東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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今回はルーミアを描かせて頂きました。ダークなルーミアを描いたつもりでしたが……描けてます?いや白黒なだけにダークもくそもありませんが、、


【挿絵表示】


ではではどうぞ。



第八十六話 天界

幽香によって投げ飛ばされた橙矢は雲の中に突っ込んでいき、天界へと進入した。雲を突き抜けると何か背に硬いものが当たった。

「ってて……あの野郎本気で投げやがって……」

身体を起こして下を見ると雲に床が敷かれてあった。

「…………ここが天界?」

顔をあげて辺りを確認すると唖然とした。何もかも崩れていた。

「なんだよこれ………。酷い有り様だな」

何処へ行くか迷い、結局そのまま真っ直ぐ進むことにした。

「………ん?あれは」

何か見え、目を凝らすと何か建物が見えた。それはなにやら崩れていないようだ。

変な豪華な装飾がされている辺り何処かの貴族が住んでいるのだろう。

足を強化させてひとっ飛びでその建物の屋根に乗ると首を傾げた。

さらに奥に道が続いている。しかもそれは一本道になっていた。

「………これは進むしかないよな」

そう言って屋根から飛び降りるとその一本道を駆け出す。

「これで間違ってたら、ここの建築士潰す」

呟くと視線を鋭くして床を踏み砕いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペルが相殺して互いが吹き飛んだ幽香と紫はもはや弾幕ごっこなどという狭い範疇を越えて殺し合いを始めていた。

「いい加減くたばれ!」

下から殴り上げた幽香は続くように腹を蹴り飛ばす。

「それは貴方よ風見幽香……!」

体勢を整えると真横に弾幕を放ち、幽香に突撃していく。

「残念ながら私はそう簡単にくたばらないわよ!」

拳を受け止めたと同時に横から先程紫が放った弾幕が直撃する。

「………!」

吹っ飛ぶが傘の先を紫に向けて光の奔流を放った。

紫がスキマを開いてその中へ光の奔流を入れようとする。

「筋書き通りにはいかせないわ!」

スキマに吸い込まれる寸前に爆発して紫の視界を奪う。

「う……!」

「隙だらけよ八雲紫!」

背後から声が聞こえると鈍器で殴られた。

「グ……!」

慌てて背後を向くが幽香の姿は見えなかった。

「何処へ―――――」

「目の前よ」

「ッ!」

下から顎に膝蹴りでカチあげられる。続いて首を掴まれて顔面を殴られた。

「………ァ」

「まだいくわよ!」

腹を蹴り上げ、逆足で背に踵落としして投げ飛ばし、マスタースパークを放った。

紫はスキマを開かせようとするが間に合わずまともに喰らった。

「……………ッ」

勢いよく地に叩き付けられて紫は酷く咳き込んだ。

「ゲホッ、ゴホッ!……中々手厳しいわね」

ゆっくりと立ち上がって前方に着地した幽香を睨み付ける。

「どうして…………昔の貴方はそんなに強くなかったはず……!」

「昔の話よ。今の私はあの一人だったときとは違う。……スーさんや橙矢がいる」

「………凶悪な花妖怪も男を知れば乙女になる………面白いわね」

「面白いって……別に好きに言いなさい。どうせ貴方は今すぐ死ぬのだから」

髪の毛を掴んで起き上がらせると額に傘の先を付けた。

そこから光が収束していく。

「さようならスキマ妖怪」

躊躇なく光が放たれた―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(―――目の前で殺されるのは好きじゃないからな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!」

放つ寸前橙矢が言った言葉が脳裏をよぎり、傘の先端を真下に向けた。

地が抉りとられて衝撃で紫を吹き飛ばした。

「何を………」

「………ふん、橙矢に感謝なさい。……それともうあの人の邪魔をするな。今度は確実に殺す」

幽香を視線が紫を貫く。それだけで紫は恐怖を感じた。

「………………どうして貴方は東雲さんの為にそこまでするの……?それが分からないわ」

「そこまで説明しなきゃ分からない?……まぁ良いわ。いずれ分かることよ」

そう言うと幽香は多少フラつきながらも天界向けて飛んでいった。

「………ごめんなさい霊夢……貴方の仇は東雲さんに任せるしかないようね……」

呟くと紫はその場に崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長く続いた道の奥に宮殿が建てられてあった。

「……なんだあれ」

近付くにつれて重力が増したような重圧が橙矢にのし掛かる。

「…………ッ!間違いない……この先に……」

足を強化させて扉の近くまで来ると深呼吸する。

「…………よし、大丈夫だ」

扉に手をかけるとゆっくりと押して開く。中はだだっ広く、余計な装飾が無い。

――――そこには

 

 

シヴァがいた。

 

 

 

「よく来たな東雲橙矢。待ちくたびれたぞ」

「………新郷は何処だ」

「まぁそう急くな」

「何処なんだ………ッ!」

殺気を籠めた視線で睨むと戯けるように肩を竦めてカリブルヌスを顕現させると虚空を薙いだ。すると空間が破壊されて新郷神奈が姿を現す。

「新郷!」

「おっとそこまでだ」

神奈に駆け寄ろうとしたがその前にシヴァが立ちはだかる。

「何処まで邪魔すれば気が済むんだこの駄神……!」

「それはこちらの台詞だ東雲橙矢。神に匹敵する力を手に入れたようだが……身体は所詮半人半妖……くたばり損ないが」

「だからなんだ……!てめぇを殺すくらいわけねぇよ!」

天叢雲剣を鞘から引き抜いてシヴァに突き付ける。それをシヴァは冷ややかな視線で受け止める。

「……俺を殺したら我が妃も死ぬが?」

その時橙矢の口が吊り上がった。

「悪いがその解除方法は知ってる」

予想外の言葉にシヴァは目を見開いた。

「ほぅ……。それはそれは。だが調べる時間はいつあった?私の存在を知ってから貴様が休まる時はなかったはずだ」

「生憎紅魔館で働いていた時にそこの図書館で見付けたんだよ」

「………………」

「けどそれは図書館の主が独自に見つけ出したものだからな。お前は知らないだろうな」

「パチュリー・ノーレッジか……。先に消しておくべきだったか」

「安心しろよ。その前に殺してやる」

「東雲さん……!」

シヴァが目を離した隙に神奈が橙矢に駆け寄る。

「………新郷」

「東雲さん!無事だったんですね!」

「……それは俺が言うことだろ」

肩に手を置くとそのまま横を通り過ぎてシヴァに歩み寄る。

「新郷、下がってろ。危険だからな」

「待ってください」

橙矢の手を掴んで止めた。

「……どうした?」

「……東雲さん。……私の事はもう気にしないでください。シヴァを殺してください。この世界を護るためだったら……この命惜しくありません」

「…………馬鹿言え。さっき言ったろ?お前とシヴァの繋ぎの切り方を知ってるって」

「ですが………」

「………待ってな。すぐ終わらせる」

頭に手を置いて少し荒めに撫でる。視線を鋭くして再びシヴァに向かう。

「………別れの挨拶は済んだか?」

「……そっくりそのまま返すよ駄神」

「ならよし。未練を残されてちゃ殺しにくいからな」

地に刺さっているカリブルヌスを片手で持ち上げると肩にかける。

「じゃあ未練ありまくりで」

「却下だ」

「言うと思ったよ」

二人は同時に口を三日月に歪めると同時に地を蹴った。

同時に天叢雲剣とカリブルヌスが激突する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂に東雲橙矢とシヴァが激突した―――――

 

 

 

 

 

 

 




次回からは少しばかり更新が遅れるかもしれないです。

では次回までバイバイです!
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