―神の名を引き継ぐ少女―
名前:新郷神奈
能力:無し
職業:高校一年
種族:現人神
補足説明
破壊神シヴァの最愛の女神サティーの生まれ変わりの現人神。実家は田舎にあり、高校から下校中に幻想入りした。勉学は平凡並み。能力は無いということで特に変わったところはないが女神の生まれ変わりということで未だに開花してない可能性が高い。訳が分からないまま東雲橙矢に保護され、さらに周りからは殺されかけているため今は東雲橙矢しか信頼していない様子。
次回はルーミアを描こうと思います。
ではではどうぞ。
「あいつら絶対許さねぇ……!」
落下しながらため息を吐く。
「………いやいや。その前にこのまま落ちたら俺確実に死ぬよな……………」
「死ぬのにはまだ早い気がするけどね」
聞き覚えのある声が聞こえると同時に誰かに受け止められた。
「ぐえ!?」
「あらあら、意外な拾い物ね」
顔をあげると数日前橙矢を拉致した人物がいた。
「幽香……!?どうしてここに……!」
「ふん、チワワちゃんに橙矢を助けてほしいと言われたものでね。仕方無く助けてあげたのよ」
「……………」
「何よその目、疑ってるの?」
「お前本当に幽香か?人の手助けなんてする奴だったっけ?」
「酷いわ。私だって人を助けたりことだってあるのに……………それより」
急に橙矢を抱き締めた。
「ゆ、幽香!?なにして……」
「今からひとつ質問するわ。正直に答えなさい」
耳元でそう囁かれて橙矢は恐怖を感じた。
「は、はひ………」
「よろしい。それで訊問なのだけれど」
「訊問はやめてくれ」
「手配中の新郷神奈、だったかしら。とは貴方どんな関係なの?」
「………新郷と?」
「えぇ、なにやら貴方とかなり親密な関係だとか聞くけど」
「………ただ単に俺があいつを元の世界に帰させようとしてるだけだ。それほど親密な関係じゃねぇよ」
「………そう。ならいいわ」
「じゃあ離してくれませんか」
「却下よ」
「却下ですか」
「さて、それで橙矢。今から貴方を天界に連れて行くわけだけど……覚悟は出来てるかしら?」
「……覚悟?そんなのとっくに……」
「私以上の敵と戦う覚悟は?」
「………ッ」
「………あの駄神は……認めたくないけど私よりも格上よ。そんな相手に貴方はどう挑むつもりかしら?」
「……………」
「けど安心なさい。貴方を見殺しにするほど私は性格捻くれてないから」
「それはどうも。すごく嬉しいよ」
「感情籠ってないわね。落としてあげようかしら」
「すみませんやめてください」
「そんなこと分かってるわよ。早く行くからしっかりと掴まっててちょうだい」
「捕まってるからどうしようもないけどな」
「じゃあ行くわよ」
突然急上昇し、頭痛が走るが何とか耐える。
何十秒経った辺りだろうか。徐々に速度が落ちてきた。
「……………橙矢。そろそろよ」
「いってぇ…………あ?」
見なさい、と幽香が指差した方に視線を上げると幾層にも重なっている雲の塊があった。それは普通の雲と違い、僅かにも動いていなかった。
「間違いないわ。あれが天界。天人が住まうところよ」
「………………あそこに新郷が……」
「シヴァもね」
「分かってるよ」
「じゃあ早いところ乗り込みましょうか。作戦は簡単。私がどうにかしてシヴァを押さえるわ。ただし一分だけ、ね。その間に貴方は新郷神奈を見付けなさい。そしてそこから全力で逃げるわ」
「珍しいな。死闘好きなお前が逃げるなんて言葉使うなんて」
「残念だけど始める前からと勝敗が決している戦いは避けるようにしてるの」
「………なるほどな」
幽香は深呼吸すると行くわよ、といって上昇を始めた。しかし目の前にスキマが広がる。
「やっぱり来たわね………!仕方無いわ……橙矢、貴方は一人で行きなさい!」
スキマを躱すと天界に向けて橙矢を投げた。
「は!?ちょっと待てよ!」
橙矢の抵抗虚しく天界に突っ込んでいった。
「悪いわね。ちょっとばかし予定が狂ったわ」
そう言ってスキマから出てきた紫に光の奔流を放った。
「風見幽香……!やってくれたわね……!」
結界を張って防ぐ。
「久しいわね。貴方は先程シヴァにやられたって聞いたけど?」
「確かにやられたわ。けど重症と軽傷のスキマを操ればすぐよ」
「そう言うよく分からない話は亡霊にだけしてくれるかしら」
「それよりも退いてくれるかしら。今は貴方の相手をしている暇はないの」
「奇遇ね。私も同じことを思っていたところよ」
傘の先を紫に突き付けると妖力を辺りに発散させる。
「……八雲紫。貴方には昔世話になったわね。何度も己が死にかけるまで戦い合って……けど貴方はそれを放棄した。これほどの苦痛を私は感じたことはないわ。もちろん今でもね」
「…………貴方ほど暇じゃないのよ私は」
「………でも今はそんな事どうだって良いわ。何故だかわかる?」
「そんなの知るはずないじゃない」
「理由はふたつ。ひとつは橙矢が私の前に現れてくれたこと。そのおかげで死闘を繰り返して出来るようになったわ。そしてもうひとつは、今貴方が……目の前にいるからよ」
突如放たれたマスタースパーク。
「ッ!」
ギリギリで避けると横から幽香に蹴り飛ばされた。
「いつの間に……!?」
「まだ行くわよ!」
次いで上から聞こえる。身体を後ろに投げ出すと目の前を傘が振り下ろされた。
「〈不可能弾幕結界〉……!」
幽香の周りに結界が張られて弾幕が飛び散る。
「こんな結界…!」
殴り付けて破壊した、瞬間顎を膝でうちあげられる。
「ぐ……!」
蹴りつけられた足を掴むと真上に上げ、振り下ろすと同時に足を振り上げて腹を蹴り上げた。
「カハ……ッ」
横から傘を振り抜くが同じ傘で受け止められる。それをいいことに光の奔流を放った。
下にスキマを展開させて落ちると幽香の後ろを取り、弾を凝縮して幽香の背中に捻り込ませた。
「チィ!デュアルスパーク!」
幽香の横にもう一人の幽香が顕現すると紫に向けて発射する。
(この距離はさすがに……ッ!)
