東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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今回は本文が短い分主人公のプロフ紹介させてもらいますヨッ!

―忘却の外来人―
名前:東雲橙矢(しののめとうや)

能力:触れたものを強化する程度の能力

職業:無職(元退治屋、元執事)

種族:半人半妖(元人間)

・補足説明
外の世界で誰からも忘れ去られた人物。途中から学校へは言ってないので勉学はほぼ無知。
その代わりに少し雑学に富んでいる。刀はこーりんからの貰い物であり、彼が言うには無縁塚で拾っただとか。
能力はそのままの意味であり触れたものを強化、または硬化させる事が可能。さらに自身も強化させる事が出来る。もちろん強化にも限度があり、それを越すと身体が耐えきれなくなり、内側から壊れる。
性格はかなり捻くれており、すぐに人を煽る。鋭い洞察力を持っているため尚更質が悪い。主人公としてあるまじきゲスさを持っている。
外見は身長180㎝体重68㎏と少し細め。髪の毛は一般的な黒で、服装は学生服。だが執事をやっていた頃に着ていた執事服があり、それも着ている、らしい。
元々一人暮らしだったので家事には困らない。
スペルカードは持ってなく、その上弾幕も撃てない。
弾幕?何それオイシイノ?




【挿絵表示】




今回は橙矢君が執事をしていた時の服装を描かせて頂きました。
次の投稿するときまでには、頑張らねばッ。


ではどうぞ。





第四十六話 狂気の妹

四肢を投げ出して倒れた幽香に橙矢はゆっくりと歩み寄る。

「……気分はどうだ風見幽香」

「最悪だわ」

即答だった。

苦笑いして身を屈める。

「だろうな。妖怪の中でもトップクラスに属するお前が人間に負けるなんざ……ハッ、笑い話にも程がある」

「………その話は誰がするのかしら?」

「さぁ誰だろうな」

「………貴方はしないわよね」

「当たり前だろ」

「………………殺りなさい」

唐突な台詞に耳を疑った。

「………なんつった?」

「……殺しなさいって言ったの」

「馬鹿かお前は殺すわけないだろ」

「…………………何で」

さぁな、といって立ち上がる。

「逆に何で殺さなくちゃいけないんだ?」

「……それは」

「戦いに敗けたから、なんて馬鹿な事言わねぇよな」

「…………ッ」

「さてと……あとはあの三人か」

歯噛みする幽香に背を向けて刀を鞘から抜いて駆けていった。

 

 

 

 

 

