と針が激突する。

「――――!」

瞬時に誰からの攻撃か見当をつかせると妖力の上から霊力を込めてやり過ごす。

煙が巻いて視界を覆うがやがてそれが晴れると目を凝らす。

そこには天人の総領の娘、比那名居天子と四季のフラワーマスター、風見幽香。不死の蓬莱人、藤原妹紅。楽園の巫女、博麗霊夢。紅魔館の瀟洒なメイドである十六夜咲夜。そして約一時間前ほどに潰した命蓮寺にいたはずの村紗水蜜。それと背中からよく分からない物を生やした少女がいた。

「………揃いも揃いやがって……」

ため息をつきながら現れた八人から距離を取る。

「橙矢……あんたどういうつもりよ!」

霊夢が祓い棒を橙矢へと向ける。

「………どういうつもり、か?この状況を把握出来てないのか博麗の巫女でもあろうものが?」

「全人類の緋想天!!」

「唐突なスペルだな天子」

腕を強化すると刀を振り抜いて裂いた。スペルが真っ二つに斬れて橙矢の背後の地に直撃した。

「私のスペルを……!」

横に跳んで木に掴まると枝に乗る。

「合わせなさい咲夜!」

霊夢が叫ぶと橙矢の周りにナイフが出現して襲いかかる。一瞬それに気を取られて弾くことに専念する。

全て弾くと橙矢を二重の結界が囲んでいた。

夢符〈二重結界〉

「結界か……!だがこんなもので!」

腕を二振りすると結界を破壊すると橙矢に接近する影が二つ。

錨を振り上げた村紗と三又の槍を構えた背中から何かを生やした少女が。

槍を避けて掴むと足を振り上げて膝でへし折って引っ張り、錨と激突させた。

「――――ぬえ!!」

「視線を逸らすな馬鹿」

ぬえと呼ばれた少女が地に落ちると手を村紗へと伸ばす。

「……!」

「不滅〈フェニックスの尾〉!」

妹紅がスペルを宣言する。

村紗への手を止めて回し蹴りしてその勢いで刀を投げつけるとピンポイントでスペルカードを撃ち抜いた。

「な……!」

足を強化させて一瞬で刀に追い付くと掴み、木の枝に着地する。

橙矢は残った者達を見下す。

「……………どうしたよ。お前らはそんな程度じゃないだろ?」

次いで徐々に崩れていく結界を見上げた。

「………何の犠牲も無しに護りきれるほどこの世界は安くない。………さぁ、お前らは何を犠牲にしてこの幻想を護る……?」

 

 





はて、少し無理矢理過ぎな部分もあるのですが……。まぁ置いておきましょう。

感想、評価お待ちしております。

では次回までバイバイです!
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