スキマを展開してそこに突っ込ませると反転させて返す。しかし幽香は掌で受け止めると紫に接近する。
「そろそろ準備運動もいいかしら」
「………そうね」
「それじゃ行くわよ!」
幽香が一瞬で懐に潜ると回し蹴りを肩口に決める。
「甘いわね……!」
回転して衝撃を受け流すが、紫を蹴った足で首もとに踵落しをした。
「――――――!」
「弱くなったわね八雲紫」
「嘗めないでちょうだい!」
「〈幻想郷の開花〉」
幽香がカードを掲げると宙に花が咲くように弾幕が広がる。
「面倒ね……!ここは……中央突破よ!」
弾幕の中に少しの隙間を見付けると猛スピードでそこに突っ込んでいく。
「ハッ、引っ掛かったわね八雲紫!」
傘の先を紫に向けた。
「罠……!?」
「マスタースパーク!」
「多重結界!」
咄嗟に張った結界が光の軌道を僅かに逸らした。
「外した……?」
スキマを使い、幽香の背を取ると脇腹に傘を突き刺す。
「ッ!?」
すぐさま幽香は筋肉に力を入れて抜けさせないようにすると振り向いて殴り付けた。吹っ飛びそうになった紫の腕を掴んで引き寄せると足を払い、半回転させて首を蹴り飛ばした。
「グ………」
「もうこれで終いかしら!?」
体勢を整えた紫に接近していく。が、紫は一枚のスペルカードを取り出す。
「廃線〈ぶらり廃駅下車の旅〉……!」
紫の真横に巨大なスキマが開くと電車が幽香に迫る。
「ッ!」
まともにぶつかり、吹っ飛んだ。
幽香からしてみれば電車は鉄の塊としか認識出来ないだろう。なにしろ幻想郷には電車なんてもの走ってないのだから。
「なんなのこの……鉄の塊は!!」
「外の世界の科学力よ」
三度吐き出される鉄の塊を受け止めた。
「嘗めるなよ………八雲紫ィ!!」
回転してスキマの中から全て引き抜くと次に出てくる電車に叩き付ける。鉄がひしゃげて金属音が響くが今の幽香にとってはどうでいいことだ。
「この馬鹿力が……!」
「誉め言葉として受けとるわ!!」
電車を真っ正面から殴り付けて破壊し、さらに紫目掛けて投げ付けた。
(マズイ……!)
スキマを展開して吸い込む。
「ハァ……ハァ……。あんたなんかよりも……やっぱり橙矢と殺り合う方が楽しいわね」
「………東雲さん、ね。風見幽香、貴方あの人が今何をしでかしているか分かってるの?」
「………知ってるわよ」
「それでこの行動かしら」
「当たり前でしょ?あんた何かの手伝いはこっちから願い下げだわ」
「生憎とこっちも定員オーバーでね。さらには年齢制限もあるから」
「じゃああんたはまず間違いなく弾かれるわね」
「…………………」
「あら、怒っちゃったかしら?けど事実だし」
「…………………やっぱり貴方とはお友達になれそうにないわね」
「それはこっちの台詞。何時何処で見ているのか分からない奴とは顔も合わせたくない」
「じゃあこれでお互いの殺傷与奪権は成り立つ………結局はこうなるのね」
「悪いけど今の貴方に勝機は微塵も無いわ。諦めて降伏したら?」
「諦めは悪い方なのよ」
「それよりも終わらせるならお互い早めの方がいいでしょう?」
一枚のカードを紫に突き付ける。対する紫もまた幽香に突き付けた。
「これがラストスペルね」
「じゃあねスキマ妖怪さん。それなりには楽しめたわ。………………スペル」
「私もよ花妖怪さん。スペル」
口を歪めると同時にスペルを発動した。
「――――デュアルスパーク!!」
「――――紫奥義〈弾幕結界〉!!」
はてはて、このあとすぐに番外編を投稿させて頂きます。良かったらそちらもどうぞ。
では次回までバイバイです!