東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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勉強しなきゃいけないのに二時間近く昼寝して時間が潰れましたウヘヘ(´д`)

ではではどうぞ。



第百十六話 Restart

先の戦闘ですでに限界は来ていた。だが幽香は倒れるわけにはいかなかった。

「許さない……!橙矢を虚仮にして……!」

傘を押し込むと閃光を放つ。

「おっと」

ロキは陣を展開して防ぐ。さらにそれを崩して弾幕とし、幽香を吹き飛ばす。

「ッ!」

幽香に脇を通って天子が緋想の剣をロキに叩き付ける。しかしレーヴァテイン・レプリカに容易く受け止められる。

「弱い……!弱すぎるんだよ!」

手を突き出すと衝撃波を放って吹っ飛ばす。

吹っ飛ばされながら緋想の剣をロキに向ける。

「全人類の………緋想天!!」

「……ッ!」

危険と判断したのか上空へ身を投げ出す。

するとロキの周りに陰陽玉が回る。

「何だ……?」

「霊符〈夢想封印 集〉」

陰陽玉がロキを押し潰すように四方八方から突撃した。レーヴァテイン・レプリカを振り回して刃の上で滑らせて受け流した。

「全て受け流すなんて……!?」

「さすがに今のは危なかっ―――――」

瞬間ロキにナイフが突き刺さる。

「ッは……!」

一瞬だが気が逸れる。その隙に村紗が飛び込むと錨を振り下ろす。レーヴァテイン・レプリカに受け止められるが力任せに押し返すと腹を蹴り飛ばした。

「嘗めるなよ!」

着地すると辺りが燃え始める。

「ん……」

「燃え尽きろ……!〈バセパイドフェニックス〉!」

妹紅が焔を巻き上げて不死鳥を模す。

「文字通り火力で勝負するか!」

焔で生成された翼をはためかせてロキに向かう。

「ただの鳥が…!墜ちろ!!」

レーヴァテイン・レプリカを不死鳥の脳天ともいえる場所に叩き付けた。しかし刃は通らなかった。

さすがのロキもこの硬度に目を見張る。

(こいつ……どんな術を使えばこんな硬度が出来る…………!?)

普通に霊力を込めただけではこんな硬度にはならない。だとしたら他の理由があるはず。

(他の力が働いているとしたら納得がいく………)

