ハッハッハッハッハッハッ………
ごめんなさい殴ってください。じゃなくて殴らないでください。
それより最近他の皆様の作品を見させて頂きましてとにかく恋愛要素、自分で書いて自分でニヤけるようなものを書いてみたい、と思いまして。けどまぁ……このシリーズを書き終えたら書くつもりです。椛を椛にして椛椛したい。
はい、今日も自分の欲望には忠実な夜桜です。
ではではどうぞ。
橙矢と神奈は香霖堂を出た後もう一度博麗神社へと向かっていた。だがその足取りは重かった。
つい先程発った香霖堂で神奈がこの幻想郷において危険な存在という噂が流れ、手配されていることを知らされた。
「……………」
忙しなく辺りを見渡しながら歩んでいく。
「あ、あの東雲さん……」
「なんだ、何か用か」
「いえ……ただ道中なにもないといいな、なんて思いまして」
「そうだと良いんだがな」
まるでこれから不吉なことが起こることを想定しているような言い方だった。その事にすぐに気が付いたのか橙矢が悪い、と一言謝った。
「そんなつもりじゃなかったんだ。ただいつもの癖で」
「大丈夫ですよ。……東雲さん、気にかけてくれてありがとうございます」
「……………ほんとに優しいな、新郷は」
微笑んで神奈から視線を前方へと変えると一気に緊張感が膨れ上がる。
「………新郷。悪いがこっからは一人で行ってくれ」
「え?東雲さん、それってどういうこ―――」
「避けろ!」
橙矢が急に神奈の頭を下げさせる。その直後炎の塊が元の神奈の頭があったところを通り過ぎる。
「くそったれ!もう勘づかれたのか!?」
視線を上げると見覚えのある白髪の女性が佇んでいた。
「藤原さん………」
「やぁ二日ぶり、新郷神奈。………けど悪いね。今回は飯を奢るために来たんじゃないんだ」
身体の至るところから炎を巻き上げながら一歩一歩近付いてくる。
「おいちょっと待てよ妹紅。俺をそっちのけで話を進めるのはやめてくれるか。一応俺もいるんだからよ」
殺気を全開に放ちながら神奈の前に踏み出る。その殺気にさすがの妹紅も一瞬息を飲んで足を止める。
「………橙矢。今はお前とは顔を合わせたくないんだ。消えてくれ」
「おあいにくさま、消えろといって消える橙矢さんじゃねぇよ」
皮肉な笑みを浮かべると妹紅に向けて駆け出す。
「そこを退け妹紅!」
「いくら橙矢の頼みとはいえそれは聞けないな!!」
妹紅も駆け出し、距離が零になると同時に取っ組みあいになる。
「じゃあ無理矢理にでも退いてもらうまでだ!」
頭を引いて思いっきり頭突きをかます。
「………ッ!」
僅かにだが怯む。その隙に懐に潜り込んで持ち上げると地に叩き付ける。が受け身を取りながら回転して逆に振り上げられた。
「なめん……なッ!」
刀を抜いて地に突き刺すとその勢いを止める。さらに腕を強化して振り抜くと地盤ごと妹紅を吹き飛ばした。
「この……ッ!」
「今のうちに行け新郷!」
「させるか……!」
妹紅が上空に向けて炎の塊を放ち、それが空中で爆散した。まるで何かの合図のように。
橙矢が後退して神奈の隣に着地して並走する。
「恐らくさっきのは合図だ!周りには奴等の仲間がいる。そいつらはなるべく俺が引き付けておくからその内に神社に行ってろ」
踵を返すと首だけを神奈の方へと向けた。
「今度落ち合うときは神社へとだな……間違えても振り向くんじゃねぇぞ!!」
すぐ後ろの地が抉れて橙矢の気配が消える。それを認識すると不安感が押し寄せてくる。だがそれを振りきって足を早める。と目の前に白黒の服を着て箒に跨がる少女が現れて何かを神奈に向けてきた。
「喰らいやがれ―――!」
「やらせねぇよ!!」
放たれた一筋の光の柱は橙矢が間に割って入り、真っ二つに裂いた。次いで横から蹴り抜いた。そしてその少女から放された先程向けられたものを神奈の後方目掛けて蹴り飛ばす。それと同時に何かが放たれた音がした。
「待て!新郷神奈ァ!」
つい二日前まであれほど優しかった妹紅が怒声を上げて神奈に迫る。だが、また橙矢が割って入って吹き飛ばした。
「周りなんか気にするな!お前はとにかく走れ!」
「っとその前に死神であるあたいが冥土に送ってやるさ」
「何の用だ死神――――!」
横から聞こえた声に素早く反応した橙矢がそちらへと注意を向ける。だがそこには誰もいなかった。すぐに何かを察したのか神奈に向けて叫んだ。
「新郷!頭を下げろ!」
「ッ!」
危険信号がうるさいほど頭の中で鳴り響いた。橙矢の言われた通り頭を下げると元の神奈の首があったところを歪曲した鎌が通り過ぎた。
「チッ、避けられた……!」
「死神!お前の相手はこっちだ!」
死神――――小野塚小町に斬りかかって神奈から距離を放した。
「俺は大丈夫だ!走れ!」
「退治屋……。邪魔してもらっちゃあ困るんだよね」
「ほざけ死神。お前はただ来た魂だけを彼岸へと送っとけばいいんだよ!」