次に橙矢は青娥へと狙いを移した。

「遅いわよ橙矢!」

咲夜が弾幕をいなしながら橙矢を一喝した。

「すみませんすみません」

足を強化して一気に接近する。

「……もう風見幽香はやられたんだ。そろそろ諦めたらどうだ?邪仙」

「………!まだよ…!」

「……諦めが悪い………なッ!」

地を殴り付け、青娥を吹き飛ばした。空中で体勢を整えて橙矢に弾幕を放つ。しかしその間に咲夜が背後に回る。

「チィ!芳香!」

「残念だが潰さしてもらった」

「―――!?」

慌てて芳香の方を見ると屠自古の前に倒れていた。

「あとは妹様とお前だけだ」

弾幕を刀を無造作に振るい、逸らさせる。

「弾幕を……!?」

「常識に囚われるなよ邪仙」

瞬間背中に激しい痛みが走る。すぐに原因は分かった。咲夜がナイフで青娥の背中を裂いただけだ。

「まだ……」

簪を手に取ると地に穴を開けようと試みる。が、

「させるかよ……!」

橙矢が地に手を置くと穴が開けられない程硬化させる。

「ッ!!」

「勝負あったな邪仙。化かし合いは俺の勝ちだ」

深々と袈裟斬りした。

「……ッァ……」

膝から崩れ落ちて倒れ込む。それを橙矢は抱き止めた。

「…………ハァ……ハァ」

「まだ意識があったか……まぁいいや。咲夜さん、こいつ頼みます」

青娥を咲夜に渡すと一人でフランと応戦している村紗の下へ駆け付ける。

鍔迫り合う錨とレーヴァテインの上から強化した足で蹴りつけた。

「「ッ!」」

錨が吹き飛び、レーヴァテインが霧散する。

二人の間に着地するとフランに向き直る。

「………何しているのですかフラン様」

「…………分からないかな?結界の破壊の手伝いよ」

「…………どうして協力したのです?」

「…………お兄様が遊んでくれないカラ」

「……俺がですか?」

「うん、だカラ異変を起こセばお兄サマが私達をトメニ、タタカイニキテクレルッテ!」

「ッ!」

先程からフランの様子が明らかにおかしい。

「フラン様。一旦落ち着いて………」

「今度は……アソンデクレルヨネ?」

「橙矢!」

村紗が橙矢を突き飛ばした。すぐ目の前をレーヴァテインが空を裂いた。

「……………危なかった……」

「お、おい村紗、無事か!?」

「何とかね………」

立ち上がらせようと背中に手を回して、ドロッとした感覚に目を見開いた。

「まさかお前……」

手を見ると真っ赤に染まっていた。……紛れもない村紗の血だ。

「くそったれ!なんで庇ったりするんだよ……!」

「あれー、外しちゃったカナ?じゃあもうイッカイ!」

大きな刃を振り上げる。

「ッ!」

避けようとするが避けられずに左目を裂いた。

「アァ!?」

「そこまでにしておけぃ!」

布都が横から水を操り、フランに放つ。

「邪魔を……スルナァ!」

力任せにレーヴァテインを振るうとその軌道上から弾幕が出てくる。

「ぬおぁ!?」

水が弾かれて弾が布都に直撃して吹き飛ばした。

「ッ!物部!」

「うぐ………ぁ」

「いい加減になさい!」

吹き飛んだ布都に入れ替わり、幽香がレーヴァテインを受け止める。

「風見幽香……!?何の真似だ……!」

「何言ってるのよ……、私以外に殺されるのは許さないわよ」

「………ッ」

一瞬だけだが目が合う。

どうやら本気のようだ。

「…………チッ」

舌打ちすると足を強化して後ろに全力で跳ぶ。

そして村紗を横にさせると戻る。

「悪い待たせた……!」

「五分以内で潰すわよ。さすがに私もそれ以上は無理よ」

チラと幽香の方を見ると脂汗を顔から流していた。

「……分かった」

正直言って橙矢ももう立っているだけで辛い状況だった。

「五分……いや、一撃で決めるぞ」

刀を地に叩き付けて煙幕を巻き上げる。

「行くぞ!」

足を強化して一気に懐に潜り込む。

「あっ、お兄サマァ♪」

フランが心底楽しそうな声を上げるとレーヴァテインを振り抜く。硬化させた刀を振り上げて共に弾き合う。

「ラァァ!」

次いで腕を強化させると僅かに押しきり、フランが体勢を崩す。

「今だ風見幽香!」

「えぇ……。マスタースパーク!!!」

一気に光が傘の先端に凝縮すると膨張してフランに向けて放たれる。

「ッ!レーヴァテイン!」

さすがのフランもこれは危険と判断したのかレーヴァテインの出力を増して、それをマスタースパーク目掛けて降り下ろした。

拮抗したのは束の間。レーヴァテインが光の奔流を真っ二つに裂いた。

「なんですって……!?」

これには幽香も目を見開いた。

「あハッ」

ひとっ飛びで幽香の目の前に移動するとレーヴァテインを思いっきり降り下ろした。

間に橙矢が割り込んで腕を強化させると刀を横にして受け止めた。

「お兄サマァ♪ようやク遊ンデくレるノ?」

「お望みとあらば……!」

力を抜いてフランが前のめりになったところで胴を薙いだ。

「アマイ!」

不釣り合いな翼をはためかせて宙に身を投げ出す。

「……でしょうね!」

足を強化して地を蹴って距離を詰める。

しかしそれが駄策だと気付いた。

相手は空を駆けることができ、橙矢は出来ない。

(ヤベ、しくった……!)

「わざわざ飛び込んでくルなンテ馬鹿なノカシラ?」

「ッ!」

迫るレーヴァテイン。避けられない直撃。

刀を硬化させて受け止めたが勢いは殺せずに吹き飛ばされ、地に叩き付けられた。

「カハッ………!」

肺の中にある空気が全て出ていった。

「あれーお兄サマもうオシマイ?……なら死んジャえ」

フランがレーヴァテインを大きく振り上げて橙矢目掛けて降り下ろした。

 

 

 

「「勝手に殺すんじゃないわよ!!」」

 

 

 

二人の怒号が響き、レーヴァテインを弾き返した。

「…………………ッ」

「何とか間に合ったわね。橙矢」

橙矢の目に紅白の巫女服と仇敵の後ろ姿が映った。

「幽香……それに霊夢……?なんでここに……」

「……心配で戻ってきたのよ。貴方達が不甲斐ないから」

「………」

「まぁ良いわ。無事で何よりよ。………それよりフランドール、貴方まさか私達二人とやりあう気?」

「……………ッ!」

先程とはうって変わってフランの顔が強ばる。

「……………」

レーヴァテインを地に叩き付け、煙幕を巻き上げた。

「ッ!来る……!?」

何処から来ても良いように構えるが一向に何処からも来ない。

「…………?」

不思議に思った幽香が傘を振って煙幕を晴らさせた。そこにはフランが影も形も無くいなくなっていた。

「妹様……!?」

「……逃げられたわね」

霊夢が祓い棒を下ろして橙矢へ歩み寄る。

「橙矢、大丈夫だった?」

「………あ、あぁ」

「………怪我してるじゃない。急いで手当てしないと」

「いや、俺は最後でいい。それより……」

地に叩き付けられていた布都を一瞥する。

「物部が一番酷い。あいつからやってあげてくれ」

「…………………分かったわ」

渋々といった表情で了解すると布都の方へと駆けていった。

「…………………ふぅ」

大きく息を吐くと視界がグラつく。

「さすがに大回りし過ぎたか………」

立つことも儘ならなくなり、ゆっくりと倒れていく。

が、それは途中で幽香に止められた。

「何寝ようとしてるのよ。貴方にはまだやることがあるでしょう?」

「…………………」

「私もう動けないのよ。神社まで連れていきなさい」

そう言いながら両足で立っているのは如何したものか。

「馬鹿……。お前よりも俺は脆いんだぞ……」

「あら、女にその言葉は禁句よ」

「そう……かよ……………」

いい終えると同時に橙矢は意識を失った。

 

 

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