「縛れ、束縛の焔!」

焔がロキを縛り、動きを封じる。縛ったのは一瞬だけ。それだけでも妹紅には充分過ぎる時間だった。

「消えろ………!」

身体に纏っている焔を解除させてそれでロキを囲う。

「行きます!」

飛び上がった椛が落下する勢いのまま剣を振り下ろす。

避けられるが踏み込んで横に薙ぐ。焔ごと引き千切るようにロキを斬りつける。

「カハ……!」

「よくやったわチワワちゃん!」

幽香が傘で横から殴り付けて吹き飛ばした。

吹き飛んだその先には無数のナイフが。

舌打ちするとレーヴァテイン・レプリカを薙いで全て弾く。

「そんなんじゃ神であるボクは殺せないよ!」

「黙れ……!」

村紗が錨を投げ付ける。だが速度が遅すぎる。

「もうバテてきたかい?まぁ仕方の無いことだけど」

「そんなんじゃないよ………目ぇかっぽじって見てな……いや、喰らいな!」

村紗が腕を引くと錨が村紗の元へと返る。

村紗の手には鎖があり、それが錨に繋がれていた。

自らに迫る錨を跳んで避けると自身を中心として独楽のように回り、横からロキに激突させる。

ミシミシと骨が軋む音が聞こえて派手に吹き飛んで地を転がる。

「くそ……!まさかボクがここまでやられるとはね………」

「要石〈天空の霊石〉!」

腕を振り下ろすと上空からロキ目掛けて石が落ちてきた。

「うぉ………!?」

後ろへ跳ぶと焔の光線を放って要石を弾き返す。天子は手を翳すと要石を消した。

「私にそれは効かないわ」

「―――境符〈四重結界〉」

突如ロキを四重の結界が覆う。その結果は強力でロキでは到底破れないものだった。

「何だ……この力は!?」

「残念だったわねトリックスターさん」

スキマが開いて八雲紫が姿を現す。

「妖怪の賢者……!?」

「よくもまぁ今まで好き勝手やってくれたわね……この異変の首謀者」

「………ハハッ、さすがにキミだったら気付くか」

結界を破壊しようとレーヴァテイン・レプリカを振り上げる。

「結界〈動と静の均衡〉」

紫がスペルを宣言するとレーヴァテイン・レプリカが霧散する。

「何………!?」

「残念。今のスペルは相手のスペルを好き勝手に動かしたり、または静める。つまり止めることが出来るわ」

「ッ!?」

「………そういうことよ。決めなさい」

スキマを開いて手に橙矢の刀、天叢雲剣を取り、それを椛に放る。

「貴方が決めるのよ。犬走椛」

「え?」

「……………恐らく東雲さんもそう思ってるわ」

「……だとしたら私達のすることはひとつだね」

村紗が椛の隣に並ぶ。

「私達が隙を作る。何がなんでもね。出来るよねアンタら!」

「誰にものを言ってるのよ……!」

幽香が残り少ない妖力を放つ。

「チワワちゃんの為に………橙矢の為にやってやるわ……!」

「そうね。……橙矢を侮辱したこと……後悔させてやるわ」

残り一スタックのナイフを構える。

「この比那名居天子を置いて楽しそうなこと始めないでよね!」

緋想の剣の出力を増してロキを睨み付けた。

「トリックスターだか何だか知らないけど………楽園の巫女に逆らったらどうなるか……知らしめてあげる」

札と祓い棒を構える。

「……さて、白狼天狗。そういうことだよ。私達が全力でサポートする!」

地を蹴ってロキに迫る。

「妖怪の賢者!」

「分かってるわ船長さん」

パチン、と指を鳴らすと結界が膨張して爆発する。

「………!」

黒煙を突っ切って村紗が錨を投げ付けてロキが避けるとすかさず殴り付けて腹を蹴り上げる。

「ピッタリよ船幽霊」

緋想の剣を構えた天子が集中して力を緋想の剣の剣先に集める。

「また緋想天か……!」

「えぇそうよ。……ただし種族が違うわ」

「ッ!?」

ロキに焦りの表情が浮かぶ。

「全妖怪の緋想天―――――!」

放たれる緋黒い閃光。すぐさま神力の陣を展開して拮抗する。

「……ッ!」

「いっけええぇぇぇぇ!!」

陣に皹が入り、崩れ始める。

(マズい……展開しなおして……ッ!)

「させないわ!」

咲夜がロキの背後に現れるとナイフを投擲して残りのナイフを全て上空へ放つ。

全妖怪の緋想天を受け止めるために新たに生成した陣でナイフを弾く。次いで上空から無数のナイフが降り注ぐ。

防ぐ隙なくナイフが突き刺さる。

「……………!」

陣が崩れ、閃光がロキを飲み込む。しかしロキの姿が消える。

「何処に――――」

「馬鹿がッ!」

天子を横から蹴り飛ばして紫のスペルが解除したことを確認するとレーヴァテイン・レプリカを引き抜いて焔を凝縮させる。

「っざけんじゃないわよ!!」

背後から幽香が傘で殴り飛ばした。

「霊夢!」

 

神技〈八方鬼縛陣〉

 

下から陣が展開してロキを囲む。

「…………」

「犬っころ、私に着いてきな!」

妹紅が椛の腕を掴むと陣に突撃していく。

「え、ちょ、ちょっと待ってください!」

「ぐたぐた言うな!今がチャンスなんだよ!」

妹紅が陣に手を触れるとその部分が開かれた。

「わざわざ死ににきたか馬鹿が!」

ロキがレーヴァテイン・レプリカを神速で突き出す。

(まだこんな速さが……!?)

