東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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ひとつのものに集中し過ぎると他のものが見えなくなるって本当ですね。

ではではどうぞ。



第七十七話 破壊神再来

「ハァ……ハァ……」

神奈は煙幕を突っ切ると走り出す。

「東雲さん………!」

振り返ろうとしてそれを止める。

「東雲さんの家の前で待ってないと……!」

足を動かして森林を駆け抜ける。

八雲紫という女性が何を言っているかは分からないけど自分の命が狙われているのは確かだった。

「ハァハァ………ここまでこれば」

「安全な訳ないでしょう?」

「………!」

前方の虚空に罅が入ったかと思うとスキマが開く。その中から先程見た女性が出てくる。

「な、何これ……!?」

「ようやく見付けたわよ新郷神奈」

「だ、誰なんですか貴方は…!」

「私?私は妖怪の賢者である八雲紫。……貴方を殺す者」

「わ、私を……………」

「早速ですが殺させてもらいます」

光輝く弾を神奈目掛けて放ってきた。

「キャアァァァ!!」

横に跳んで何とか避ける。

「いや……来ないで……!」

立ち上がると再び駆け出す。

「待ちなさい!」

背後から飛んでくる弾を木々で妨害させながら避ける。

「チッ、面倒ね!」

スキマを展開するとその中に手を突っ込ませる。と同時に神奈が苦悶の表情を作る。

紫の手が彼女の首を掴んでいた。

「………!」

「……………これで貴方の命は私の掌にあると言っても過言ではないわね」

「ふ、ざけないで……!」

「ふざけてるのはどちらかしら。貴方がどうしてこの幻想郷に来たのかは知らないけど……シヴァとの関係が考えられる以上逃がすわけにはいかないわ」

「そんなの……知らない……!大体シヴァって誰………!?」

「貴方と共に冥界へ行く神よ」

「―――――――!」

 

 

 

その言葉と共に心臓目掛けて放たれた抜き手を―――――受け止められた。

 

 

 

 

 

「何……!?」

受け止めた人物は紫を蹴り飛ばした。

「やれやれ、誰かと思えば貴様か八雲紫。この娘を殺すのは些か大人げないのではないのか?」

「シヴァ…………!」

「し、シヴァ……?この人が?」

「ん?あぁ貴様とは初めて会うな。………いや、何処かで会ったような……」

「ッ!境符〈四重結界〉!!」

スペルを宣誓するとシヴァの回りに四重の結界が張られる。

(シヴァは新郷神奈の事をサティーの生まれ変わりだとは気付いてない!……だが気付かれるのも時間の問題……!だとしたらいち早くこの娘からシヴァを引き離す!!)

