東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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どうも、いつもの犬走夜桜です。

今回は屠自古を描かせて頂きました。


【挿絵表示】


あぁ書くことないな……
次回は……そうですね、こころを描こうと思います。


ではではどうぞ。




第五十七話 鬨の咆哮

 

 

 

「ハァ……ハァ……」

倒れている妖獣を横目に息を整えながら立ち上がる。

「手間かけさせやがって……」

「――――アアアアァァァァァ!」

「ッ!」

急に妖獣が絶叫を上げ、橙矢に迫る。

(こいつまだ動けたのか……!)

慌てて刀を振り上げるが明らかにタイミングが遅い。そのまま鋭い爪が深々と切り裂く。

「…………ッ」

舌打ちして爪を掴んで膝で下から打ち、折った。そのまま膝を伸ばして腹を蹴りあげる。

「カ………ッ!?」

妖獣は飛び退くが一瞬で距離を潰した。

「甘いな……!」

両足で首と腕の付け根を固定して腕を掴んで引っ張り、引き千切った。

「~~~~~ッ!?」

化け物が声にならない悲鳴を上げる。

「おいおい……この程度かよ吸血鬼」

「―――――」

妖獣は橙矢を化け物を見るような目で見上げる。

「………ハハっ、何だよその目は。残念だが俺はお前らみたいな只の化け物じゃあない」

笑みを濃くすると頭を掴んだ。

「ここがイカれた化け物だ」

頭を握り潰した。その際に顔に血がつくが特に気にせず刀を仕舞う。

「…………次」

辛うじて残っている道を走っていく。

と、

「橙矢!」

自らの名を呼ぶ声に足を止めた。

「…………………」

鬱陶しげに顔を上げると妹紅がこちらに下りてきていた。

「妹紅………」

「橙矢、どうしたんだよ!どうしてお前がここにいる!?」

「…………………」

顔を逸らして脇を通って行こうとする。

しかしそれは妹紅によって止められる。

「待てよ。せめて質問の答えくらいは聞かせてくれても良いんじゃないか?」

「………どうだっていいだろ」

「待てって言ってるだろ」

腕を掴まれて止められる。

「…………………止めに来た」

「何をだ?」

「それまでお前に話す必要はない」

「ふざけるなよ――――」

「どっちがだ」

冷たい一言を言うや否や刀を引き抜いて首を撥ね飛ばした。

「カ………!?」

「邪魔なんだよどいつもこいつも」

再生していく妹紅の身体を横目に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

里の外れにある森の中に二人の少女は姿を隠していた。

「ねぇフランちゃん。……この襲撃の後どうするつもり?」

「…どうするって何がよ。決まってるでしょう?私の目的はお姉さまを殺して自由になること。精々頑張る人間共を殺し尽くしてから殺しに行くわ」

「ふーん、まぁ私は貴方がどうしようと知らないから興味ないわ」

「…………じゃあ何でこれに協力したの?」

「協力?何を言ってるの?私はただ単にこの里を襲うことに興味があるだけ。だから貴方に手を貸している。……勘違いしないでくれるかな?」

「………あっそ」

「さてフランちゃんや。そろそろ里も崩れたくらいだから私達も行った方が良いんじゃないかな?」

「でも魔理沙や霊夢達がいるんでしょ?だったら逆に返り討ちに遭うんじゃないかしら」

「それも計算の内だよ。私達がやればいい」

「……………大丈夫なの?」

「知らないから楽しみなんじゃない。ほら行くわよ」

フランの手首を取ると里の方へと飛んでいく。

「ほらー人間の悲鳴も聞こえない。さてさて、えーと霊夢達は………」

無警戒で里の中へと入った。

―――――瞬間剣先が閃いた。

「「――――!」」

二人は上空に逃れる。

「誰だ!!」

「ようやく見付けたましたよフラン様」

刀を地に突き刺した元退治屋がフランとこいしを睨み付けていた。

「え……東雲お兄ちゃん!?」

こいしが不意に驚いた声を上げる。

「お兄ちゃん?こいし、貴方お兄様と知り合いなの?」

「うん、まぁ………」

「フラン様、ご友人との戯れもいい加減になされたら如何でしょう。パチュリー様も心配されてますよ」

