ifstoryはこの「紅魔館の日常」が終わり次第書いていこうと思ってます。
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さらに今回は友人に橙矢君を描いてもらいました!ありがとうございます。
普段とは少し違うブレザー姿、良いですね。
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ではではどうぞ。
橙矢が執事になって四日目
夜になって仕事を終えた橙矢は昨夜主人に殴られた箇所を擦りながら橙矢は紅魔館の庭に出た。
すでに女化は解けて男に戻っている。まぁそのせいで殴られたといっても過言ではないが。
「ど畜生め……。まぁ仕方無いか」
新調された執事服のネクタイを緩めて門番の様子を見に行くついでに今日の仕事は終わりだということを伝えにいく。
………あ、逆か。
「おい中国、起きてる………か」
扉を開けて首を左右に振るうが見当たらなかった。
「あれ、何処だ?」
「橙矢さん!」
急に上からの衝撃が橙矢を襲う。
「はぅ……!?」
脳が揺れて思わず地に伏せた。
と同時に目の前に誰かの足が見えた。
いや誰か、というのは些か失礼か。四日前からの付き合いだ。
「………ってぇな美鈴。いきなり何しやがる」
身体を起き上がらせながら愚痴を溢すといつも居眠りをしている紅美鈴がまったくといった様子で見下ろしていた。
「あちゃあ……橙矢さん男になってましたか……残念」
「………男に戻ったって言ってくれ。お前の言い方だと俺が元々女だということになるから」
「違うんですか?」
「違うって前々から言ってんだろうが……!」
「それは残念ですねー。せっかく用意したのに」
「用意?何をだよ」
「知りたいですか?」
「身の危険はバリバリ感じるけどな」
「ふむ、つまり危険を侵してまでも知りたいと」
「勝手な解釈御苦労」
「ではこんなのはいかがでしょう!」
そう言って何処から取り出したのかチャイナドレスやら外の世界の学校の制服を手にしていた。
「…………それを俺にどうしろと」
「ぜひ着てください!」
「俺今男ですけど」
「ならもう一度女に戻ってください!」
「お断りだ!」
「そんなこと言わずに!」
「絶対嫌だ!」
「なら男のままでいいですから!」
「落ち着け変態!」
(なんかこいつ色々とネジが外れてるな)
呆れながら壊れてきている友人の腕を掴む。
「ほらもう晩飯だから」
「あれ、もうそんな時間ですか」
「そんな時間なんだよ。……まさか寝てたのか?」
するとすごい勢いで美鈴は首を左右に振る。
「まさか。少し気を失っていただけですよ」
「………………」
ため息をついて引っ張るように美鈴を館へと連れて行く。
「咲夜さんには内緒にしてくださいー」
「………仕様がないな」
橙矢といえど鬼ではない。それこそ何処ぞのメイド長なんか目にくれないほどに。
「けど珍しいですね。橙矢さんが私を呼びに来るなんて」
「あー、ほんとは来るつもりなかったんだけどな………咲夜さんが『どうせ美鈴だから寝てるだろうから起こしてきなさい』って」
「あははは…………ハァ。お仕置きされますかね」
「次からはちゃんとしような」
半ば本気で泣きそうになる美鈴の肩に優しく手を置いた。
▼
料理が盛られている皿を手にした橙矢が扉を開けるとカチャッと軽い音がした。
「すみません皆さん、遅くなりました」
「構わないわ。それより貴方料理も出来たのね」
そう答えるは橙矢の主人であるレミリア・スカーレット。
「えぇ多少は、ですけれど」
「多少でそれだけ出来るんですよね………すごいです」
頭にナイフが何本か刺さっている美鈴が清々しい笑顔を橙矢に向ける。
………お仕置きが終わって清々したのかしら。
「外の世界では一人でしたからね。当然のことですよ。……出来るようになるまでは空腹で何度か死にかけましたけど」
そうあっけらかんに言う橙矢に多少なりとも呆れというものが出てくる。
「そ、壮絶な人生を経験してたんですね」
