東方空雲華【完結】   作:船長は活動停止

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この前描かせて頂きました新郷神奈のリメイク版だと思ってくれればいいです。
えぇあぁはい。予測通り下手です。


【挿絵表示】


ではではどうぞ。


第八十八話 最後は君と

カリブルヌスが心臓を貫いて橙矢は目を見開いてカリブルヌスを見下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――神奈の心臓を貫いて橙矢の目の前で止まっているカリブルヌスの剣先を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――――に、新郷………?」

神奈はゴフッ、と大量の血を吐くとカリブルヌスが抜かれて橙矢に倒れ込んでくる。慌てて受け止める。

「な………ぜだ……我が妃……。なぜ貴様が……」

シヴァは後ずさってへたれこむ。

「………ふふ……ざまぁみなさい………」

震える手で橙矢の頬を包む。

「しの……のめ……さん、無事で………良かっ……た………」

「新郷!?何して…………ッ!?」

「ごめん……なさ……い…、…けど…東雲さんが…………死ぬのは嫌……だから……」

「馬鹿野郎……ッ!そんな理由で俺を庇うんじゃねぇよ……!」

神奈の身体を抱き締めてどうするか頭を働かせる。しかしこんな時に限って案は思い浮かばない。

「ふざけるなよ…!待ってろ新郷、今すぐ永遠亭に連れていくから――――」

立ち上がろうとするが神奈に止められる。

「おま、何して…!」

「私が死ねば………あの神様も……死ぬのですよね………?だとしたら……このままで……」

「ッ!?そんなこと許容出来るかよ!なんで俺なんかを……!」

「……………お願い……します……。このまま……貴方の腕の中で…………」

「やめろ………」

「………私…この世界に………迷い込んでから貴方に……東雲さんに最初に……出会えて……幸せでした」

「やめてくれ……ッ」

徐々に神奈の顔から血の気が無くなっていき、体温も感じられなくなってきている。

「………東雲さん、短い間でしたが………ありがとう……ございました……」

一度止めるとケホッ、と血を吐くと続けた。

「……東雲さん………そんな顔つきしないでください…………」

「にい……ざと………」

「……だから最後は貴方の………笑顔を……見たかっ……た…―――」

しかし途中で神奈に身体が糸の切れた操り人形のようにプツリと橙矢の腕の中で崩れ落ちる。

「…………新郷?お、おい新郷………。なに寝てるんだよ………」

身体を揺らすがおきる気配がない。

「……嘘だ……やめてくれ………新郷……………」

頭を抱えて蹲り、嘘だと連呼するが現実は変わらない。

「……ァ…アアァ…………アアアアァァァァ……!嘘だアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ―――――!!」

喉から血が出るほど叫ぶが今の橙矢にとってはそんなの痛みにすらならない。

「アアアアァァァァァァァァ………嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。………新郷が………やめてくれ……………」