「残念だけど帰るつもりは無いね」

「……………まだ元に戻れますよ」

「これ以上の会話は無駄なようね」

「フラン様…………!」

「諄い」

「……………………!」

腹を殴り付けられて吹き飛ぶ。

「ガ………ァ!」

「しつこいわよお兄様、とっとと死ね」

一飛びで橙矢の前に着地する。

「フラン様……」

「もう遅いんだよ、何もかも。お兄様も分かっているのでしょう?もう私をどうする事も出来ないって」

立ち上がりながらフランに手を伸ばす。

「まだ……」

「………!し……しつこいって言ってるでしょう!!」

弾幕を撃ち、橙矢に直撃させた。

「ァ………グ……」

ひとつの家に激突し、橙矢の上に崩れ落ちてくる。

「…ハァ……ハァ………」

その様子をフランが息を整えながら見ていた。傍らにこいしが降り立つ。

「………良かったの?」

「何度も言わせないで。後悔なんてしてないわ」

「―――――そうかよ」

「「ッ!」」

崩れた瓦礫の中から声がすると同時に吹き飛んだ。

「………そうかそうか。フランドール、後悔なんてしてないのか。…………だったらもう俺はお前の事をただ一匹の妖怪だと認識させてもらう」

刀を横に軽く振るうと横にある瓦礫が斬れた。

「………もう戻れないならそれでいい。望み通り一生帰れなくしてやる。もちろんこいし、お前もだ」

「アハッ、面白い冗談言うね東雲お兄ちゃん」

何も無い虚空から鋭い巨大な針を取り出した。

「冗談だと思うならそこから動くな!」

足を強化させて懐に潜ると手の甲で針を持っている手を弾き、刀の柄で脇腹を殴り付けた。

「ッ!」

次いでこいしに足をかけると蹴り飛ばし、その勢いでフランに迫る。

刀を一気に降り下ろすが顕現させたレーヴァテインによって阻まれる。

「チィ!」

レーヴァテインの柄を蹴り上げ、上半身が伸びきった状態にすると刀を突き出した。

「鬱陶しい!」

蹴り上げられた状態からレーヴァテインを降り下ろし、刀を弾いた。

「………!」

「禁忌〈恋の迷路〉」

「また弾幕か……!」

「避けれるなら避けてみなさいお兄様!!」

腕を強化して刀を振るい、暴風を吹かせて弾幕を逸らさせようと試みる。

その時フランが急に回転しながら弾幕を放った。

「何……!?」

「散れ、お兄様」

慌てて刀を振るうが弾幕が逸れたその後ろから弾幕が迫る。

「ッァ………………!」

直撃は免れずに吹き飛び、再び瓦礫の山に突っ込んだ。

「………もう止めてよお兄様。これ以上貴方を傷付けたくないわ」

「あれーフランちゃんどうしたの?」

蹴られていたこいしが何事も無かったかのように近付いてくる。

「…………何でもないわ。行きましょう」

里の中心地へと足を向けた。

瞬間だった。

 

 

「―――――」

 

 

 

「ッ!」

何か聞こえた気がしてフランが足を止めた。

「い、いえ…何か聞こえなかった?」

「?何言ってるの?何も聞こえないよ」

「…………そうよね」

 

 

 

「―――――――ァ」

 

 

 

「また………」

「フランちゃんほんとに大丈夫?何か変だよ?」

本気で心配してくるこいしを余所にフランはある一点を見続けていた。

それは橙矢が埋もれているであろう瓦礫の山。

 

 

 

「――――――ァァァ…」

 

 

 

 

「―――アアァァ」

 

 

 

 

「―――――ギィィィヤァァァァァァ!!」

 

 

 

 

咆哮が響くと同時に瓦礫が吹き飛び、声の主が姿を現す。

「……お、お兄……さま?」

「フランちゃん!」

こいしが呆然とするフランの腕を掴んで飛び退く。刹那フランがいた場所に斬撃が直撃した。

「フランちゃん構えて!…………あれはかなりヤバイ……!」

こいしの視線の先には橙矢がいた。

橙矢は軽く息を吸うと一気にそれを吐き出す。

「ギィィィヤァァァァァァ!!!」

 

 

 

妖怪となった東雲橙矢が絶叫をあげた。

 

 






いつまで経っても進化しない主人公、良いじゃないですか。嫌いじゃないですよ自分。むしろ好きです。

そんな作品を書いてみたい。


では次回までバイバイです!
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