しかし張られた結界は呆気なく破られた。

「な、ん――――」

「何も驚く事ないだろう?俺は破壊神、つまり破壊を司る神だ。結界の破壊くらいわけねぇよ」

「だからといって限度があるでしょう………!?」

「さぁ知らんな」

手に聖剣カリブルヌスに顕現させる。

「さて、か弱い娘を嬲っていた罰でも与えないとな。神として」

「やれるものなら――――」

スペルカードを取り出し―――

「――――じゃ……まだァァ!!」

横から飛び出てきた二つの人影によって中断させられた。

ひとつは刀を持った元人間の妖怪。そしてもうひとつは紫の式の式だった。

「橙!?どうしてここに!!」

「紫様!ご無事で!」

声のする方を向くと藍がこちらに駆け付けていた。

「藍これはどういうことなの……?」

「実は東雲さんが啖呵を切らして私達を振り切って新郷神奈を追いに来まして……。それを阻止しようとしたのですが………」

「ッ………仕方無い。ここで新郷神奈を仕留めれば全て片が付くわ……!」

「了解しました。では私と橙は東雲さんとシヴァを抑えます」

「よろしく頼むわ。けれど無理は禁物よ」

「えぇ、分かってます」

「何だよ三つ巴か?……けど面白そうだな」

カリブルヌスを一閃してシヴァは藍に迫る。

「………!」

「ッオラァァァ!」

橙矢は鍔迫り合う橙の腕を掴んでシヴァ目掛けて投げ飛ばした。

「うわ!」

「橙!?」

「何だこいつ」

「今のうちに……!」

橙矢は辺りを見渡して神奈の姿を見付けると駆け出す。しかし橙矢が辿り着く前に紫が神奈の目の前に姿を現せる。

「覚悟なさい新郷神奈」

「………!」

背後から回し蹴りを喰らわせて吹き飛ばした。

「ぐ………」

「神奈!ひとまずここから離れるぞ!」

「させません!式輝〈狐狸妖怪レーザー〉」

「――――ッ!!」

スペルの宣誓が聞こえた瞬間神奈の手を掴んで引っ張り、抱き寄せた。

刹那神奈のすぐ後ろに藍が放ったレーザーが通り過ぎる。

「っぶねぇな!式神が!」

愚痴を溢しながらも駆け出す。しかし橙矢の目の前にスキマが展開させられる。

「チッ!」

横に神奈を突き飛ばして止められない勢いのままスキマに身を投じる。

「神奈!悪いがここから一人で行ってくれ!すぐに追い付く!」

「東雲さん!」

神奈が慌てて手を掴もうとするが遅かった。

橙矢の身体はそのままスキマに飲み込まれた。

「…………ッ。行かなきゃ……」

震えていた足で一歩踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

次に橙矢の視界に映ったのは想像していた通りの紫だった。

「東雲さん!?」

「悪いな期待通りの奴が来なくて!」

足を強化して一気に紫に接近する。

「ッ!」

振り上げた刀を避けられると横から気配がしてすぐに刀をそちらに振るう。

それは橙の鉤爪によって止められる。

「紫様に手をだすな!!」

「それは無理な注文だ!」

下から蹴り上げると橙の後ろから藍が突撃してきた。

「うざってぇ!」

身体を回転させて受け流すと藍を追いかけてきたのかシヴァが迫る。

「うおっ!?」

横に跳んでシヴァから離れると斬撃を放つ。

「ッとと」

カリブルヌスの刀身で受け止めるとそのまま地に叩き付ける。煙幕が巻き起こり、それぞれの姿を隠す。

「チッ、これじゃあ………」

「行くぞ東雲橙矢!」

煙幕の中を突っ切ってシヴァが橙矢に接近してカリブルヌスを振り下ろす。

「………!」

腕を強化させて刀で受け止める。しかし力負けして地に叩き付けられた。

「カハ…!」

「終わり……だ!」

「紫奥義〈弾幕結界〉!」

橙矢とシヴァの回りに結界が張られて弾幕が放たれる。

「「しゃらくせぇ!!」」

二人の攻撃が結界を破壊した。

「東雲さんまで……」

「八雲さんも邪魔だがお前も邪魔何だよシヴァ!」

下から刀を振り上げるが首の動きだけで避けられる。

「不意打ちかよ!?」

「悪いか破壊神!」

強化した拳で殴り付けるがカリブルヌスの刀身で受け止める。が、大きく後退させた。

「橙!」

「分かってます!」

紫と藍がシヴァに向かい、橙が橙矢目掛けて駆けてくる。

「俺の刀は猫じゃらしじゃねぇぞ!」

振り上げられた鉤爪を腕を下から蹴りあげる事で逸らさせ、腹を殴り付けた。

「ッ!」

空中に身を投げた橙はすぐ体勢を整えると一枚のスペルカードを取り出した。

「仙符〈鳳凰卵〉!」

「スペルか………見飽きたな」

スペルが発動する前に一気に接近すると刀の先を突き出した。

「ッ!」

さすがと言うべきか見事な反射神経で突きを避けた。

「だがそれも想定内!」

刀を持っていない左手を強化させると心窩を掌底でかち上げた。

「――――――!?」

橙の小柄な身体をはいとも容易く吹き飛び、地に叩き付けられた。

「次!」

「―――まだ、だァ!」

橙が再びスペル、化猫〈橙〉を発動させた。そして橙矢に向けて駆け出してくる。

その速さは先程の比ではないほど速い。

「……!」

反応出来ないほど速いが殺気を感じとるだけで避け続ける。

「っざけんな!どんだけ速いんだよ!」

「私のスペル、化猫〈橙〉は発動する度に身体能力が上乗せさせられる!だから藍様には禁じられてるけど今回に限っては許してくれたから……どんどん使わせてもらうよ!」

「させるかよ化猫がッ!」

身体を捻って皮一枚で避けると橙の身体を横から蹴り飛ばした。

「グッ!」

「相手に合わせるのは得意でな」

足を強化して開いた距離を詰める。

「くそ……!」

 

 

 

 

 

『恋符〈マスタースパーク〉』

 

 

 

 

 

橙矢目掛けて光の奔流が放たれた。




スペルなのですが自分の想像でやっているのでたまに腑に落ちない事もあると思いますがご了承下さいm(__)m

では次回までバイバイです!
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