「そうでもないさ」
「そんなに謙遜しなくてもいいのよ。貴方は立派にやってくれてるわ」
そう言ってメイド長は笑みを作る。心なしか顔が少し赤い気がする。
「恐縮です、咲夜さん」
「………魔法使いは食事はあまり取らないのだけれど……」
「まぁそう言わずにパチェも実は橙矢の作る料理にも興味があるんじゃないの?」
「私が興味のあることは東雲が作る料理ではなくて東雲本人よ」
「それは捉え方によっては誤解されますよパチュリー様」
「?」
「知らない方が身のため、ですね」
「??」
パチュリーが首を傾げるが橙矢は受け流す。
「それよりも早く食事にしましょう。せっかく橙矢が用意してくれたものが冷めてしまうわ」
「それもそうですね。……ま、味は保証しませんけど」
「保証出来ないの……?」
「あくまで口実ですよ」
「でしょうね。……冗談は程々に頼むわ」
「了解です」
微笑を浮かべてレミリアの言葉に答える。
「……さて、それじゃあ頂こうかしら」
「どうぞ、ではごゆっくり」
「あら、貴方は食べないの?」
「えぇ、あいにくとお腹は空いてないので」
「そうなの?なら仕方無いわね」
「では俺はこれで失礼します」
頭を下げて部屋から出る。
「………さて、家に帰ろうか」
腹が減ってる減ってない、どっちにせよ家に帰る時間が無くなるため食事など取る気はないのだが。
「………………」
大きなため息を吐くと早めに帰るため数少ない窓から外へ飛び出た。
▼
翌朝、寝ている門番を余所に足を強化して門を飛び越える。
「まったく……寝ている門番なんていないと同じだろ」
着地してその勢いで扉を蹴り破る。
「まったく……忠誠心のない執事なんていないと同じでしょうに」
開けた先に咲夜がいた。
「咲夜さん………何やら顔が赤いのですが………風邪引いてます?」
「私が風邪?馬鹿言いなさい。それより今日も頼むわよ」
そう言うと踵を返して廊下を歩いていく。が足取りがおぼつかない。
「咲夜さん?」
「………何よ」
「ほんと大丈夫ですか?」
「私の何処を見てそんなこと言えるのよ」
「………無理なさってるならやめた方がいいですよ」
「………………」
「大方俺の風邪が移ったんでしょう。お嬢様方は種族が種族ですし咲夜さんは人間なのですから……」
それに、と言って咲夜に歩み寄ると顔を近付けた。
「ッ!?」
「こんなに顔真っ赤じゃないですか。……身体には気を付けてください」
「余計なお世話よッ」
橙矢を押して距離を離すと急に足がフラつく。そしてついには視界が揺らいで身体が横に傾く。
「咲夜さん!」
身体が床に落ちる寸前に橙矢は咲夜の手を掴んで止める。
「あら……おかしいわね。身体が怠いわ」
「それを風邪って言うんですよ。……お嬢様には俺が言っておきますから今は咲夜さんの部屋まで送りますよ」
「だ、大じょ………」
「咲夜さん」
橙矢の言葉に何を言っても無駄と考えて橙矢に凭れた。
「………頼むわ」
「頼まれました、咲夜さん」
微笑むと咲夜に肩を貸すと立ち上がらせる。
「………それに咲夜さんが風邪を引いたのは俺のせいですからね。……少しくらいは面倒見ますよ」
「何よその上から目線。貴方が原因なんだから面倒見るのは当たり前でしょうに」
「へいへい、わーりましたよ」
「貴方も昨日の美鈴のようにしてあげようかしら」
「やめてくださいよ。風邪を患っている咲夜さんからも逃げ切れる自信はないです」
「それは分からないわよ。やってみる?」
「いやほんとやめてください」
「………冗談よ」
「………咲夜さんの冗談は出来そうで怖いです」
「えぇ出来るわ。やろうと思えば、だけど」
やろうと思わなくても、と言いかけて口を塞いだ。今咲夜にやられて何も得になるのはない。
「………ねぇ橙矢」
不意に咲夜が橙矢の名を呼ぶ。
「何でしょうか」
「…………ありがとう」
「………どういたしまして」
苦笑いしながら橙矢は咲夜の部屋に向けて歩き出した。
はい、今回は少し短めです。
感想、評価お待ちしております。
では次回までバイバイです!