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ミシャグジさまを描こうと思ってたのですがそもそもミシャグジさまの容姿が分からなかったので模写しました。
ではではどうぞ。
吹き飛ばされた橙矢は辛うじて残っている家屋の屋根に着地した。
「……ッ!?」
訳が分からないというようにキョロキョロと周りを見渡す。
「こっちよ東雲」
声と同時に再び光の奔流が橙矢に直撃する。
「カ……!」
刀で弾いたものの痛みに耐えれなかったのか膝をついた。
「あらあらだらしないわね東雲。貴方はこんなものではないでしょう?」
悠然と橙矢の前に現れたのは傘を折り畳んだ風見幽香だった。
「……ッ!」
橙矢が驚いたように目を見開いた。
「そんなにも私がいることが不思議?」
「ッオオオオォォォォォォ!!」
「話が通じないのかしら?……まぁいいわ」
「風見幽香……!貴方どうして……」
肩で息をしながら立ち上がるフランに特に興味なさげに投げ掛けた。
「別に?私はただ単に花を買いに来ただけなのよ。そしたらこの様よ」
やれやれとため息を吐く。
「それに東雲が何か暴れてたからね。流れに乗って殺り合おうとしたのだけれど……何なのあれ」
雄叫びをあげる橙矢を傘で指す。
「お兄様であることは間違い無いよ……けど何でかあんな風になっちゃったけど」
「ふーん……それいえば吸血鬼の妹さん。貴方、私達が起こした異変の後も暴れてるらしいじゃない。噂は耳にしてるわ。風の噂ならぬ花の噂だけどね」
ニィと笑みを浮かべると橙矢に向き直った。
「東雲じゃないけど東雲。だったら私が目を覚まさせてあげるわ」
傘を振るうとさっき橙矢が起こした暴風の数倍の威力の風が橙矢を空中へ撥ね上げた。
それを追うように幽香は地を砕く勢いで蹴り、橙矢に接近した。
「……ッガアアアァァァァァァァ!」
「次は私が相手になるわ。不足は無いでしょう?」
降り下ろされた刀を傘で受け止めて下から蹴り上げた。
「―――――!」
少し浮かび、重力に逆らえず地に落ちて叩き付けた。
「妖怪になっても空は飛べないのかしら?にしても夜叉だなんてね。貴方の中に潜んでいた妖怪は」
――――夜叉
かつて古代インドの悪神であり、森林の神霊だった妖怪。だがあまりにも悪行に手を染めていたため神の頂点に立つゼウスに神の称号を剥奪されて妖怪となった。それからも悪行を重ね、古今東西の神々を敵に回した妖怪である。
「けど中々合ってると思うわよ。夜叉と東雲」
橙矢の前に降り立つと傘の先端を向ける。
「……ッ!」
橙矢は素早く反応して刀を突き出し、光が集まる先端と衝突させた。
「そうくると思ったわ!」
光が爆発する寸前に傘を開いて衝撃を和らげると再び集束させて橙矢に放った。
「――――――!!」
血を吐きながら跳んでいくが刀を地に突き刺して無理矢理止まった。
「これは耐えてもらわないとね……」
橙矢が腕を強化して刀を振るうと斬撃が幽香目掛けて飛んでいく。
「あら、こんな芸も出来たの」
苦もなく弾き飛ばし、橙矢に返した。
「………ッ!?」
橙矢に直撃してするがそれを堪えて幽香に迫る。それがどれだけ無謀かは橙矢が一番知っていたのだが。
「馬鹿ね!」
真下にマスタースパークを放って煙幕を巻かせる。
それには構わず橙矢は突っ込む。
瞬間横から衝撃が橙矢を襲った。
「ガァ…ッ!」
「貴方東雲より弱いわね、夜叉。話にならないわ。貴方の事は見逃してあげるから東雲に戻りなさい」
呆れたように息を大きく吐くと傘を開いてクルクルと回した。
「アアアアァァァァァァァァァァ!!」
それを挑発と判断したのか橙矢が真っ正面から突撃してくる。
「もう一度言うわ。東雲に戻りなさい」
指を鳴らすと橙矢の回りに弾幕が広がり、囲んだ。
花符〈幻想郷の開花〉