驚愕する椛を余所に妹紅は後ろに引くとレーヴァテイン・レプリカをその身で受けて掴む。

「今だ!犬っころ……!決めてこい!」

引いていた腕を突き出して椛を放す。

椛は天叢雲剣の振りかぶって――――

直前ロキが手を翳すと焔を放つ。

(この神何処まで………)

その時下から衝撃が走る。その衝撃で椛が元々持っている剣が抜けてそれを防いだ。

下方を見ると幽香と村紗が弾幕を放っていた。

互いの残り少ない妖力を合わせて常時に使っている弾幕とした。

それを腰に差していた刀身が分厚い剣に当てて抜かせることで防いだ。

二人は口だけ動かして椛に伝えた。

―――――――行け、と。

椛は剣をロキの方へ蹴り飛ばすと視界を奪う。

ロキがそれを弾くと目の前には椛が刀を真っ直ぐロキに向けていた。

「喰らいなさい……。これが、橙矢さんの敵――――!!」

叫ぶと同時に突き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロキの身体から大量の血が吹き出る。

明らかに致死量を越えている。

「ゴフ………ッ。はは……滑稽だね……キミと同じ道を歩むなん………て……ね……」

落ちながら空へ手を伸ばす。

「………幻想郷、崩れろ………このまま……終われ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

崩れゆく結界を見ながら椛は歯ぎしりした。

ロキを倒せたはいいが未だに一番肝心な結界のことを忘れていた。

「どうすれば…………ッ!」

「私に任せなさい」

紫が空へ翔る。

「ここまでやってくれたのだもの………私が何もしないわけにはいかないわ!!」

結界を展開させて新しい結界を作ろうとするが結界が破壊される連動で張った結界も破壊する。

「ッ!マズいわ………」

「何してるのよ!」

霊夢も紫並んで結界を補強させる。幻想郷の中で唯一結界を操ることが出来る二人だ。この二人で止めることが出来なければ幻想郷の未来はないと言っても過言ではない。

「………ッ!」

「紫!これ以上強めること出来ないの!?」

「無理よ!最大限にまで強めてるわ!」

無情にも結界は崩れていく。

「……ッ!嫌よ……!壊されてたまるものですか!今まであったこと全て無駄になっちゃうじゃない!紫のことも、母様のことも、ルーミアのことも、今までの異変のことも……………橙矢のことも!!全て消えてしまうのは嫌なのよ!だから………だからとっとと直りなさい博麗大結界―――――!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――スペル発動

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え………?」

霊夢が叫んだ瞬間頭の中で声が聞こえた。

何があったかと辺りを見渡すと辺り一帯が光に包まれる。

「何なの……これ!?」

光が集束し、一枚のカードを造り上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――禁忌〈忘却の彼方〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

橙矢が宣誓したはずのスペルカード。

「あれは……橙矢の………?」

そのスペルカードは再び光を放つと破壊されている博麗大結界を覆う。

すると地響きが段々と鳴り止んでいく。

「これは………」

「…………………なるほど、東雲さん。さすがね」

紫が納得したように頷く。

「紫?どういうことなの!?」

「…………東雲さんが先程スペルカードを宣言したとき私達は博麗大結界をこの幻想郷から忘却させる。………そう言ったわね」

「え、えぇ………」

紫はスキマを開くと霊夢を掴んでその中に引きずり込む。

抜けた先には椛達がいた。

「………けど東雲さんは違った。………博麗大結界を忘却させるのではなくドラキュラがやった〈三ヶ月後に博麗大結界が破壊される〉という歴史をこの幻想郷の歴史から忘却させた……………ということになるわ」

「…………どういうこと、ですか……?」

椛が震える声で尋ねる。

紫は俯くと低い声で言う。

「……………東雲さんは初めからこの幻想郷を救うつもりだったのよ……」

「で、でも橙矢さんは………」

「……恐らく操られたふりをしていたんでしょうね。そう考えれば……彼はずっと……ずっと一人で戦っていた、ということになる」

崩れかけていた結界が消えて元の博麗大結界へと戻る。そして揺れが収まると同時に紫以外の残っていた者達が倒れる。

「………………終わっ…………た」

「……そうね。終わったわ。全て」

そう言うと紫は橙矢の元へ歩き出す。

「………………東雲さん。本当にお疲れ様………どうか安らかにね」

我が子を見送るような微笑みを浮かべた。

橙矢の顔は安心して眠っているように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――こうして後に『叢雲の異変』と呼ばれる異変は終息した。

一人の少年の命と共に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




異変の名前とか作るのってかなり疲れる。

感想、評価お待ちしております。

では次回までバイバイです!
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