東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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そろそろ学校も春休みに入る頃ですね。来年度も頑張っていきたいです。

今回はこころを描かせて頂きました。いやー、仮面描くの難しいです。少し模写してる部分もありますが……。


【挿絵表示】


なんか話のペースが早くなってる気が…


ではではどうぞ。



第五十八話 凄む怪物

 

 

目を開けると暗闇だった。

……………あれ、俺何処にいたんだっけ…。

薄い意識の中で橙矢はそう思った。

―――そうだ、確かフランに吹き飛ばされて瓦礫の山に突っ込んだんだっけ。

身体を起き上がらせようとするが痛みで動かない。強化させようとしても強化出来ているのかすら分からない。

…………フランドール

 

 

ドクン

 

 

顔を浮かべた瞬間鼓動が跳ね上がる。

………何だ?

怪訝に思ったがさして気になる事ではなかった。ほんの些細な事だったがそれは大いなる絶望へと変化する。

 

 

ドクンドクン

 

 

徐々に鼓動が大きくなり、心臓に激痛が奔る。慌てて息を整えようとするが逆に激しくなる一方だ。

痛みで意識が飛びそうになる。それに必死に抗いながら原因を探る。

…何が起きてる……!?過呼吸!?いやだが呼吸は出来てる……!

そんな焦る気持ちと同時に怨嗟が頭の中を支配していく。

憎い、フランドールが憎い。殺したいほどに。

殺せ、殺せと誰かが語りかける。

………馬鹿言え、殺すわけ……

殺せ

殺せ殺せ

殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ

 

 

コロセ

 

 

より一層激痛が奔り、意識を保つのが困難になる。

それと同時に身体の中から何かが湧いてくる感じがした。

 

 

そして咆哮をあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

再生し終えた妹紅は橙矢を探していた。

「くそ…何処行った……橙矢!」

空を駆けながら下を見て回る。

すでに妖怪は退治し尽くし、あとは元凶を探しだすだけである。

他に霊夢や魔理沙、慧音にも橙矢の事を話し、探していた。

「妹紅!見つかったか!?」

慧音が隣を並走してきた。

「いや、まだだ。……何処で油を売っているんだか……」

「にしてもほんとにいたのか?東雲は」

「いたよ!本当だ!」

「そ、そうか……だが見当たらないなんて………逃げた妖怪の追撃にでも行ったか?」

「それが分かれば苦労しないよ…」

「ではまた分かれて……探すか」

「………あぁそうするか」

その時、

 

 

 

 

 

「―――ギィィィヤァァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

轟音がして建物が崩れると煙幕が舞い、その中から吹き飛ばされるようにフランとこいしが飛び出る。

「………ッグ!」

「何なのあれ………」

「分かるわけないでしょ……!」

「オオオオォォォォォォ!!」

煙幕を突き抜けるように突っ込んできた橙矢に頭を掴まれ、地に叩き付けられる。

「………離せ!」

突き出された刀を何とか避けて腹を蹴り上げる。

「ゴ……!?」

苦悶の声をあげながら飛んでいく橙矢にこいしが追い付くと弾幕を放った。

「ッオオオォォォォォォ!!」

足を地につけて無理矢理勢いを止め、弾幕に突っ込む。

「え………」

これにはさすがのこいしでも驚愕した。だが次いでさらに驚愕させられる。

弾幕が直撃しているにも関わらず痛い素振りもせずに真っ直ぐこいし目掛けて駆けてくる。

「嘘………!」

一瞬で間合いを詰められて胸ぐらを掴まれる。近くの家屋に投げ飛ばされる。

「……ッ」

追い討ちをかけるように橙矢が地を蹴り、上空から刀を垂直に降り下ろしてくる。

(まずい、やられる……!)