大振りに振られた鎌をしゃがんで避けると足を払った。
すると一帯が一瞬で暗くなる。
「ん……?」
「何が……」
何が起こったと不審に思って辺りを見渡す。今はまだ昼近く。暗くなるということはまずない。それこそ巨人か何かが現れて太陽を遮らない限り。
「まずい……!」
橙矢は神奈目掛けて跳ぶと彼女を抱き締めてさらに跳ぶ。空から何かが降ってきて二人に迫る。神奈には当たらなかったが橙矢の脇腹に掠って転がりながら着地する。
「………ッ。……大丈夫か新郷」
「は、はい……。けど何が……」
「気にするな。……お前は早く行け」
立ち上がると橙矢はガクンと膝が崩れ落ちる。
「東雲さん!」
「悪い……。掠らせたつもりだったんたが……何本かいってるなこりゃ」
脂汗をかきながら無理して笑みを作り、天叢雲剣を手にする。
「だからって諦めるわけにもいかねぇけどな」
橙矢の視線の先を辿っていくと神奈は言葉を失う。そこらに生えている木の倍以上の丈をしている少女が仁王立ちしていたから。
「こうして見るとやっぱりでかいよなこいつ……」
どう処理しようか。なんて冗談半分でそんな事言っているが冗談を言っている場合ではない。
「早くしろよ新郷。いつまでも抑えられるわけじゃないんだからな」
「わ、かってます……」
あまりの大きさに驚きが隠せなかったのか多少の不安を抱えながらも駆け出した。
「ダブルスパーク!」
声が響くと神奈の両脇をふたつの光の奔流が通り過ぎていく。
「ひッ………」
「立ち止まるな!」
すぐ後ろに橙矢が着地する。―――橙矢の身体にナイフが突き刺さった。
「―――――――ッ!」
怯んだ橙矢に追い撃ちをかけるように暴風が襲い、吹き飛ぶ。
「まさか……!」
橙矢の驚愕したような声をあげるがすぐに全てを飲み込んで構えた。
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神奈は何度も止まりそうになったが橙矢の言われた通り止めることはなかった。途中で何回か襲われそうになったがそれは全て橙矢が割って阻止した。
深い森に差し掛かって見覚えのある光景になり始めてきた頃、辺りが煙幕で覆われ、橙矢が寄ってきて叢に入って身を隠す。
「ハァッ……ハァッ………無事か新郷」
息を切らしながら神奈の安否を気にし、無事だと知るとひとつ息を吐いた。
「危なかった……。真面目に殺られるかと思った」
木にもたれ掛かって息を整える。
「あの東雲さん………藤原さん達は……?」
「恐らく血眼になってそこら中を探し回ってるはずだ。多分見付かりはしないだろ」
「………」
「だからつっていつまでもここにいる訳にはいかない。とっとと行くぞ」
橙矢が神奈の手を握って叢から出る、寸前。後方から何かが落下した音がした。
「…………?」
橙矢が何かと思い視線をそちらに向ける。すると目が開かれた。
「れ、霊夢!?何でこんなところに…!?」
思わず神奈に手を放して霊夢に駆け寄る。
「おい霊夢!どうした!……くそ、意識を失ってやがる」
対し神奈はあまりの衝撃的な光景に立ち竦んでいた。震えながらもふと上空に視線を上げる。するといつかの神様がゆっくりと下降してきていた。
橙矢は霊夢のことで頭が回っていなく、気が付いてなかった。神様のシヴァは神奈に近寄るとその腕を掴んだ。
「ようやく見つけたぞ」
「ぃや……し、しの……のめ……さ」
恐怖で声が掠れて呼び慣れた名でさえも言えない。為すがままに連れていかれ、上空に上がる。その途中で気が付いたのか橙矢が振り返って目が合う。
「新郷!シヴァお前!」
「悪く思うなよ東雲橙矢」
「待ちやがれ!!」
橙矢が跳んでこの場所で一番高い木に登り、そこからまた跳ぶがすでに神奈とシヴァは届かない位置にあった。
「………!」
さらに橙矢の横から先程神奈を狙っていた鴉天狗が橙矢に突撃する。神奈とシヴァのことは目に入ってないようだった。
「ッ!お前何して……!」
「魔理沙さん後は頼みます……!」
「あぁ任せとけ!」
魔法使いの人間が上空に投げ出された橙矢に向けて光の奔流を放った。
「東雲さん!」
手を伸ばすが届くわけがない。しかし橙矢が伸ばして叫んだ。
「待ってろ新郷……!すぐに助ける!だから少しの間辛抱していてくれ………!」
遠ざかっていく橙矢を見ながら神奈は必ず橙矢が助けに来ると信じてシヴァに連れていかれた。
うん、本編と違いすぎ。
分かってます。言わなくても分かってます。
それと今更なのですがひとつ。天子の事についてです。何人目かのサブヒロイン的な雰囲気醸し出していたのですが、あれ友人ポジションです。簡単に言うとかなり親しい友人、でしょうか。あ、それ親友。親友に近い好意、ですかね。そんな感じです。
感想、評価お待ちしております。
では次回までバイバイです。
あ、次回は二日後に投稿予定です。