書いてるやつって糖分少ないな
と言われまして……読み返してみれば確かにそうですね。……そういうの書くの苦手なので(ノдヽ)←言い訳
ではではどうぞ。
痛みなんてとうに消えている。いや、神経が機能を果たしていないといった方が自然か。
血は大量に流れ出て意識も朦朧としている。身体の繊維も千切れる寸前だ。コンディションは最悪。正直言って満身創痍もいいところだ。
それどころかよく死んでないと自身ですら思う。
(相変わらずしつこいな俺も………)
だがそのおかげで神に匹敵する力を得た。
光り輝くカードを手に橙矢は大きく息を吸うと叫ぶ。
「スペル発動……!」
「まさか……あり得ないわ!ただの人間がスペルカードをゼロから作り出すなんて……」
「ハッ、悪いが俺は初めからただの人間なんかじゃない」
さらに震動が激しくなり、立っているのも困難になる。
「橙矢やめなさい!貴方がしでかそうとしていることは幻想郷を破壊しかねない!」
「そう思うならそこで見てな。スペル―――
――――禁忌〈忘却の彼方〉」
宣言すると同時にカードが激しい光を放つ。
「まさか橙矢さん、幻想郷そのものを世界から忘れさせる気ですか!?」
「黙ってろ!」
あまりにもスペルカードが強力過ぎるため橙矢は制御に集中力を全て注ぎ込んでいた。
「まだ止められるわ!スペルカードを破壊するわよ!」
霊夢が檄を飛ばすと針を投げ付ける。
「ッ!」
集中し過ぎていたため確認する暇もなく突き刺さる。
「邪魔するなよ……!」
「それは無理な相談ね」
反対側から幽香が閃光を放ち、橙矢に直撃した。
「―――――ッ!」
情けなくも吹き飛び、集中力が切れる。
と同時にスペルカードに注いでいた力が橙矢に逆流してきた。
「しま――――――」
すでに満身創痍な状態だった橙矢の意識はいとも簡単に飲み込まれた。
「――――――――――!!」
倒れそうになった橙矢が急に身体を持ち上げ、耐える。
「……………マズいわ」
その様子を見ていた幽香の頬を冷や汗が流れる。
「………幽香?」
「全員構えなさい。…………死にたくなければ一瞬たりとも気を抜くんじゃないわよ。一瞬でも抜けば………あの世に即送られるわ」
「橙矢に何があったのよ!?」
「まだ分からないですか!?スペルカードを生成されているものが神力なのですよ!それにスペルカードをゼロから作り出すとなると多大な集中力がいる。それを少しでも間違えればその力が逆流して暴走しますよ!」
椛が剣を構えて橙矢を睨み付ける。
「チワワちゃんの言う通りよ。前は暴走して妖怪になるだけだった。けれど今回の橙矢は神に近い存在よ。そんなの……どう太刀打ちすればいいのよ」
幽香にしては珍しく焦った様子で一歩、退いた。
それと同時に橙矢がスペルカードを手放す。
「……………」
気が付くと椛の目の前に橙矢が迫っていた。
「―――――ッ!?」
剣を縦にして今まさに椛を裂こうとした刀を防ぐ。しかし吹き飛ばされて木に激突した。
「チワワちゃ―――――」
「――――――」
幽香の顔を掴むと地に組伏せる。
「ぐ……」
傘を振り上げて先端の標準を橙矢に向けると光の奔流を放つ。
それを素手で受け止めると拳を振り上げる。
「全人類の緋想天!!」
天子が緋想の剣を真っ直ぐ向けるとレーザーを撃つ。
橙矢は神力で生成した陣を展開して防ぐ。しかし勢いは止められず吹き飛んだ。
「………」
舌打ちすると刀を振らずに斬撃を放った。
「ッ!?」
ノーモーションからの不意討ち。さすがの天子もこれを避けられずに直撃した。
すでに先の橙矢との戦闘で疲弊していた天子の意識は簡単に刈り取られた。
「刀を振らずに………!?」
「何処まで人間辞めれば気が済むのよアンタは!!」
悪態をついて橙矢に札を投げ付けるが全て斬り伏せられる。
その隙に妹紅が上空へ移動すると焔を凝縮させて眼下の橙矢へと放った。
「霊符〈夢想封印 散〉」
陰陽玉が橙矢の周りを回り、逃げ場を無くす。
「ッ…………」
「さっさと元に戻りなさい橙矢!!」
霊夢が叫ぶと同時に焔が橙矢に直撃した。
爆風と煙が全員を襲うがそれどころではない。
「橙矢は………」
瞬間煙をかき消して斬撃が飛んでくる。
「避けて!」
しかし妹紅は避けられずに脇腹を深々と裂く。
