どうも、お久し振りです。夜桜です。
11月中旬まで投稿しないと言っていたのに投稿するというこのゲスさ、誰にも負けません。
と言うのも通学中の合間合間にちょくちょく書いてまして、それが出来たので投入、という感じで。ずっと気を張るというのも中々厳しいものです。
ではではどうぞ。
神奈は突然投げつけられた針を見ていた。…………橙矢によって止められた針を。
「………何の真似だ」
「………あんたこそ何の真似よ。紫からは先日聞いたわ」
「……八雲さんから?」
「――――呼んだかしら」
橙矢の背後にスキマが開いてそのなかから人が出てくる。他でもない、八雲紫だ。
「八雲さん……。どういうことですかこれは」
「あら、私が出てきたことには驚かないのね」
「慣れてますから」
「それは嬉しいわね。……こんな状況でなければ、だけれど」
「俺もそう思ってますよ。さて、説明願いましょうか」
「欲張りねぇ……。ま、いいわ。話してあげるわ。……けれどこれを聞いてまだその子の味方でいられるかしら?」
「それを決めるのはあんたじゃない。俺だ」
「…………。後悔してもしらないわよ」
「とうの昔に後悔してることなんざ山ほどある。今さらひとつ増えたところでどうにもならねぇよ」
「馬鹿ね。貴方本当の馬鹿よ」
「百も承知だ」
するとおもむろに扇子を広げた紫は淡々と話し始めた。
「先日私達と交戦したシヴァ。彼には元々四人の妃がいたわ。サティー、パールヴァティ、ドゥルガー、そしてカーリー」
「………それで、それとこれとでは何の繋がりが?」
「まだ分からないかしら?………シヴァはそのなかでもっとも愛したサティーと命を繋げるという禁忌を犯したわ」
「命を繋げる?………お、おいまさか……」
橙矢が気付いたかのように神奈に視線を向ける。
「こいつは………そのサティー、とかいうやつの生まれ変わり、だとか言わないよな?」
「残念だけど事実よ。諦めなさい」
「ッ………」
「今なら幻想郷を救うことが出来るわ。東雲さん。その役目を果たす義務が貴方にはある」
誘うように橙矢へと手を伸ばす。
「……東雲さん。さぁこちらに………」
神奈は恐怖を感じて橙矢の手を弱々しく握る。
「………」
橙矢の顔が振り向き、目が合う。
「東雲………さん…………」
「橙矢!早くしなさい!」
霊夢が叫ぶがその声は橙矢の耳には入ってなかった。
聞こえるのは神奈が呼ぶ名前のみ。
「…………あぁ、分かってるさ」
橙矢の手が神奈の手から離れる。
「え、東雲さん……」
と同時に先程より強く握られる。
「ッ!」
「安心しろ。……言ったろ?お前は何も悪くない。……だから死ぬ必要なんざねぇよ」
刀を抜いて紫と霊夢に向けて鋭い双眸を向けた。
「東雲さん?これはどういうことかしら?」
「あ?見てわからないのか?俺はあんた等にはつかない。罪の無い奴を見殺しにするほど腐ってないさ」
「その様子だと私達がただ単に人殺しをするとでも言いたいの?」
「おやおやそれは自意識過剰でっせ。まぁ自覚があるんならそうなんでしょうね」
ニィ、と挑発的に口の端を吊り上げる。
「とにかく新郷は関係ない。とっとと帰してやりな」
「………分かってないわね。それが出来たのなら苦労しないわよ。分からないのなら力ずくでも新郷神奈を渡してもらうわよ」
「ハッ、面白いこと言うじゃないの。……やれるもんならやってみやがれ!!」
叫んで橙矢は足を強化させると真横に跳ぶ。橙矢がいたところに弾幕が着弾する。
「っぶねぇ!いきなり撃つやつがあるか!」
「黙りなさい!いいからその人を渡しなさい!!」
森林に紛れ込みながら坂になっている地を滑るように駆けていく。
「それは御免だな!」
半身を振り向かせて斬撃を放つ。それが木々を薙ぎ倒し、追尾してきていた霊夢の視界を封じる。
「ッ!小癪な………!」
「悪いな………吹っ飛べ!!」
倒れた木々を殴り飛ばして霊夢へと飛ばす。
「ちょっ……!」
あまりの急な攻撃に度肝を抜かせるがすぐさま突破口を見付けると何度も方向転換して突破する。と目の前には足を後ろに引かせた橙矢が。
「悪く思うなよ!」
蹴られる寸前祓い棒で受け止めるが重すぎたのか吹き飛ばされて地に叩き付けられる。
「…………ッ!」
対する橙矢は蹴り飛ばした勢いで宙で回転すると霊夢目掛けて斬撃を放った。
「恨むなよ。先に仕掛けたのはそっちなんだからよ――――!」
斬撃を陣を張って防ぎ、やり過ごすと弾幕を放つ。刀を振ってそれを逸らさせる。
「そんな威力の低いもんで殺せると………なめんじゃねぇぞ!!」
「――――それは囮よ」
「ッ!」
紫がすでに神奈の背後に移動していた。
足を強化させ後ろに跳び、間に割り込む。
「邪魔よ。退きなさい」
冷酷な言葉と共に紫の空間が開いてその中から光が二つこちらに向けて飛んできている。
いや、光ではあるがそれはヘッドライトだった。それも電車の。
「冗談だろ!?」
神奈の手を掴んで横に転がる。紙一重で避けて安堵するのも束の間、紫が目の前に出てくる。
「ッ!新郷逃げろ!」
神奈を突き飛ばすと橙矢の胸ぐらが掴まれて走っている電車に激突させられた。
「東雲さん!」
「構うな!逃げろっつってんだろうが!!」