「……ッ!」
避けることもままならず、ひとつとなく直撃した。
橙矢は後退すると崩れ落ちた家屋に手を伸ばす。
「何をするつもりかしら?」
「ガアアアァァァァアアアアァァァァァ!」
腕を限界まで強化させて家屋そのものを持ち上げた。
「………わー、さすがにこれはやり過ぎよ」
そう言いながら傘を構える幽香に対して家屋を投げ付ける。
「マスタースパーク!」
光が膨張し、一気に放たれる。その光は家屋を粉々に砕いていく。
その影から橙矢が出てきて幽香を殴り付けた。
「――――――!!」
さすがの幽香でも耐えきれなかったのか弾丸のように吹き飛んでいった。
「ギィィィヤァァァァァァ!!」
勝利を確信したのか再び咆哮を響かせた。
咆哮を耳にして妹紅達一向はその方向へと飛んでいた。
「さっきの咆哮………まだ妖怪がいたの……!?」
「らしいね。面倒な奴でなければいいけど」
その時妹紅が足場にした家屋に何かが激突して崩れた。
「うお……、何だ?」
慌てて飛び上がる。
「あー痛いわね………。けど東雲の方が強かったわ」
瓦礫を退かしながら風見幽香が立ち上がった。
「幽香……!?何であんたここにいるのよ!」
「あら霊夢。久し振りね。なに、ちょっと里に花を買いに来たついでよ」
「そのついででどうして家に突っ込んでくるのよ」
「東雲に吹き飛ばされただけ。……あ、違うわ夜叉にやられたんだわ」
「……何を言ってるの?」
「あら、貴方言ってなかったっけ?東雲は半妖だって。………それがどうしてかしらね、妖怪になってたわ」
『な―――』
その場にいた四人が絶句した。
「……ど、どういう事だ!」
「落ち着きなさい蓬莱人。……そもそも話聞いてた?私が知るはずないでしょう」
「………ッ!」
「……………何その納得いかないみたいな眼は」
気だるそうにふらふらと四人に歩んでくる、
「何がともあれ東雲は妖怪になったの。……元々半妖だって知ってた貴方達ならそれも予測出来たでしょう?まさか知らなかった、なんて言わせないわよ」
「……………知っていたさ」
「はいはい、それで?」
「……それで?」
「東雲が妖怪になることは予測していたのかって聞いてるの」
「……それは………」
「橙矢が妖怪になるのはまだ時間が掛かると紫が言ってたわ」
黙りこく妹紅に代わって霊夢が口を開く。
「……ふぅん、あの紫が……ねぇ。貴方自身はどうだと思ってたの?」
「紫の言葉を信じてたわ」
「紫の事はどうでもいいの。貴方自身の事を聞いてるのよ」
「………ッ」
幽香の鋭い双眸に息を飲んだ。
「何も考えてなかった?……呆れて言葉にもならないわ」
「風見幽香、少し言い過ぎじゃないのか?」
「誰かと思えば里の守護者じゃない。どうかしたの?」
「些か言い過ぎじゃないかと思ってな。彼女なりにも考えているんだ。良いだろう」
「………考えている?違うわね。考えているつもり、なのよ」
「何か違いがあるのか?」
「大有りよ。考えているつもりな奴は大抵今の霊夢みたく他人任せにするケースが多いわ」
「誰が他人任せですって……!?」
「貴方よ。………情けないわね」
四人を一瞥すると踵を返す。
「ま、貴方達はそこで見てなさい。貴方達が見捨てた人がどうなったかを、ね」
「アアアアァァァァァ!」
標的をフランへと移した橙矢は躊躇なくその場で刀を降り下ろした。
「わ………!」
慌てて横に逸れると目の前を斬撃が通っていく。
「くそ……!」
舌打ちして飛び上がり、一枚のカードを掲げる。
「禁忌〈フォーオブアカインド〉!」
フランが四体に増えてそのうちの三体が橙矢に向かってくる。だが裏を返せば残った一体が本物………!
橙矢は跳び、三体の真ん中を突っ切って一体に迫る。
「ッ!しま――」
フランを横に真っ二つに裂いた。
少し頭冷やそうか……
では次回までバイバイです!