突き刺さる寸前橙矢を横からフランが弾幕で吹き飛ばした。

「ッありがとフランちゃん!」

「気を抜かないで頂戴!アシストするの面倒だから……!」

「アアアアァァァァァァァァアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!」

里、下手したら幻想郷全土に聞こえるほどの咆哮が響く。

腕を強化して振り抜くと斬撃が二人に放たれた。

「!禁忌〈レーヴァテイン〉!」

焔の剣を顕現させると受け止める。衝撃は止められずに大きく後退させられるが怪我という怪我は負わなかった。

しかし安堵したのも束の間刀を目の前に刀を振り上げた橙矢が。

「ッ!」

身体ごと回転させて刀を弾く。その隙にこいしが背後から蹴り飛ばす。

バランスを崩した橙矢にレーヴァテインを降り下ろした。

常人なら死んでもおかしくはない致命傷。

「…………!」

だがそれでも橙矢は倒れるどころか痛みを感じる様子すら見せない。

「冗談でしょ……!?」

「フランちゃん!」

意識を集中させた時にはすでに遅く、腹を殴り付けられていた。

「カハ………ッ!?」

成す術もなく吹き飛ばされて地を転がる。

翼を広げて宙を舞い、後ろへ飛ぶ。が、一瞬で間合いを潰される。

「速い………!」

「本能〈イドの解放〉!」

こいしが一枚のカードを掲げる。

ハート型の弾幕が橙矢に放った。

橙矢は刀を引き抜いて斬り裂き、こいしに接近する。

「これも駄目なの……!?」

「禁忌〈フォーオブアカインド〉!!」

一人のフランが四体に増えて同時に弾幕を撃つ。

「……………!」

足を強化して横へ跳んである瓦礫に乗るとそこから一体のフラン目掛けて跳んで裂いた。

そのフランを足場にもう一体のフランに接近して蹴り飛ばす。

「く………ッ!」

「強すぎるよ……あれほんとに東雲お兄ちゃんなの!?」

「私が聞きたいくらいよ!」

二人して弾幕を放つが橙矢は避ける素振りすら見せずその中を突き抜けて来る。

「どうするのフランちゃん!?」

「とりあえず分かれるわよ!二人同時にやられるのは避けたい……!」

「了解!」

まったく同じタイミングで左右に散った。橙矢は迷わずにこいしに方へ足を向けた。

「まずい……こいし!行ったわよ!!」

翼をはためかせながら橙矢を追いかける。

「大丈夫!追い付けはしな――――」

その時下から木材やらが突き上げられた。

「何………!?」

その影から橙矢が出てきてこいしの腕を掴み、引っ張ると横から蹴り飛ばす。

入れ替わるようにフランがレーヴァテインを中段に構えて突撃していく。橙矢は避けることすらせずにレーヴァテインの刀身を掴んで止められた。

「………ッ!」

「アアアアァァァァァ!」

無理矢理回転して関節を捻り、橙矢が手を放した瞬間フランがレーヴァテインを、こいしが巨大な針を前後から挟むように突き出す。

それを橙矢は刀と鞘で弾くと両足で蹴り下げ、或いは蹴り上げた。

「ゴ……ッ」

「うぁッ……」

フランに狙いを定めて鞘を後ろに構え、それに足をかけて跳ぶ。

(空中でも移動可能だっての……!?)

「禁忌〈カゴメカゴメ〉……!」

四方から橙矢を囲むように弾幕が迫る。

「嫌われ者のフィロソフィ」

さらに橙矢の周りに弾幕が広がり、棘の付いた弾が周りを回る。

(これなら避けようもないでしょ……)

「――――――」

だがその考えと弾幕は――――一瞬で消し飛んだ。

「え……!?」

「オオオオォォォォォォ!!」

呆然とする二人に一気に接近すると刀を横に振り抜いた。

深く斬り裂かれ、血が吹き出た。

「うぅ……ッ!」

怯む二人目掛けて上段に構えた。

「――――アアアアァァァァァアアアア!」

無慈悲にも刀が降り下ろされる。

 

しかし、

 

 

 

 

「女の子を襲うなんて堕ちたものね、東雲」

 

 

 

 

 

光の奔流が橙矢を吹き飛ばした。






はい、今回も読んでくださりありがとうございます。
次回は……諏訪子とミシャグジさまを描こうと思っています。

では次回までバイバイです!

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