紫の腕を掴み返して窓ガラスを割りながら車内へと引き摺り込む。
「な……!?」
二人して車内に飛び込むと転がり込む勢いで掴んだままの紫の腕を蹴り飛ばし、再び外へ吹き飛ばす。勿論腕は掴んだままなので橙矢も外へ出たわけだが。
「ッ…………!」
意識を保たせて飛び出た勢いで紫を地に叩き付けようとしたが逆に叩き付けられた。
「霊夢!今のうちに新郷神奈を……!」
「させるかよ!」
関節を無理矢理外して逃れると超至近距離から斬撃を放つ。
「ッゥ………!」
即座にスキマを展開。中へと入れ込んでやり過ごす。その隙に橙矢は地を蹴って神奈の近くに着地してさらにそこから跳んで距離を取った。
「………ッ。橙矢、自分が何してるか分かってるの?」
霊夢の質問に関節を元に戻しながら一瞥した。
「あぁ分かってるさ。……今更後悔なんてしてねぇよ」
「その様子だと貴方にはまだ方法がある、ような言い方ね」
「ハッ、そんなもんねぇよ。これから探すんだ」
「呆れたわ…………。そこまで貴方が馬鹿だとは思わなかった」
「どうぞどれだけでも呆れてくださいませ」
「………貴方がそれほど人一人に固執するのは珍しいわね。何か理由でも?」
「……何を言うかと思えば……。別に固執なんてしてないさ。ただ単に放っておけないだけだ」
「それを固執しているって言うのよ」
「あらら、それは知らなんだ」
戯けるように肩を竦めると不意に刀を地に叩き付けて煙幕を張る。
「さて………新郷。今からお前はここを走り抜けろ」
紫と霊夢がいた方を指差す。
「多分あいつらのいる方が俺の家の方面だ」
「でも………」
「分かってる。けどあの二人は……特に八雲さんは頭がキレる。だからそれを逆手に取る。ま、バレたらそこまでだけど」
最後の一言で不安になったのは言うまでもない。
「………そう心配そうな顔するなって。何かあったらすぐそっちに行くからさ」
言い終えると神奈とは反対側へ駆け出す。
だからといってこのままここに立ち尽くす訳にはいかない。……覚悟を決めて神奈は走り出す。
「東雲さん………!?」
「かかったな!」
すぐ横で橙矢と驚愕の声をあげる紫の影が見えた。
「新郷!振り向くな!いいな!」
橙矢が叫んで次いで爆発音が聞こえる。恐らく橙矢がさらに煙幕を張ったのだろう。
「ッ!余計な真似を……!」
「残念だったな!余計な真似をするのが俺なんでね!」
煙幕を突っ切って神奈が逃げ出す。しかしすぐに前方にスキマが開いて紫が出てくる。
「ッ!八雲紫……!」
「残念なのはどちらかしらね東雲さん?」
「東雲さんは………」
「私の可愛い式神達と戯れてるわ」
「式神……?」
「まぁ信じる信じないは貴方の勝手よ。私の知ったことではないわ。さぁ、新郷神奈。美しくこの大地から往ね―――――」
手を伸ばすと、しかし神奈と紫の間に割り込むようにひとつの光が突き刺さった。
「ッ!今度は何……!?」
「か弱い少女をいたぶるのは感心しねぇな。妖怪の賢者」
光輝いていたのは刀身が分厚い剣だった。
そしてその剣に乗っているひとつの影。
黒髪に服装は元々神奈がいた世界にあるようなもの、そして右目には紋章が入っている。その人物を見るなり紫の顔が険しくなった。
「破壊神シヴァ……!」
「久しいな八雲紫。貴様はいつから百合になった?」
「黙りなさい。貴方のせいでどれほどの迷惑がかかっていると思っているの!?」
「こっちだって色々と都合があんだよ。仕方無いだろ」
「あくまで黙秘権を行使するつもりね」
「神様にも秘密事ひとつやふたつあったっていいだろ?淡い期待持つんじゃねぇよ」
「なら無理矢理にでも話してもらおうかしら」
「ん、実力行使か?まぁ貴様がそれでいいならそれでもいいんだ、が………っと」
シヴァ、と呼ばれた男は軽々と片手で自身の身の丈はありそうな剣を掴みあげる。
「さぁてと、おいたが過ぎたな。少し痛い目を見てもらうぞ」
「やれるものなら……!」
「じゃ遠慮なく」
シヴァの身体がふと沈んだ、と同時に紫の目の前に剣を振り上げた状態で迫っていた。
「行かせてもらおうかなァ!」
振り下ろした剣を受け流すように紫が回転して眼前にスペルカードを突き付ける。
「幻想〈第一種永久機関〉」
「―――――――」
弾幕が一気に発射され、物質の非永久的運動という固定概念を無視し、止まるところを知らずに次々とシヴァ目掛けて放たれる。
「チッ!鬱陶しい!!」
煩わしげに剣を力任せに振り抜いた。すると不意に弾幕が止まる。
「永久機関に軛を入れた……。いや、破壊したと言った方が正しいか?これでしばらくの間そのスペルは使えない」
「厄介ね……!」
「それは互さまだろ」
「貴方は群を抜いてるわよ!」
ごもっともである。
「あー、まぁそれはよく言われるな」
振り抜いた体勢から剣を振り上げる。瞬間。
「――――邪魔だっつってんだろうが!!」
一人の少年と紫の式神である八雲藍の式神である橙が飛び出て二人の間に割り込んできた。
さてさて、今回で本当に約一ヶ月に渡りお休みさせていただきます。
11月の中旬にはちゃんと復活しますので。えぇ、それまではお待ちください。
ですがPivixでは活動してます。イラスト投稿onlyですが
感想、評価お待ちしております。
では次回までバイバイです。