「―――――どういう……ことだ……」

「――――――――――ッ!?」

顔を上げるとそこにはシヴァがよろよろとよろめきながら立ち上がっていた。

「シ………ヴァ…………?どういう……」

「………俺にだって分からねぇ………もしかしてまだ生きてるのか!?」

「ッ!」

すぐさま反応して心臓にあたる部分に手をあてる。

………しかし事実は覆らなかった。

「…………………テメェ……」

「……待て東雲橙矢。それよりも俺がどうして死んでないか考えてみろ」

「…………まさか……あの術式は……成功していた………」

だとしたら合点がいく。そこで橙矢はもっと重要な事に気が付いた。

魔方陣は成功した時のみ発動させる事が可能。それ故に発動してすぐに効果が現れる。

つまり橙矢が発動させた瞬間からシヴァの命と神奈の命は分けられていた。

「………………………ッ」

「貴様………ッ!」

破壊神の顔が怒りに変わる。

対する橙矢は俯いていただけだった。

「……………………」

「俺のせいだ………俺が……」

違う。殺したのはシヴァ、少なくともお前じゃない。

「俺が……我が妃を………」

「………………………違う」

「……何が違うんだ東雲橙矢………」

「…………お前じゃない。殺したのは」

「何を腑抜けたことをほざいてやがる……!」

「…………護れなかった俺の所為でもある。いや、けどな………」

「………そうだな。それもある………やっぱりそうなのか……………我が妃が死んだのは…………」

両方はそれぞれの武器をそれぞれの獲物に向ける。

「お前(貴様)のせいだアアアアァァァァァァァァ!!」

聖剣を振り翳して一気に叩き付ける。

その衝撃だけで龍神の間が崩れ落ちてくる。さらにシヴァの能力で天界全てにその波紋が広がる。

「オオオオォォォォォォ!!」

「アアアアァァァァァァァァ!」

シヴァが橙矢を押し返すが橙矢はカリブルヌスを掴むと下から殴りあげる。捻ることによって抉る。

シヴァがそれに耐えて橙矢の顔を掴むと地に叩き付けた。しかし足でシヴァの頭を蹴り抜いて天叢雲剣で裂いた。

「…………!」

「もう迷う必要はねぇ………!俺は、何をしようと、どんな手を使ってでも…………シヴァ。お前を、神を殺すッ!!!」

腕の力だけで身体を宙に浮かせると下から蹴りあげて首を踵で蹴り飛ばした。

「調子に乗るな東雲橙矢!!」

首の筋力で蹴りを止め、足を掴むとカリブルヌスを振り下ろす。それを天叢雲剣で弾くと身体を持ち上げて捻り、横っ腹を蹴りつけると手を放させてさらにもう一度蹴りつけて距離を離した。

「東雲橙矢!貴様は……俺の生涯全てをかけて殺してやる………!」

「勝手に言ってろ駄神――――!!」

同時に駆け出すと互いの得物を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスタースパーク!」

声と共に寅丸星目掛けて光の奔流が放たれる。

「中々手厳しい………!」

聖輦船の甲板では未だに弾幕ごっこが続いていた。さらに村紗側に幽香が加勢してきたため寅丸側は徐々に劣勢になりつつあった。

手に持っていた宝塔から同じような光を放つ。

「悪いね星さん!」

横から村紗が現れるとスペルカードを取り出す。

(マズい今このタイミングで放たれるスペルは………!)

「転覆〈撃沈アンカー〉!」

村紗の背後から錨が飛んできて星を吹き飛ばす。

「…………!」

船から押し出されるが宙に浮く。直後、

「恨弓〈源三位頼政の弓〉」

待機していたぬえがスペルを宣誓した。

「寅符〈ハングリータイガー〉!」

虎を模した弾幕が飛んでいき、ぬえのスペルと相殺させた。

「雲山!頼むわ!」

一輪が雲のおっさんに声をかけると村紗に駆け出す。雲山は頷くと幽香へと飛んでいく。

「あんたみたいなおっさんが来るところじゃないわ!」

弾幕を放って消し飛ばすがすぐに再生して幽香に襲い掛かる。

「鬱陶しいわね!」

傘を叩き付けるが空を切るだけだった。

「術者をやるしかないようね!」

村紗は突き出された一輪の拳を避けて足を払う。それを片足を上げるだけで避けると廻し蹴りを入れる。

「弱い!」

足を掴むと甲板に叩き付けた。

「か………!?」

「少し黙っててよ一輪」

「一輪!」

椛と激戦を繰り広げていたナズーリンが村紗に迫る。

「ッ!」

振り上げたダウジングロッドと錨が激突する。

「くそ……!」

悪態をついて一旦離れると同時にナズーリンに光の奔流が放たれた。

「うぁ……!」

吹き飛んで聖輦船の中へと突っ込んでいった。

「残るは星さんだけだよ!」

「………………」

幽香は黙ってふと上空を見上げる。すると目を見開いた。

「行くよ星さん!」

「待ちなさい船長!」

「何よ!」

村紗は錨を構えたまま振り返る。

「今すぐにここから船を離れさせなさい!」

「…………何でよ」

「天界が崩れてるわ!」

「え……!?」

慌てて上を見ると幽香の言う通り天界が崩れて聖輦船に落ちてきていた。

「でも天界にはまだ橙矢が……!」

「私が行くわ!」

幽香が宙に浮くと天界目掛けて飛んでいく。が、すぐに幽香に落ちてきた何かを受け止めて上昇を止めた。

「何よこれ………」

「ッ!幽香それ人だよ!」

下にいる村紗が緊張感を帯びた声で叫ぶ。

「人?天人かしら」

起こして顔を見ると驚愕した。

 

 

 

 

 

 

 

 

その人は新郷神奈だったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 




明日はどう過ごそうか……。

では次回までバイバイです!
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