東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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たまには感動してみたい。

レティを描かせて頂きました。最初見たとき誰だ!と思いました。……さてさて、次回は原作の主人公なのにも関わらず描いてなかった霊夢を描こうと思ってます。


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ではではどうぞ。



第六十三話 絶望のその先

 

 

里で繰り広げられていたフランと橙矢の戦いを上空で見ていた豊聡耳神子は大層愉快そうに哄笑をあげていた。

「いやぁ実に愉快だな。そうだろう?布都」

隣に佇む物部布都に話しかける。

「……………………」

哄笑をあげる神子に対して布都は訝しげな表情を浮かべていた。

「………太子。お主はこの後どうするつもりなのだ?」

「変な事を聞くな。お前には分からないのか?彼が今後の幻想郷の実力者の一角になると」

「なったから何なんだ?」

「彼をうまく使えば私がこの幻想郷の頂点に立つことも可能だ」

「使うだと?馬鹿な事を言うな太子!人を物のように扱うくせは直ってないようだの……!」

「そう憤るな。………だがお前が怒る意味が分からないな。……なんだ、彼を好いているのか?」

「バッ……馬鹿な事を言うな!」

「ふーん、なるほどね」

「……ともかく人を物のように扱うな。その見返りは大きくなるぞ」

「ハハッ、それは私を挑発しているのか?」

「そうではない」

「最近お前は私に対して些か冷たいな。そんなに私の事が嫌いか?」

「そうな事は――――」

瞬間上空から陽の光が射し込んだ。

「え…………?」

「何―――――ガァッ!?」

急に神子が苦悶の声をあげた。

「ッ!太子!」

慌てて視線を向けると神子の肩口に何かが刺さっていた。

「槍!?何処から……」

「まずい……布都!逃げろ!」

「何言って―――」

神子の言葉の意味はすぐに分かった。槍が刺さった神子に対してさらに槍が翔んできた。

「――――ッ!」

「太子ィ!」

「私は…何ともない………!」

血を吐きながら飛び寄ってきた布都に凭れ掛かる。

「一体何が………」

「最悪の結果だ………」

神子にしては珍しい苦虫を噛み潰した表情になる。

それをかき消すように槍が翔んでくる。

「しま―――――」

 

 

 

 

 

 

 