「ッゥ!」
血を吐きながら大きく後退して距離を取る。
追撃をかけるように橙矢が妹紅へと迫る。
「させないよ!」
村紗が横から橙矢を蹴り飛ばし、スペルカードを抜き放つ。
転覆〈撃沈アンカー〉
錨が橙矢に直撃すると続くようにもう一枚。
「まだいくよ!沈め、転覆〈沈没アンカー〉」
橙矢の上から錨が降ってくる。
「……!」
咄嗟のことで反応できずに錨の先端が橙矢の腹に突き刺さり、血を撒き散らして地に叩き付けられた。
「カハ……!?」
「手応えあり……!」
しかしすぐに錨を掴むと自身の身体から抜いて村紗に投げ返した。
驚愕した表情を作るも身体を捻って避けようと試みるが僅かに掠る。
「………!」
怯んでる間に村紗に接近する。それを妨害するように光の奔流が橙矢を呑み込む。
「少しは止まりなさい!」
「――――――」
橙矢の首がグルンと回って幽香の方へ向く。と同時に橙矢の背に深い斬撃が入る。
「……!」
何があったかと視線を後ろへ向かせると白狼天狗が。
「橙矢さん……!」
「何してるの!早く下がりなさい!」
「…………………」
振り返る流れで刀を抜いて椛を斬りつけるが浅く裂いただけだった。それを素早く確認すると椛の腹を蹴り飛ばす。
入れ替わるように咲夜が飛び出るとナイフを無数に投げ付ける。
鬱陶しげに刀を振るうと斬撃を放ち、ナイフを跡形もなく消し飛ばす。
咲夜が時を止めるとその手にナイフを構えて橙矢へと――――――
しかし咲夜の視界には橙矢はいなかった。
(何処へ………)
「甘いな」
その一言と共に咲夜の華奢な身体が地に墜ちた。
「ぐ………!?何が……」
目の前に橙矢が降り立つ。その姿がいやにはっきりと見える。
「………神の俺にそんな小細工が聞くと思うか?」
そう言って不意に振り向くと斬撃を放つ。そこには橙矢の背後に迫っていた霊夢と幽香が。
「きゃ―――!」
「―――――――ッゥ!?」
二人はまとめて斬撃に飲み込まれて吹き飛んだ。
「…………」
チラ、と村紗と椛を一瞥する。
二人は冷や汗を流しながらも錨と剣を構える。
「橙矢………あんたほんとに人間辞めたの……?」
村紗が刻まれた刻印を見ながら橙矢に問う。
「………………」
橙矢は何も言わずに刀を振り上げる。
すると刻印が光を放つ。
そして刀を振り抜くと斬撃が放たれる。
「まさか………あの刻印が神力の根源……?」
「何やってるんですか!」
椛が村紗の腕を掴むと横に跳んで避けた。
「危ないところだった……」
瞬間掴んでいた腕がふと消えた。目を見開いてゆっくりと横を見る。
「――――――――」
真横には橙矢が今蹴り抜いた体勢をしていた。
「船長さん!?」
「最後はお前か白狼天狗」
冷たい一言に椛は恐怖を感じた。一人だけ残されたとかそういうものではない。
橙矢が椛、ではなく白狼天狗、そう呼んだからだ。
愕然としている椛の首を掴んで地に叩き付けると首もとに刀を突き付ける。
「橙矢………さん……」
「…………………ッ」
椛が橙矢の名前を呼ぶと少しだけだが橙矢の目が開いた。その時橙矢の神力の根源である刻印に皹が入る。さらに頭を抱えると苦しそうにもがく。
「橙矢さん!?」
「………ろ」
「え……?」
「逃げ……ろ……椛!!」
紛れもなく橙矢の意識が戻っていた。だがやけに焦っていた。
「頼む……逃げてくれ………そうじゃなきゃ……おま……を……ろ……」
途切れ途切れになっていく橙矢の声はやがて消えてなくなり、刻印の皹が無くなった。
「………………」
再び神力に飲み込まれたのか無言になる。
「橙矢さん……すみません」
椛は跳ね上がる勢いで橙矢を蹴り飛ばすと立ち上がる。
「私は貴方を置いて逃げるなんてことはしませんよ」
精一杯の笑みを作るが身体がカタカタと震えている。だが退く気は微塵もなかった。勝機はゼロと言っても過言ではない。それどころか立っているのもやっとの状態だ。
「来るなら来なさい………橙矢さんは返してもらいます――――――」
しかしその時にはすでに橙矢は目の前に迫っていた。
そして刀の先端を真っ直ぐ椛に向けると――
―――――スキマから出てきた抜き手が橙矢を貫いた。
感謝、評価お待ちしております。
では次回までバイバイです!