紅い霧が割いて陽の光が射し込んだ。

「「ッ!」」

橙矢と幽香はいち早く動き出す。

「東雲!私が日陰を作るわ!」

崩れている家屋に手を伸ばすと吸血鬼姉妹目掛けて投げ付ける。

「そういうことか……!」

腕を強化すると受け止めて吸血鬼姉妹に嵩張るように立つ。

「え……!橙矢!?」

「お兄様……?」

「無事でしたか……」

「貴方何をしてるの!?」

「何でもないですよ……。そうだお嬢様…。日陰に行ってください」

「日陰って……外はまだ紅い霧で……。って日陰が……無い!?」

「何故か知らないですけど霧が晴れましてね……。フラン、何故だか知らないか?」

「し、知らないよ。私が発動させたから私にじゃないと解けないはず……!」

「じゃあその干渉力よりも強い力が働いてあの霧を晴れさせたのか……」

固定されている日陰に二人が入るのを確認すると受け止めていたものを落とした。

「ったく何で霧が………」

「東雲!構えなさい!何か来るわ!」

「何って……」

幽香が空を見上げていたのでつられて見上げる。

橙矢の目には上空に浮かぶ一人の人物が映った。

「あれは……何だ?」

「分からないわ。……けど、私達妖怪や人間でも、ましてや妖精や貴方のような半妖でも天人でもない………………」

「おい、それってまさか………」

最悪の答えを予想してカタカタと刀の先が震える。

この世界でおけるどの種族の頂点に立つ者。

「神………か?」

「……妖怪の山の神社や秋の神様なんて比にならないくらい強いわあれ……」

すると上空にいた人物はこちらに顔を向け、そして飛んできた。

「ッ!」

しかし次の瞬間姿を眩ませた。

「―――――!?」

「何処見てるんだ」

その声は背後から聞こえた。

「誰だ!」

振り向き様に刀を振り抜く。

がそれはギィィィン!という音と共に止められた。

「な………」

「やれやれ、何処と聞くだの急に刀で斬りつけられるだの酷いな」

呆れた様子で刀を素手で受け止めた男は橙矢を軽々と押し返した。

「テメェ……。誰だ……」

「……強情だな。急に人の名前を聞くとは……。まぁ良い。貴様の意気を尊重して教えてやろう」

その時橙矢の横に霊夢達が降り立つ。

「橙矢!今なにか落ちて……」

霊夢が男の姿を確認するとそれぞれが構えた。

「……………誰よそいつ」

「知らねぇよ。俺が聞きたい」

「東雲さん!今まずい事が……!」

急にスキマが開いてその中から紫と藍が出てくる。紫は男の姿を見るなり目を細めた。

「…………どうやら遅かったようね」

「紫?どうしたんだぜ?」

「さっき気付いたのだけれど東雲さん。どうやら私達の予想は間違っていたそうよ」

魔理沙の事を無視して橙矢に向き直る。

「何?……どういうことだ」

「私達は貴方が幻想郷を破壊すると踏んでいたのだけれど………それより厄介な事をやられたわ」

脳裏に殺した男の顔が浮かぶ。

「………ドラキュラか」

「えぇ………まさかあんな吸血鬼一匹にそんな干渉力があったとは……腐っても大妖怪ね」

「どうするんだよ」

「殺るしかないわ」

「おいおいマジかよ……」

「マジよ」

「何こそこそと話しているのよ」

霊夢が啖呵を切らしたのたか二人の間に割り込む。

「………いや別に、どうやったらあいつを殺せるかと思ってな」

「はぁ?真顔で何変な事言ってるのよ」

「いやすげー本気なんだが」

「つまらないわよそんなギャグ」

「いやだから本気だって」

「お前ら何を話しているんだ?」

男が腕を組みながらめんどくさそうにこちらを見下していた。

「何でもねぇよ直接お前には関係無いんだからな」

「いやいや、関係ありまくりだろ。てか言わせろよ」

「だが断る」

「……………いやはや、こんなにも俺が嘗められるとは……」

ため息をつくと一変、男が纏うオーラが変わる。

「ッ!」

「最近の若い者は神々を慕う者が少なくなっておるのぅ……少し灸を据えるのも悪くない」

瞬間橙矢の目の前に男が迫り、殴り飛ばした。

「カ……!?」

「橙矢!」

「五月蝿い」

霊夢の腹を蹴りあげて魔理沙の足を払い、バランスを崩したところで肩を掴んで地に叩き付ける。

「お前!何して――――」

弾幕を放つ妹紅に対して男は一気に接近して心臓を抜き手で貫く。

「ッ!ゴハッ!?」

「貴様は死なないらしいからの。殺させてもらうぞ」

「………!!」

慧音の背中を打ち、気絶させてから幽香に迫る。

「何なのこいつ…!」

何とか傘で受け止めるがあまりの衝撃で後ろに飛ばされた。

「幽香!」

「余所見しないで紫!来るわよ!」

吹き飛ばされながら怒号一喝、傘の先端を男に向ける。

「ッマスタースパーク!!」

「甘い」

男が掌を広げ、受け止めた。

「ッ!?」

「これはお返しだ。心して受け取れッ!」

その掌から幽香のマスタースパークに似た光の奔流が迸る。

だが決定的に違うものがある。

(威力が強すぎる……!?)

傘を広げて受け止める。しかし傘を貫通してきた。

「ッッ!?」

まともに喰らって地を転がる。

「どうする?まだやるのか?」

男が勝ち誇る事もなく紫に向けて一歩を踏み出した。

「調子に乗らないで頂戴……!」

自身の横にスキマを展開させるとそこに腕を突き刺す。そのスキマの先には男の背中が。

「焦りすぎて攻撃が単調になってるぞ」

抜き手を避けると腕を掴んで引っ張る。

「……………ここまでとは……」

「おぅらよ!」

下から蹴りあげられて宙を舞い、重力に逆らわず地に墜ちた。

「………ァ……ッ!」

「あとは………吸血鬼か」

少し離れたところの日陰で身を潜めている吸血鬼を見つけると先程のマスタースパークを放ち、日陰としている家屋を破壊にかかる。

「――――何しやがる!!」

間に橙矢が割り込んで光の奔流を弾いた。

「橙矢!?貴方無事だったの!?」

「ほぉ、これを弾くか。中々やるな」

「ハァッハァッ……!お前に言われたって……嬉しくねぇよ……」

震える膝で立ちながら男を睨み付けた。

「……そろそろ質問に答えてもらってもいいか…。……お前は何者なんだ」

「……ふむ、あい分かった。答えよう。貴様等、よく聞け。

 

 

 

 

我が名はシヴァ!ブラフマン、ビシュヌと同様三主神が一柱!ギリシャ神話の最高神ゼウスより授かりし称号は破壊神、創造神!今宵最高神ゼウスの命により幻想郷を破壊しに参った!!」

 

 

 

雷鳴を轟かしながら破壊神シヴァは高らかに絶望的な言葉を口にした。

 

 





太子さん乙。

感想、評価等々待ってます。

では次回までバイバイです!
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